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2022年4月の読書メーターまとめ

更紗蝦
読んだ本
73
読んだページ
10978ページ
感想・レビュー
73
ナイス
1874ナイス

2022年4月に読んだ本
73

2022年4月のお気に入り登録
3

  • yutaro sata
  • 紅はこべ
  • ローマ奏者

2022年4月のお気に入られ登録
3

  • yutaro sata
  • 紅はこべ
  • ローマ奏者

2022年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

更紗蝦
ネタバレこの作品の舞台を日本に置き換えると、「山姥伝説の近代版」ということになるでしょうか…。閉鎖的な村の中にある裕福なお屋敷で起きた毒殺事件が物語の背景にあるので、これが探偵小説であったなら訪問者のチャールズは探偵役となるのがお約束ですが、あいにく、財産目当てのしょーもない男なので、「謎が解明されて事件が解決」という方向性のオチにはなりません。…が、主人公のメリキャットと、その姉のコンスタンスの視点においては、ハッピーな結末であり、ある意味、究極的なシスターフッドの物語と言えます。
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2022年4月にナイスが最も多かったつぶやき

更紗蝦

2022年3月の読書メーター 読んだ本の数:63冊 読んだページ数:10484ページ ナイス数:1648ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/247008/summary/monthly/2022/3

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2022年4月の感想・レビュー一覧
73

更紗蝦
ネタバレ鈴川清弘は、てっきりしょぼい詐欺師なのかと思いきや、めちゃくちゃ優秀だったんですね…。こういう、変装のスキルのあるキャラって、ストーリーを盛り上げる役として便利に使われるものなのに、あっさりと退場してしまって驚きました。三船千鶴子の「行ってはいけません あなたは…殺されてしまいます」は、ただの善意の警告なのか、それとも、実は本当に超能力者で未来を予知したのか、果たしてどちらなのでしょうか? インカラマッが男を追っていることは、三船千鶴子は知らないはずなので、だとしたら、予知の可能性が…?
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更紗蝦
ネタバレ白石は、熊岸長庵の描いたシスター宮沢の絵を、最終的にどうしたのでしょうか? シスター宮沢に会うまで持ち続けていたのは確かですが…。ちなみに、芸術家としての熊岸長庵の画風は、ルオーみたいな感じでしょうか?
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更紗蝦
ネタバレ“創作意欲”の塊の江渡貝の気質は、クリエイターとかアーティストというよりも、特撮番組に出てくる悪の組織のマッドサイエンティスト(怪人をプロデュースする係)ですね…。炭鉱のシーンでは、女性は描かれていても、子供の労働者や母親に背負われた乳幼児が描かれていないのは、あまりに悲惨すぎるせいでしょうか…。
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更紗蝦
ネタバレインカラマッの占いがよく当たるのは、呪術的な効果(異能力持ち)なのか、たんなる偶然(占い師としての自分の呪術性を信じている)なのか、人間心理を巧みに突くのが上手いだけ(意図的なペテン)なのかが分からないのが気になります。
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更紗蝦
ネタバレこの巻は、前半は江戸川乱歩的なホラー・サスペンス、後半は西部劇+清水次郎的な時代劇といったところでしょうか? 【この時代に老いぼれを見たら「生き残り」と思え】という土方のセリフがシビれます。歴史の転換期に居合わせた者ならではの重みがあります。
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更紗蝦
ネタバレ「動物が人間を捕食する」というシチュエーションは、熊やシャチなら予想の範囲内でしたが、まさかイトウが人間を丸呑みするとは…。辺見の性癖は、オートアサシノフィリアと呼ばれるものでしょうか?
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更紗蝦
ネタバレ二瓶の「エゾオオカミが最後に見る猟師になりたい」という願望は、いわゆる「男のロマン」というやつであり、レタラとの一騎討ちを「獣と獣の殺し合い」とは言っていても、二瓶の無意識心理の中ではおそらくは「男と男の勝負」に置き換わっており、それは必然的に「女の出番はない」という“思い込み”とセットとなります。「男のロマン」に酔って油断した二瓶に致命傷を負わせた狼がレタラのつがい(つまりメス)であったのは、二瓶の男尊女卑思想への皮肉と解釈できます。
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更紗蝦
ネタバレ「送り狼」=「飲み会の帰りに女の子を送ることを口実にエッチに持ち込む男」という認識だったので、「見知らぬ人間を追跡する」という狼の習性を表す言葉として使われていることに驚きました。村田銃で熊撃ちをすることにこだわるキャラというと、『銀牙 流れ星銀』の竹田のじっさまを思い出すのですが、犬を生かすためなら自分の足を犠牲にするほど犬を大事にする竹田のじっさまと違い、二瓶は狼にビビる自分の犬を駄犬呼ばわりしていて、犬のリュウに同情してしまいました。…まぁ、リュウの気質は、リキとは全然違いますが…。(サスケ似?)
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更紗蝦
ミロの生涯を概観している本です。ミロほどに国際的に成功している画家が、独裁体制下でのスペイン国内ではほとんど無名の存在だったということを初めて知って、驚きました。ミロと独裁政権の対立は、フランシスコ・フランコの死後、民主的な立憲民主制が確立するまで続いており、政治に真正面から対峙したミロの反骨精神というものを思い知りました。1966年に開催されたミロ展の返礼として国立近代美術館に寄贈された《壺》(48p)と、アルティガスとの共作の《両面碑》(49p)が印象的で、ミロの陶芸作品をもっと知りたくなりました。
更紗蝦
2022/04/28 17:23

