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2024年3月の読書メーターまとめ

タイコウチ
読んだ本
4
読んだページ
1148ページ
感想・レビュー
4
ナイス
33ナイス

2024年3月に読んだ本
4

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

タイコウチ
ミチコ・カクタニの「エクス・リブリス」に触発されて。1919年の出版だが、想定されている時代はさらに20年ほど遡ると思われる。米国中西部のスモールタウンを舞台として連作短編で描く群像劇。エリザベス・ストラウト「オリーヴ・キタリッジ」、佐藤泰志「海炭市叙景」、リンチ「ツイン・ピークス」などの作品の原型になっているのは確かだが、ここに描かれる、葛藤し苦悩するいびつな(grotesque)人々の姿には微妙な異物感もある。娯楽や情報源としてのテレビや映画、雑誌や小説もほとんどない時代の感性が今とは違うのだろう。
タイコウチ
2024/04/02 22:39

町の外に出るには鉄道を使うしかなく、自動車は一般的ではなく、せいぜい一部の人が馬車に乗るくらいの生活環境で、この小説の登場人物たちはひたすら歩き回るのである。

タイコウチ
2024/04/02 22:44

「二人は一緒に静かに過ごした夜から必要なものを得た。男であれ少年であれ、女であれ少女であれ、彼らは一瞬、近代世界の男女が成熟した生活を送るためになくてはならなぬものを掴んだのである」(最後から2つ目の章「見識」から)

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
4

タイコウチ
平成の30年で日本社会がどう変わったかといえば、タイトル通りに、健康的で清潔で、道徳的な秩序はあるが、不自由な社会になったという内容。本書から引用すれば、「資本主義と社会契約のロジックが徹底したことで、あらゆるものが売買可能になり、つまり換金可能、値札のついたものになった。そのロジックを徹底的に内面化し、そのロジックに頼ってモノを見て、そのロジックに沿って考えるように」なった。良い意味で教科書のように手堅くまとめられていて納得感がある。簡単な処方箋はないが、まずはこの違和感を言語化し意識化することだろう。
が「ナイス!」と言っています。
タイコウチ
ミチコ・カクタニの「エクス・リブリス」に触発されて。1919年の出版だが、想定されている時代はさらに20年ほど遡ると思われる。米国中西部のスモールタウンを舞台として連作短編で描く群像劇。エリザベス・ストラウト「オリーヴ・キタリッジ」、佐藤泰志「海炭市叙景」、リンチ「ツイン・ピークス」などの作品の原型になっているのは確かだが、ここに描かれる、葛藤し苦悩するいびつな(grotesque)人々の姿には微妙な異物感もある。娯楽や情報源としてのテレビや映画、雑誌や小説もほとんどない時代の感性が今とは違うのだろう。
タイコウチ
2024/04/02 22:39

町の外に出るには鉄道を使うしかなく、自動車は一般的ではなく、せいぜい一部の人が馬車に乗るくらいの生活環境で、この小説の登場人物たちはひたすら歩き回るのである。

タイコウチ
2024/04/02 22:44

「二人は一緒に静かに過ごした夜から必要なものを得た。男であれ少年であれ、女であれ少女であれ、彼らは一瞬、近代世界の男女が成熟した生活を送るためになくてはならなぬものを掴んだのである」(最後から2つ目の章「見識」から)

が「ナイス!」と言っています。
タイコウチ
2000年刊のシリーズ10作目。議会の改築工事現場で20年前の人骨が見つかり、議員候補の殺害と浮浪者の自殺も加わり、エディンバラの土地開発と裏社会の覇権争いが背景となる物語。混沌とした展開と複数の登場人物の視点からの語りが重なり、後半になるまでなかなか筋が見えず(いつものことだが)。Rebusは(捜査上の相談で)初めてSiobhanの部屋に入るが、互いに意識しすぎてその先の関係に深入りするのを避けてしまう。結末近くSiobhanとCafferty(出所して、この後裏社会を仕切ることに)の初対面のシーンも。
タイコウチ
2024/04/02 14:07

'You like all this old music, don't you?' 'And that Blue Nile tape you made for me. I might be a dinosaur in many respects, but I'm open-minded about rock.' 自分の車でSupertrampのテープをかけていたリーバスは、古い音楽が好きなのとシボーンに言われ、君にもらったブルー・ナイルも聴くよ、と答える。ブルー・ナイルは、エディンバラ出身🎵

タイコウチ
2024/04/02 14:22

ブルー・ナイルは、同じスコットランドでも、グラスゴー出身でした。ちなみに、先に引用したトースティド・チーズを作りながらリーバスは、デヴィッド・ボウイの「世界を売った男」のLPを聴いていました。

が「ナイス!」と言っています。
タイコウチ
日本の居酒屋でたまたま隣り合わせた2人のアメリカ人(同じ南部方言を話す)が、途中からあえて日本語で会話をすることになる。「外国語」を使う場面での人の不可思議な心の動きや構えを微細に描きつつ、言語(習得)の本質をめぐっていろいろと考えることを誘われる。丁寧な観察と描写に潜むオフビートなユーモア感覚が絶品。ちなみにこの30ページほどの短編小説は、Kindleで250円。Twitterで見かけてちょっと気になり、気軽に購入して、読んでしまった。短編小説の読まれ方(売り方)として、これから主流になるかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/07/08(5401日経過)
記録初日
2009/06/10(5429日経過)
読んだ本
913冊(1日平均0.17冊)
読んだページ
272235ページ(1日平均50ページ)
感想・レビュー
874件(投稿率95.7%)
本棚
35棚
性別
職業
専門職
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