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7月の読書メーターまとめ

mittsko
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  • yuzuki_m
  • 白義

7月のトップ感想・レビュー!

mittsko
『古事記』以前への興味から手に取った。とても面白かった。本業のヘーゲル研究では毀誉褒貶のある「在野の哲学者」長谷川宏氏による、日本列島の「人びとの意志と心情と観念の歴史」、すなわち「日本精神史」(「精神」の定義は上巻「まえがき」にある)。上下巻合わせて千頁超えという、驚くべき大著! 上巻は、三内丸山遺跡から『正法眼蔵』まで、先史から古代末/中世初期のなかから、数十の文物・文献が時代順に18の章で考究される。さすがの眼力と筆致。「日本精神」にとってとくに「美意識」が決定的だ、という著者の発見も力強い
mittsko
2018/07/25 15:04

承前)「なかで美意識こそが人びとの心にもっとも広く深く行きわたっているものであり、日本精神史上もっともゆたかに展開した生命力であることを、稿を終えてまもない筆者の正直な感想として記しておきたい」(4頁)

mittsko
2018/07/26 10:33

分厚い本書を通じて、これらの非常に興味ぶかい論点が展開されていく わ け で は な い… というのが、この本の面白いところだ 以上の引用はすべて、わずか4頁の「まえがき」に収められている 読解は各読者にゆだねられている(ΦωΦ)

が「ナイス!」と言っています。

7月のトップつぶやき!

mittsko

現代の政治イデオロギー >> 「イデオロギーが真理であるとか、偽りであるといったことを語ることには大きな問題がある。むしろ、イデオロギーのなかには、われわれを豊かにしてくれるものもあれば、逆に、われわれを卑小なものにするものもある。あるイデオロギーは、われわれが現実の世界に対処し、そこでうまく機能する指針になりうる。しかし、そうではないイデオロギーもあるということである」(29頁)

mittsko
2018/07/17 19:08

「まだ成長段階にあるイデオロギーの場合は、主張と分析をはっきりと識別することすら容易ではない。真理と幻想の御用商人たちが力強く、熱心に、そして自信に満ちた態度でわれわれに語りかけてくれば、その主張に抵抗することはむずかしい。関心をもつ観察者にとって、それは、イデオロギーの不埒な要素でもあれば、喜劇的な要素でもあり、われわれを揺り動かして目覚めさせてくれる要素でもある」(28頁)

mittsko
2018/07/17 19:12

「私たちはイデオロギーというレンズを通して政治世界と自己を観ると言い換えてもよいだろう。著者はその意味で、イデオロギーは「人間の条件」であるという。「イデオロギーを超える」という通俗的な宣言の実行が容易ならざることであるならば、政治や自己を反省する営みにとってイデオロギーの理解は不可欠である」(「訳者あとがき」385頁)

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7月の感想・レビュー一覧
18

mittsko
文句なしに面白い! 「自由の国フランスの正体、アメリカのグローバリゼーション、日本の教育行政の問題、資本主義の本質など」、現代史を一望するこういう主題設定をなんと呼んだらいいのだろう… 本書が単なる放談、オジサンたちの床屋談義ですまず、鋭い批判性と分析力、構成力をもつのは、ひとえに対談者お二人の知的力量による イスラーム碩学と一線級精神医学者、説明不要の偉大な知識人お二人は、幼馴染の同級生なのだという。行間は広く、スペースも充分なのでさくさく読める。世界と現代を見るこうした目こそ、ボクも身につけたいものだ
mittsko
2018/07/28 21:59