山田芳裕先生の『へうげもの』は、古田織部のセンスを漫画として表現するにあたって、「近代アーティストの作品のパロディ化」という手法を取っているのですが、その近代アーティストの中には、ミロも含まれているのではないかと思われます。おそらくはミロは間接的に織部焼の影響を受けているので、ミロの陶芸作品に見られる“織部焼っぽさ”を『へうげもの』の中にフィードバックさせることで、2つの類似性を際立たせ、かつ、ギャグとしても成立させるという、二重の意図があるのではないでしょうか。

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更紗蝦
2020年に全面的にリニューアルした「東京大空襲・戦災資料センター」の図録です。私は都内の博物館や美術館はそれなりに足を運んでいる方だとは思うのですが、2002年に開館したこのセンターを知ったのはつい最近のことで、図書館で東京大空襲に関する本を借りたことがきっかけでした。この図録も、図書館で借りて読んでいるので、いずれはセンターに足を運んで、資料を直に見てみたいです。(ちなみに、東京大空襲の資料というと、江戸東京博物館と昭和館でも見た記憶があるので、そちらにもまた行ってみたいです。)
更紗蝦
2022/04/28 16:33

東京大空襲・戦災資料センター所在地:東京都江東区北砂1丁目5-4

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更紗蝦
ネタバレいずれはサールは肉体を取り戻せると思っていたですが、どうやらサリ(=「おっかさま」)と同じ状態(霊魂?)になってしまっているようで、だとしたら元の肉体を取り戻すことはないということに…? 何気にショックですが、本人は一族の手助けができることを喜んでいるようなので、良かったです。サールとサリは一族から求められていますし、「なすべきこと」がはっきりしていますが、誰からも求められず、自分のなすべきことが分からないまま「常若の国」に着いてしまったギーゼラは、果たしてそこを居場所とすることができるのでしょうか?
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更紗蝦
ネタバレレギオンと共に眠る水晶の竜の元にアリアンロッドが辿り着き、20巻目にしてようやく『クリスタル☆ドラゴン』というタイトルの意味するものが分かりました。アリアンロッドが寒さで震えていると知ったグリフィスが「俺の毛皮を剥いで着るといい」と言うシーンには、「死を覚悟したグリフィスはこんなに優しくなるのか…!」と驚きました。アリアンロッドの力で回復した後、しばらくアリアンロッドを見ないようにしているのは、全裸のアリアンロッドへの気遣いだけでなく、自分が優しさを見せてしまったことの照れ隠しもありますよね、きっと…。
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更紗蝦
ネタバレ強大な力を秘めながらも、魔法使い(ドルイド/ドルイダス)としては未だ“見習い”であるアリアンロッドですが、サールの一族の巫女のサリ(=「おっかさま」)と行動を共にしたことで、魔法使いとしてのレベルはアップしたのでしょうか…? サリは巫女でありながらも戦士の風格があり、絶壁から落ちたアリアンロッドの無事を願って涙する姿には「情の厚さ」が感じられてグッときました。
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更紗蝦
ネタバレ過去の世界(ひょっとしたらパラレルワールドの可能性も?)で、レギオンはアリアンロッドに「アリアンロッド」という名前を“与え”、アリアンロッドは風の精(シルフ)の王に「パラルダ」という真実の名を“与え”ます。アリアンロッドにとってレギオンが二重の形での「名付け親」であり、風の精の王の「(真実の名の方の)名付け親」がアリアンロッドであるという状況は、「縛りつける者/縛られる者」という関係を複雑にしています。
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更紗蝦
ネタバレアリアンロッドとバラーが、“竜の杖”の主になるために、四つの破片を取り合うことに…?  “竜の杖”とエラータが顔見知り(?)だったとは意外でした。グリフィスとサールは堅実に冬を越そうとしているのに、アリアンロッドととソリルは(ヘンルーダを探さなければならないという事情があるとはいえ)あまり下調べもせずに冬山に入ってしまっており、「慎重派」と「楽観派」の違いがよく現れています。
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更紗蝦
ネタバレ勝平と山瀬の想いがすれ違うもどかしさには、「ハーレクインか!?」と思ってしまいました。女性を侮辱する男性に対して、その場にいる第三者の男性がしっかり怒るというシチュエーションも、何気にハーレクインっぽいです。『北斗の拳』要素とハーレクイン要素を足して、キャンパスライフラブコメに仕上げたのが、『KAPPEI』という作品なのでしょうか…!?
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更紗蝦
ネタバレ勝平の寿司職人姿が、驚くほどしっくりと馴染んでいます。これはもう天職と言っていいのでは…? なんだかんだで勝平は人付き合いを上手にこなしていますし、働く意欲もあるので、いずれはちゃんと自立できそうな気がしますが、他のメンバー(守、正兄ぃ、俊也)は、果たして…。
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更紗蝦
ネタバレ本編と比べると、こちらの烈海王は他者への無礼な態度がかなり目立つのですが、キング・ヒュドラを倒した際には「謝謝了ッ」と言っているので、強敵だと認めた相手になら敬意を払うということなのでしょうか…? 仲村にはかなり世話になったのに、きちんと面と向かってお礼を言わずに「再見 中村」とメッセージを残しただけ(しかも「仲」を「中」と誤字ってる)で去っていくなんて、何をそんなに急いでいるのでしょうか…。あまりにもせっかちすぎるのでは…?
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更紗蝦
イタリアの伝統色のうち227色を色票と美しい写真と共に解説しています。カラーイメージを通してイタリアの文化を学ぶというコンセプトが一風変わっていて、楽しく読み進めましたが、色票の金・銀は4色のオフセット印刷では表せないために、それに近い色相・彩度・明度の色が掲載されているとのことで(5p)、印刷技術上の問題点にも気付かされる本でした。岡田邦雄氏・畠中光享氏・谷川渥氏のエッセイが収録されています。
たまきら
2022/04/24 22:35

わあ、日本の色図鑑を楽しんだばかりなので、ぜひ読んでみます!

