読書メーター KADOKAWA Group

2022年3月の読書メーターまとめ

更紗蝦
読んだ本
63
読んだページ
10484ページ
感想・レビュー
63
ナイス
1646ナイス

2022年3月に読んだ本
63

2022年3月のお気に入り登録
3

  • Kazuki Edoya
  • 佳祐@隣の天使様(原作勢)
  • 遊星

2022年3月のお気に入られ登録
3

  • Kazuki Edoya
  • 佳祐@隣の天使様(原作勢)
  • 遊星

2022年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

更紗蝦
『諸星大二郎の本棚』のページが圧巻です。本棚に置いてある本のタイトルを10ページ使って列挙しています。「作成・編集部」との表記があるので、諸星先生が作った目録が元々あったというわけではなく、地味にコツコツと編集員が作業したということのようです。山岸凉子先生との対談は、山岸先生側がかなり興奮して舞い上がっていることが伝わってくる内容でした。諸星先生が元公務員だったことはいろんな所で語っているので知っていましたが、山岸先生が半官半民のところ(地下資源調査所)に一年間だけ勤めていたという話は初耳でした。
更紗蝦
2022/03/01 23:31

「山の地図の等高線描きに雇われた」と語っていますが、もしかしたら、『天人唐草』の主人公の勤め先での働きぶりは、その体験を参考にして描写していたのでしょうか? 確か、『天人唐草』の主人公も、半官半民のところに就職して、製図の作業をしていました。

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2022年3月にナイスが最も多かったつぶやき

更紗蝦

2022年2月の読書メーター 読んだ本の数:61冊 読んだページ数:9137ページ ナイス数:1740ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/247008/summary/monthly/2022/2

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2022年3月の感想・レビュー一覧
63

更紗蝦
ネタバレセクハラ野郎としてのキモさは豪介も雅麻呂も完全に同レベルなのに、豪介の方がマシという扱いになっているのは、「ハゲかフサフサか」の違いしかないのでは…? 豪介が綾子への未練を断ち切っていないのは明らかで、元カノにこうまで執着するような性格である上に、だれかれ構わずセクハラしておきながら反省も謝罪もただの一度たりともしていない男なのですから、一生一途に静香を愛してくれる確率が高いのはむしろ雅麻呂の方です。仮に豪介が若ハゲになったら、雅麻呂と大差ないどころか、浮気しない分だけ雅麻呂の方がマシになってしまいます。
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更紗蝦
ネタバレ「陰の流れ 疾風剣」の伝授が、「親から子」とか「師匠から弟子」ではなく、「瀕死の落ち武者から行きずりの若者」に「水を飲ませてくれたお礼」として行われているのがとても印象的で、武士の面子とか血縁のしがらみなどが全く絡んでいない「純粋な恩義」として描かれていることにグッときます。
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更紗蝦
B級漫画レビューサイト『BLACK徒然草』の書籍版です。(実は私はこのサイトの長年のファンです。)前作の『なんだ!?このマンガは!?』で取り上げられていた作品の約半分は雑誌掲載時にリアルタイムで読んでいたものだったので、「なんだこりゃ!?」よりも「懐かしい~!!」という気持ちの方が勝ってしまったのですが、『このマンガ恐るべし…!!』ではリアルに読んでいたのは『恐竜大紀行』くらいだったので、「なんだこりゃ!?」度が高かったです。2015年出版の本を底本としているので、情報はやや古めです。
更紗蝦
2022/03/30 22:39

作中では『少年探偵ジュンの事件簿』は「1巻しか出ていないようです」との記述になっていますが、現在では電子書籍で2巻が刊行されています。おそらくこれ以外にも、電子書籍化されたり、新装版が出たりして、2015年当時に比べてぐっとレア感が減った作品があるのではないでしょうか。

