年相応の平均的な子と優等生とこまっしゃくれた子と、狭い学校はこの子たちが回している。高校を終えるまでの生き方は小学校で習得しておくのがよい。「僕はそうは思わない」「敵は先入観」大事な言葉だ。生徒も教師も声に出して言ってほしい。表題作と「逆ワシントン」がよかった。

精神科医である著者が引っ越しとともに「子ども2人を自立させよう」とするお話。奇しくも我が家もそう考えていて偶然手に取った本である。我が家の2人の子は既に出て行ったが、そのうち未婚の方が戻ってくるかもしれない。それは嫌なので部屋数の少ない家に引っ越したいのだが、私は今の家が気に入っているので悩んでいる。☆31年前の本でした。

何百年も前に作られた音楽を私たちは再現しようとする。譜面だけでなく歴史的背景も読み取ったはずの演奏に「解釈が違う」と斬り込まれる。正解はどこにあるのだ？　純粋に演奏することに没頭する音楽小説ではない。天才プレーヤーではない多くの音楽家が心の底に持っている感情を「人の声に一番近い楽器」を奏でるのチェリスト目線で踏みこむ話。☆指揮者はある種の催眠術師というくだりに納得。奏者の中に錯覚を作り出し音を響かせることができるという。数十年前にオケと一緒に打点の不明瞭な指揮で歌えた理由が今になってわかった。

「暮らしのおへそ」という雑誌に掲載された37人の素敵な習慣が紹介されている。思っていた内容とは違っていて困惑しながら読んでいたが、最後の方に「頑張ってもうまくいかなかったら諦める」というフレーズが出てきて目から鱗。今の人生の横に走っている別の人生がある。努力の方向性を変えることが大事なのだ。

年相応の平均的な子と優等生とこまっしゃくれた子と、狭い学校はこの子たちが回している。高校を終えるまでの生き方は小学校で習得しておくのがよい。「僕はそうは思わない」「敵は先入観」大事な言葉だ。生徒も教師も声に出して言ってほしい。表題作と「逆ワシントン」がよかった。