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2024年2月の読書メーターまとめ

クリママ
読んだ本
13
読んだページ
4130ページ
感想・レビュー
13
ナイス
945ナイス

2024年2月に読んだ本
13

2024年2月のお気に入り登録
1

  • hiace9000

2024年2月のお気に入られ登録
2

  • きち
  • 岡本正行

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

クリママ
新宿区の都立高校の定時制。落ちこぼれの生徒が科学に目覚めていくストーリーは、一昔前のTVドラマのヤンキースポーツもののようで、いかにも感が。読み進めれば、年齢も性別も経歴もまちまちの一人ずつ科学部に加わり、その個性も相まって素晴らしい結果を出す。終章近くの先生の思惑と大会の様子は読みごたえがあるけれど、やはりできすぎではと。だが、あとがきを読んで驚く。実際にあったことだとか。それぞれの個人や経緯はノンフィクションだろうが、科学の魅力とその力を生徒だけではなく、読者にも教えてくれる本だった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年2月の感想・レビュー一覧
13

クリママ
森シリーズ3作目。マタギシリーズでもあるが、今作はかつてマタギだった男の物語。秋田から樺太に渡り、樺太の鰊場、伐採現場を流れていく。ニシン漁、山林での伐採の仕事の猛々しさ、厳しさ、そして樺太の厳寒はひしひしと伝わるものの、マタギという彼にとって唯一の仕事や故郷を捨ててまで逃げ続けなければならなかった必然性が見えない。そして、ロシア内戦、尼港事件にも巻き込まれ、焦点も絞れない。「邂逅の森」が素晴らしかっただけに、残念。
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クリママ
結婚生活に重きを置く兄嫁と、仕事一筋の義理の妹である小姑。性格も信条も全く違う27歳の二人の、交互に書かれるそれぞれの心情。それに母親たちもいるので4人ということか。外づらと内面は違って当たり前ながら、やはり、そのあたりが読みどころ。後半、そんなに派手に爆発させなくてもよかったのではとも思うが…。残念ながら誰にも共感はできなかったが、なんとか許容方向の微妙な距離感で一生のお付き合いを予感させる、妙に冷めた感じがよく、先に読んだ「きみはだれかのどうでもいい人」よりも好き。
が「ナイス!」と言っています。
クリママ
創立百周年の記念作品をという小学館からのオファーで書かれた、小学館学年誌の歴史。入社5年目で心ならずも女性誌から創刊百年企画チームに移動になった女性と、戦時中同社に勤めた祖母について、交互に語られる。祖母の時代、戦争を美化し、少年たちを戦争に駆り立てる文言を使わなければ、発刊が許されない状況の出版社の苦悩が印象深い。史実の部分とともにフィクションの祖母、母、娘の三世代の思い、子育て中の女性の仕事など、とても良い作品だった。ただ、実名と仮名が同列で使われていることに戸惑い、人類の歴史百万年は蛇足に思われた。
が「ナイス!」と言っています。
クリママ
戦前から戦中にかけての仏領インドシナ、ハノイ。日本の女学校になじめず、父親の働くハノイへは渡り、地理を学ぶために大学へ入学する。仏領のハノイはエキゾチックで美しく、その描写は素敵だ。だが、日中戦争中のヒロインのノーテンキさも、彼女の周りの男性のいかがわしさも、しっくりこず、人物にもう少し筆を尽くしてもらいたかった。いや、彼らはスパイなのか、その言葉は本心なのか、それこそがミステリーなのかもしれない。日本軍が進駐し、ハノイも変わっていく。装画のように美しく儚いハノイが印象深く、巻末の参考文献の多さに驚いた。
が「ナイス!」と言っています。
クリママ
表題作含む2編の中編。「アイスネルワイゼン」アラサーのピアノ教師。登場人物に付随する自分にとってあまり関係のない人は、母親、子供、夫などの呼称で、当然と思いつつも、そういう書き方が新鮮。営業トークと地の落差に驚く。自分に問題がないわけではないけれど、様々なうまくいかなさがもどかしく、苛立つ。そのどうしようもなさに、共感したくない。「アキちゃん」小5のころ、いつも一緒にいたけれど、自分を虐げ続けた女の子への憎しみ。その子に天罰が下れと読み続ける。人には明かせない心の内を見せつけられるよう。次作も期待大。
が「ナイス!」と言っています。
クリママ
新宿区の都立高校の定時制。落ちこぼれの生徒が科学に目覚めていくストーリーは、一昔前のTVドラマのヤンキースポーツもののようで、いかにも感が。読み進めれば、年齢も性別も経歴もまちまちの一人ずつ科学部に加わり、その個性も相まって素晴らしい結果を出す。終章近くの先生の思惑と大会の様子は読みごたえがあるけれど、やはりできすぎではと。だが、あとがきを読んで驚く。実際にあったことだとか。それぞれの個人や経緯はノンフィクションだろうが、科学の魅力とその力を生徒だけではなく、読者にも教えてくれる本だった。
が「ナイス!」と言っています。
クリママ
純文学の人気作家が行方不明になる。誘拐の可能性がある。今作は、息子の問題も絡めながらも、その誘拐事件のみ。誘拐された作家と親交のあるミステリー作家が登場するが、その登場の仕方に唐突感が否めない。それなりに重要な役回りで、小説家の内訳話は作者の考えも投射されているようで、興味深くもある。出だしの夫婦の会話はボケとツッコミのようで面白く、相変わらずのぶれない竜崎の姿が楽しめ一気読みだが、関係者も少なく、やや小ぶりの印象だった。でも、終わり方がなんだか微笑ましくてよかったな。
が「ナイス!」と言っています。
クリママ
7編の短編集。表紙の絵も、それぞれの見出しも、パロディのようだが、物語は、かなり痛そうだけれど、耽美的、独創的なホラーファンタジー。第1話と7話の、物語を語る「本」と呼ばれる人たち、第4話の、人の肉体的な痛みを代わりに引き受ける美女たちの物語が印象深い。1話ずつちょうどいい長さで、あまり迷うことなく物語に入れる読みやすい作品集。
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クリママ
チェロキー族のリトルトリーは5歳で両親と死に別れ、祖父母と暮らし始める。祖父の仕事を手伝い、わずかに収穫できるトウモロコシからウィスキーを作り、一緒に出掛ける。文字の読める祖母からはいろいろなことを学ぶ。が、心無い白人によって辛い思いをさせられる。リトルトリーを助けてくれる老インディアンがいるが、彼も祖父母も亡くなり、一人で生きていかなければならない。幸あれと願うが、私の思う幸と彼の思う幸とは違うのかもしれない。祖父の自然、生き物、キリスト教などついての考え、謙虚な生き方に教えられ、目を覚まされる思いだ。
クリママ
2024/02/17 15:34

