よくある事件に地味な捜査。曖昧な目撃者に事件とは無関係な容疑者。無駄な情報が散見されるが、それが抜群に面白い。ユーモアの欠片もない刑事達が醸し出すヒリヒリした切迫感がたまらない一冊。それにしても、菓子パンとカフェオレの頻度の多さよ。

宗教は誰の為にあるのか。宗教は信じる人の為に存在するのであり、政治の道具であってはならない。基本的事実として知らねばならぬことであるが、恥ずかしながら不勉強であったので非常にためになった。それにしても英国は酷いな。

先に続編を読んでしまい、続けてこちらを読んだが全く問題なかった。相変わらずのイケメン死神コンビが曲者容疑者を撫で切りにする姿は、さながら時代劇のよう。作者の作風は自分の感性に合うので次作も楽しみにしている。

殺し屋何人出てくるんだ。これだけ入り乱れても、オチまで破綻なく安心して読めるのは作者の力量。作者の世界を思う存分堪能した。頼りなさそうなのになんだかんだで優秀な天道虫がいいキャラしてる。

よくある事件に地味な捜査。曖昧な目撃者に事件とは無関係な容疑者。無駄な情報が散見されるが、それが抜群に面白い。ユーモアの欠片もない刑事達が醸し出すヒリヒリした切迫感がたまらない一冊。それにしても、菓子パンとカフェオレの頻度の多さよ。

不条理な世界に引きずり込まれて溺れてしまった。持って回った言い回しが並び、読むのになかなか根気が必要となる。残念ながら合わず。

主人公とほぼ同時期に高校卒業までを四日市で過ごした。地名や時代時代の出来事が当時をフィードバックさせ、しばし思いに耽った。離れて久しいが、自分の原点はここだったんだと感じる。「私たちはここで暮らして、大きくなったんだ。」

第一部と第二部でミステリーの手法を変えており、一冊で二冊分味わえる。キャラが立っていて、突っ込み所は多々あるもののぐんぐん読ませる力を持つ。読ませる力はある意味才能だ。作品を重ねるごとにもっと面白いものを描ける作家になると思う。

「たとえばさ、たまには先に死んじゃった人のことを思い出して寂しくなったり、でも、すっかり忘れてしまったり、そんな毎日を気がつけば過ごしている。そんな感じだったら、先に亡くなった方も安心かな。」笑って、泣いて、カッコつけて、地団駄踏んで、また笑う平凡な一日。生きることも、死ぬことも、また日常の一コマに過ぎない。しかし、その一日一日が積み重なり永遠となる。

成功者になりたい金持ちになりたいといった欲を人は持っている。一方で、成功等とは無縁に気ままな日々を送りたいといった欲も持っている。主人公は後者を具現化した象徴ともいえる。本作は疲れた現代人のための寓話であろう。ともあれ下巻へ。

生物学の本は定期的に読みたくなる。特に後半は難しく悪戦苦闘したが、かつては好きで専攻した世界なので読んでいて実に楽しかった。細胞が熱心に働いて得たエネルギーをゴロゴロするのに費やして、自分の身体なのになんだか申し訳ない気分に。ワトソンが未だ存命なのに驚き。