和田「我々精神科医から見て、宗教なるものにメリットがあるとすれば、「信じる者は救われる」ではないけれど、余計な悩みを持たないで済むとか、あるいはいろいろな理由で不幸な状況であったとしても、「これは神の思し召し」とか、あるいは「神が別の方向を向いてくれれば、またちょっといいことがあるだろう」と思えたりすること。うまく活かせば、こだわりを強く持ちすぎないとか、いろいろな捉え方をするという役にも立つと思うのです」(248頁)

mittsko
2018/07/28 22:03

こういう議論、小室直樹氏が想起される。実際、中田先生は「あとがき」にこう記している―「大学時代は彼[和田氏]と会うことはあまりありませんでしたが、確か『週刊プレイボーイ』の企画だったような気がしますが、彼に小室直樹先生と引き合わせてもらいました。結局、小室先生に生前お目にかかることができたのはその一回だけで、多くは教えていただくことはできませんでしたが、敬愛する小室先生の謦咳に接することができたことを、彼にはたいへん感謝しています」(268-69頁)

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mittsko
読了、ため息。日本の「精神」の歴史を個人として一望のもとにとらえる… これぞ日本の人文学徒の夢! こうした著作を物しえたこと、大いに羨みます。そして、わずか「十数年の研究の日々」でそれを成し遂げたことに、素直に驚く。千ページ超えの上下巻を貫く、特定のキー概念は示されず、ただ個別の文物・文献が紹介される。あるのは、全体を見通す筆者の目と長大な散文だけだ。下巻は『新古今和歌集』から『東海道四谷怪談』まで、諸物が17の章に配置され語られる。近代には触れられず、残された課題として示される。文句なしの良書です!
mittsko
2018/07/27 20:17

「ただ、そのゆたかさは、日本精神が他の精神と比べてゆたかだというのとはちがう。そういう比較を超えて、人間の、人びとの、精神そのものがゆたかだというのがわたしの実感だ」(「あとがき」520頁)

mittsko
2018/07/27 22:16

ああ、ボクも「日本精神史」の教養がほしい…! 強くそう思われるお仕事でした(´・ω・)

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mittsko
『古事記』以前への興味から手に取った。とても面白かった。本業のヘーゲル研究では毀誉褒貶のある「在野の哲学者」長谷川宏氏による、日本列島の「人びとの意志と心情と観念の歴史」、すなわち「日本精神史」(「精神」の定義は上巻「まえがき」にある)。上下巻合わせて千頁超えという、驚くべき大著! 上巻は、三内丸山遺跡から『正法眼蔵』まで、先史から古代末/中世初期のなかから、数十の文物・文献が時代順に18の章で考究される。さすがの眼力と筆致。「日本精神」にとってとくに「美意識」が決定的だ、という著者の発見も力強い
mittsko
2018/07/25 15:04

承前)「なかで美意識こそが人びとの心にもっとも広く深く行きわたっているものであり、日本精神史上もっともゆたかに展開した生命力であることを、稿を終えてまもない筆者の正直な感想として記しておきたい」(4頁)

mittsko
2018/07/26 10:33

分厚い本書を通じて、これらの非常に興味ぶかい論点が展開されていく わ け で は な い… というのが、この本の面白いところだ 以上の引用はすべて、わずか4頁の「まえがき」に収められている 読解は各読者にゆだねられている(ΦωΦ)

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mittsko
面白い!唸った(; ・`д・´) 一線級の動物学者による「科学研究とエピソードの両面から、動物界には喜びがあふれているという証拠を示していこう」とする一冊。著者曰く、本書こそは「動物の快感について捧げられた」人類史上初の一冊であります(原著は06年、本訳書は07年の刊)。こう言われたら、もう読むしかないですよね。動物の愛らしさから、「環世界」、とくに快感/喜び、心の哲学、脱・人間中心主義へ… なお、「本書出版プロデューサー 真柴隆弘」氏による「解説」が秀逸、「簡にして要を得る」のお手本のような文章でした。
mittsko
2018/07/19 19:28