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更紗蝦
ネタバレ篠塚がキリを「試す」ようなことをしているのは、意地悪をしているわけではなく、「エージェントとしての成長」を期待してのことですし、キリも自分の中の「一人の人間としての自意識」よりもまずは「エージェントとしての使命感」の方を優先させるようにマインドセットしているでしょうから、“真相”を知ったからといってキレることはないはずですが、仮に「試される」ことを嫌う慎悟が同じことやられたら絶対にキレますよね…。そういう意味では、慎悟がエージェントにならないのは、正しい判断だよなぁ…と、キリを見ていて思ってしまいました。
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更紗蝦
ささみの特徴は「低カロリー・低脂肪・高たんぱく」で、期待できるパワーは「免疫力アップ・抗酸化作用・筋肉づくりの促進・代謝アップ・美肌・美髪」などだそうです。「1週間分の買い物リストつき献立表」でレシピを紹介しているページは、買い置きした食材を無駄なく使い切りたい人には参考になります。
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更紗蝦
ネタバレ赤い馬のネームバリューが、思わぬ方向で篠塚の“正体”の隠蔽に役立っています。篠塚は、一般人のふりをするスキルに関してはやや劣るところがあるので(只者ではないオーラを隠しきれていません)、いっそ、「元・赤い馬」という偽の経歴を正式に“採用”して、積極的に活用していくのがいいかもしれませんね…。
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更紗蝦
ネタバレ上司であるNo.9(=篠塚)から「今は何も言えない」「何が起ころうと事が終わるまで手を出すな」「万が一の事態が起きた時はUBアジア地域の全権を託す」と言われ、任務の内容自体を教えてもらえないNo.19は、「影」としての役割への自信が揺らぎ、「自分は信頼を置いてもらえない人間なのか」と落ち込みますが、メールの“ヒント”に気づいたことでNo.9からの絶大な信頼を確信し、心が震えるほどの喜びに満たされます。モチベーション・マネジメントというものがいかに重要か、気付かされる巻です。
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更紗蝦
ネタバレ同じ組織に属している者同士なのに、それに気付かずに、お互いに探りを入れ合う…というシチュエーションは「勘違いコント」じみていますが、その組織の規模を考えると、桁違いに壮大なスケールのコントですね…。慎悟は、任務中の篠塚のことが心配で心配で仕方がない割には、その場にいない(つまり任務中の可能性が高い)No.19のことは一ミリも心配せずに「(篠塚の様子がわかるかもしれないから)電話してみようかなあ…」って、相変わらずですね…。篠塚の任務に配慮できるのなら、No.19の任務にも配慮しようよ、慎悟ぉ…。
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更紗蝦
ネタバレNo.19とNo.33がコンビを組むと、No.19がボケ役で、No.33がツッコミ役になるんですね…。お仕事(暗殺)用の異様な装備をしてゾロゾロ出てきた「異端のD」(=SB)を見たかがりが、恐怖を感じずに「安堵感」と「心強さ」を感じているのは、気配を消すことに長けていてその場の空気に完璧に馴染んでいるせいなのか、それとも、敵があまりにもザコすぎて殺気を出すまでもないのか、はたしてどちらなのでしょうか…。
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更紗蝦
ネタバレ栄が清子やルイやフミから「セックスするのに丁度いい男」扱いされることが、栄の「人間的成長」に良い影響を与えているかのような描写になっていますが、私には誰もかれもがセックス依存症に陥っているようにしか見えませんでした。もしかしたら、リビドーとイデオロギーの関係性について追及する構想があったのかもしれませんが…。栄と太田が肉体関係を持たないまま物語が終わっているので、最終的にこの2人はそれぞれセックスへの依存から解放されたと解釈でき、この点に関しては、結果的に打ち切りが良い方向に出たと言えます。
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更紗蝦
ネタバレ超能力的なものはあまり出てこない白土作品にしては珍しく、「大摩のガロ」と「露木道人」というキャラクターは、「遠方から姿もみず、相手の心や運命をしる能力」(=他心通)を持っています。「陽忍とはすがたをあらわしたまま敵地に潜入することをいう このようにあらかじめねがえりをうつことを予想して敵がわにすがたをかえ まったく別人として十数年 数十年とすごしチャンスをまつことを 陽忍遠入りの術のうち桂男の法という」…だそうですが、これは、「里入り忍」と同じものと解釈していいのでしょうか?
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更紗蝦
ネタバレ「煮え切らないオドオドした男の子が、エロくてアクティブな女の子に振り回される」というシチュエーションは、「学園青春グラフィティあるある」という感じで、ストーリーの方も序盤は“お約束”を踏襲しているのですが、ヒロインの菅野清子がトークイベントで「革命」について語るあたりを境にして、政治的・思想的な要素が強くなります。この作品で特徴的なのは、清子は「お騒がせキャラ」的には既存の学園青春グラフィティにはありがちなタイプなのに、その「ありがちなお騒がせぶり」に政治的・思想的な要素が脱臭されていない点です。
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更紗蝦
ネタバレ「男たちがお互いをリスペストし合う」というシチュエーションを「見せ場」として演出してしまうという、日本の漫画表現の“お約束”のせいで、あらゆる葛藤が「ガンバリズム」に収束してしまっているかのような印象を受けます。単にエンタメ的配慮を意図したに過ぎない漫画上の演出とはいえ、原作には読者の視点を「感動探し」に誘導するようなことはしていないのですから、「コミカライズに向いていない作品」を「安易な漫画的表現に走らない、巧みなテクニックのある漫画家」に任せなかったのは、企画そのものが安易だったとしか…。
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更紗蝦
クラフト封筒に手を加えてギフトバッグやギフトボックスに作り替えるアイデアが載っています。私が学生の頃は、ちょっとしたプレゼントを入れる小分けの袋は雑貨屋で買うしかなく、金額がめちゃくちゃ高くついたので、「この手があったか~!」と、目からウロコでした。今は100円ショップで色んなラッピング用品が扱われているので、コスパ的にはクラフト封筒をアレンジするメリットは少ないですが、テトラ型や牛乳パック型のギフトボックスは、工作が好きな人ならチャレンジ精神を刺激されます。
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更紗蝦
ネタバレ錦丹波の息子の源之助は、とんでもなくたちの悪いドラ息子で、学問好きで素直な性格の宮城音弥とは対照的なのですが、立場的には恵まれているのに真人間になる努力をしようとしない源之助をただ「ダメな男」として扱うのではなく、「世の移り変わりと共に要求される自己改造の圧力」への不安に駆られる心理というものについて解説しており、源之助もまた「社会の歪の犠牲者」であることを示唆しています。…とはいえ、源之助の性格の悪さには読んでいてイヤ~な気持ちになり、とても同情する気にはなりませんが…。
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更紗蝦
ネタバレ『ローマのモザイク』『早春』『姉さん』『水の町』『わたしたちの始まり』『星に住む人びと』が収録されています。社会派漫画っぽい雰囲気があるにも関わらず、主人公の女性(主人公が男性の場合はヒロインも)が社会に対して薄ぼんやりとした視点しか持っておらず、特に何の意見も感想もないことにモヤモヤします。それが一番顕著なのが『水の町』のルイで、ゆるふわに共産主義を語る男と交際していたのに困民党事件(秩父事件)をきっかけに別れてしまった理由が「私があこがれたのはあの人自身ではなくあの人の夢だった」と語っていることです。
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更紗蝦
日本の多くの方言には男女の区別がないのに標準語には「女ことば」という概念があるのはなぜなのか? なぜ女性だけが言葉づかいによって「女らしさ」を表現することを期待されるのか? …という問いに答えることを目指して、鎌倉時代から第二次世界大戦までの「女ことば」の歴史を辿っている本です。日本のジェンダーギャップが世界的に見てかなり酷い理由には、日本語の在り方が男女格差を内包しているからなのでは?…という疑問が自分の中にあったのですが、その推測は間違っていなかったと確信できました。
更紗蝦
2022/03/24 22:39

