テレビでは飄々とした姿を見せる著者が実は物凄くストイックな笑い病患者であることを知り驚いた。本書では様々な芸人たちの特徴やネタについて、時に厳しくも思えるほど的確な指摘がなされているが、ほとんどが名指しのため非常に読み応えがあった。ただ近年のM-1は非関西芸人が立て続けに優勝しているので、当時と今では塙氏の見解も変わっているだろう。最近新作が出たようなので、そちらも読んでみたい。

この人ほど「こっち側」の葛藤を高明度に言語化できる著名人は居ないのではないだろうか。「新自由主義には性格の向き不向きがある」という主旨の内容が印象に残った。私も広告は苦手だ（特にビジネス系のやつ）。本書によって自分は更なる成長を求めるタイプではなく“足るを知る”タイプだと自覚し、少しばかり生きやすくなった。ありがとう若林さん。

登場人物のほぼ全員が親子関係に蟠りを抱えている中、みすず&うらら親子だけが癒し。みすずさんのように生きたい。円のように「本屋さんが辛い」と感じる時は確かにある。特にビジネス書コーナーは「もっと頑張らなきゃダメだ」と言われている気分になるので、心が弱っている時は凶器になる。『凪のお暇』は、そんな世の中の「成長教」に疲れた心を癒してくれる作品だと感じるので、結末もそれに見合った優しいものになることを期待したい。

何でもない（ように見える）日常を実に面白く描写されているエッセイ。特に教訓めいたものが込められているわけではないので、いい意味で何も考えず読み進められた。おかげで久々に「読書そのもの」を楽しめた気がする。エッセイこうあるべし、である。全エピソード笑えるが、相方の名前をド忘れした話と椿鬼奴を本名かと聞く息子さんの話に1番笑った。教訓めいたものは無いと上述したが、世の中の窮屈さはツッコミのせい、というのは一理あるかも？と思った。

テレビでは飄々とした姿を見せる著者が実は物凄くストイックな笑い病患者であることを知り驚いた。本書では様々な芸人たちの特徴やネタについて、時に厳しくも思えるほど的確な指摘がなされているが、ほとんどが名指しのため非常に読み応えがあった。ただ近年のM-1は非関西芸人が立て続けに優勝しているので、当時と今では塙氏の見解も変わっているだろう。最近新作が出たようなので、そちらも読んでみたい。

いちばんやさしい、とあるが私のような知識ゼロの人間には難しかった。専門職を10とするなら2〜3くらい知識のある方に適しているかもしれない。