「報告されたデータからは、魚には感情があり、無脊椎動物のなかにも感情をもつものがいることが明らかになっている。[…]無脊椎動物の注意深い研究の成果を見ても、彼らを軽んじる態度を検討しなおさなければいけない時期が来たのではないか。快感を経験するグループの領域は、わたしたちの既成概念をはるかに超えて、動物たちの上を広くすっぽりとおおっているのかもしれないのだ」(301頁)

mittsko
2018/07/19 19:32

「無脊椎動物でさえ感情をもつということが法的に考慮されているケースも一件ある。英国の(科学的手続き)動物法は、一九八六年に承認された法律だが、この法律が適用される動物には軟体動物――マダコ――が入っている」(313頁)

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mittsko
殺人ではじまり自殺でおわる、少年少女の、家族と先生を巻きこんでの一連の、数日だか数か月だかにわたる、長い長い倫理談義。この独自な思考線をどう特徴づけるべきか、倫理学者じゃないボクにはわからないが、とにかく面白いですよ(*'▽') 小説風文体で、文学好きの少年少女なら日本でも十分受け入れられるはず(訳文で好みは別れそう)。というのも、本書の底本は00年出版のドイツの本。そのドイツ語の本、98年にチリで刊行されたスペイン語の本からの著者改訳。元々、チリの中高生向け倫理の教科書として書かれたもののようなんです
mittsko
2018/07/19 17:52

「「マヌエルの言うとおりだ」とイバラ先生は同意した。「そこから結論できるのは、人がどのように自分の人生を送るかは道徳の問題ではない、ということだ」/「でも、自分の人生に意味を与えることがまったくできなかった人は、自分の人生をどう考えたらいいんでしょうか?」とセバスティアンが質問した」(238頁)

mittsko
2018/07/19 17:57

「道徳的な規範というのは、人が踏み越えてはならない境界線を定めているものだ。そして、自分の人生の意味は、それぞれの人がその境界線の内側で見出していかなければならない。聖人の人生は、私たちに義務として課された生き方のモデルというわけじゃないんだ。つまり、私たち全員が真似しなければならない生き方のモデルというわけじゃないんだ」(239頁)

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mittsko
多くの人の書棚に並んでいてほしい一冊です(。・ω・。) 政治思想研究者によるイデオロギー論の教科書。イギリス等で何年もかけて練り上げられた講義録のテクスト化。取り上げられるのは自由主義、保守主義、社会主義、無政府主義、ファシズム、フェミニズム、エコロジズム、ナショナリズム。どれか一つでも興味があれば、当該箇所だけ読んでも損はなし。ただし、教科書なので、複雑に入り組んだ事実関係の叙述がとにかく長い。慣れてるボクでもかなり退屈した。でも、時折はさまれる著者の批判的コメントが真にすばらしく、一気に目が覚める。
mittsko
2018/07/17 19:46

「宗教的ファンダメタリズムとナショナリズムの唯一のちがいは、ナショナリズムのほうが柔軟だということにある。つまり、ナショナリズムは、より曖昧であり、それほど厳格ではないのである。ナショナリズムは一種の真空である。それゆえ、なにがこの真空を充填することになるかはわからない。それだけに、ナショナリズムは非合理的な熱狂主義をうみだしやすい」(376頁)

mittsko
2018/07/17 19:56

この本について、一点だけ注記すべきことがあるとすれば… 「共産主義」には独立の一章が割かれていない、ということ…(´・ω・`) しかし実は著者は、共産主義とイデオロギーという問題について、ごく手短にではあれ、しっかりと論じているのです。それは「第1章 イデオロギーとはなにか」(とくに5-13頁)においてです。そこから分かるのは、明言こそされませんが、マルクスのイデオロギー論が本書の主軸になっていること、です。

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mittsko
ドキュメンタリ、記録報道のための動画を制作したい人向けの、とても素晴らしい教科書! 授業でも猛プッシュしました(。・ω・。) TBS報道局で経験を積んだ著者が、そのノウハウを惜しみなく伝えてくれます(慶應での実際の授業の記録でもある) 例えば「大学のゼミの紹介」「NPOに参加した大学生のインタビュー」など、物語/フィクション映画ではなく記録報道の動画の作り方… 会社人生で役に立つのは、こういう動画作法であるかもしれませんね。伝えたいことをしっかり伝えられる動画作りは、いま求められているものだと思います
mittsko
2018/07/17 17:03