おかさん、コメント、ありがとう。後からやってきた白人に多くを奪われたインディアン。でも、心だけは奪われていない。それどころか、見習うべき素晴らしい生き方があることを知りました。先に読んだ村田喜代子さんの「新古事記」にもインディアンの言葉があり、また、お気に入りさんのレビューから知り、手に取った本です。全く別の内容ですが、以前、おかさんのレビューで知った「エミリー先生」の読後感と、なにかつながるような思いもしました。長く読み継がれている作品とのこと、ぜひ、お薦めさせてください!

おか
2024/02/19 20:29

ありがとう😊

が「ナイス!」と言っています。
クリママ
葬儀社の仕事、エンバーミング、火葬など、綿密な取材によって書かれたノンフィクション。遺族に寄り添う誠実な姿勢がありがたい。火葬については「遺体と火葬のほんとうの話」を読み、知っている部分もあったが、従事する方の真摯さ、大変さにもかかわらず、係員と話してはいけない等の遺族の言葉に驚く。必ずお世話になる大切な仕事を蔑むようなことがあってはならないと強く思う。2027年以降超多死社会が訪れるが、家族葬、直葬など葬儀にお金をかけない傾向にあり、1兆6千億円の葬儀会社の市場規模が拡大するのかどうかわからないという。
おか
2024/02/12 18:35

私も 同じく 愛犬の遺骨を綺麗に そして大事に扱ってくださった僧侶の方にお礼も言えず 泣いてばかりの私でした。でも 今でも感謝感謝です。

クリママ
2024/02/12 23:06

おかさんも、同じ経験をしていらっしゃったのですね。命はなくなってしまっても、大切であることは変わりありません。その思いをくみ取って下さる方に感謝です。でも、私もお礼さえ言えませんでした。

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クリママ
第一章は其々3ページほどのエッセイ。ノンフィクション作品より率直に書かれている。ご家族の様子や大病を乗り越えられたことを知る。死に近いと感じられるものも多いように思った。第二章はルポタージュ。日本語教師として知ったアジア圏からの職業訓練生などの労働問題、旅で体験した宗教のことが、思いも含めて書かれている。そしてあとがき。ご自身の病気について穏やかに淡々と書かれている。この文章に行きつくまでにどれほどの思いがあったことか。これまで5作の著作を読み、有意義な時間を過ごさせていただいた。ありがとうございました。
ちゃちゃ
2024/02/09 15:19

クリママさん、私ももうすぐ手元に届く予定です。佐々さんが闘病中だと新聞の特集記事で知り、驚きました。素晴らしいノンフィクション作品を今後も私たちが読めるよう、なんとか持ち堪えていただきたいですね。二つ目のコメント欄、胸に沁みました。本当に仰る通りです。

クリママ
2024/02/09 23:06

ちゃちゃさん、コメントまで読んでいただいて、ありがとう。佐々さんのことはこちらで知り、この本を読みました。まだお若く、もっともっと書いていただきたかったのにと思うと、悔しく、残念でなりません。佐々さんの作品にはいろいろ教えられ、それをちゃんととらえ、うまく書けるとも思えませんが、ほんの少しでも、彼女の言葉を伝えたいと思いました。ちゃちゃさんのレビュー、待っています。

