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8月の読書メーターまとめ

Millet.K
読んだ本
20
読んだページ
6290ページ
感想・レビュー
20
ナイス
2006ナイス

8月に読んだ本
20

8月のお気に入り登録
1

  • かとめくん

8月のお気に入られ登録
4

  • みき
  • 宇宙猫
  • かとめくん
  • RYU萌児路(YASHIRO)

8月のトップ感想・レビュー!

Millet.K
“すべては孤独ゆえ”(参審員 P23)冒頭作から急所を突かれた。欠陥品、異物、異形、疎外者、そして人間の真ん中に在る圧倒的な孤独感に何度も抉られる。『罪悪』『犯罪』は不条理に泣き笑う作品も見られたが、さらに絞れているのではないか。本作でも、個人的に信頼する法学出身者の想像力を堪能できる。表現は簡潔にして豊饒。無駄がないのに無味乾燥とはほど遠い。果てのない透明な深淵を見せつけられた思いだ。美しく、底なし沼より怖しい。あまりに素晴らしく、当面この作家の長編には手をつけるまいと誓う。毒毒度:8 おあと6057冊
Millet.K
2020/08/18 11:03

“だれかに電話をかけたいと思ったが、だれも思いつかなかった。クロイツベルク地区にあるトルコ人の菓子店へ行って、砂糖とレモン果汁とローズウォーターとピスタチオが原料のカラフルなサイコロ状の菓子〈サヨナキドリの巣〉を買った。店には、丁寧にアイロンをかけた白いシャツを着た少年がいた。少年はショーケースの菓子に見とれていた”(奉仕活動 P186)セイマが選んだちがう生き方。弁護士として初めての、大きな刑事訴訟手続き。判決のあと、故郷の言葉を聞いた。

Millet.K
2020/08/18 11:03

“海の見えるその庭で、私は生まれてはじめてレモンの木とオレンジの木を見た。私は噴水のそばに車を止め、邸のそばをとおって庭に入った。リヒャルトは小さな四阿の中で、籐椅子にすわっていた。格子柄の毛布が膝にのっていた。すぐそばのテーブルに、紅茶の道具一式と焼き菓子とマルメロの枝を活けた花瓶が置いてあった。四阿の横には、ブロンズの天使像が”(友人 P206)再会はなつかしいノルマンディにある邸だった。子ども時代に一番仲が良かった友人リヒャルト。再会の数ヶ月後〈私〉は書くことをはじめた。

が「ナイス!」と言っています。

8月のトップつぶやき!

Millet.K

雨ばっかり。シリーズと読友オシを何冊か。おかげさまで未訳ランズデールも読めた、ありがたや。さて別世界ではカレンダー発表になったが、うーん。。。◼︎写真:T市にて2008年撮影。宿場で門前町で軍都ときたらないわけがない遊里跡。街路燈と看板は撤去された。2020年7月の読書メーター 読んだ本の数:19冊 読んだページ数:6122ページ ナイス数:1819ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly

雨ばっかり。シリーズと読友オシを何冊か。おかげさまで未訳ランズデールも読めた、ありがたや。さて別世界ではカレンダー発表になったが、うーん。。。◼︎写真:T市にて2008年撮影。宿場で門前町で軍都ときたらないわけがない遊里跡。街路燈と看板は撤去された。2020年7月の読書メーター 読んだ本の数:19冊 読んだページ数:6122ページ ナイス数:1819ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly
Millet.K
2020/08/03 06:22

G県の旅館はもしかして市全体が観光地なのでは? であれば、元遊廓をウリにしたくないお気持ちもわかります。書籍はあいにく手にとっておりませんが、表紙の建物までは行きました。自分はどちらかというとカフェー建築に興味があり探索しておりましたが、さすがに「隠された」遊里も残り少ないように思います。

ミカママ
2020/08/03 06:50

そうです、市全体が観光都市です。外人さん(白人系)も多かった。表紙の旅館、行かれたんですねぇ、いいなぁ。

が「ナイス!」と言っています。

8月の感想・レビュー一覧
20

Millet.K
“集合精神? 冗談じゃないわ。それほど退屈で不愉快なものなんて”(P203)猛威をふるうアイネイアー・ウイルス。〈懸空寺〉でエイリアン・クイーンと化したネメスに挑むロールくん絶体絶命てな見せ場やゼロGでのSEX、死んだはずのあの人やあの人との再会も。ちょいあわただしすぎるが、これ以上頁を増やすならホントは、狩りから戻らなかった領事の物語とアイネイアー母の物語を読みたい。とまれ、18年ぶり再毒企画が終了。グレゴリウス軍曹の忠誠心とペットの鮫の名がケイゴ!なイソザキに一票ずつ。毒毒度:5 おあと6046冊
Millet.K
2020/09/02 19:37