更紗蝦
2022/04/24 22:40

同じシリーズで『フランスの色』というのもあるみたいなので、図書館で見つけたら借りようと思っています(^^)

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更紗蝦
ネタバレ家康がどんなに努力して己の欲望を自制しているかを知らず、余計な策を講じ、「計画通り」の時の夜神月ばりのドヤ顔をしている古田が最高に間抜けです。渾身の「風炉サンドアート」は鑑賞者を感動させているわけですから、古田はクリエイターとして一流なのは間違いないのですが、行動原理が「欲」である古田には、「自制心」によって成功を収めた家康が理解できず、こういうコミュニケーションの齟齬の描写に、古田の「驕り」がよく表れています。
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更紗蝦
ネタバレ街が破壊される様子をリアルタイムで見ているのに、それが「自分のすぐそばで起こっている出来事ではない」という認識だと他人事のような感覚になってしまい、ギリギリの状態にまで追い詰められないと「命の危険」を感じない…という、「当事者感覚の鈍さ」の描写には、リアリティがあります。パピコ(ちほ)の苦しい戦いぶりに同情して「見てらんない」「誰か止めなかったのかよ」とネットに書き込みする人はいても、祈るような気持ちで「死なないでほしい」と願っているのは、おそらくは零一人なんだろうなぁ…と、悲しい想像をしてしまいました。
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更紗蝦
ネタバレ巨大化して戦うことのリスクというものに焦点を当ててくる展開には、『ウルトラマンメビウス』を思い出してしまいましたが、メビウスは「バカヤロー!!なんてヘタクソな戦い方だ!」と言われる程度で済んだのに対し、パピコ(ちほ)の場合は内乱罪として起訴されてしまいます。巨大化すれば拘置所から脱出することは可能なはずなのですが、それをしないのは、行き場のなさと、罪悪感と、「何をどうしていいのか分からない」という混乱のせいですね、多分…。
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更紗蝦
ネタバレ『GANTZ』は男子高校生が愛する者を守るために戦う話でしたが、『GIGANT』は男子高校生は“守られる”側…? 「巨大兵器(?)による都市の破壊」とか「全裸で走り回るヒロイン」とか「愛のあるセックスで満たされる喜び」とか、シチュエーションを個別に挙げていけば『GANTZ』との共通点はあるものの、『GANTZ』の焼き直し感はなく、きちんと「新しい物語」として成立していると感じます。
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更紗蝦
ネタバレ「映画マニアの男子高校生が同級生の可愛い女の子を誘って映画を撮ろうとする」というシチュエーションは『HEN』にもありましたし、その女の子がモデル体型で、映画マニアの男の子よりも背が高いという点も同じなのですが、これはセルフオマージュという解釈で良いのでしょうか?(ちなみに、以前に単行本を読んでいるので、これは再読です。単行本の感想はこちら→https://bookmeter.com/reviews/83408262
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更紗蝦
ネタバレ「泣いて馬謖を斬る」で有名な「街亭の戦い」に、諸葛喬が深く関わり、孔明が「泣いて馬謖と諸葛喬を斬る」と判断する展開には驚きましたが、そこで子竜が策を構ずる展開にはもっと驚きました。これまでずっと典型的な体育会系として描かれてきた子竜の、最初で最後の策士っぷりには、胸が熱くなります。子竜が豪姫(孫権の妹)と親しかった設定がさりげなく活かされているのも上手いです。魏延をただのウザキャラでは終わらせず、「乱世の収束に伴う軍縮」の“被害者”という位置づけにしているのも、とても良かったです。
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更紗蝦
ネタバレ曹操の背後にいた「龍」を孔明の「龍」が引き寄せてしまったことで、陸遜に対する殺意を抑えきれなくなっていたものの、劉備と子竜のおかげで孔明は自分を取り戻し、陸遜との和平交渉に前向きになります。安期生が語っている「ある男」とは、てっきり始皇帝のことかと思ったのですが、「乱世は終わり 長く新しい王朝が生まれた」というセリフからすると、劉邦…? 孔明と馬謖と英が奇妙な三角関係になっていますが、仮に馬謖が女性だったなら、馬謖が第一夫人、英が第二夫人となって孔明を支えることで、丸く収まるのでは…と思ってしまいました。
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更紗蝦
ネタバレ負け戦によって自分の「弱さ」を認めた石田三成は、砕けた小茄子に「愛おしさ」を感じる自分に気付いて涙し、韮の花に「わび」を見出します。再起叶わぬと悟った石田が残した「数寄」(一種のジャンク・アート?)を目にして、古田は初めて石田を「ひょうげもの」として評価しますが、時すでに遅し…。古田は「数寄」を人脈作りに利用することに長け、コレクターとしての熱意がありますが、石田にとっては「数寄」は「内在化した美意識」として完結しており、コミュニケーションの手段やコレクションの対象ではなく、ゆえに悲劇を招いたと言えます。
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更紗蝦
環境問題、文化論、考古学、地球科学などの視点から、「海とヒト」の関わり方について述べている個々の文章はとても興味深かったものの、それらを「コモンズ」という概念でくくるとなると哲学のジャンルに突入せざるをえないのに、哲学に主眼を置いている執筆者が誰もおらず、倫理学の観点がゼロであるせいで「持続可能な海洋経済(ブルーエコノミー)」というテーマが「いかに資本家にお金を還元するか」に収束してしまっています。2025年開催予定の大阪・関西万博を好意的に紹介していますが、会場の完成図からは環境破壊の予感しかしません。
更紗蝦
2022/04/20 22:38