読んでいていて驚いたのは、「男女の言葉づかいの違いが男女格差を生んでいる」という批判が戦後にはあったという指摘で(199~201p)、しかもそういう意見は女性ではなく男性から出されています。(ジャーナリストの鈴木文史朗、作家のタカクラ・テル、評論家の古谷綱武、日本語教育者の釘本久春、言語学者の大久保忠利。)女性差別を批判する男性識者の声が無視されてきたという事実は、「男女格差が改善されないのは女の努力が足りないせい」だの「女の足を引っ張っているのは女」だのいう意見はとんだ言いがかりということになります。

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更紗蝦
ネタバレ百姓の娘の加代と代官の娘の鞘香とのシスターフッドがとても印象に残ります。2人ともとても賢く逞しいのですが、加代の賢さや逞しさが「生活の知恵」や「サバイバル」であるのに対し、鞘香の賢さや逞しさは「奸計」や「戦術」であり、この取り合わせは『ゴールデンカムイ』のアシリパと杉元を思い起こさせます。
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更紗蝦
おいしい冷凍&解凍のコツは、「かたまりにして小さく、薄くする」「水分が多い食品はブランチング(短時間で堅めに茹でる)」「ブランチングしたらよく冷ます」「下ごしらえをして味をつける」「空気が入る隙間を作らない」だそうです。パセリ、ショウガ、大葉などの、一度に大量には使わない野菜は、冷凍を活用したいと思いました。
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更紗蝦
映画『東京リベンジャーズ』の主題歌をSUPER BEAVERが歌っているということで、東京育ちの4人に東京について語ってもらっているのですが、「うちはじいちゃん、ばあちゃん家も東京で。マジで知らないんですよ、他のところを」「帰省するという概念もない」「(夏休みに田舎に帰ることへの憧れは)まったくないですね。(略)でも、もともと出不精だし、外に行くことに対する興味ががない子だったので、“なんで自分はこんななんだ”っていうのはまったくなかったですね」という渋谷龍太氏が自分と全く同じなので、共感しまくりました。
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更紗蝦
ネタバレ等伯作の草間彌生風の襖絵の時は、古田が受け入れるまでに少々時間がかかりましたが、又兵衛作のキース・ヘリング風の襖絵は一目見て満足しているので、古田の美意識はますますポップアート寄りになっているようです。戦国ネタのフィクション作品で、秀吉の趣味が「無粋な成金趣味」かつ「猿真似」として描かれがちなことにずっと違和感を持っていたので、『へうげもの』では「利休のわびもわかり信長の華も理解できる」=「美意識の範囲の広い人物」として描かれていることには、すごく納得感があります。
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更紗蝦
表紙の下の方に書かれている「シビ辛」とは、舌が痺れるような辛さである“麻”と、ピリリとした辛さの“辣”を併せ持った味のことで、本書では中国の花椒・青花椒・粉花椒、日本の実山椒を使い分け、手作り調味料(「麻辣醤」「椒麻醤」「甜醤油」「麻辣油」「花椒油」「山椒油」)をベースとしたレシピを紹介しています。冷菜、鍋物、揚げ物、炒め物、麺類、ご飯類に加え、デザートまである(「花椒シャーベット」「花椒牛乳プリン」「香麻ジンジャー豆花」)のには驚きました。
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更紗蝦
普段の生活で何気に目にしているけど定義は意識していなかった「デニール」や「番手」(繊維の単位)、近視の自分にとっては物凄く生活に密着しているのに全く知らなかった「ディオプトリ」(レンズの焦点距離の逆数)、なんとなく「明るさ」の意味でとらえてしまう「ワット」は「消費電力」を意味していて光度の単位は「カンデラ」…など、色々と知ることができて、勉強になりました。「ベクレル」は、原発事故がなかったら、おそらくは一生、興味を持つことはなかった単位だったろうなぁ…と思うと、やるせなくなりました。
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更紗蝦
ネタバレクズとロクデナシと生活無能力者ばかりが住んでいる「渡久呂町」(通称ドクロ町)を舞台に繰り広げられる、凌辱と拷問と復讐の物語です。タイトルの『肉の天使』は、ストレートに解釈すれば、切り刻まれた肉体に整形を施して完璧な美貌を手に入れた麗美(元の名前は美樹)を指していると思われますが、もしかしたら、妖精めいた美青年の花村・筋肉質な巨漢のジャンボ・白豚に例えられる肥満体の市子も含まれているのかもしれません。(肉質的な描写に力が入っているので…。)あとがきでは、映画評論家の小川徹氏の思い出を語っています。
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更紗蝦
ネタバレ沢渡の前に姿を現した河内が手袋をしているという分かりやすい伏線により、黒河内が沢渡を撃ち殺す展開は予想がついたのですが、その後に、芥川龍之介の『藪の中』に近い感じの展開が来るとは予想外でした。黒河内が沢渡の口から「白藤里香子」の名を言わせてから撃ち殺したのは、(読者に真相を伝えるためという作者側の都合は除くとして、)黒河内が最も拘ったのは「姉を殺害したのは沢渡であるという確たる証拠」であり、一番恐れていたのは、「自分の恨みの矛先が間違っていること」ことだったのでは…と想像しました。
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更紗蝦
「持続化給付金」の不正受給、新型コロナ関連詐欺、マスクの転売と粗悪マスク氾濫の経緯などに注目したルポルタージュです。発行日が2020年9月1日なので、スピード重視で出版したらしく、愚策の極みであるアベノマスクとGoToキャンペーンにはほぼ触れていない(165ページに単語が出てくるのみ)ことが少々残念ですが、緊急事態に対して政府がどのように迷走し、それに対してどのような不正が起こり、どのように反社会勢力が跋扈していくのかの一定の「パターン」が見えてくる内容なのがとても良かったです。
更紗蝦
2022/03/17 23:48

