読み終わった直後、人間の幸福ってなんだろうと考えてしまいました。平井さん自身の価値観で本当に欲しいものはあるのだろうか、なぜ子どもが欲しいの？と聞かれたら平井さんはきっと答えられない。「苦しくならないで、何もかもすべて諦めて、生きていくことはできない」とあるけれど、諦めるもなにも本当の望みはなに？と平井さんに聞いてみたい…そして私自身にもです。普通や世間の目から離れて真に欲しいものを望むのは常に至難だし、ほとんどの人は「がらんどう」で生きて死にゆくのかも。

「永遠の夫」の意味はなるほどと思いましたが解説を読み本作にぴったりなのは確かに「万年亭主」でした。誰も彼もいけすかない自己中心的な人物ばかりでイライラさせられたし読んでいて鬱々しました…特にトルソーツキーの心理も行動もいまいち理解でき ず恥晒しなことをどんどん行うから不気味で仕方なかったです。リーザは本当に哀れ…。