わざわざ【(公財)笹川平和財団海洋政策研究所で二〇二一年より開始した「海の万博」の取組みを紹介したい。】(263p)という書き方をしているので、笹川平和財団海洋政策研究所のイメージアップと、「海の万博」の宣伝が、この本の隠れたテーマになっているのでしょう。ちなみに、「編著」としてクレジットされている御二方のうちの角南篤氏は、笹川平和財団の理事長で、海洋政策研究所の所長です。

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更紗蝦
ネタバレ司馬懿というと、横山光輝の『三国志』の「待てあわてるなこれは孔明の罠だ」が有名ですが、『時の地平線』での司馬懿の場合は「陸遜の罠」を警戒し、しかもそれは深読みのしすぎというわけではなく大正解なのですが、曹真以外は誰も気にかけていません。頭脳派キャラがあまり策士ぶらない『時の地平線』の中で、一番「策士気どり」なキャラは陸遜なので、読んでいて妙にイラッとしてきます。
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更紗蝦
ネタバレ南蛮鉄砲を撃ちまくって15人の兵士を血祭りに上げた後、自身も銃弾を浴びて壮絶な死を遂げた細川ガラシャ(玉子)ですが、「我が軍の士気に係わる」という石田兵の判断により「重臣と刺し違え屋敷を焼いた」と矮小化されてしまい、凄惨な最期よりも、勇敢な戦いぶりが誰にも伝わらないことの方に悲劇性を感じました。古田は「嘲笑されること」に慣れている自分を「乙将」と称していますが、一発芸でスベッた時の石田三成を「真の姿」と評して思い出し笑いしている大谷吉継にとっては、石田三成こそが「乙将」であると言えます。
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更紗蝦
ネタバレこの作品の舞台を日本に置き換えると、「山姥伝説の近代版」ということになるでしょうか…。閉鎖的な村の中にある裕福なお屋敷で起きた毒殺事件が物語の背景にあるので、これが探偵小説であったなら訪問者のチャールズは探偵役となるのがお約束ですが、あいにく、財産目当てのしょーもない男なので、「謎が解明されて事件が解決」という方向性のオチにはなりません。…が、主人公のメリキャットと、その姉のコンスタンスの視点においては、ハッピーな結末であり、ある意味、究極的なシスターフッドの物語と言えます。
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更紗蝦
ネタバレ司馬懿の兄の司馬朗を殺したのは楊修で、孔明の妹(隴)の夫の龐山民(士元の従兄弟)の死因は病気…って、曹操はとんだ濡れ衣だったんですね…。曹操に「人質で脅して人材登用」のイメージがついてしまっているのは、徐庶の母親を人質にとったことが大きいので、自業自得と言えますが…。曹植について語っている時の楊修の頬が赤らんでいて、まるで恋をしているように見える(157p)ので、曹植の擁立に張り切りすぎてしまったのは、保身のためだけではなかったのでは…?と想像してしまいました。
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更紗蝦
ネタバレ劉備陣営から見ると、法正はトラブルメーカーなのですが(とはいえ、そもそもの問題は劉璋にあるですが)、「漢人への憤り」という面においては馬超と同じメンタリティであり、それゆえに、馬超に自らを客観視するきっかけを与える役目を(法正自身はそれを自覚しないまま)果たしています。馬岱は地味なキャラですが、馬超にツッコミを入れているシーンを見ると、2人がいいコンビに思えてきて、馬超の直情的な気質はあまり好きではないのですが、馬岱とセットでなら愛着が湧いてきます。
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更紗蝦
ネタバレ『鬼畜島』の学園パロディ作品です。マリはほとんど変わっていませんが、カオルとサトルは女の子(名前は「カヲル」と「サトコ」)、高久は女子力が高めの癒し系のほんわかした好男子として登場しています。義一、アンナ、カンナにあたるキャラがいることは明らかになっていますが(ただしこの巻では顔に影がかかっています)、おとき婆さんにあたるキャラが登場するのかどうかが気になります。
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更紗蝦
週刊少年チャンピオン連載時の「巻末目次コメント」(2006年1号~16号)が収録されているのですが、【森川ジョージさん。今度はこっちで勝負しねェ?】(12号)、【なァ……森川ジョージさん、短期集中でいいからさァ。勝負しようよォ…。】(14号)というコメントが気になります。先生同士の勝負なのか、キャラ同士の勝負(刃牙vs一歩?)なのか、果たしてどちらなのでしょうか…。
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更紗蝦
ネタバレ亡き周瑜との「蜀攻略」という約束(見方を変えれば“やんわりとした脅迫”)に縛られていたために苦しんだ士元ですが、孔明も馬超と「涼州を元々の住民(羌人・氐人)の手に戻す」という約束をしてしまっており、士元にしても孔明にしても、合理性だけで駆け引きをしているわけではなく、自らの中のエゴイズムに嫌悪し、「他に選択肢があったのではないか」と後悔し、人の世の不条理に身悶えしながら、軍師としての役目を全うしようとしています。長い付き合いの二人が、ここにきてようやく共感し合うようになりますが、士元の背に東州兵の矢が…。
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更紗蝦
ネタバレ追い詰められた石田三成の「一発芸」のスベリっぷりに古田がドン引きしていますが、読者目線においては、古田だって、これまで「度を超した必死さ」を幾度となく発揮してきました。その「必死さ」がすっかりなくなり、ただの日和見主義を「新しき乙将の生き方」とか言って余裕をぶっこいている今の有り様には、石田三成にかつての自分を見出すだけの内省性はありません。石田三成が「憎めないキャラ」になっていくのと相反して、古田が「憎たらしいキャラ」になってきました。
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更紗蝦
モデルさんが着ているビキニ型のトレーニングウェアに特徴がありすぎるせいで、再編集して再版した本だとすぐに気づきました。もくじのページに「この本は、2008年小社刊『中高年からの筋トレとストレッチ入門』を元に、新規に取材・撮影を加えて再編集し、新たに石井直方先生に監修をお願いしたものです。」…との記載がありますが、これは、2005年刊の『中高年からのやわらか筋トレとストレッチ入門』の間違いでは…?(https://bookmeter.com/books/1819872
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更紗蝦
4つ、もしくは5つの図像が並んでいるタイプのものは、画面酔いしやすいです。特に、14ページの「未来都市」は、下の部分のブレが酷いので、せっかく絵そのものは綺麗なのに、頭がクラクラして気持ちが悪くなってきます。
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更紗蝦
移動とか姿勢とかの身体面での介助に関しては、介護士側の注意力と技術力でリスクを下げることは可能ですが、被介護者側のメンタルの問題、特に、「介護を受けるのは屈辱」と感じてしまっている場合の対策法は、実質、ないも同然なのでは…と思ってしまいました。「タイミングや気分を変える」「ゆとりを持って接する」「想いをくみ取る」等のアドバイスは、「介護のされ方」に不満がある場合にのみ有効なのであって、「介護されているという状況」に不満がある場合は、対処のしようがありません。介護問題で一番やっかいなのは、そこなのでは…?
更紗蝦
2022/04/15 15:48