“おなかがへってるでしょ」質素なパンの塊をスライスしながら、アイネイアーがいった。粘着性のゼロG作業台には、犛(ボウ)のチーズのほかに、ラップでつつんだローストビーフや” “バルブいりのマスタード、〈天山〉産の発泡酒のバルブ数本が置いてあった。食べものを見たとたん”(P315)ネメスとの死闘から二週間、目覚めた場所は…あっと驚く宇宙空間だった。じつは森霊修道会とアウスターとが協力し、一千年もの間バイオスフィアを築き上げていたのだという。

Millet.K
2020/09/02 19:37

“盲者の心の目には、常人の三倍もものが見える”(P697)という詞と、発売日の昼休み収穫に奔った銀座K文館の栞の “わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです”という2コリント4:18がオーヴァーラップしたのも初読時の思い出。そういえばK文館の栞以外にwanofuのショップカードが挟んである。はて、ランチに行ったかな?

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“保育器は…なかに空気が残っていて、はげしく燃えつづけていて…おれたちはとうとうたまらなくなり、外部聴音器を切りました。その場にいた全員がです。それなのに、おれたちの耳には、遮蔽フィールドとヘルメットを貫いて、赤ん坊たちの泣き叫ぶ声が”(P289)グレゴリウス軍曹の告解に号く上巻。語り手は変わらずロール・エンディミオンだが、場面と視点の変化が目まぐるしい。登場人物表自作が畢竟だ。創元育ちからすると、ハヤカワSF文庫に登場人物一覧がないのには納得でけん(『氷と炎』には一応あるが)毒毒度:5 おあと6047冊
Millet.K
2020/09/02 18:40

“アムリッツァーは辺境の奥深く、ソルメフ・スケールで居住限界ギリギリの惑星だもの”(P602)『銀英伝』読者ならモチロン〈アムリッツァー〉に反応するだろう。初毒時、をを! となったのも懐かしい。ちなみにシモンズは実在する地名を使っている。

nagatori(ちゅり)。
2020/09/02 19:16

をを!となりました!13艦隊がどこかに隠れていそう(笑)

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
長編『コリーニ事件』毒了後の再毒は全編音読で。漢字かなバランスが良く、見開きの見た目もうるわしく、記憶しやすい。加えて読友さんの「声に出して読みたいドイツ語」カテゴリーに殿堂入りと知ったからには、いよいよシーラッハを原書で読まねばなりますまい。BGMにはマーラーなのだとか。5番かな? わが家には長岡鉄男設計D-58という猫に小判的なスピーカーがあるが、ユニットを図書館長(茶トラ♂)に破壊されて久しく…ああ早くドイツ語で読みたし。届くのは9月か10月か〜おあと6048冊
C12H18N2O2
2020/09/09 21:12

マーラー、5番かと思いきや4番の第3楽章です(謎のピンポイント)! "Ruhevoll"なはずなんですけど、初めて聞いた時にヒェ〜っ死の匂いがするよォ〜ってなってしまって、以来シーラッハのテーマソングになりました。原書、楽しんでくださいね〜

Millet.K
2020/09/09 21:19

C12H18N2O2さん!マラ4第3楽章ですか〜了解です。死の匂い嗅がねば。ドイツ語の小説ははじめてのおつかい状態です。楽しめるかは・・・

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“部屋を満たしているのはダンカンの寝息ではなく、母猫が喉を鳴らす低い音だった”(P149)育児休暇から復帰すると席はなく、発音もできないホルボン署に左遷されたキンケイド。管轄の駅で爆破テロが起き…交際持続中のシリーズ最新作。表題が破綻して久しいが、毒了してみれば本作はそう遠くもない。元上司と部下、それぞれの継子&モフとの暮らし。被害者の遺児を養女に迎え、事件を通じて友人ができたりも。本作ではモフ大増殖。動物と子どもの直感は信じるべし。大団円と思いきやええっこれって〜はよ続きを。毒毒度:2 おあと6049冊
Millet.K
2020/08/28 16:22

“カウンターに並ぶタップのひとつはアメリカのシエラネヴァダ・ビール。これがこの店を好きになった理由のひとつだ”(P135)“ウェイトレスがキッチンから戻ってきた。湯気の立つステーキパイのまわりに緑の野菜がきれいに並べられ” “すばらしい。きみは今日のMVPだ”(P137)現在の部下とは今ひとつ。警部補には一方的に嫌われている。かつてジェマと語り合い考えをまとめたりもしたが、今は負担をかけたくない。そんなところに元部下ダグから電話が! さっそくパブで待ち合わせる。

