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2024年3月の読書メーターまとめ

kuukazoo
読んだ本
10
読んだページ
2827ページ
感想・レビュー
10
ナイス
235ナイス

2024年3月に読んだ本
10

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

kuukazoo
謎の死を遂げた女性の遺品のパソコンにあった何もない田舎町にまつわる6つの怪談。謎解きに挑むのはオカルト好き男子、優等生女子、転校生女子の小6トリオ。しばらくぶりのミステリ小説(初読み作家)でこのパターンはアレでしょとかありがちとか思ってたらまんまとミスリードされてしまった。自分の頭の中の物語テンプレのつまらなさを突きつけられた感。面白く読みました。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
10

kuukazoo
平安時代の浄土教について知りたかったのだが、空也や源信についてはさらっと触れるくらいでメインは法然&親鸞。抽象的な宗教の理念や教義を解さない庶民に信仰を広めるための念仏や物語の役割というのはわかる。どっちかといえば仏教学寄りの内容だったので民衆と浄土教みたいなことを知りたかった自分にとってはやや違う内容だったがそれなりに勉強になった。実家は浄土真宗でご家庭用の経本があり折々に仏壇を前にして「南無阿弥陀仏」をいろんな節回しで繰り返すルーティンがなされたのだったが、あれが「称名念仏」かと納得した。
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年度末の疲れと不安定な天気のせいで心身不調の時に読めたのはよかった。鬱の波が来た時のお守り本、しんどかった時に読んで心が救われた本など、鬱or憂鬱と読書のエピソード84人分。ミュージシャン歌人詩人漫画家文筆家多め。1人見開き2ページなので重くなく読める。さりげなくためになる言葉も見つかる。挙げている本はそれぞれで日野啓三の『天窓のあるガレージ』とか永井陽子の歌集とか個人的にぐっとくる。『鼻行類』に心癒される人もいるのか!と驚いた。ややドン退きする話もあったがこの事実自体に救われる人もいるのかもしれない。
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リスニングで単語は聞き取れてもスピードについていけずつながりがわからなくなって置いてきぼりになってしまうのは、リーディングのスピードが遅いから、というのは常々感じているので読んでみた。頭から訳していくのはやっているので、これからは「定型表現や構文をカタマリとして捉える」「慌てず述語動詞(V)を待つ」などを意識しようと思う。動詞や名詞による構文の予測とか文脈から先読みするというのは高等技術すぎて無理。がんばる。
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kuukazoo
都内の公園のテント村に長く住んでいたホームレスの女性「小山さん」が遺した80冊のノートを有志の女性たちが8年かけてテキストデータ化し抜粋、1冊にまとめた。アパートを出て公園に住み始めた1991年から2004年の記録。一緒に暮らす男性のDVやテント村という男社会コミュニティの圧に苦しみ、そういうものからやっと離れられても生活の困窮は増すばかり。そんな中でもお金が入れば喫茶店に通い「ノートと共に過ごす」ことで自らを支え続けてきた。そして音楽と踊りも彼女の生きる力になった。そのことにただ感銘を受けた。
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子の年齢は違えどお二人とも子育て真っ只中なので、どうしても子どものこと、そして家族のことがメインとなり、読む側としても自分の来し方を振り返ることが多かった。植本さんは子どものことを語ることが自分を語ることになっててちょっと辟易。滝口さんが「書く」ことについて小説やエッセイや日記などそれぞれ違うと感じること、なぜ小説なのかを毎回なにかしら書いてて興味深かった。あと「車の免許を持ってないのに車の運転をしなきゃいけないシチュエーションの夢をよくみる」仲間と知って嬉しい(でも免許はとったそう)。
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kuukazoo
KADOKAWAのトランスジェンダー本の出版中止絡みでついった(X)で目にした桐野夏生の論考「大衆的検閲について」の要約で取り上げられていたので読んでみた。危機感を訴えるのが目的と思うので情け容赦がなく読んでても読み終わっても辛いが一気に読めてしまったのはさすがの力量であった。
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kuukazoo
『酒をたべる』のデラシャの近くに住むコンソもチャガというビール(5%)が主食。チャガは一回で大量に作るが保存できないのでお食事時にはその日チャガのある家に村人が集まり「買って」飲むという共食が日常である。山の頂上の集落に密集して住みプライバシーはゼロ。斜面に畑を拓き土器作りは女性、機織りは男性がやる。また金銭感覚が発達している(つまりケチ)。コンソは農耕社会だが「余剰や富の蓄積→支配被支配構造」になっていないことの考察は興味深い。潜在的にライトな相互監視社会的な要素が大きいかもというのは複雑な気分である。
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自分ではどうにもならない理不尽な状況の中で溜め込まれた思いが人や関係や記憶も歪めていく。語り手の数だけ物語があり、何が真実かよりも「あなたがそう言うのならそうなんだろうね」とその物語に耳を傾けることしかできない。解りたい心がまた物語を生む。ヨンヒョンが大好きだった干したミカンの皮のお茶はわたしを少し幸せな気分にさせてくれた。それは誰の記憶なんだろう。「恨(ハン)」という感情は誰かへの恨みや復讐心ではなく、様々な感情が入り混じったものであることを初めて知った。
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kuukazoo
ナルシシズム自体は悪いものではなく成熟しているか否かが重要であり、ナルシシズムは人生を通して充足・成長させていくものだというのが、自分にとって新しい見識だった。それはやはり幼少期の(親を中心とした)人との関係のあり方にかかってくるのだが、現代はそのバリエーションが少なくなってしまったこともありなかなか難しいらしい。「ナルシシズムの生態系」という表現が言い得て妙だった。あと挨拶や礼儀の効用など。加齢のせいか承認欲求(認められたい)も所属欲求(群れたい)も薄まった気がして楽かもと思ってたが、違うのかな...?
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kuukazoo
謎の死を遂げた女性の遺品のパソコンにあった何もない田舎町にまつわる6つの怪談。謎解きに挑むのはオカルト好き男子、優等生女子、転校生女子の小6トリオ。しばらくぶりのミステリ小説(初読み作家)でこのパターンはアレでしょとかありがちとか思ってたらまんまとミスリードされてしまった。自分の頭の中の物語テンプレのつまらなさを突きつけられた感。面白く読みました。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/20(4420日経過)
記録初日
2012/03/17(4423日経過)
読んだ本
1123冊(1日平均0.25冊)
読んだページ
281137ページ(1日平均63ページ)
感想・レビュー
1123件(投稿率100.0%)
本棚
4棚
性別
外部サイト
自己紹介

都内で書店員として結構長く働いた後、貧弱なIT能力と文章力で世間をだまくらかしながら糊口をしのいでおります。何事もその場しのぎと辻褄合わせの人。

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