…とはいえ、持続化給付金の受給に関しては、「工夫」レベルのものまで「悪知恵」と断じて「不正」に含んでしまっているのには、モヤモヤしてしまいました。正直者が馬鹿を見てしまっている事態を見過ごせないという著者の正義感は理解できますし、手続きの煩雑さや受給の基準の厳しさへの批判的目線はきちんとあるものの、生活のために知恵を絞る行為を「ズルをしている」でひとくくりしてしまうのは、ちょっとどうかと…。

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更紗蝦
ネタバレ沢渡を殺人容疑で引っ張れる有力な証人である桃坂マミを命懸けで守る黒河内は最高に格好よかったのですが、毒矢使いの殺し屋の手により、結局マミは殺されてしまうという悲劇が…。沢渡が行きずりの少女に声をかけていたところをマミが目撃していたのであれば、マミの彼氏のシゲも目撃していた可能性があるのですが、シゲは再登場しないのでしょうか? マミは事情聴取の時に、「(沢渡から)誘われたけど彼氏が来たからついて行かなかったの」と言っているのですから、「決定的な瞬間」に居合わせていたことを警察は把握しているはずなのですが…。
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更紗蝦
ネタバレ一色に嵌められ、沢渡に拉致られた浅黄ですが、事前に黒河内が一色の実父・群青を手懐けていたことにより、無事救出されることに…。キレた沢渡が豊田真由子と化して群青に「このハゲ~~~!!!」「ちがうだろおお!!」と電話で叫んでいるのですが、仮にこの暴言が録音されていたとしたら、沢渡の政治家生命は確実に終わるわけですから、随分と軽はずみな言動をしているものです。いかに群青を舐めているかということですね…。
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更紗蝦
ネタバレ黒河内が沢渡に執着する理由が、やっと明らかに…。たった二十万円の賄賂で、助けられるはずだった少女を殺してしまった罪悪感に、ずっと苦しんできたわけですね…。堂々と汚職警官として振る舞っているのは、一種の自罰行為なのかもしれません。前巻で高宮に頼んでいた「死ぬほどつらい仕事」とは、「ハニートラップ」ならぬ「ハニーガード(?)」で、好きでもない女性と一時的に恋人同士となってデートの体裁で護衛をするというものでした。ピュアな性格のゲイである高宮にとっては、確かに、辛いお役目ではありますね…。
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更紗蝦
本来なら写真で補足すべきところを手描きイラストにしてしまっているため、「自分語りエッセイ」が趣旨ではないページに「自分語りエッセイ」臭が出てしまっており、そのくせ正真正銘の「自分語りエッセイ」のページには「雰囲気だけの写真」がデカデカ付いているという謎構成が少々気になりましたが(わざわざ写真家の名前が表紙に記載されているので、おそらくはこの方とのコラボであることが重要で、更に、著者が自分の絵を披露したいという欲目もあったのでしょう)、内容自体はとても良く、お香アイテムとか様々なアイデアは参考になりました。
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更紗蝦
ネタバレ『なかよし』掲載時にリアルタイムで読んでいました。「主人公(千絵)が眼鏡コンプレックスのドジッ子」「主人公に片想いしている長髪の美形男子(高戸)がツンデレ」「美形男子の友人(田山)が超絶ウザい」「美形男子のファンクラブが全員男(筆頭は田山)」「男嫌いが高じて主人公を好きになる美少女(恵美子)」等、結構色んな設定を覚えていましたが、千絵が当初好きだったのは一見無骨だけど性格は柔和な先輩だということはすっかり忘れていました。改めて読み直してみると、田山はゲイではなく腐男子に近い性癖なのが、なかなか画期的です。
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更紗蝦
ネタバレ黒河内の動きを察した沢渡が、白庄司とその娘に卑劣な脅しを…! 身内のいない黒河内に圧力をかけるとすれば、「仕事仲間」として親しくしている人に仕掛けてくるのは想定できることなのですが、黒河内があまり注意を払っていなかったのは、警察関係者ならそれなりに自衛はできるはずだし、リスクは覚悟しているはず…という認識だったということなのでしょうか…。黒河内が自分と親しい人間を守るために、高宮に「死ぬほどつらい仕事」を頼んでいますが、高宮の恋心につけ込んでいるわけですから、下手したら緑川の時のような悲劇が再び…?
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更紗蝦
ネタバレ久々に高宮が登場し、個人的に“癒しキャラ”だと思っている自分としては嬉しい限りです。どうやら浅黄は高宮がタイプのようですが、高宮は今でも清家に心を寄せているようです。沢渡には「本物の沢渡」がいて、「本物の沢渡」は三歳で亡くなっていることを黒河内が突き止めますが、どうやら家族ごと「沢渡家」に成りすましたようで、このシチュエーションには日経新聞で連載されていた浅田次郎先生の『黒書院の六兵衛』を思い出してしまいました。
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更紗蝦
ネタバレ黒河内の新しい相棒の浅黄は、キュートな印象の、赤穂と同じタイプの女性…かと思いきや、性犯罪・性暴力の加害男性を前にするとブチ切れて全力で蹴る殴るの攻撃性を発揮するバイオレンス刑事(デカ)で、その豹変ぶりは、海千山千の黒河内すらもあっけにとられるほどです。浅黄のこの性格は、15年前に姉を強姦魔によって殺されたことに起因していますが、どうやら黒河内にも浅黄のような辛い過去があり、汚職に手を染めてでもターゲットに迫ろうとする執念の根源であることが匂わされています。
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更紗蝦
ネタバレ赤穂も緑川も、清家に好意を持っていたがために、危険な単独行為が結果的に死を招いてしまうことに…。赤穂の場合は清家への好意を清家自身により利用され、緑川の場合は黒河内から「(清家は)今でもあんたに惚れてますぜ だから今度の仕事は彼のために頑張って下さい」とはっぱをかけられたという違いはありますが…。五浄院の“口寄せ”を聞いてショックを受けている清家は、かなりあやうい精神状態ですが、果たして黒河内の方は、どんな心境なのでしょうか…。
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更紗蝦
江戸時代中期以降のエンタメ小説(読本、黄表紙、合巻、人情本)を、インパクトの強い挿絵を元にして紹介している本です。図版が大きいので「見て楽しめる」のはもちろんのこと、解説も分かりやすく、読み応えがあります。今で言う絵コンテにあたるようなものも掲載されているのには驚きました。(40~41p、90~91p) 下絵の段階でかなり細かい指示を出しており、しかもかなり絵が上手く、曲亭馬琴と柳亭種彦は、なれるのもなら絵師にもなりたかったのでは…?と思いました。
パトラッシュ
2022/04/03 20:50