Millet.K
2020/08/28 16:22

“ヨークシャープディングはウェズリーとキットの作品だが、アーガを使って完璧なローストを用意したジェマは得意満面だった。天気が前日に変わり、何ヵ月ぶりかの好天に恵まれた。ポートベロ・マーケットで買い物をすませたあと、テーブルにチューリップを飾り、野菜もローストした。ジェマの宝物のクラリス・クリフのティーポットも、久しぶりの出番を待ってキッチンに控えている。しかし、大人には先にプロセッコだ”(P494)白のスパークリングで乾杯! 14歳のキットもグラスに半分もらった。英国製オーブンAGAが活躍している。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
ネタバレ“さっそく殺人事件の担当とは、めでたいですな”(P18)表札を掲げて2日目の新米弁護士ライネンが初の大仕事に飛びつく。しかし被害者は親友の祖父…『刑罰』にシビレ、当面長編には手を出すまいと誓うが『カールの降誕祭』原書がいつ届くやら。そこで読友さん推しのコチラを。例のパン屋も気になるし。リーガル苦手なのに、結局つんのめるように毒了した。暴かれたのが被害者の過去どころか国家の負歴史をさらに誤魔化せる法律だとは。本作で政治が動いたとは。どさくさ法改正とか何やら発表のセコさとは違うな。毒毒度:5 おあと6050冊
が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
同居はや15年。お待たせしました(いや、たぶん誰も待ってない)早めに今シーズンの状況をご報告。浴室に11〜3月まで、出盧したばかりの個体がいて、冬眠も脱皮もせず。今もどこかで成長中と思いたい。ここ数日、イケメン足長の成体♂が♀に接近。2時間おきに観察してたが、交接には至らず。以前秋に目撃した交接は濃厚で神聖なる3時間越え。まさか夏の交接は手早く済ますとか? アシダカグモの消化液には腸チフス菌を殺せる力がある。猫のキレイキレイに似た、脚を丁寧にぬぐう“化粧”という行動に殺菌効果があるそうな。おあと6051冊
Ribes triste
2020/08/27 19:53

いいなあ。北海道には生息していないので、生きている現物を見たことがありません。これだけ大きいクモだと一緒に住んでる気分にさせてくれますね。

Millet.K
2020/08/28 05:15

Ribes tristeさん、コメントありがとうございます。当初は場外に退出していただいていましたが、ある日捕食シーンを見て感動、ウェルカムになりました。天敵として猫がいますけど、クモの方が学習し、猫の手のとどかない場所にいる気がします。生息は零下になるとキビしいみたいですが、冬室内が暖かければいけるんじゃないかな〜でもGがいなければ宝の持ち腐れですね。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“哲学は人間を壊す”(P166)工学から哲学に転向。弱冠24歳でアラバマ大に職を得た二年後、オオカミのブレニンと出会う。ラグビー三昧の週末はブレニン効果でナンパもラクラク。アイルランド、ロンドン、南仏と住み歩きイヌ科動物3頭との大家族に。今はマイアミで息子の誕生を待つところだ…読み終わってみれば幸せくんがここに!というある意味衝撃の哲学書。狡猾なサルと群れずにオオカミと生きたからこその今。おなじみの哲学者を引き合いに出すタイミングが絶妙で、全体に実存系の「人間学」といった味わいがある。おあと6052冊
Millet.K
2020/08/26 07:56

“ふだんの動きは滑空のようだった” “ブレニンの本質は今もわたしのために存在している。今でも見ることができる。アラバマの早朝、霧の中を苦もなく、音もたてず、なめらかに悠然と地面の上を滑空する、幻のオオカミ”(P98)ここで動物の魂を動く魂と呼んだアリストテレスが引き合いに出されるのはまあ置いとこう。ブレニンの動きの美しさ、素晴らしさ。