「実際に現状、動画共有サイトに投稿されている映像の多くは、「たまたまこんなの撮れちゃいました」といったもので、自分がいいたいメッセージを映像に載せて伝えるというレベルにはないように思います」(4-5頁)

mittsko
2018/07/17 17:05

「これからの時代、義務教育とは言いませんが、せめて高校や大学といった高等教育の現場では、「初級映像制作演習」といった講座が必ずあって、希望すれば映像制作の基礎について誰もが学ぶことができ、自分がいいたいことを映像で伝えられるようにならなければいけないのではないでしょうか」(5頁)

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mittsko
一線級の物理学者による、科学哲学にも通ずる科学論・科学基礎論の古典。1958年刊、ボクのは2011年の65刷。60年間も読み継がれる名著だ(。・ω・。) NHK講座の速記録に手をくわえたもので、とても読みやすい。本書はまず、当時の「通俗科学書」「科学ブーム」の科学礼讃に対し「科学の限界」を明示するところからはじめる。科学は万能ではない、それでも人類はよく頑張って、ここまで自然を明らかにし、その技術化をはたしてきたのだ、と。実直に冷静に、皆の力を寄せ合って、おごらず研究を進める科学者の姿!なんと魅力的だろう
mittsko
2018/07/12 16:47

「けっきょくのところ、枝振りの特異さとか、茶碗の曲線の味とかというものは、科学の対象にはならないもののようである。厳密にいえば、科学的な方法で、その本態を捉えようという試みは、不可能ではないが、利口な方法ではない。その点だけは確かである。もっとも科学的方法、すなわち分析と綜合とによってある結果が得られれば、それは一般性があるので、次ぎの進歩に役立つ。今日科学がこのように発達したのは、この特徴を巧く活かしたからである。しかしそれが人間の幸福にほんとうに寄与したか否かは、また別の問題である」(211頁)

mittsko
2018/07/12 16:51

「枝振りの嘆賞や、茶碗の味を愛惜する心は、科学には無縁の話としておいた方がよいように思われる。あまり役には立たないが、そのかわり害もない。茶道などが、今日の科学文明の世になっても依然として生命があるのは、科学とは無縁であるからである。そのうちに科学的茶道などというものが生まれてくるかもしれないが、そんなものはすぐ消えてしまうべき運命のものである。茶道は、科学などに超然としておれば永久に生命があるであろう」(212頁)

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mittsko
2007年刊。経済発展の始まったインドの総論的紹介。日経新聞ニューデリー支局を筆頭に、同新聞社編で「日経ビジネス人文庫」のために書下ろし。こういう本が日経から出ること自体、インド研究者としては隔世の感がある。同年1月、NHKスペシャル『インドの衝撃』(10月に書籍化)が新しいインドの姿を日本人にすり込むのに決定的だったわけだが、本書は同年5月の発行、同時平行の企画だったことがわかる。新たな日印関係の最初期の記録である本書、どこがというわけではないが、まだまだビミョーーーに上から目線が残る。そこにこそ注目
mittsko
2018/07/10 17:03

「あえて乱暴に断言すれば、インドは全くふつうの国である。少なくとも、ふつうの国になるべく努力を続けている。民主主義の浸透もさることながら、先進国にあるあらゆる産業や社会制度が、そして紛争や犯罪もがちゃんと存在する。/本書では、こうした「ふつうの国」として、時には内政・外交や国際政治の波に翻弄されながら、成長と平和、国民の調和を目指して奮闘を続けるインドの実像を、様々な角度から切り取ってみた」(6-7頁)

mittsko
2018/07/10 17:15

全8章立て ⇒ 「世界が注目するインド経済」「世界経済の一員となったインド経済」「IT先頭に伸びるインド産業」「農業は隠れた巨大産業」「インド株ブームはいつまで」「深まる日本との関係」「インド経済の担い手たち」「インド経済の課題とリスク」