禿しく同意!

更紗蝦
2022/04/04 20:00

コメントありがとうございます! 中学校の国語の授業で文学史を習うと、どうしても「タイトルと作家名を機械的に覚える」という方法なってしまいがちですが、挿絵のビジュアルイメージと共に覚えた方が記憶に残りやすいのでは…?と、この本を読んで思いました。

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更紗蝦
本書でアドバイスされている“時短&簡素化”のテクニックは、「玉ネギのみじん切りはテキトーで」「ニンニク、ショウガはチューブのものを使う」「トマト水煮はカットorあらごしを使う(ただしあらごしタイプは濃縮タイプは使わない)」「材料の計量はフライパンごとはかりに載せて行う」「加熱中でも鍋敷きを使うことでフライパンごと計量する」です。最終ページ(折り込み)の「インドカレーの設計図」は、チャートでインドカレーの作り方を説明しているのですが、この発想は、もしかしたら著者の音楽の知識から来ているかもしれません。
たまきら
2022/03/14 06:49

おお~なるほど!このチャートは確かにハーモニーを感じさせます!

更紗蝦
2022/03/14 21:37

「切る」「炒める」などの一つ一つの作業を、「ソロパート」のように捉えて、「全てが調和して一つの作品として仕上がるイメージ」を読者に伝えているのかな…?と思いました。