Millet.K
2020/08/26 07:58

“食事はまずサン・ジャックサラダで始めた。これはたいへん豪華で、最高十個の帆立貝が入っていた。その内の三個はイヌたちの分け前になった。次に、二番目のコースからは、三切れのスモークサーモンが徴収された。三番目のコースとしてしばしば注文した舌平目のムニエルからは、皮、尾、頭が同様にして駆り出された。最後のコースを食べるときには、別にイヌたち用に一枚のクレープが”(P214)ブレニンとの最後の一年。お気に入りのレストランで。著者はワインとマール・ド・ミュスカを飲む。イヌたちにとっては二回目の夕食だ。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“世界というものはときとして、ちょっとした偶然で人を目覚めさせようと”(蝶の修理屋 P45)世界が裏返る瞬間「ピアース姉妹」定年後の解放感「地下をゆく舟」これだから金持ちのやるこたぁ「隠者求む」まさに少年と犬「もはや跡形もなく」など。どの話も好きだが、古物好き少年が展示された蝶を蘇らす引用作が特に◎。母親は亡く、父子それぞれ蒐集に没頭という設定がグッドウィンの名作「繭」を思わせるが安心してくれ結末は悪くない。映像化ではさらにイイ話になっててこれはちょっと違うかも少年役は可愛い。毒毒度:5 おあと6053冊
Millet.K
2020/08/23 17:36

“残りは燻製小屋に吊るしておく。黒ずんだその小屋の中に吊るしておくと、どんなにまっ白な身だろうと、数日ほどでぬらぬらと黄色く脂ぎって、濃厚で甘いタールのような雫を滴らせるようになる。そして二週間に一度、姉妹は燻製にしたニシンやサバ、タラなどを古新聞に包んで街に出掛けてそれを金に換え、パンや塩、紅茶といった、ささやかな贅沢品を”(ピアース姉妹 P7)海の恵みを頼りに暮らす老姉妹が、溺れた若い男を助ける。が、男は息を吹き返すと姉妹の醜さにおののき罵詈雑言を吐きながら逃げ出す。なんて恩知らずな!怒った姉妹は…

Millet.K
2020/08/23 17:36

“それより何より、毎日ちゃんと入り口に食事を届けてもらえることがありがたい。朝起きると新鮮なフルーツと一緒にサンドイッチの載った皿が洞穴の外にあり、ときにはバターを塗ったスコーンが添えられていることすらあるのだ。だが月が進むに連れて、食事の質はだんだんと悪くなっていった。ある朝出てみると、そこには腐った林檎が一袋置いてあるだけだった”(隠者求む P85)裕福な家と裕福な家の婚姻。夫人の思いつきで森の洞穴に隠者志願者を囲ってみたが…

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“青年へ。きょうは本当に楽しかった。でもモクズを見て思い出した”(P45)表題とカバーのインパクトにつられる。今世紀はじめの夏どっぷり嵌った花村萬月をイメージしつつの読みはじめ。語りに抑制がきき読みやすいが、シーラッハの余韻が凄すぎる今、正当な評価が難しい。毒者都合でスマン。筆力=書き続ける力という受賞の言葉は沁みた。かつて花村萬月を絶賛した坂東齢人は、エルロイのように書かねばならないと馳星周になった。帰国子女、サラリーマン、起業家、除染作業員、路上生活…書きたい衝動はどこから来てどこへ。おあと6054冊
Millet.K
2020/08/23 15:48

“中華の高級料理の上海蟹知っているよね。紹興酒に漬けとくやつ。あれと同じ種類。ミソが美味いよ。でも旬は秋だからね。旬になったら、蟹籠持って獲りに来ようか” “ともかく、今夜は、田酒買って帰ろう。青森の酒でね。すっきりしていて、春の酒って感じだよ”(P40)オヤジさんに連れられトロ場へ。俺はそこで魔法を見せられた。穏やかな流れの中から、いないはずの魚が次々現れたのだ…食の場面が豊かとは意外。そうそう〈飛露喜〉が語られる場面もあったな。

Millet.K
2020/08/23 15:48

“厚みこそあるが、それほど大きくもない箱を取り出した。『須賀川銘菓』と書かれた箱だった。どら焼きの絵が”(P150)ノリアキと共に元請へ挨拶に出かけたが、実はこのとき菓子代が3千万と聞き仰天する…須賀川は昨年訪問した。そういえばどら焼きの有名店がある。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
タダジュンの挿絵付きで3編。造本が降誕祭にふさわしい。しかし贈りたい人も贈ってくれそうな人も身の回りに居ないとは残念すぎる人生だ。「パン屋の主人」が『コリーニ事件』のスピンオフとは一大事。『刑罰』が素晴らしすぎて当面長編には手をつけるまいと誓ったばかりだが、はや撤回か…節度を棄てカオスに身を投じた荒くれマンフレートも、溜まりに溜まった膿の根源をついに仕留めたカールも、忘れちゃいけないあの豹も、いま解き放たれたかれらは幸せなのだと思う。Fröhliche Weihnachten!毒毒度:8 おあと6055冊
Millet.K
2020/08/22 07:42

