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2022年7月の読書メーターまとめ

Satsuki
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2022年7月に読んだ本
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2022年7月のお気に入られ登録
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  • ながぐつ
  • ゆうき

2022年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Satsuki
プーチンの強権や主権国家観は著者の他の本にもあるので、本書で面白いのはロシアの国民性や暮らしなど。身内贔屓と汚職、一見いい加減な合理主義。時代ごとの集合住宅や郊外の森の別荘。怪しい地下空間、地下鉄。明るくなり英語や中国語の併記が増える街並みと、時折顔を出すソ連。軍事博物館。ユーラシア各地の食が集まる食事情、朝鮮料理。酒事情の変化。ただこれらにも政治の影響は出てくる。軍事オタクのネット空間は息苦しくなり、著者自身、権威主義的傾向を強めるロシアにはもう危なくて入れないとし、「ロシアの今」を語る難しさを述べる。
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2022年7月の感想・レビュー一覧
22

Satsuki
本書の内容はほぼ経済。各章のまとめや政治社会と関係する部分を中心に読む。まず著者は、2010年代の中国経済の成長は鈍化したとし、そして今後の中国経済に影響を与える個別要素を見ていく。国際政治の観点から関心を持ったのは米中デカップリングの分析。著者は、米中対立の構造化、長期化は不可避だが、ハイテク製品はさておき経済貿易関係全体の完全デカップリングはないと指摘。結論部で著者は今後のシナリオを良好・リスク・両者の中間の基本、と3種類挙げ、基本が6割、良好とリスクが各2割ずつの可能性としている。
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Satsuki
明治日本と世界史に関する国際シンポジウムの小論文集。中台関連の論考いくつか。明治日本での産・官・学の協力体制は、ある程度児玉後藤時代の台湾で再現・奏功。中国での明治研究は、現在は通俗的読み物も含め多角的に。近代化要因の一つに天皇の存在を見た孫文と、陽明学を見た蒋介石の違い。ほか、19世紀のグローバルな国民革命史の中で明治維新を捉える視点や、現在にも続く皇位継承儀礼は明治に作られたものという指摘が興味深かった。ただ、韓国の筆者がいなかったのは残念。韓国で明治維新がどう捉えられているかにも関心があった。
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Satsuki
デカップリングや経済制裁、気候変動や人権・民主主義に至るまで、主に米の個別の言説や政策に解説を交えつつ紹介する短いレポート集という感じ。浅く広く、各論点の現在地が分かる。著者の視点は中庸というか現実的というか。保護主義や単純なサプライチェーン見直しは望ましくないが、中国を正しく恐れる必要がある。完全なデカップリングは不可能で好ましくもないが、ハイテク等の部分分離は必要。中国への対処は他の民主主義国と協調して行うべき。そして、日本は個々の企業の判断ではなく必要な制度や法的基盤を整備すべきと見ているようだ。
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Satsuki
プーチンの強権や主権国家観は著者の他の本にもあるので、本書で面白いのはロシアの国民性や暮らしなど。身内贔屓と汚職、一見いい加減な合理主義。時代ごとの集合住宅や郊外の森の別荘。怪しい地下空間、地下鉄。明るくなり英語や中国語の併記が増える街並みと、時折顔を出すソ連。軍事博物館。ユーラシア各地の食が集まる食事情、朝鮮料理。酒事情の変化。ただこれらにも政治の影響は出てくる。軍事オタクのネット空間は息苦しくなり、著者自身、権威主義的傾向を強めるロシアにはもう危なくて入れないとし、「ロシアの今」を語る難しさを述べる。
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Satsuki
明治期以降から戦時中の長い時期を扱い、また各国別の記述が詳細で、やや散漫な印象。日本社会の一部にある「大東亜共栄圏」への肯定的な言説について。まず日露戦争での日本の勝利は、一部では現地ナショナリズムに刺激を与えたのは事実だが、影響は決して単色ではなかった。戦時中、「親日派」民族主義者は日本軍政期には逆に疎んじられる。また華僑・華人弾圧や「労務者」徴用は正当化困難だろう。そして著者は、現在の日本社会で解放戦争史観が高まりアジア各地に伝播するほど、現地の無意識下の「反日感情」を呼び起こす可能性を指摘している。
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まず、服部が表面上は柔和で人に好かれるタイプだったというのが意外。辻政信ほど強烈なキャラではなかったようだ。ノモンハン事件時は関東軍作戦参謀とは言え中佐。ガダルカナル島の戦い時は作戦課長だが、彼個人が主導して何かを、という感じでもない。ではなぜ、松谷誠らにそこまで嫌われたのか。参謀本部内のエリート部署たる作戦課の独善、という組織構造が大きかったか。にも関わらず戦争責任を感じず、戦後はGHQに接近し政治的に動く。「昭和陸軍の象徴」だったと言えるか。
