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2024年3月の読書メーターまとめ

hatohebi
読んだ本
8
読んだページ
1789ページ
感想・レビュー
4
ナイス
68ナイス

2024年3月に読んだ本
8

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

hatohebi
ネタバレ読了した知人が、自分に「推し」はいないからいまいち共感できないと述べていた。だが読者に共感を求める小説ではないのかも知れない。冒頭からSNSやブログなど、メディア環境内での即時的にレスの行き来する軽やかさと、「肉」「重たそうな体」(p.12)とが対比される。この重さは結末で「体は重かった」(p.149)と繰り返される。思い通りに動かない、片づけられない体を抱えた主人公は、最初から飛翔する姿で現れた「推し」に精魂傾け、同調することで、自分を束縛する重力からの解放を願う。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
4

hatohebi
ネタバレ「『デスノート』は『十二夜』のようで面白かった」という謎の感想を知人から聞いた。恐らく(本人に確認していないが)互いに素性を偽った騙し合いの、駆け引きの面白さが共通するのだろう。難破してイリリア国に辿り着いたヴィオラは、男装して小間使いセザーリオーとして、オーシーノー公に仕える。そして公を慕うようになるが、公はオリヴィア姫に焦がれ、己に靡かぬ姫に、恋の使いとしてセザーリオーを送る。ところがオリヴィアは彼(実は彼女)に一目惚れして…とヴィオラの変装に端を発して掛け違いが二重三重に生じていく。
が「ナイス!」と言っています。
hatohebi
ネタバレ麻薬を資金源として、遂に映画業界を手中に収めたジョニー・アルカードの目的とは。本シリーズを通して、世界に変容を与えて死し、そして復活を遂げるドラキュラを、作者はもしかしたらイエス伝になぞらえているのではないかと考えた(私自身カトリック信者として真に不謹慎と思いつつ。だが映画「ドラキュリア」(2000)のドラキュラはユダだったし)。「わたしたちは変わっていくわ。でも彼は変わることができないのよ」(p.267)。三人の“天使たち”は、彼の支配する新たな世界をどう生きていくのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
hatohebi
裏表紙に「文庫オリジナル」とあるが、初出は『小説現代』2020・9と2022・9と記述されているので、二回分の怪談特集を一冊に集めたものか。大島てる「倒福」・福澤徹三「旧居の記憶」・糸柳寿昭「やなぎっ記」の三篇は作中時が2020年で、読者のリアルタイムと地続きである。この三作は実話怪談風味が強く、互いに言及し合っていることもあって、相乗効果によるリアリティがある。ただし「物件怪談小説集」と断っている通り、題材は一部事実に基づくとしても、やはり虚実皮膜を狙った巧みなフィクションだろう。そのモヤモヤを楽しむ。
hatohebi
2024/03/16 23:36

〈家〉が舞台の怪談だが、物件自体の怪異だけでなく、そこに住んだり関わったりした家族の人間関係、特にその葛藤が絡んでくるのが面白い。家族の一員の誰かが、他の人にとって“異物”と化す。それを見る家族サイドの視点で書かれた作品もあれば、“異物”そのものとなった本人の目線から書かれたものもある。〈家〉という本来誰にとっても安楽の場所に、忌むべき存在を抱え込むことこそ、最大の恐怖ということだろう。

が「ナイス!」と言っています。
hatohebi
ネタバレ読了した知人が、自分に「推し」はいないからいまいち共感できないと述べていた。だが読者に共感を求める小説ではないのかも知れない。冒頭からSNSやブログなど、メディア環境内での即時的にレスの行き来する軽やかさと、「肉」「重たそうな体」(p.12)とが対比される。この重さは結末で「体は重かった」(p.149)と繰り返される。思い通りに動かない、片づけられない体を抱えた主人公は、最初から飛翔する姿で現れた「推し」に精魂傾け、同調することで、自分を束縛する重力からの解放を願う。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/08/19(4268日経過)
記録初日
2012/08/10(4277日経過)
読んだ本
507冊(1日平均0.12冊)
読んだページ
151125ページ(1日平均35ページ)
感想・レビュー
359件(投稿率70.8%)
本棚
0棚
性別

参加コミュニティ1

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