「介護されているという状況」に対する不満(自尊心の問題)は、被介護者側が自己解決しなければならないことなので、この点を透明化せず、「介護者をモラハラしないようにするためのモラル」として、社会全般で直視していくしかないのでは…と思いました。

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更紗蝦
ネタバレついに士元が劉備陣営の軍師に正式に着任しますが、孔明とは息が合わない…というか、孔明に真意を悟らせまいとしているふしがあり、わざと心理的に距離を置いているように見えます。孔明にとっては、手に取るように心の内が理解できてしまう相手は曹操ですが、士元にとってはそういう相手は周瑜であり、孔明と士元の間には思考や思想に大きな「隔たり」があります。孔明と馬謖は価値観がかなり近いのですが、だからこそ馬謖は被害者の視点で「赤壁の戦い」を評価して孔明に反発することとなり、この心理状況は「曹操に反発する孔明」と同じです。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
ネタバレ原題は『A CHRISTMAS BRIDE FOR THE KING』。子供の頃のトラウマがクリスマスと結びついてしまっているヒロインが、クリスマスに新たな思い出が上書きされたことで、クリスマスを素直に祝えるようになる…という流れには、「クリスマスを楽しめないこと」=「不幸なこと」という価値観が前提になっていて、モヤモヤ…。ヒロインにとってクリスマスには宗教的な意味がなく、だからこそ「楽しめないこと」に「惨めさ」を感じているのですが、だったらクリスマスを気にしない方向性で抑圧から解放されてほしかったです。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
パンを使った料理というと、作るのも食べるのも、比較的手軽なイメージがあったのですが、この本ではかなりの「ごちそう感」があるレシピが紹介されています。プディングというと「クリスマスプディング」の印象が強かったので、なんとなく「プディング=冬のデザート」だと思い込んでいたのですが、イギリスには「サマープディング」というものもあることをこの本で初めて知りました。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
みかん、レモン、グレープフルーツ、すだち、ライムなどを使ったレシピが紹介されています。みかんを皮つきのまま2等分したものを使うという「みかん鍋」(41p)のような大胆なレシピもあれば、オレンジジュースをみりんの代わりに使う「無限そぼろ丼」(62p)のようなレシピもあり、柑橘類の用途の幅広さを確認できました。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
142~143ページの、「very」や「merry 」を「bear」とひっかけたり、ダブルミーニングを利用したりした“熊ジョーク”は、とても面白いと思いましたが(「Beary good!」、「Beary Christmas!」、「I can't bear to be without you=あなたがいなくてクマッた」「Bear with me=クマッた私だけど我慢して」等)、テディベアとか熊グッズをプレゼントする時くらいしか使い道がないのが、ちょっと残念です。
秋*
2022/04/13 09:56

わー!なんだか便利そうです。なんかちょこっと読まなくてもいいんだけど、アクセントとして文字を入れたい時ってけっこうありますよね。

更紗蝦
2022/04/13 22:18

この本で紹介されているフレーズは、割と長文のものが多かったので、英語の勉強をしている人を想定している感じでした。やや古めの本なので(2006年の出版です)、今、似たような内容の本を出すとしたら、ネットのコメントで使える略語も含める必要がありますね~。

