シリーズ第5弾。引きこもりのわが子を世話する親たちがほぼ高齢者で、世話をされる立場なのに悲しくてやり切れない。せめて30代半ばまでに自立をうながすとか区切りを付けないと、本書のように90代の父が60代の息子の面倒を見続けることになる。堪え性が無い、自分に甘い、親も甘やかす、まさに最悪な負のループでしかない。長引くほど終わりが見えなくなるけど、実際親が亡くなったらどうするんだろう？／プロローグとエピローグのつながりも悲しい。

犬が登場する作品は見てみたくなる愛犬家なので迷わず手に取りました。作者さんの犬に対する愛にあふれていて、まさに『愛させてくれてありがとう』だなあと。ドベくんが亡くなる描写はわたしも最初に暮らした雑種のプーを思い出し、胸が苦しくなりました。作者さんがいつまでもノラくんと一緒に日々をたのしめますように、そしてわたしも愛犬と一日でも永く一緒にいられますように。

旅好きなミリさんの日記はとても分かりやすいし、何と言ってもどの国の都市にも行きたくなる！！あー、旅したいーー

食品会社に勤める同期三人に同い年の派遣社員女性を含めた四人の女性。それぞれの視点で状況と思いが描かれていて読みやすかった。立場違えどみな大変な思いを抱えていて、中でも育休明けの左遷、お飾り昇級は女性軽視としか思えない。そういう状況が夫をつけあがらせてモラハラされる要因にもなるのかも。

どれも湿り気を帯びた、雨の日の午後に読むのが丁度良いような大人の作品だった。『喪中の客』にはヒヤッとした。

わが子は愛しいが日々いろんな事に追われて大変な妻、そのワンオペ苦行が理解できない夫との軋轢だけかと思いきや、立場を変えたら相手がやって当たり前みたいな行動を無意識に取っていたり…は胸に刺さった。家事は『何で気づかないのよ！』と思うけど、夫だけがやってる事もあるわけで、それがたとえ95％彼が使用している家の車の掃除だとしても感謝しないとなぁ笑

シリーズ第5弾。引きこもりのわが子を世話する親たちがほぼ高齢者で、世話をされる立場なのに悲しくてやり切れない。せめて30代半ばまでに自立をうながすとか区切りを付けないと、本書のように90代の父が60代の息子の面倒を見続けることになる。堪え性が無い、自分に甘い、親も甘やかす、まさに最悪な負のループでしかない。長引くほど終わりが見えなくなるけど、実際親が亡くなったらどうするんだろう？／プロローグとエピローグのつながりも悲しい。

さすがのやまもとりえさん。原作がそうなんだろうけど、イラストのタッチは優しいのに要所要所でヒャッとする。自己愛性パーソナリティ障害って自分のために他者を傷つけることをいとわないのか…。と言うより傷つけてる自覚無し？何とも恐ろしい病気。このあと読む原作もたのしみ。