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GHQの洗脳だとして保守派が批判する「ウォー・ギルト・プログラム」。著者は、プロパガンダ性は否定しない。一方で体系だってはおらず、東京裁判と直結もせず、また日本メディア側がGHQにすり寄ったこともあったようだ。また、GHQの情報発信に日本社会から反発もあったわけで、どこまでこの「プログラム」に効果があったのか。また著者は、上の命令にやむを得ず従ったので罪はないとする日本人の思考と、人は自己決定権を持ち罪は罪とする米国人の思考を対比させる。そして「プログラム」は後者に立脚する民主主義の啓蒙に繋がったとする。
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Satsuki
抑留の過酷さは前提の上で、本書では抑留自体よりも収容所での文化活動、ロシア人との交流、ロシアに留まった人々などを取り上げる。一定の文化活動はあったことが分かる。数は少ないが日本とロシア双方の妻の間で葛藤したという、映画「ひまわり」のような話もある。著者は、「民主運動」は必ずしも共産主義思想の教育ではなかったとしているが、「人民裁判」と称する吊し上げがあったのも事実。またいずれは日本でも社会主義移行という戦略がソ連にはあったようだ。特にアクチヴは日本共産党に加入すべきものとされていたという。
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グレーゾーンの継続、検疫と隔離による台湾の孤立化、中国による台湾への全面的軍事侵攻、その終結という4つ、大別すれば3つのシナリオのシミュレーションが本書前半。後半は座談会。参加者の大半は元自衛隊や省庁幹部、また安保畑の国会議員だけあり、真に迫った展開が繰り広げられる。全面侵攻時の尖閣占拠を除き日米が直接の戦場となるわけではない。しかし伝統的な軍事のほか、出所不明のサイバー攻撃や経済安全保障がシミュレーションでも座談会でも語られる。冷戦期の戦争ではあまりなかった点だろう。
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Satsuki
市民がSNSに掲載した写真や動画などネット上のOSINTを解析し、ミャンマーでの軍のクーデターと市民弾圧をNスペで報じるまで。取材班がこの手法を学んだべリングキャットに関する本を読んだばかりなので興味深い。画像検索をはじめ、ツールや手法をいくつか紹介してもいる。べリングキャットと異なりNHKというオールド・メディアが仕事としてテレビ番組を作るので、番組には耳目を集める訴求点が必要だとかいう点はある。また、現地取材こそ重要と考えていた記者たちが戸惑いつつ手探りで新しい手法を使っていく様が率直に描かれていた。
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Satsuki
多様な論文集だが、テーマは2つに大別できる。1つは、日韓の境界の狭間。もう1つは、日韓の共感・連帯の可能性。前者では、戦後初期の在韓日本人妻、抑留日本人船員、韓国人密航者。日本製アニメとその無国籍性。日朝露のアイデンティティを持つサハリン残留者。本名や通名が自己決定権となる在日コリアン。後者では、著者は市民の連帯とネットワーク、「越境的なリージョナル放送」といったものに期待を持っているようだ。それが両国国民の中でどれほど広がりを見せるか、また政治面も含めた両国関係改善に繋がるかは悲観的に考えてしまう。
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Satsuki
知らないことばかりだった。想像が難しいのは、トルクメン民族意識と近現代の国民国家意識がいつどう形成されたかだ。歴史上、トルクメンが独立主体となるのは19世紀後半のようだ。そしてロシア帝国内の州に。ロシア革命時、この地の臨時政府は結局陥落しソ連中央政府の支配下に。独立後はニヤゾフ大統領の下トルクメン民族意識の形成を図るも、大統領自身ソ連時代はトルクメン語が不得意だったり。現在、「トルクメニスタン国民」との意識は国民の中でどれほどだろうか。他、白亜の建物が並ぶ首都や地獄の門などのカラー写真は見て楽しかった。
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Satsuki
大半は別々の時期と媒体に発表した論考の再録なので内容は幅広いが、伝統的な安全保障よりも、コロナ禍、経済安全保障、気候変動、福島原発といった国民生活にも関わるテーマの章が多い。ウクライナ戦争を扱う章でも、経済制裁の影響や、筆者が「総力戦のグローバル化」と呼ぶサイバー戦や情報戦など、軍事的戦闘以外にも目を向ける。そういった本書の主眼が良く分かるのが書名と同じ表題の第11章であり、非軍事脅威を「軍事脅威に劣らない」としつつ、危機管理と安全保障について国家のみならず国民も当事者として参画する必要性を述べている。
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Satsuki
短い論文集。難しいテーマでありながら、事実関係紹介のような実証的な論文が多く、思想性の強さはさほど感じない。その中で、単純な二極化を戒める2本の文章に興味を持った。朝鮮人特攻隊員を扱うコラムでは、民族の裏切り者は許されないという韓国社会の極端な感情と、日本社会での罪意識を伴わないノスタルジアの両方から距離を置く。また在米「慰安婦」碑を扱う論文では、「単純な悪魔化と擁護の双方に抗いつつ」他者への暴力を考える、また戦争暴力の記憶化において「国境を超えた共感と批判」を形成する必要性を提起する。