独語です。法律用語が自分にはネックになるでしょうが、そこをなんとか。

キムチ27
2020/08/22 07:54

お~~~、素敵な目標ですね♢

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“まあ、それほどひどい30年間ではなかった。本があったし”(ドーム P228)SF好きの心のふるさとF・ブラウン、SF短編集3巻目。16編のうちマック・レナルズとの共作6編。本邦初訳5編。何せ創元『天使と宇宙船』以来数十年ぶりの個人短編集だから初訳だろうがなかろうが大概新鮮だ。派手派手しい「存在の檻」艇長副長「命令遵守」公民権は未だ「未来世界から来た男」PHMH一気に解決「入れ替わり」道義を問う「武器」ラヂオの力「スポンサーから〜」まさに「賭事師」SFスパイアクション「処刑人」毒毒度:4 おあと6056冊
Millet.K
2020/08/21 10:30

“そろって大テントに入っていくと、沼鳥の料理はできあがっていて、クレインが得意そうに出してきた。なにしろ料理は上出来だったから、得意になるのも無理はない。じょうずに調理した金星沼鳥はめったやたらにうまい。これにくらべたら、フライドチキンがゆでたカナブンに思えてくる”(六本足の催眠術師 P151)金星で活動中のエヴァートン動物学調査隊。ぼくはドクターの娘に結婚を申し込んでいるが、状況は芳しくない。希少な金星泥ガメを捕獲できたら…。形状は『73光年の妖怪』めいている。

Millet.K
2020/08/21 10:31

“まあなにはともあれ、届いた小切手は輝いて見えた。郵便局からの帰りに銀行で現金化し、〈セージブラシ・タップ〉亭に寄って軽く二杯ほど引っかけた。それがやたらにうまくて気分がうきうきしたものだから、酒屋に寄ってメタクサの壜を一本買った”(漫画家 P213)売れない漫画家が久々小切手を手にし、浮かれて購入したメタクサはギリシャのブランデー。あっ!コレ陶器に入ってるやつでしょ? 陶器じゃないのもあるんだ、ふむ。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“すべては孤独ゆえ”(参審員 P23)冒頭作から急所を突かれた。欠陥品、異物、異形、疎外者、そして人間の真ん中に在る圧倒的な孤独感に何度も抉られる。『罪悪』『犯罪』は不条理に泣き笑う作品も見られたが、さらに絞れているのではないか。本作でも、個人的に信頼する法学出身者の想像力を堪能できる。表現は簡潔にして豊饒。無駄がないのに無味乾燥とはほど遠い。果てのない透明な深淵を見せつけられた思いだ。美しく、底なし沼より怖しい。あまりに素晴らしく、当面この作家の長編には手をつけるまいと誓う。毒毒度:8 おあと6057冊
Millet.K
2020/08/18 11:03

“だれかに電話をかけたいと思ったが、だれも思いつかなかった。クロイツベルク地区にあるトルコ人の菓子店へ行って、砂糖とレモン果汁とローズウォーターとピスタチオが原料のカラフルなサイコロ状の菓子〈サヨナキドリの巣〉を買った。店には、丁寧にアイロンをかけた白いシャツを着た少年がいた。少年はショーケースの菓子に見とれていた”(奉仕活動 P186)セイマが選んだちがう生き方。弁護士として初めての、大きな刑事訴訟手続き。判決のあと、故郷の言葉を聞いた。

Millet.K
2020/08/18 11:03

“海の見えるその庭で、私は生まれてはじめてレモンの木とオレンジの木を見た。私は噴水のそばに車を止め、邸のそばをとおって庭に入った。リヒャルトは小さな四阿の中で、籐椅子にすわっていた。格子柄の毛布が膝にのっていた。すぐそばのテーブルに、紅茶の道具一式と焼き菓子とマルメロの枝を活けた花瓶が置いてあった。四阿の横には、ブロンズの天使像が”(友人 P206)再会はなつかしいノルマンディにある邸だった。子ども時代に一番仲が良かった友人リヒャルト。再会の数ヶ月後〈私〉は書くことをはじめた。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“チャールズ・アクランド。職業、英国陸軍中尉。最後の派遣地、イラク”(P21)戦地で重傷を負った男。母親を嫌悪し、元婚約者をも激しく拒絶。軍への復帰が叶わず、失意のまま退院した男に連続殺人の容疑が…待望の新作には〈疎外者〉〈異形〉読みも唸るほどクセが強い人物が次々登場。曲がり角をどんどん間違え行く感じがたまらず一気読み。剛胆で繊細なジャクソンの造形と医療関係者への敬意が感じられる部分◎。一瞬で安物女優の正体を見破った秘書ルースと、上司を暴走させまいとするビール警部に脇キャラ票。毒毒度:5 おあと6058冊
Millet.K
2020/08/16 19:35