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更紗蝦
怒らなくなることを目指すのではなく「怒る必要のあることに上手に怒り、怒る必要のないことには怒らなくて済むようになること」を目指すアンガーマネジメントについて、優しくレクチャーしている本です。「怒れない心理」や「怒りをネガティブに捉える文化」についての分析はとても納得感がありましたが、「日本語の特質」(日本語独特の言い回し)と、「ジェンダー格差」(男よりも女の方が怒りに対する抑圧が強いことや、男が女を“叱る”時はマンスプレイニングが入り込みがちなこと等)への問題提起がなかったのが、少々物足りなかったです。
更紗蝦
2022/04/12 23:13

「なんでできない!?」「なぜ言わなかったの!?」「どういうつもりだ!?」などの言い回しには「リクエストが入っておらず、ただの質問になってしまっているから、上手な怒り方ではない」…というような記述があり(92~96p)、それは確かにその通りなのですが、それは「怒り方の上手・下手の問題」というより「日本語という言語の持つ問題点」のように思います。そういう言い回しを許してしまう「日本語文化の問題」を「個人の不器用さの問題」のように捉えてしまうのは、かえってアンガーマネジメントを根付きにくくしてしまうのでは…?

が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
ネタバレEDで53歳にまるまで一度も勃起したことのない主人公が、バツイチの子持ち女性と意気投合して結婚までこぎつけたはいいものの、泥酔して記憶のない“初夜”で妻が妊娠したことで妻への不信感が芽生える…という流れまでは理解できるとして、その状況がどうして「幻のED治療薬の有効成分を突き止めて自分でその薬を作る」と主人公に決意させることに繋がるのか、その心理過程が一巻の段階では説明不足なように思いました。「ED治療薬で勃起して“男のプライド”を得なければ、妻を追及できない」ということなのかもしれませんが…。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
ネタバレ収録されている2作品はどちらも中国の説話っぽい雰囲気ですが、作者のあとがきによると「中国モノ」ではなく「あくまでも中国風」だそうです。表題作の『婀穹昇伝』の、皇帝が「この村に生まれた者の中から自分に災いをもたらす者が出る」という予言を信じて村中の赤ん坊を皆殺しにするところは、キリスト教におけるヘロデ王の幼児虐殺エピソードを思い起こさせます。個人的に気に入っているのは『弥勒浄蘭』の方で、主人公の秋燕のポーズがなんとなくバレエやフィギュアスケートっぽい感じに描かれているところが良いです。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
ネタバレ佐藤史生の『ワン・ゼロ』とかなり共通する部分のある作品ですが、『ワン・ゼロ』とは違って『沙の悪霊』は明確にインセスト・タブーがテーマになっています。『ワン・ゼロ』(及びその原型の短編『夢喰い』)の摩由璃は孔雀明王の化身なのに対し、『沙の悪霊』の真魚は阿修羅の化身であるところも大きく違います。おそらくどんなに真魚が転生を繰り返しても愛する人(=兄)を殺し続けるであろう予感を読者に与えている所は、萩尾望都の『酔夢』っぽさがあり、阿修羅が少女の姿である所は『百億の昼と千億の夜』っぽさがあります。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
ネタバレ孫権の妹と劉備の政略結婚(「政略結婚にかこつけての劉備の暗殺」が孫権陣営の真の目的なので、実は誰も本気で政略結婚は進めていませんが)のくだりでは、性格的にも年齢的にも劉備とお似合いなのは、孫権の妹よりも、むしろ孫権の母親の国太の方だと感じられるような描写になっているので、「劉備と国太が結婚したら、三国志ワールドは一体どうなるんだろう?」と、想像せずにはいられませんでした。士元が酒好き(アル中になりかけ?)であることと、“名誉の負傷”を負ったことで、張飛がやたらにフレンドリーになる心理は、納得感があります。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
ネタバレオクジーは夜空の星が「大地に生きている人間を蔑む眼」に見えてしまうため、「星空恐怖症」とでもいうような心理状態に陥っていますが、太陽と月、及び、昼の空に関してはどう感じているのか全く分からないのが、少々気になりました。「夜空を綺麗だと感じる感性」が強すぎるせいで、相対的に「地上の汚れ」を耐えがたく感じてしまう…というオクジーの心理は分かるものの、そんなにまで繊細な感性を持つ男が、「青空の美しさ」や「太陽と月の美しさ」は何とも思っていないのは不自然です。「夜」にこだわる心理にもうひとつ工夫がほしかったです。
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更紗蝦
ネタバレ親子ほど年の離れているレオナルドとローレンスが「疑似的な親子関係」ではなく「対等な友人関係」を築いていたという設定はグッときますし、「たとえ不倫の結果だとしても、生まれてくる子供は祝福されるべき」という価値観が貫かれている点はとても良かったのですが、男性キャラが避妊をしないことにモヤモヤ…。レオナルドはイタリア人なので(ちなみに原題は『THE ITALIAN'S UNEXPECTED LOVE-CHILD』)、「イタリア人」=「カトリック」=「避妊はタブー」ということなのかもしれませんが…。
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更紗蝦
ネタバレ科学と宗教の対立を描いた作品かな…?と思ったのですが、少なくともこの巻では、「相反する勢力のぶつかり合い」よりも、「個人の価値観の変化」の描写の方に力が入っているように感じられます。この巻の主人公のラファウは、とても打算的な判断をする少年で、地動説を知ったことで「自分の命」よりも「感動を残すこと」の方に利を感じるようになり、最終的に「死」を選びます。ラファウにとっては「嘘をついて生き残ること」よりも「死を選ぶこと」の方こそが「打算的な判断」だったわけです。
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更紗蝦
ネタバレ雪が降った朝は、雪景色よりも結露が気になってしまうという龍さんに、共感しまくってしまいました。