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Satsuki
社会経済史を重視した明代史。皇帝による天下の「私物化」、との表現が頻繁に出てくる。太祖朱元璋による皇帝・中央への権力集中、非商業主義・現物主義。しかし次第に実態と乖離し、体制が民間のコントロールを失っていく、というのが本書の大きな流れだ。下世話な興味からは、「個性派ぞろいの明朝皇帝」たちが面白い。功臣や有力官僚虐殺の太祖。後期の皇帝たちは暗君が多く、悪い意味で面白い。「支離滅裂・無軌道きわまりない」正徳帝。「道教マニア」嘉靖帝。「天性の浪費家」万暦帝。「典型的な暗君」天啓帝。
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Satsuki
前半は観光ガイドのような各土地や料理などの紹介。現在報道で見聞きする地名が多く出てくるほか、カラー写真豊富で見て楽しい。特にキーウやリヴィウ、オデーサでは教会など美しい歴史的建造物やアートが豊かだ。後半は歴史や民族、社会の解説。母語と日常使う言語が必ずしも一致しない宇語と露語の併存状況。宇人とは誰か、宇の民族意識とは。また特に、歴史の語りは、語る者の主観により強く左右されることを実感する。キーウ・ルーシの継承国はロシアかウクライナか。ウクライナ革命はロシア革命内の一部地方の現象なのか。
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Satsuki
明治から現代までを扱う学部生向け教科書。単なる通史ではなく、戦前・戦中は各講ごとに一人の人物を取り上げ、戦後は対米・対中など二国間関係で講を分ける。とにかく読みやすい。くだけ過ぎた個別の言葉遣いは若干気になるが、内容は概ねは標準的と言ってよいのではないか。
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Satsuki
川島・岩谷両編者は前書きで、日中戦争研究の新たな研究動向を挙げる。実証研究の進展、戦争を社会や経済、地域社会、個人などの視点で多角的に捉える、戦争史を国際的な文脈で捉え直す、協力政権や協力者をめぐる研究、終結に向けた動きに注目、戦後の和解や記憶の形成、歴史認識などの面から捉える、の6点だ。本書はこれら6点に着目した論文集。読みやすく面白かったのが、日本社会に着目した2論文。1938〜39年の国家総動員体制は、社会での「自治的統制」を求める声。また、「自粛」ムードの中で様々な口実をつけた娯楽への欲求。
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Satsuki
中国の脅威、唐鳳の生い立ち、台湾政治の透明性や市民参加、国安法前後の香港と、まとまりがないが読みやすく、各側面が分かる。著者は台湾の課題には多くの紙幅を割いていない、と明言。台湾で先行した事例を紹介することこそ日本社会の発展に役立つ、との著者の思いは分かるが、たとえば台湾で民意が政治に届きやすい理由を「台湾人の強い自負」のためとするのはやや単純化しすぎではないか。研究書ではない限界か。中国の脅威は軍事面よりもフェイクニュースや経済的圧力、浸透工作を展開、との指摘は日本で十分に認識されていないように思う。
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Satsuki
戦史よりも政治や外交、社会との関わりに注目して描くという本。しかし戦時の記述はある程度作戦中心にならざるを得ず、また組織としての聯合艦隊か司令長官の人物像や言動か、とやや中途半端な印象だった。自分に予備知識が不十分なのが大きいが。軍令部と聯合艦隊司令部の対立、加えて「権威と伝統」や末次司令長官時の政治活動を合わせ、著者は聯合艦隊と関東軍を同一視しているぐらいだ。更には、陸軍は日中戦争開戦以降は参謀本部の指揮統制権を確立したのに反し、海軍は敗戦まで聯合艦隊の暴走を許した、としている。
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Satsuki
東・東南・南アジア5か国+日本のコロナ対処を見る論文集。米中対立、大国間競争、権威主義対自由主義といったフレームに冷ややかな視点を向け、したたかに動くアジア、というのが本書の課題設定。これ自体は理解できるも、各国別の論文ではほぼ国内対処の記述であり、本書全体として不統一な印象を受けた。
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Satsuki
バイデン政権の外交を様々な面から見る対談と論文集。論者により重点は異なるが、トランプ外交からの断絶という指摘はない。むしろ、中国との競争を中心に一定の共通点を見出す指摘が少なくない。「中間層のための外交」はある種のアメリカ・ファーストか。バイデン外交が普遍的価値観の重視を掲げていることは確かで、このような米の国際秩序観重視の外交を日本が支持できるのか、という指摘はある。一方で、これら価値観も対中戦略の道具ではないか、といった記述は複数箇所にある。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/07/03(3701日経過)
記録初日
2007/11/22(5386日経過)
読んだ本
1307冊(1日平均0.24冊)
読んだページ
374318ページ(1日平均69ページ)
感想・レビュー
1307件(投稿率100.0%)
本棚
10棚
自己紹介

東アジアの政治や歴史、国際関係の本が多いです。

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