“最終的にどこまでやるか、どこで手を打つかを決めるのはきみだ。これはいままでとは違う顔の自分とどう折り合いをつけていくかという”(P38)どこまで治りたいですか?という医師の問いかけ。粉砕骨折の治療であれば、日常生活に支障なくとか、アスリートとして元通りにとか答えようがある。アクランドの場合、顔半分Defectの再建は困難を極め、本人も義眼装着を希望せず。ところで精神科医が外科上級専門医をミスター・ガルブレイズと呼ぶ場面に、ん?となるも、王立外科医師会会員への敬称は、ドクターではなくミスターとのこと納得。

Millet.K
2020/08/16 19:35

元婚約者ジェンが『ガタカ』のユマ・サーマンにクリソツとのこと。どれどれと検索したけどどうもピンと来ず。それよりイーサン・ホークとの間にできた娘マヤ・サーマン=ホークはどうだ! ついでだけどWikiのミネット・ウォルターズと最近のユマ・サーマンが意外と似ているような気がする?

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“あんたが、ジャーヴィス、人間を見ることを教えてくれた”(P203)早すぎた冬の到来で、捕鯨船七隻が氷に閉じ込められた。275人を救援せよとの大統領命令に動くは船乗りジャーヴィス&若きドクトル・マッカレン。計画の土台には信頼のみ。ツンドラ越え800キロ、しかも食糧のトナカイ400頭を連れ…人生初の挫折本との記憶だが、小学校低学年にはいろいろ深すぎる。あまりなオオカミ詐欺に呆然というのが真相のようだ。高学年でも十分理解は無理かも。今読んでこその胸熱。写真が渡部雄吉とは嬉しい驚き。毒毒度:5 おあと6059冊
Millet.K
2020/08/14 20:49

“食って飲まなけりゃいけませんよ。コケモモのジェリーをかけた雷鳥のあぶり肉があります”(P41)“それから、パイナップルのパイに、モカ・コーヒー。さてそのつぎが、むろんあんたたちは船乗りなんだから、焼酎のきついところがちゃんと” “この一週間というもの、まったくペミカンと、かたパンと、お茶とだけで命をつないできて”(P42)最初の立ち寄り先セント・マイケル保塁で、食事にありつく二人。道中食べるペミカンとは果物と脂肪をこね合わせた肉餅とのこと。極北発祥の携帯保存食ですな。

Millet.K
2020/08/14 20:51

“今まで近よれなかった何かに、じぶんをぶちこむってことの刺戟だけが、あの人のねらいなんだ”(P249)話の中にまた話。後半ジャーヴィスがマッカレンに語るのは英国貴族エッカズレー卿との遠征譚。結構究極まで行くこの感じは、ホラーにもなりえそう。未来の義父がなかなかに思慮深い。ちなみに前半ではチャールズ・フランシス・ホールと『北極』号遠征隊について語るのだが、この話に登場するエスキモー=ジョーがかっこええす。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“ことにこの女の頭のいいこと、執念深いことは無類だ”(P222)復刊フェア2001で収穫するも初毒時絶不調。ぼんやりした感想で平亭先生にはホント申し訳なかった。『真夜中の檻』にてマッケン愛を再確認したからにはコチラも再毒だ。表題作が原題でネタバレなのは置いといて、次々繰り出される噺にのって倫敦魔界周りも一興。三人の中でも女性が一番肝っ玉が据わり、騙りの巧さが際立つ。プロローグでの“お泊まり”の意味が判明するラストに慄然…「大いなる来復」は当方聖杯伝説に疎く、再毒でも入り辛し。毒毒度:4 おあと6060冊
Millet.K
2020/08/13 20:27

“とにかくその日から、わたくしどもが勝手に「時」と名づけているものが、まるでわたくしには消えてしまったようになったのでございます”(白い粉薬のはなし P180)醜怪で穢らわしすぎると出版拒否にあったのは本編と「黒い石印」のせいなのだとか。どちらも語り手は女性。全体に、自然描写の素晴らしさ禍々しさも印象に残る。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“人間が生きていくかぎり、新しい怪異は形をかえていくらでも”(P366)20年ぶり再毒。出会いは創元『怪奇小説傑作集』か『吸血鬼カーミラ』か。SFでもミステリでもなく怪奇へ嗜好が向いたのは平井訳&名解説に依るところ大。微笑ましいほどのマッケン愛、漂泊者たる人生にも魅かれた。創作2題にはエッセイに語ったすべてを込める。越後の旧家にM・R・ジェイムズ的学究家を嵌め官能と妖気ふんだんな表題作。一方儚い「エイプリル・フール」。ドッペルゲンゲルには、双生児としての出生が関係してくるのか。毒毒度:5 おあと6061冊
Millet.K
2020/08/11 14:29