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更紗蝦
ネタバレこれまで”ピンク”の職場環境の描写はゆるゆるだったので、「こんな公安ならぜひ働いてみたい」とすら思ったので、赤穂の死はショックでした…。やはり危険な仕事だったんですね…。赤穂を単独行動させてしまったくらいなので、清家も相当、気が抜けていたってことですよね…。アンズの種に含まれている成分が酵素によって青酸カリになるというネタは、徳弘正也先生の『亭主元気で犬がいい』でも使われていたので、前巻の黒河内の「杏仁豆腐のにおい……」という伏線があったことで、『スパイク・ミー』のカラクリは予想できました。
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更紗蝦
ネタバレ「体力ねえなあ 禁煙しようかなあ」とか言いながらヨロヨロしている割には、黒河内の戦闘スキルがやたらに高いのですが、どこでどうやって身に付けたのでしょうか!? 前々巻から清家が所属している”ピンク”の、「プロフェッショナル感はあるのにピリピリ感はない」という雰囲気は、職場としてはすごく理想的に見えて、「こんな公安ならぜひ働いてみたい」と思ってしまいました。
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更紗蝦
ネタバレ「説教」とか「指導」とかの形ではなく、若者への「寄り添い」のスタンスで、「生きる希望」を自らの内側から自然とあふれ出すように若者を促したい…という著者の想いが感じられる内容でした。言葉の持つ力(特に暴力性)に関する記述は、文学者・翻訳者・教育者ならではの目線があり、日ごろ当たり前のように使っている言葉や言い回しの中に内包されている「抑圧」というものに気付かされ、はっとしました。一番共感したのは、「気が利かない」と言われることへの忌避感で、私の場合はこれに加えて「要領が悪い」という言葉への忌避感もあります。
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更紗蝦
ネタバレ3巻で完結しているのかと思ったら、まさかの未完でした…。電動刈込み機を振り回す謎の人物から業子が追い回されるシーンで話が終わっているので、続きが気になって仕方がありません。最後のページだけ見るとまるでスラッシャー映画のようですが、この巻は贋作の話がメインなので、全般的な雰囲気は『ゼロ』とか『ギャラリーフェイク』の系統です。
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更紗蝦
ネタバレ前巻を読んだ時は、この作品には『子連れ狼』の女バージョンのような印象を受けたのですが、業子が看護婦を辞めて百貨店の店員に転職をしたのは、行方をくらますことが目的ではなく、音威一家を監視するためであり、つまりは潜入調査でした。(百貨店の社長は音威家の長女の婿。) 職場(帽子売り場)で先輩店員からこき使われているシーンのしおらしさと、「総裁の後見人」として社長の前で横柄な態度を取るシーンの不遜さのギャップはメリハリがあって楽しいものの、音威家の次男が業子に粘着するシーンはイヤ~な気持ちになります。
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更紗蝦
ネタバレ「罰したい」という欲望を持つ者同士の戦いをみっちりと描いたバイオレンス作品です。「誰でもいいから加害したい」というわけではないので、「罰せられる条件」を満たした者を加害しているのですが、その条件というのは「援助交際」であり、女子高生(&その彼氏)は「買うオヤジ」を、オヤジは「売る女子高生」を罰したいと望み、暴力の限りを尽くします。女子高生同士は極めて仲が良いことと、オギスという元ホストが「女の子と快楽を分かち合いたい」と思うタイプ(女の子を苦しめることに喜びを感じない)であることが、僅かながらの救いです。
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更紗蝦
ネタバレ「業子」という主人公の名前とビジュアルは前作と同じですが、名字は「根津」ではなく「露木」ですし、看護婦として働いている設定(この巻の後半では百貨店の店員に転職)なので、どうやら前作の「その後」というわけではなく、パラレルストーリーのようです。赤ちゃんを育てながら、悪事を働く人間を懲らしめていく内容なので、もしかしたら『子連れ狼』の女バージョンを意識したのかもしれません。(ただし、業子と赤ちゃんには血縁関係はなく、業子は「後見人」として面倒を見ているという設定です。)
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更紗蝦
ネタバレ太平洋戦争終結後にGHQによって解体されて消滅したかに見えた忍者組織が実はまだ存在していて、極秘裏に暗殺や破壊活動を行ったり、秘密裡に国民を監視したりしていた!…という内容なのですが、主人公の雲隠九郎(それなりの忍者スキルはあります)のニート生活のダラダラ感と、組織としての忍者の存在意義に「政治的な思惑」がほのめかされている緊張感とのちぐはぐさが、独特な世界観を構築しています。
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更紗蝦
ネタバレ業子が新たに選んだ仕事が考古学絡みだったり、恵の復讐方法がえげつなかったり、夏世の運命が無惨だったり…などのシチュエーションに、かなり『悪魔の花嫁』テイストがあり、“池田悦子先生による原作らしさ”が存分に出ている最終巻でした。ラストの怒涛の展開は、仕掛けた人物(雲水)の手際の良さが人間離れしているのですが、本当に人間ではないと解釈していいのでしょうか…。(つまり亡霊…。)
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更紗蝦
ネタバレ『大富豪と禁断の眠り姫』というタイトルからは想像がつきにくいですが、同じF1チームに所属する男と女(ドライバーのフィンとテクニカルディレクターのセリーナ)を主人公にしたラブロマンスです。タイトルの通り、確かにフィンは大富豪ではあるのですが、オチには「玉の輿」的なニュアンスはなく、「犯罪が暴かれて真実が明らかになる」という部分の方が、ラストをハッピーエンドたらしめる要素としては重要です。フィンが妹のエヴァことを思い出しているシーンが妙に意味ありげなのですが、どうやら他のハーレクイン作品のヒロインのようです。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
ネタバレ女将として働けるまで回復した百合子に「雨蝶」を引き渡し、「ここでの私の仕事は終わった……」と、一息ついた業子ですが、夏世のことをすっかり忘れているわ、よせばいいのに利章とヨリを戻してしまうわで、「気を抜きすぎだろ!?」と思ってしまいました。殿山のことを忘れてはおらず、宮脇に殿山のことを頼んでいるのは救いですが…。業子が宮脇を「許す」のは、それなりにお灸を据えた後なのでまぁいいとして、業子をレイプした藤吾はまだ一度も痛い目を見ていないのですが、泣き寝入りのままでいいのでしょうか?
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更紗蝦
『一度きりの大泉の話』と『少年の名はジルベール』を読んだ時、増山のりえという人物には「表現者としての才能を取っ払った栗本薫」という印象を持ったのですが、この『栗本薫・中島梓』を読んで、その印象はますます強くなりました。栗本先生の凄いところは、自分が読みたいものを自分で書いているゆえに、常に自分の作品を「読者目線」で客観視し、「自分(のような読者)がこういった作品のどこに惹かれ、それを好む理由は何なのか」を追及し、自己分析と創作活動を表裏一体にしてぐるぐると循環させていたことです。
更紗蝦
2022/03/08 22:24

