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9月の読書メーターまとめ

曲月斎
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9月のトップ感想・レビュー!

曲月斎
応仁の乱から信長上洛までの空白期間を埋めるのが三好長慶の存在。その臣として腕を振るった松永久秀に焦点を当てた1冊。将軍・主君の弑逆、東大寺の焼き討ち、平蜘蛛の釜を抱いての爆死と、世上「梟雄」の名に相応しい姿で描かれる人物だが、実は能吏で統率力があるリーダー像であったことを説き明かしていく。足利殿の治世晩期、家格など中世以来の秩序の軛の中での久秀の活躍ぶりにはむしろ快哉を送りたくなる。「下剋上=秩序の破壊」とすれば本当の下剋上を果たしたのは信長であり、家格の枷は秀吉も家康も否、今も破れてはいないのかも。
曲月斎
2018/09/19 10:52

多聞山城の築城、茶、連歌への付き合い方など、後の支配者像の母型ともいえる存在ですね。

が「ナイス!」と言っています。

9月の感想・レビュー一覧
13

曲月斎
本書は2007年刊のちくま新書を親本に大幅に加筆、再編輯した1冊。筆者は永世竜王にして、現棋王。「将棋の渡辺くん」の主人公という多才な人物。将棋が強いだけではなく口八丁であります。そんな主人公が将棋盤を前にして何を考えてきたか、プロというのはどう育ってきたのかを振り返った1冊です。そしてこの10年の間に、将棋の今日の姿をだれが予想できたか。ネットTVの普及で「観る将」というファンが出現したこと。コンピューターの棋力が人間を超えたこと。そして藤井聡太7段を筆頭に多くの若手が台頭したこと。棋界の蓄積の厚さよ。
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曲月斎
高野山大学で五来重以来の仏教民俗学を研究してきた日野西眞定師の聞き書き。師自身、在家で山外からの方。それで12年余も骨堂で維那という責任者を務めてきた。本書では日本の伝統習俗と融合する形で、高野山が築いてきた信仰の姿を紹介する。歴史を振り返る中で、今は表立っていない高野三方(学侶、行人、聖)の階層や、行人方八幡講の話などにも言及。高野山の奥行きを教えてくれます。今も盛んな一般庶民の大師信仰と、学侶の伝えてきた密教の教学。分離するドレッシングのようなもので、混然となったように見えてスッと分かれていくから。
曲月斎
2018/09/28 11:39

かつて、高野山霊宝館のWebにあった、「高野山よもやま話」のページ。復活しないかなぁ。出来が良くて質が高かったのだけど。

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曲月斎
あれこれ評判になっていた本なので、気になっていた。で、文庫化したのを待って購入。ちょっと期待しすぎていたかも。というのは、和田誠の「倫敦巴里」にある「雪国」シリーズの文体模写をイメージしていたから。ちょっとあの技芸と比べると、何か物足りなかったような。
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曲月斎
武田勝頼の評伝の体裁ながら、所謂、戦国大名の本旨を描き出した1冊。当主〜一門〜譜代〜外様という階層の中、領国の集団安全保障体制を維持できるかが、当主の器量になる。勝頼は経営手腕はあったが、諏方家に入った経歴、長篠大敗よりも、高天神崩れが領国内での信を失ったきっかけと見立てる。自力救済の時代からの脱却を目指したものの、戦国大名の成立理由と同様、戦国大名同士の争いを止める権力の出現も生む訳で、筆者は武田を例に、この構図を読み解いて見せた。また高野山の子院との師檀契約や北関東での佐竹氏と関係への言及が興味深い。
曲月斎
2018/09/25 10:51

で、先に読んだ「武田氏滅亡」(平山優、角川選書)と「戦国大名と分国法」(清水克行、岩波新書)を再び本棚から引っ張り出す。本を読む際の、行きつ戻りつの愉しさ。

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曲月斎
応仁の乱から信長上洛までの空白期間を埋めるのが三好長慶の存在。その臣として腕を振るった松永久秀に焦点を当てた1冊。将軍・主君の弑逆、東大寺の焼き討ち、平蜘蛛の釜を抱いての爆死と、世上「梟雄」の名に相応しい姿で描かれる人物だが、実は能吏で統率力があるリーダー像であったことを説き明かしていく。足利殿の治世晩期、家格など中世以来の秩序の軛の中での久秀の活躍ぶりにはむしろ快哉を送りたくなる。「下剋上=秩序の破壊」とすれば本当の下剋上を果たしたのは信長であり、家格の枷は秀吉も家康も否、今も破れてはいないのかも。
曲月斎
2018/09/19 10:52