“茶盆の上に一式のせて、貰い物のユーハイムのクッキーの鑵を片手に、江見子がしばらくしてサン・ルームへ出ていくと”(エイプリル・フール P140)“英二がはいっていった資生堂の白いドームの下には、思ったより客が立て混んでいた”(P170)“左手の壁の一ばん奥のアルコーブのような席”(P171)ユーハイム、凮月堂、本高砂屋、泉屋…昭和の頂き物といえばそんな感じ。銀座の資生堂はむろん改築前。ほら、アルコーブはそのままで何ら問題ない。凹所と訳しちゃあダメでっせー(わかる人にはわかる)

つるら@turulaJB
2020/08/11 21:38

平井呈一に創作が2編あるとはどこかで読み知っていましたが、こちらでしたか〜。いつか読みたいと思います。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“酒は、人間にとって旅のような気がしてならない”(酒神とともに P7)編者:田村隆一の第一声から面白がれる気満々。〈楽しみと冒険〉の一冊に黄金色の時間が流れる。刊行1979年といえばBRUTUS創刊前年、悦楽の太陽が昇る直前だ。周りに器量のある大人がいてくれた。植草翁に誘われN.Y.はマクソーリーの酒場でゴキゲンしてたら、中野重治(人生初の挫折本『オオカミに冬なし』の訳者)にガツンと食らう。苦い酒は「ディラン・トマスの肖像」でピークに達するが、酔醒しと迎え酒が用意されていた。毒毒度:5 おあと6062冊
Millet.K
2020/08/08 19:48

“今晩そこに出てゐるのは、出来立てのほやほやである。中に混ぜた銀杏も鮮やかな色で青々してゐる。盛った小鉢から手許の小皿に取り分け、匙の背中でぐいぐい押して押さへて、固い小山に盛り上げる。おからをこぼすと長者になれぬと云ふから、気をつけてしゃくるのだが、どうしても少しはこぼれる。その所為か、いまだにいろいろとお金に困る。小皿のおからの山の上から、レモンを搾って”(内田百閒「おからでシャムパン」P57)シャンパンの肴はおから。5円分を、醤油一切使わず、真っ白に清々しく仕上げる。ちなみにレモンは一つ90円。

Millet.K
2020/08/08 19:50

“彼はビールを註文し、それを飲み、しばらく虚ろな表情で鏡を見つめていたが、やがてかすれた声でイエイツの「瑠璃」(ラプシ・ラズリ)の最終行をささやいた”(P146)J・M・ブリニン「ディラン・トマスの肖像」に描かれた酒浸し詩人N.Y.の旅は、苦悩をねじ伏せるような酒。朗読会を前にブルーの背広と水玉模様の蝶ネクタイを身につける。朗読は音楽のように響く。E・E・カミングスは、朗読会のあと感動のあまり街を何時間も歩き回ってしまったほどだ。初渡米から3年後ディラン・トマスは客死する。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“こんな、なんでもないものが恐ろしい”(ハリー P213)炎天に不吉な符牒ハーヴィー、末恐ろしき騙り手サキ、出口なしミドルトン、漂泊者ダンセイニ、懐かしやロビンスン、生身の人間こぇえデラフィールド、カーニバルは哀しブラウン、保護と虐待紙一重ハートリー、異次元世界グルーバー、空想が過ぎてダール、一件落着と思いきやレイヴァー、哀切の薔薇ティンパリ…十代で出逢った角川『怪奇と幻想』収録「顔」「13階の女」に再会できるとは。好ましき組版さすがな造本+適正価格。アンソロ爺にマストな一冊。毒毒度:4 おあと6063冊
Millet.K
2020/08/06 19:17