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更紗蝦
ネタバレ野球好きのヒロインに弱小野球部の部員が感化されてゆく部分は、野球漫画・部活漫画的にはオーソドックスな内容なのですが、そのヒロインの命は49日しかなく、死すべき運命だったヒロインに与えられたその命は、ヒロインに恋した死神の命を“切り刻む”ことと引き換えになっている…という背景が、ものすごく重くて、青春を謳歌する若者たちと、恋に命を捧げたことで苦痛に苛まれる死神の対比が、「命」というテーマを浮き彫りにしています。
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更紗蝦
ネタバレ女性の内面に焦点を絞ってエロスを追及した作品としては楽しめるものの、冒頭の『産む女』に関しては、「子供を産む機能を持つがゆえの苦悩」の描写にモヤモヤしました。妙子が傷ついている理由は「産む道具扱いされること」ではなく「産める女であることを証明できないこと」なので、己のプライドを守るために「産める女であることを証明」してしまっており、結局、「産む道具」という立場に甘んじてしまっています。「産む道具」であることを逆手に取るという展開に込めた皮肉は理解できるものの、そこにカタルシスを感じるのは無理でした。
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更紗蝦
ネタバレ「スパイもの」+「ファミリーもの」の作品ですが、家族は家族でも「父・母・娘が己が利のために作った疑似家族」という設定がキモで、疑似家族でありながらもしっかりと「ファミリーもの」として物語が成立している上に、「スパイもの要素」に「お受験漫画要素」を無理なく絡める構成力が凄いです。「スパイの父とその娘」という組み合わせの作品には『スパイの家』(作画:雨松、原作:真刈信二)もありますが、こちらは父と娘の描写は「同居人ラブコメ」の亜種(父と娘の擬似的な夫婦ごっこ萌え漫画」)でしかありませんでした。
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更紗蝦
ネタバレカバーの折り返しの「著者からのひとこと」によると、この本に収録されている作品は「私にとってはずい分前の(若い頃の)作品です」とのことで、初出が分かっている作品の中では、一番古いものは1988年の『ラザラスハート』です。竹崎先生の作品は『まんがグリム童話 金瓶梅』しか知らなかったので、初期の絵柄には小椋冬美っぽさがあり、ホラーの系統としてはゴシックっぽさがあることに驚きました。
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更紗蝦
ネタバレこの巻では『赤壁の戦い』が描かれているのですが、火攻めのシーンや曹操軍の退却シーンよりも、微妙な立場に立っているゆえの士元の受難の方が印象に残ります。華佗が、義理の父親の安期生のいる場所(仙境?)に自分の意思で自由に行き来する描写には、ファンタジー要素が強めに出ていて、華佗のこういうふわふわした雰囲気には、『蒼天航路』での若かりし頃の孔明の描写を思い出しました。(『蒼天航路』だと、急激にキモいキャラに変貌しますが…。)
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更紗蝦
ネタバレ子竜による阿斗救出、長阪橋での張飛の活躍、孫権の家臣団と孔明の舌戦、3万本の矢を調達する奇策…など、あまり『三国志』を知らない私でも知っている有名エピソードがこの巻は目白押しです。女をはべらしてだらしない姿で再登場した士元には、『蒼天航路』の孔明を思い出してしまいました。『蒼天航路』では士元はストイックな雰囲気なので、『時の地平線』と『蒼天航路』を比較すると、孔明と士元の性格設定は逆になっています。
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更紗蝦
ネタバレ目が見えなくなった人類の混乱を描き、「人間の尊厳」や「社会の脆弱性」をテーマに含んでいるところはジョン・ウィンダムの『トリフィドの日』に近いですが、夜が明けたら(一部の人を除いて)一斉に目が見えなくなっている『トリフィドの日』とは違い、『白の闇』の場合は「徐々に“感染”が拡大していく」という設定であるため、狭い隔離施設にどんどん感染者が押し込まれていく「閉塞感」と、溜まっていく排泄物の「異臭」(終盤だと腐臭が加わります)の描写が突出しています。こんなにも嗅覚に訴えてくる作品は初めてです。
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更紗蝦
ネタバレ戦国モノでは軍師ポジションのキャラは「戦略によってどうやって勝利を得るか」がクローズアップされがちですが、この作品では「徐庶はよぉ 農民と武人しかいねえ新野でよ 税の計算やら公共施設の建設やら事務全部ひとりでやってたんだぜ」という劉備のセリフによって、乱世といえども「コミュニティをどう機能させて維持していくか」という問題の重要性を読者に提示しています。そして、この巻で孔明が尽力しているのは、「犠牲者を出さずに万単位の人間を移動させること」であり、決して「曹操の鼻を明かすこと」ではありません。
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更紗蝦
産婦人科、内科、整形外科、泌尿器科、眼科、皮膚科、精神科、耳鼻科、漢方、サプリメント、栄養、アロマセラピー、運動の専門家(全員女性)による監修を元に、「普通の若い女性によくある症状」としての「首・肩のこり」について、様々な方面からアドバイスしている本です。「肩こり程度で病院に行くのはちょっと…」と思ってしまう人向けに、整形外科での検査や治療について解説しているページは、診察・通院への心理的なハードルを下げてくれます。
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更紗蝦
元々自分は食べ物への関心が薄い上に、大抵の食材はスーパーで一年中手に入ってしまうせいで、日々の買い物で「あれ?これって今が旬?」と思うのは、特別に値段が安い時か、店頭のポップで「今が旬」であることがアピールされている時くらいなので、「旬野菜」をテーマにした本は、積極的に参考にしていきたいです。
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更紗蝦