栗本先生だって、他者の作品を読んで「違う、そうじゃない」と思うことはもちろんあったでしょうけど、その「(個人的な感想としての)ダメ出し」を自分の創作に転化するというかたちで「活用」しています。増山氏は、萩尾先生や竹宮先生へのファンレターをチェックして選別していたことが『少年の名はジルベール』の中で明かされていますが、「なぜ、その読者はそういう解釈をしたのか」という分析をせずに選別するという行為は、ただ「ダメ出し」してそれで終わりというだけのことでしかなく、リサーチとしてはあまりにもお粗末で非効率的です。

更紗蝦
2022/03/08 22:47

おそらく、もっと根本的なところでは、栗本先生と増山氏の違いというのは、「人間が好きか嫌いか」というところにあるのではないかと思われます。増山氏は「人間嫌い」ゆえに、「どういった読者が、どんな作品を好むのか」を分析することは、ストレスでしかなかったのでしょう。そして、自分自身をも嫌っていたゆえに、オタクとしての自分を自己分析することもできなかったのではないでしょうか。

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更紗蝦
「お香で開運」系のスピリチュアル要素と、「お寺に嫁いだ自分」をアピールする“嫁エッセイ本”要素と、仏教とお香の関係についての説明(おそらくは参考文献の受け売り)で構成されています。厄除けお香のページは「ワークショップをアピールしたい」という著者の欲目がかなり出ていますし、仲の悪かった姉と生活を別にして清々したという話を「お香とお寺のおかげ」ということにして本の中に書き立てる(157p)という態度が陰湿で、「お香で自分の内面とより深く向き合っていく」(63p)を御自分で実践できていないことを露呈しています。
更紗蝦
2022/03/08 14:57

著者がお寺に嫁いだのは、“寺ガール”としてテレビに出演し、仕事にかこつけてお寺をたくさん巡ったからだと御自分で書いている(184p)のに、「自分が結婚できたのは、お香で良縁に恵まれたおかげ」ということにしてしまっているのは、「因果の誤謬」としか…。「趣味や仕事がきっかけで出会いが生まれた」というだけのことなので、お香の効能とは関係ないです。