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mittsko
『Nの肖像』以来の仲正本。『存在と時間』の初級というより中級入門書。学部時代、原書を四苦八苦して読んだが、こんな見事なガイドがあれば、あの課題はどれだけ楽だったろう! 専門の哲学者でないボクに、本書を十全に解釈評価することはできないが、一つのハイデガー理解としてとても説得的だった。読書中、西田幾多郎ら京都学派のことがしきりに想起された。似ている。実存論からの読みを試みる仲正先生がその影響関係をとくにフィーチャーしているのか、ハイデガー哲学がまさにそうなのか、考えたことがなかった。面白かった(*'▽')
mittsko
2018/07/10 16:20

追記) ハイデガーでやはり引っかかるのは、人間中心主義だ…(´・ω・`) 人間存在の特別視はハイデガー自身が認める、ハイデガー哲学の基本枠組みなわけだが、それでホントによいもんだろか… 例えば、犬には犬の現存在と実存があるのではないか、山には山の、酸素分子には酸素分子の、友情には友情の、ヴィシュヌにはヴィシュヌの… 等々

mittsko
2018/07/10 16:21

「歴史的出来事の連鎖をどう説明するかではなく、解釈される実存と、解釈する実存の「歴運」的な関係性に、本来の歴史学の課題があるという主張は、ハイデガーの影響を強く受けていない普通の歴史家には、なかなかピンと来ないだろう」(231頁)

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mittsko
「今のインド」とあるが2007年刊。二度目の読了だが、なぜか読書記録がない。初読のとき、心底たまげた! インド経済についての物凄い量の、しかも正確な情報を、まったく的確、かつ信じられないほどスピーディに整理分析していく手腕に驚かされた。一体どんな手法で、どんなシステムでこれが可能なのか、脅威的だった。しかし略歴をみると、テレビに出るようになった辺りから、著者はもうインド経済の分析紹介をやめてしまったようだ。仕方のないこととはいえ、インド関係者としてはちょっと残念(´・ω・`)
mittsko
2018/07/09 13:59

追記) 二度目の読書では、さすがに一度目のような衝撃はなかったし、何より、著者がもはやインド経済研究をやめてしまったことを知っていたので、脅かされるような感覚をもつことはなかった。しかし、今もなお読むべき価値のある一冊であることは確認できました(。・ω・。)

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mittsko
久々にしりあがり師匠第3弾。「あの日」とは「2011.03.11」のこと。つねに実生活の軋みを漫画にしてきた師匠が、震災・津波・原発事故に真正面からとり組む。ボクはあの日々を思いだし、今も続く被災者の皆さんの生活を思い、厳粛な気持ちになった。本書に集められたのは、あの日の三日後から7月12日までの4か月間に発表された漫画たちだ(1本だけエッセイあり)。刊行は8月5日付。朝日新聞、小説宝石、コミックビームという3誌に載せられた作品を、エンターブレインが編集出版。文化庁メディア芸術祭マンガ部門、優秀賞を受賞
mittsko
2018/07/08 09:01

追記) 直前、師匠の『オーイ・メメントモリ』を読み終わっていた。311と同時に終わった連載を集めた本の次に、311直後から書き溜められた漫画を集めた本書とを、この順番に連続して読むことになったのは、まったくの偶然だ。時代性への鋭敏な感性をもつこの作家の読み方としては、これ以上ない偶然だったと思う。

mittsko
2018/07/08 09:07

「おばあちゃん どんな人だった?」 「………… 弱そうで… 強い人だったな………………」(「震える街」110612『月刊コミックビーム』7月号)