ネタバレかつての師匠の言葉をしっかり覚えている勝平の記憶力が、何気に凄いです。この記憶力があれば、山瀬の大学に入学できるのでは…。
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更紗蝦
ネタバレせっかく“世界滅亡の日”に備えて「無戒殺風拳」を身に付けたのに、そんな日は来なかったせいで救世主になりそこねた“終末の戦士”が、平和の世で試行錯誤しながら青春を取り戻そうとするラブコメです。絵面的には『北斗の拳』へのオマージュが明確ですが、「来るべき“世界滅亡の日”に備える」というシチュエーションには『7SEEDS』、「正義感が強くて純情だけどやぼったい男+天然系のかわいこちゃん」という組み合わせには『俺物語!!』っぽさがあり、ヤングアニマル連載なのに表紙は「花とゆめコミックス」のデザインを模しています。
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更紗蝦
『黒百合の系図』(初出は1977年の「ララ」)、『泥棒シンデレラ』(1975年の「花とゆめ」)、『人形の家』(1973年の「週刊マーガレット」)、『孔雀色のカナリア』(1973~1974年の「セブンティーン」)が収録されています。ジャンルとしては、『黒百合の系図』は伝奇系、『泥棒シンデレラ』は「世にも奇妙な物語」系、『人形の家』はゴシック系、『孔雀色のカナリア』はサスペンス系です。『黒百合の系図』に登場する蛇(82~83ページ)は、もしかしたら魔夜峰央先生による作画でしょうか?
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更紗蝦
ネタバレカメラを回している政井は、実は生徒ではなく、部外者であることが判明し、何やら陰謀めいたものが匂わされてきました。前日譚にあたる「第0話」では、バケモノ(=ミケ)は最初から「人食い」だったわけではなく、「人間(の血)の味」を覚える前は、人間に“懐いて”いたことが判明しており、ねこじゃらしで遊んでもらって喜ぶしぐさには、愛らしさがあります。
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更紗蝦
ネタバレ平安が意識不明で入院している母親に向かって「約束を守るためにちょっとズルをしてね 最終兵器みたいな男を手に入れた ダイマジンて仇名の僕以上に悪が許せない熱血漢だよ」と語っていますが、このセリフの感じからすると、人の弱みにつけこむことでしか人間関係を築けないというわけではなく、少なくとも台場に関しては、「どうしても協力者になってほしいからやむなく卑怯な手段をとった」という感じ…? 台場の正義感の強さからすれば、事情を話せば普通に協力してくれそうな気がしますが、それができない理由が何かあるのでしょうか?
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更紗蝦
ネタバレ『クロコーチ』は「汚職刑事」と「清廉潔白な刑事」のコンビものでしたが、『警部補ダイマジン』は「熱血漢でガタイのいい刑事」と「性格が悪くてヤサ男の刑事」のコンビものです。『クロコーチ』の黒河内と清家は対等な関係だったのに対し、『警部補ダイマジン』の台場と平安は「弱みを握られる者/弱みを握る者」という“支配関係”にあるのが特徴的です。
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更紗蝦
ネタバレ大風呂敷の広げっぷりがこの作品の醍醐味だと個人的に思っているので、スケールのどでかいバトルシーンは読んでいて楽しかったものの、「強さに物を言わせての性行為の強要」が「ギャグ扱い」であることにはモヤモヤしてしまいました。騎士が「相手を力で捻じ伏せる」時は、同性同士だろうが異性同士だろうが真剣勝負扱いなのに、それが「女が男を力でねじ伏せてセックス」になるとギャグ扱いって…。目的がセックスだろうが何だろうが、力でねじ伏せられている段階で騎士としては“死んだ”も同然なのに、エストは笑っている場合ではないのでは…?
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更紗蝦
焼いてから塗る(のせる)タイプのレシピが多いので、パンに塗ってから(のせてから)焼くタイプのレシピが知りたかった自分としては、少々期待が外れてしまいました。38~39ページのピザトーストのバリエーションをもっと多くしてほしかったです。
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更紗蝦
オートーミールには「クイックオーツ」「インスタントオーツ」「スティールカットオーツ」「ロールドオーツ」の4種類があることを25ページで紹介していますが、“簡単”とか“手軽”を売りにしている他のオートミール本同様に、「ロールドオーツ」と「クイックオーツ」を使ったレシピのみを紹介しています。個人的に、カルディで売られているオドラムズのスティールカットオーツ(アイリッシュオーツ)が好きなので、ほんのちょっとでもいいのでスティールカットオーツのレシピを載せてほしいです…。
更紗蝦
2022/04/01 13:53

スープの具材としてオートミールを使うなら、歯ごたえ的にはスティールカットオーツの方が向いている場合がありますし、それなりにボリューム感のあるレシピは下ごしらえにそれなりの手間がかかっているので、仕上げにオートミールをぶっこむ所だけが「手軽」なだけでは、全体的な「手間暇」感は、ほとんど変わっていないのでは…と感じてしまいます。

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読書データ

プロフィール

登録日
2012/07/30(4288日経過)
記録初日
2011/02/18(4816日経過)
読んだ本
6959冊(1日平均1.44冊)
読んだページ
1056304ページ(1日平均219ページ)
感想・レビュー
6750件(投稿率97.0%)
本棚
49棚
性別
年齢
51歳
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O型
職業
主婦
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

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