が「ナイス!」と言っています。
クリママ
憲法学者である著者が。差別について、法、判例などをもとに理論的に述べる。アメリカの奴隷問題、日本でいえば、家長制度などの歴史についても書かれている。法から解釈すればそういうことなのかと、知ることが多かった。差別が社会に定着した状態では差別が正当になり、そもそも差別だと思わないことがあるのは怖ろしい。ただ、世界中で、性別、人種など、日本でも、女性、朝鮮半島出身者、職業などで差別がある。なぜ人は他人を差別するのか。その元にある心理を知りたいと思っていたので、それはまた別の書籍を当たらなければならないだろう。
クリママ
2024/02/09 10:48

昨年の朝鮮人追悼碑のニュースや最近読んだ本に書かれていた葬儀に携わる人たちへの差別など、驚き、どうしてと思うことばかりだ。

が「ナイス!」と言っています。
クリママ
生涯弁護人第2弾。印象に残ったのは、川田龍平さんらが戦った薬害エイズの事件。血友病患者のその時の生命の危機を乗り越えることを一番に、そして、当時は薬害を予見することは不可能だったと無罪を主張した。そうだったのだろう。でも、患者にもっと誠意をもって接していれば訴えられることはなかったのではないか。その他、人身売買で日本に連れてこられたタイ人女性殺害事件、スクールゾーン内での小学生の交通事故死、また、警察官による暴行死についての警察の虚偽証言、痴漢の冤罪などは、身近に起こりうることであり、怖ろしく思った。⇒
じいじ
2024/02/09 07:13

「良心=両親……」の言葉に胸打たれました。

クリママ
2024/02/09 08:41

じいじさん、コメントまでお読みいただき、うれしいです。良心は両親によって育まれ、良くないことをした時、お父さん、お母さんにに叱られると心が痛むのもそういうことなのだと、もう30年も前に心理学を学ぶ学生さんから教えられました。胸の中にすとんと落ちる言葉で、今も大切な言葉です。コメント、ありがとうございました。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/12/03(4135日経過)
記録初日
2012/12/05(4133日経過)
読んだ本
3510冊(1日平均0.85冊)
読んだページ
895166ページ(1日平均216ページ)
感想・レビュー
1858件(投稿率52.9%)
本棚
231棚
性別
現住所
東京都
自己紹介

手元に読む本がないと落ち着きません。

図書館から山盛りの本を両手に抱えて帰ってきてガシガシ読むのが好きです。

首までとっぷり浸かって、読後現実の世界に戻ってくるまで時間がかかるような本に出会えると、本当にうれしくなります。

私にとってそんな本は、

大江健三郎      芽むしり仔撃ち
福永武彦       忘却の河、死の島  
(以上若かりし頃)

ミヒャエル・エンデ はてしない物語
ラブクラフト    クトゥルー
オースン・スコット・カード 死者の代弁者
フレデリック・フォーサイス オデッサファイル
トム・クランシー  レッドオクトーバーを追え
北杜夫       怪盗ジバコ
柳田邦男      犠牲(サクリファイス)
荒俣宏       帝都物語
山崎豊子      大地の子    
(以上ずいぶん前)

宮部みゆき     模倣犯
東野圭吾      白夜行
真保裕一      栄光なき凱旋
福井晴敏      Op.ローズダスト
高村薫       レディジョーカー
村田喜代子     蕨野行
朝井まかて     恋歌
梨木香歩      村田エフェンディ滞土録
絲山秋子      離陸
帚木蓬生      総統の防具
松家仁之      光の犬

もう少し軽いところで、

森瑶子       情事
恩田陸       ユージニア、ネバーランド、
          理瀬シリーズ
奥田英朗      伊良部シリーズ
今野敏       隠蔽捜査シリーズ
柚月裕子      佐方シリーズ、孤狼の血
香納諒一      KSPシリーズ
万城目学     かのこちゃんとマドレーヌ夫人  

時代ものでは、

柴田錬三郎     眠狂四郎シリーズ 
池波正太郎     鬼平犯科帳シリーズ
平岩弓枝      御宿かわせみシリーズ                                         

等でしょうか。  
読んだ本の整理のために読書メーターに登録しました。読み終わった本には、登録前のものも、思い出しながら加えています。

つい最近から、覚え書きのような感想を書き始めました。拙い感想にナイスをしてくださったり、お気に入りに加えていただいたり、とても有難く思っています。ただ、今の自分の率直な感想を書いていますので、不快に思われる方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。

感想を書くようになってから、読書メーターでの世界が広がりました。読友さんのレビュー等を参考にさせていただいて、知らなかった本との出会いを楽しみたいと思っています。

                                   (2015.8.24)

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