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mittsko
久々にしりあがり師匠第2弾。当然面白いのだが、読了にすごく時間がかかった。『TWIM』より読み進まない漫画は初めてかもしれない。テーマは「死」だ、もう最初から最後までそれしかない。『ダ・ヴィンチ』の「タウンガイド」として始まり、足かけ11年間つづいた連載で、流行りもの、話題ものの取材報告が、そのまま「死」のエッセイ漫画へと変態する(1話2頁)。命と性と光に群がる日本人たちの姿を、死の闇によって浮き上がらせるしりあがり師匠… どこまで本気かよく分からないが、いつもながら示唆に富む! これぞしりあがり!の一作
mittsko
2018/07/07 21:27

追記1) 最終話として「311」が1頁だけ付加されている。連載終了と同時に、あの地震と津波と原発爆発が起きたのだという。主人公・瀕死の男は最後につぶやく… 「…もう 充分だよ……」

mittsko
2018/07/07 21:31

追記2) この連載は、しりあがり師匠の創作の秘密、というか特徴を最も直截に表しているのかもしれないな、と思った。すなわち、「流行りもの、話題ものに取材して」というところだ。師匠の思想と世界観が卓抜したものであるのは疑いないけれど、それを類例にほど際立たせているのは、「売れる」「ヒットする」「メジャーに近づく」ということだとボクは思う。そして本連載はまさに、師匠のそうした動き方を明確になぞっているんじゃないか、と。

が「ナイス!」と言っています。
mittsko
『楢山節考』『うなぎ』など数々の名作を誇る映画監督・今村昌平の自伝。今村作品が大好きなボクには、とんでもなく面白かった。どこもかしこも名言だらけ、と興奮した。ただ、外国映画の影響への言及がほぼ全くないのは意外。2010年刊の本書は、全170巻の自伝・評伝シリーズの一冊だが、底本がある。日経新聞の人気シリーズ「私の履歴書」での連載をまとめた『映画は狂気の旅である』(04年)。なお、本書にあとがき代わりに収められた、ご長男の天願大介氏によるエッセイ「親父の横顔―息子から見た今村昌平」が、文句なしにすばらしい!
mittsko
2018/07/06 20:15

「「うなぎ」を出品したときは夫婦でカンヌに出向いたが、本当は気が進まなかった。私自身は賞に値する作品だとは思っていなかったからだ。ラスト近くに大勢の宴会シーンがあってクレーンから撮影したのだが、出来上がって試写をを見ると役所[広司]さんがきちんと写っていない。撮り直したいと言い張ったが、プロデューサーから一千万円かかるので無理だと蹴られ、渋々引き下がった。カンヌ入りした時の私は、そうした忸怩たる思いを引きずって内心鬱々としていた」(146頁)

mittsko
2018/07/06 20:25

「本来、創造行為は他人に教えられない。私もそういう心構えで映画を作ってきた。しかし一方で、創造する姿勢、志を人に伝えることはできる。それが若い人に対する我々の役目であろう」 「天才は必要ない。 常識に縛られるな。 粘っこく人間を追究し、無人の曠野を走る勇気を持て。」 「それが後輩に送る私からのメッセージである」(159-60頁)