カバー装画・各作品の扉の挿画:佐竹美保

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Millet.K
好奇心克つ意外ペロー、人生残酷ゴーティエ、何が何だかモーパッサン、一番怖くて悲しいシュペルヴィエル、何度読んでも傑作キャリントン、とんだ色悪つながりアポリネール&エーメ、そもそもなぜ空き家と判断?ルヴェル、なるほどエスプリへのテロ行為アレー、愛の行方ゾラ、最大級騙るルブラン、お節介の極みド・ロルド、まんまとボワロー=ナルスジャック、這いずりモノ危険ジャン・レイ、惨劇めがけぐんぐんメリメ…物語力に喝采。組版&版ヅラに文句ナシさすがな造本+適正価格。アンソロ爺にこそオススメです。毒毒度:5 おあと6064冊
Millet.K
2020/08/06 11:55

“上機嫌だった。ウイスキーをしこたま買いこんだからだ”(P181)虫アンソロジーで既読のジャン・レイ「復讐」。このみょうに暗くて屈折した雰囲気はベルギーだからかな? 本作も収録された短編集『 ウイスキー奇譚集』に注目したい。 https://bookmeter.com/books/238933

Millet.K
2020/08/06 11:55

“夕食は少なくとも六人前たっぷりあったけれど、夫人は調理場に走って鳩をつぶしたり、ミリアスと呼ばれるトウモロコシ粉の揚げ菓子を作ったりと忙しかった。ジャムだって、いったいいく瓶あけたことやら”(P196)“さあ、早くココアを飲んでおしまいなさい。バルセロナから取り寄せた……正真正銘の密輸品です。パリじゃちょっと飲めない”(P206)巴里から来た学者は大袈裟にもてなされる。主人は頑固な好古家。結婚を控えた息子はハンサムだがザツ! この組み合わせで災厄へとまっしぐらメリメ「 イールの女神像」がお気に入り。

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Millet.K
企画:丸谷才一・辻邦生、装丁挿画:和田誠〈楽しみと冒険〉全十巻のうちの一冊。編者は埴谷雄高。身近な楽しみ、学生スポーツ、プロスポーツを通じ昭和30〜40年代のニッポンが見えてくる。奇しくも幻の東京2020期間。沢木耕太郎「長距離ランナーの遺書」の読み応えよ。期待通り上前淳一郎「王に敗れた男」。悔しいことだが石原慎太郎「死のヨットレース脱出記」に圧倒される。1962年11月に起きた遭難事故については全く知らず。文藝春秋にて昭和34年発表との記載だが、正しくは昭和38年であろう。毒毒度:5 おあと6065冊
Millet.K
2020/08/04 19:00

収録は25編。埴谷雄高「テツガク的一塁手の回想」、ガストン・レビュファ「マッターホルンの北壁」、深田久弥「すばらしい雲」、井伏鱒二「長良川の鮎」、開高健「銀山湖のイワナ」、石原慎太郎「死のヨットレース脱出記」、野坂昭如「奪うだけ奪いとるラグビー新日鉄釜石の面魂」、児玉隆也「東伏見の憂鬱」、上前淳一郎「王に敗れた男」、沢木耕太郎「長距離ランナーの遺書」、(つづく)

Millet.K
2020/08/04 19:00

安部公房「時の崖」、大江健三郎「七万三千人の《子供の時間》」、小泉信三「デ杯試合第三日」、丸谷才一「サッカーは血を荒す」、獅子文六「早慶戦」、埴谷雄高「二つの明暗」、清水哲男「わが巨人びいきの遍歴」、北杜夫「くたばれジャイアンツ」、後藤明生「甲子園観戦記」、吉田秀和「国技館変貌」、三島由紀夫「実践的スポーツ論」、小林秀雄「カヤの平」、井上靖「一つの情熱」、大岡昇平「球を追うゴルファー景色を見ず」、山口瞳「納会」。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/21(3107日経過)
記録初日
2004/04/04(6015日経過)
読んだ本
2858冊(1日平均0.48冊)
読んだページ
984622ページ(1日平均163ページ)
感想・レビュー
2426件(投稿率84.9%)
本棚
18棚
自己紹介

海外ホラー、ミステリ、SFを主食とする。
1999年「死ぬまでに10000冊の毒書」を宣言、
年間250冊程度を読みすすめていたが、
7年ほど沈黙。2012年、読メ登録とともに
解き放たれた野獣のごとき復活を果たす。
短編好き。憧れの職業はアンソロジスト。
装丁など本の佇まいを重視。
ページを繰るときの見た目にこだわるあまり、
版ヅラやノンブル位置が落ち着かないなどと
しばしば毒を吐く。2019年6月、
三一書房刊『サイコミステリーベスト100』
を約30年がかりでコンプリート。
いよいよ残りの毒書人生が少なくなり
読メ開始前の未登録分を整理し登録完了。
「おあと●冊」カウント中。

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