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更紗蝦
初出は1996年の『ちゃお』。原作としてクレジットされている「ビーパパス」の説明がどこにもないのですが、Wikipediaによると、『美少女戦士セーラームーン』シリーズのメインスタッフだった幾原邦彦氏が少数精鋭のスタッフを集めた制作集団だそうで、漫画版はメディアミックスの一環だそうです。『セーラームーン』に、『おにいさまへ…』と『ファイブスター物語』とグリム童話を足したような、不思議な作風です。
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更紗蝦
ネタバレ1巻を読んだ時は、この作品は「ノワールもの」の方向性で話が進んで行くのかな?…と思ったのですが、この巻ではリンとバータルが仲間に加わるシチュエーションがRPG的なノリであるせいで、安っぽい冒険ファンタジーの序盤の部分のような印象を受けます。リンの“特別な”能力をなぜ麗華が知っているのかも謎なら、リンのその能力が青幇の中でどの程度知れ渡っているのかも謎で、リンがわざわざ目立つ格好で阿片を売っている理由も謎です。パジャマにしか見えない恰好で四六時中ウロウロしている子供なんて、目立ってしょうがないのでは…。
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更紗蝦
ネタバレ黒人であるアボットと、白人であるキャロラインとロストマンの間には、レイシズムは全く感じられず、人間関係は極めて良好(キャロラインに対する女性蔑視も見られません)なのに、中国という国に対しては三人とも「上から目線」が酷く、特にアボットは、キャロラインの乗る機体が中国のキラー衛星(と思わせて実は宇宙戦闘機)のレーザーに撃破された後は、「中国人」という人種に対する憎悪を漲らせます。宇宙開発は「地球人同士の結束」を強める方向には向かわず、「ナショナリズムをこじらせるもの」として描かれています。
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更紗蝦
100人のアスレティック・トレーナーからアンケートを取り、特定の部位や症状に有効とされるストレッチをピックアップし、部位別・症状別にストレッチング肢位をランキングした本です。「ストレッチ肢位から効果的なものを選ぶ」というのは専門家ではない読者には難しいので、部位別・症状別に選択できるのはとても有難いです。本のコンセプト上、同じストレッチングが重複して載ってしまっていますが、自分が必要とする情報を早く見つけることができるメリットがあります。
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更紗蝦
ネタバレNo.19が、本来のエージェントとしての務めに専念できているのは、「異端のD」=「SB」たちが、慎悟の“お守役”を引き受けてくれているからですね。久々に登場したNo.33と一緒に仕事をしている様子にはものすごく安定感があって、「現場に戻れてよかったね!No.19ゥ~!」と、祝福する気持ちが先に立ってしまい、かがりの心の救済の方は二の次になってしまいました。(まぁ、空の時とは違い、慎悟との関係がこじれるようなことは、おそらくはないであろうと、確信できるので…。)
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更紗蝦
ネタバレ死の恐怖の中で英子(ヨンジャ)と最高に盛り上がるHをしてしまったことをわざわざ妻のおせんに暴露してしまった古田ですが、おせんが傷ついたのは、「他の女とHした」という単純な事実ではなく、「この上なき回春に見悶えてしもうた」「久々ぶりに一切の気をやってしもうた」というセリフであり、そこから「夫に我慢を強いてきた」(=自分とのHは古田には負担だった)という結論に至ってしまったからなのに、北政所が「浮気は男の甲斐性」「信頼されているからこそ浮気を暴露した」的な意味合いのアドバイスをしているのは、的外れなのでは…?
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更紗蝦
ネタバレ殿山は、業子の言うことなら何でも信じてくれるし、業子の頼みとあれば殺人ですら引き受けてくれるのですから、もう、いっそのこと、殿山と本気で付き合っちゃえばいいのでは?…と思うのですが、殿山への恋愛感情は一ミリも湧かないようです。哀れ、殿山…。殿山による駒谷の殺害シーンと、業子と宮脇のHシーンが、うまい具合にシンクロしている演出は、手法としてはアンジャッシュがよくやる「勘違いコント」の系統なので、「殺人という深刻なシチュエーションなのに、笑いを取る方向性でいいのか?」と思ってしまいました…。
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更紗蝦
ネタバレ業子が夏世に後をつけられるという大ポカをやらかしたせいで、百合子との繋がりが発覚し、業子の目論見が夏世と駒谷にバレてしまい、百合子を誘拐されて脅迫されるはめに…。業子にしては詰めが甘くて不用心なので、フランス時代のキレのある悪女ぶりと比べると、ヤキが回ったなぁ…と感じてしまうのですが、「持って生まれた熱い血が 私を踏みにじり辱めたやつらを許してはおけないの あとでどのような天罰を受けようとも 私のいく道ははだひとつ……毒には毒を!悪には悪を!」というセリフはかっこいいので、ここらで挽回してほしいものです。
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更紗蝦
ネタバレ古田が伏見に新しい屋敷を造ることになり、等伯の紹介で岩佐又兵衛が襖絵を描くことになりますが、等伯のセンスが草間彌生風だったとすると、又兵衛はアンディ・ウォーホル風…? 屋敷が全体的にぐんにゃり(古田による表現だと「うぎゃあ」)したデザインになっているところには、ガウディっぽさを感じます。この巻では、「表現者」としての才のある女性キャラとして、阿国の他に、柳英子(ユウ・ヨンジャ)というキャラが登場しますが、優れた作陶の知識を持つ上に、美的センスが古田と完全に一致しています。
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更紗蝦
ネタバレ夏世が一千万の借金(利息をつけて二千万)のカタに働かされている場所がラブホテルだということが判明しますが、掃除やベッドメイクをかなりテキパキやっていますし、「晴れ着でやってきて着崩れた娘の着物の着付け」も仕事に含まれていて、案外、夏世に向いている職場なのでは…と思いました。宮脇・駒谷・夏世を罠に嵌めようと画策している業子にいいように利用されている代議士秘書の殿山は、これまで登場した男性キャラの中ではかなりいい人の部類なのですが、それでも、妻がいる身で業子の色仕掛けに負けているんですよね…。(つまり不倫。)
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更紗蝦
ネタバレ利休の介錯という辛い役目を負わされた古田ですが、利休の最後の「もてなし」により、激しく怒ったり爆笑したり滂沱の涙を流したり…と、様々な表情を見せており、この「喜怒哀楽」のストレートさが、利休が古田に求めたものであり、古田の「数寄者」としてのクリエイティビティを高め、人々を魅了してきたわけですが、そんな古田の心の中に潜んでいる「保身」を見抜いてしまった忠興は、古田に失望し、憤りを抱えることに…。古田が秀吉の命令に従った決定的な理由は「保身」ではないのですが、それを忠興が知る術はなく…。
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更紗蝦
ネタバレせっかく百合子のために取り返したエメラルドなのに、それを自分自身の恨みを晴らすことに利用してしまう業子には、全く共感できません。夏世は確かにあくどい女ではありますし、一泡吹かせたいのは分かりますけど、そこで百合子のエメラルドを利用してはダメでしょう。そのエメラルドに、火野がどんな思いを託したか、よもや忘れているのでは…? 宮脇の嘘にまんまと騙される利章なんて、その程度の男ということでしかないのに、「あの人の恋をなくしてしまえば……私に失うものはなにもない」って、業子はあまりにも利章を買い被りすぎでは…?
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更紗蝦
『諸星大二郎の本棚』のページが圧巻です。本棚に置いてある本のタイトルを10ページ使って列挙しています。「作成・編集部」との表記があるので、諸星先生が作った目録が元々あったというわけではなく、地味にコツコツと編集員が作業したということのようです。山岸凉子先生との対談は、山岸先生側がかなり興奮して舞い上がっていることが伝わってくる内容でした。諸星先生が元公務員だったことはいろんな所で語っているので知っていましたが、山岸先生が半官半民のところ(地下資源調査所)に一年間だけ勤めていたという話は初耳でした。
更紗蝦
2022/03/01 23:31

「山の地図の等高線描きに雇われた」と語っていますが、もしかしたら、『天人唐草』の主人公の勤め先での働きぶりは、その体験を参考にして描写していたのでしょうか? 確か、『天人唐草』の主人公も、半官半民のところに就職して、製図の作業をしていました。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/07/30(4288日経過)
記録初日
2011/02/18(4816日経過)
読んだ本
6959冊(1日平均1.44冊)
読んだページ
1056304ページ(1日平均219ページ)
感想・レビュー
6750件(投稿率97.0%)
本棚
49棚
性別
年齢
51歳
血液型
O型
職業
主婦
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

Twitter → https://twitter.com/sarasaebi
Blog → https://blog.livedoor.jp/sarasata/
     http://sarasata.seesaa.net/
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