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mittsko
非常に面白かった(*'▽') 取り上げられる新宗教はラエリアン・ムーブメント、幸福の科学、天理教、真如苑、崇教真光、統一教会、創価学会、日蓮正宗… 「日本生れ」の宗教団体ばかりではないが、いずれもがアフリカの地で「日本」と何かしらの強いつながりをもって活動している。これらの教団にアフリカ各地の人々が大小さまざまな規模で集まっている。その内側を描き出す、半生をアフリカに捧げた若き著者によるルポ。一般的な宗教論としてもとても示唆に富む。専門的な新宗教論への目くばせもしっかりある。オススメ!
が「ナイス!」と言っています。
mittsko
ネタバレ古屋兎丸のデビュー作を読んだら、無性にしりあがり師匠が読みたくなり購入第一弾。当然の名作!『QJ』に99年から00年に連載されたものを、00年末、20世紀最後の月に刊行したもの。テーマはずばり世紀末、終末! 世界の滅亡を、師匠らしい諦念と優しさとで淡々と描きます。あとがきに「とびきり美しい「終末」を」と師匠は書いていますが、この言葉は額面どおりに受け取っていいと思いました。さすがだなぁ… すごいなぁ… オレも漫画描いてみたいなぁ…
が「ナイス!」と言っています。
mittsko
07年刊、思い立って印度を訪れた旅行記。以前からある人気ジャンルだが、違うのは、著者が経済ジャーナリスト・アナリストで(TVでもお見かけする)、新興著しい印度市場への関心からこの旅を思い立ち、またそれを自らの「仕事」に結びつけているという点だ。日印関係も変わったものである、そしてそれは大いに歓迎すべきことだ。著者の視点は明解そのもの。表題どおり、古いカーストと新しいITがどう両立するか。その答えをインド人に色々会って話を聞くことで、追い求めます。計1か月弱の滞在でその答えははたして出るのか?! 乞うご期待
mittsko
2018/07/03 18:37

「インドの「輪廻転生」観は既に優位に立っている人間が脅かされることがないように、よく考えられた仕組みだと私は理解した。一番問題だと思うのは、社会全体に変化とかチャレンジ精神が生まれないような仕組みになっていることだ。支配者が狙ったのは、「自分の地位を脅かす考え方が生まれないように」ということだろうが、それは非常に現状固定的な社会の形を強く肯定するという作用を持つ。下剋上など考えられない世界で、それがうまく機能すれば「停滞型の社会」が生まれる。[…]だからこその今随所に見られる貧困である」(184頁)

mittsko
2018/07/03 18:45

最後に、南アジア専門家の端くれとしてのコメントをば… 本書は全くオススメできません。具体的な個別情報に有益なものはありますが、著者が断定する「考え」は全く不十分、完全に的外れです。とくに、文化と歴史と宗教についての語り(本書の本筋)。時代遅れの文化決定論、やってはいけない理解の筆頭です。また、ご自身が言われるほどのリサーチなどなされていないのが丸わかりです。なまじ高名な方であるだけに、うっかり信じてしま読者もいるでしょう。残念です、危険です。流し読みで終わらせていただけるのがよいかと思います。

が「ナイス!」と言っています。
mittsko
非常に面白かった! ビジネスから見たインド論、インド人論として秀逸。印在住の起業家である著者は、自らの経験で得た情報や見識をおしげもなく披露してくれます。印度ビジネスに関心のある方は、まず本書をお手にとられ、書かれていることを愚直に実践してみてはいかがでしょう。私は経済人ではないので全面保証はできませんが、きっと多くの益が生みだされるだろうな、と思います。なお、とくに興味深かったのは、96~120頁。ビジネス面からみえる、多様きわまりない印度人の最大公約数が列挙されています。全く妥当だと思いますよ!
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/09/11(3262日経過)
記録初日
2009/07/14(3321日経過)
読んだ本
461冊(1日平均0.14冊)
読んだページ
136561ページ(1日平均41ページ)
感想・レビュー
444件(投稿率96.3%)
本棚
22棚
性別
血液型
A型
職業
その他
現住所
千葉県
外部サイト
URL/ブログ
http://lizliz.tea-nifty.com/
自己紹介

ツイッタID  mittsko

【オールタイムベスト】(読んだ順)
① テリー・イーグルトン『イデオロギーとは何か』大橋洋一訳,平凡社,1999年.
② チャールズ・テイラー『今日の宗教の諸相』伊藤邦武/佐々木崇/三宅岳史訳,岩波書店,2009年.
③ 真木悠介『自我の起原―愛とエゴイズムの動物社会学』岩波書店,2008年.
④ アクセル・ホネット『物象化』辰巳伸知/宮本真也訳,法政大学出版局,2011年.

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