〈家〉が舞台の怪談だが、物件自体の怪異だけでなく、そこに住んだり関わったりした家族の人間関係、特にその葛藤が絡んでくるのが面白い。家族の一員の誰かが、他の人にとって“異物”と化す。それを見る家族サイドの視点で書かれた作品もあれば、“異物”そのものとなった本人の目線から書かれたものもある。〈家〉という本来誰にとっても安楽の場所に、忌むべき存在を抱え込むことこそ、最大の恐怖ということだろう。
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