半導体産業史で、80年代の日本企業の勢いと衰退、ソ連のコピー戦略、サムスンと台湾TSMCの興隆、米中の攻防、最近の半導体不足までそういうことだったのか!ということが多くて面白かった。アジアのサプライ・チェーンはアメリカにとってはコスト削減とアジアをアメリカ中心の世界へと縛り付けるメリットがあり、アジア各国にとっては経済成長や政治的安定を支えるもの、その相互依存の関係の複雑さと、最先端の製造を請け負う台湾TSMCへの依存は想像以上だ。でも技術、政治、災害などで数年先もわからないというスリリングさもある。
スコットランドのシェールオイル採掘時の廃棄物の山/キプロスの非武装地帯/エストニアのソ連時崩壊後に放棄された農地/チョルノービリ/荒廃するデトロイト/アメリカ製造業の発祥の地パターソンの廃工場/ダイオキシンなどの有害物質が堆積したパセーイク川/フランスのWWI時のヴェルダンの戦いの跡地の「ガス広場」/外来植物が広がるタンザニアの農学研究所(ドイツが設立)/住民が去り家畜の牛が野生化しているスコットランドのスウォナ島/火山噴火で壊滅したカリブ海の島モンセラト/環境が悪化したアメリカのソルトン湖
特に印象に残ったのは農地の放棄。旧ソ連圏、アメリカ、中国、ラテンアメリカ、ヨーロッパでは人口動態と農業形態の変化により放棄される農地が増加、結果森林が増加している。現在世界の1/3の国で森林は減少、1/3は横ばい、1/3で成長。過去にはモンゴルの征服、黒死病、コロンブス交換に起因する疫病で人口が大幅に減少した地域ではその後森林や草原が再生し、CO2が吸収され、それが小氷期の一因とする研究がある。黒死病、コロンブス上陸の50~100年後CO2濃度減少。アメリカの原始林の多くはごく最近になって再生されたもの。
もともと好きなのは、ミステリー、ファンタジー、SF、幻想文学、料理本、食に関する本ですが、
今は、ジャンルを問わず、自分にとって新たな視点や、認識や、世界や、世界観がひらけるものに興味があります。
ノンフィクション、時々SF、絵本、写真集、ぼちぼち文学などです。
感想は、自分が消化するためと、その時の自分の記録として書いてます。
読みたい本は増えるけれど読む方はまったく追いつかず。
でもだんだん、多く読むより、じっくり読みたいと思うようになってきました。
最近身辺が落ち着かず、スローペースです。
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植物note:https://note.com/aohakutaki
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半導体産業史で、80年代の日本企業の勢いと衰退、ソ連のコピー戦略、サムスンと台湾TSMCの興隆、米中の攻防、最近の半導体不足までそういうことだったのか!ということが多くて面白かった。アジアのサプライ・チェーンはアメリカにとってはコスト削減とアジアをアメリカ中心の世界へと縛り付けるメリットがあり、アジア各国にとっては経済成長や政治的安定を支えるもの、その相互依存の関係の複雑さと、最先端の製造を請け負う台湾TSMCへの依存は想像以上だ。でも技術、政治、災害などで数年先もわからないというスリリングさもある。