多聞山城の築城、茶、連歌への付き合い方など、後の支配者像の母型ともいえる存在ですね。

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曲月斎
放送大学の教材資料「中世日本の歴史」「日本の中世」を再構成、編集した1冊。中世史について知見を広げようと思う時には基本的な1冊になる。「大学の日本史」のタイトル通り、暗記物ではなく、考えるための歴史のための1冊。放送大学放映当時に、本郷和人氏や中島圭一氏の姿を思い出させてくれる。地方の現場で、日本の社会の仕組みって何だろうと考えた時、この中世に出来た枠組みの一部が今でも残っていることに気付かせてくれた放送大学の番組だった。改めて活字で読み返すと、その後、読み継いできた中世以降の歴史の数々の本も思い出す。
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曲月斎
15世紀に鋳造された永楽通宝が通貨の役目を終えたのは日本で実に1953年。少額貨幣の命脈は長かった。生活に不可欠な少額硬貨「銭」を巡る歴史を追う1冊は新知見に満ちた内容。教科書にあるような「日明貿易→銭の輸入→流通」というほど単純な構図ではなかった。鐚銭の定義の地域性、永楽銭の仮想通貨としての役割等々。金銀貨は権力者が発行したが、庶民は模造銭を含め、銭で経済を支えた。鐚の最終形の寛永通宝、江戸期になって金貨を贈る時も1両を「金四百疋(1疋は10文)」と書いた。金銀銭の三貨体制も銭が基盤にあってこそ、だ。
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曲月斎
南北戦争から今に至る趨勢が下巻。南北戦争は深南部等、奴隷制を生活の基盤に据えていた地域の分離独立を目指しての戦い。西部開拓、ゴールドラッシュを挟んで、各々のネーションが西へ進む。本来、ステーツである意味が薄く、ヤンキー&ディキシーの2分か、より多くの連合になっていた方が自然だったかも。公民権運動、ベトナム反戦運動、更にはヒスパニック増に見えるメキシコ北部との国境の臘化は次の変化を生むかもしれない。歴史が教える通り、大国は必ず衰退する。まして国民国家の概念が希薄になっている時代ゆえに。USAは単純ではない。
曲月斎
2018/09/13 14:56

アメリカ史について、いささか不勉強であることを今回、自覚。「サムター要塞」と言われてもピンとこないし、国際連盟のウィルソン大統領が南部出身だったことも。

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曲月斎
東海道筋の「境目」の国衆という立場から、国内を統べる立場へと変わっていく姿を描く。徳川中心史観からの脱却が旗印。確かに、恰も新興企業が、機をみてM&Aを繰り返し、成り上がっていくような。旧武田領や信濃の国人層の支配手法を生かし、夫々の領地で従来からの統治手法を受け入れているからこそ、自然、本体の分母が大きくなっていく。根底にある「境目」育ちの領主の感覚、面目躍如か。自力救済の時代に、頼りになる「親分」であったのは確かで、本書は関東移封辺りまでが興味深い。その後ろはちょっと話の結構が大雑把な気もするが。
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曲月斎
帯にある「志士たちの理想は実現したか」という言葉が象徴的。極東の小国が列強に伍していくには、という過程で、憲法制定、国会開設と動いていく。自発的な議会制度発足であったことに意味があり、制度設計であったことを本書では繙いていく。自由民権運動のうねり、伊藤博文の渡欧等あって、第1回帝国議会開催まで辿り着く。勿論、制度的に明治憲法に欠陥があったのは明らかながら、「公議(大っぴらに議論する)」機会を設けようとした動き。1890年に開設された国会を今、有効な制度としているのか、ちょっと自問したくもなる気もしている。
曲月斎
2018/09/10 19:52

保安条例で3里内所払いに多くの自由民権運動家が対象となった一方、後藤象二郎と福沢諭吉が除外されたというのは、伊藤博文の遠謀を感じるなぁ。

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曲月斎
清教徒がメイフラワー号に乗って新大陸に渡り、アメリカを建国しました--という教科書的な認識が如何に浅薄だったかを思い知る1冊。本書では宗教や出身地に由来する「ネーション」(文化圏)が北米大陸には11あり、州界や国境と無縁に今も人々の価値観に色濃く反映していると分析、つまり米国はステーツとネーションは一致せず、実態としてはEUに近いとの見立てだ。得心のいく読み解きだ。トランプの出現以前の2011年に刊行された。慧眼だし、今ならではの意味がある。上巻は新世界に順次移民した集団の来歴と13州による建国まで。
曲月斎
2018/09/08 15:56

なお、委細は以下の記事をご参照。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/54711

曲月斎
2018/09/08 16:03

一応、一つのネーションと筆者が見ている日本ですら、実は東日本と西日本という大括りなネーションがあり、差違がある。南北朝時代以降、国内で大移動が起きているにも関わらず、だ。北米大陸内でのネーションの差を一生懸命、想像している。

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曲月斎
徳川殿の天下が終わった後、100万都市・江戸で何が起きたかを追跡した好著。第1に人口流出。幕府がなくなれば支配階級として君臨した武士がいなくなる。江戸詰の藩士もいなくなる。同時に専売制や御用商人の存在も道連れになったはず。第2に個人の掌握が消失する。町会所を頂点にした組織が各町、裏長屋に至るまでの差配していたほか、檀那寺での寺請、以外にも職制に基づく位階や、盲人、遊廓、弾左衛門の分野など、各々が得ている独占的特権と表裏の義務が細分化されていた。今に続く戸籍制度など、一日にして成立した訳ではないのを再認識。
曲月斎
2018/09/03 14:03

吉原遊廓での金主として、寺社が名目金貸付をし、寺の触頭~本末の制度同様、利殖の道をこういう世界にまで伸ばしていたこと、遊女が抵当になることなど、藝娼妓解放令では救済されない苦界の姿も印象深い例だ。全般として、ちくま学芸文庫で再刊されている鈴木理生の著作と併せて、認識を新たにさせられる。

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曲月斎
下巻で扱うのは旧来からの家庭などの紐帯から個人が解き放たれ、グローバリゼーションの進展で国民国家が変質する過程。20世紀という時代に変わったものは、如何に大きいか。「短い20世紀」の掉尾を飾るソビエトの崩壊の過程で、ゴルバチョフからエリツィンと、大国が消滅する。現下のプーチンの体制はどちらに進化したものなのか。加えて中東でのイラン革命が齎したものは今に引き付けて考えれば、サウジなどの国にとって序章ではなかったのか。21世紀に向け、国家に求められるのは成長ではなく社会的配分、と語った筆者の考えは先途程遠し。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/06/25(3406日経過)
記録初日
2005/01/01(5042日経過)
読んだ本
1596冊(1日平均0.32冊)
読んだページ
430565ページ(1日平均85ページ)
感想・レビュー
1523件(投稿率95.4%)
本棚
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