クレインヴンの新シリーズはポーシリーズ同様の早い展開と短い章立てでページをめくる手が止まらないアクションものでありました。ある事件から姿を消して6年、恩義ある連邦保安官局局長より誘拐された娘の捜索を頼まれるベン。斃して斃して斃しまくるスカッとする肩肘張らずに楽しめる一冊でありました。

毒殺なのか？消えた死体に幽霊か？導入部で語られるクロスが後半に出てくるとは思ったがブレナン警部も鋭い。論理的に語られる事件で終わると思いきやエピローグは何とも言えず不気味に終わる怪奇ミステリーでありました。物語はどこまでも自由です。

既読だと思わなかったわ。年を重ねると物忘れも激しいです。『極悪女王』を見たあとだからより一層熱い想いが伝わるってくる。クラッシュは同世代で活躍を見ていたけどその後の女子プロの動向は朧気だった。熱い時代をもう一度取り戻せるのか頑張って欲しい女子プロレスです。

邦題からはミステリーかと思わせるがそれほどミステリー自体には重きを置いていない。原題「snow fallling on cedars」の方が合ってる。アメリカ人として戦争に行った日系人が被疑者となった裁判は降り続く雪の中で行われる場面からそれぞれの人生を巡る物語となって行く。戦争によって偏見にさらされる日本人、哀しみを背負う経験者、引き裂かれる恋人たち。老弁護士ネルスの公正さが印象に残る。

短編集は初読み。ローザンは卒がないし短編も上手い。コンビで2編、ソロの活躍で５編。中でも切なく心に残る「ただ一度のチャンス」と殺人も強盗もおきないが妙手で問題を解決した「天の与えしもの」どちらもビルの物語で「天の～」は短編だからこそ味わえる活躍が微笑ましい。既刊本はすべてストックしてるけどまだ未訳があるので今後も楽しみ。

ウン十年振りの再読でしたが面白い。終戦間近のイギリスで高い情報の精度を誇るドイツのスパイ『針』に下された指令はフランスへ上陸しようとしている連合軍の動向。カレーなのかノルマンディーなのか！証拠の写真を手に入れUボートとのランデブー地点へむかうのだが、それをゴドリマン教授とブロッグス警部補が追う。オールタイムベストな一冊。

クレインヴンの新シリーズはポーシリーズ同様の早い展開と短い章立てでページをめくる手が止まらないアクションものでありました。ある事件から姿を消して6年、恩義ある連邦保安官局局長より誘拐された娘の捜索を頼まれるベン。斃して斃して斃しまくるスカッとする肩肘張らずに楽しめる一冊でありました。

愛すべきキャラクターのフロスト警部に押し寄せる事件のヤマまたヤマ。たとえ読みが外れてもただでは起きないのだ。上司の受けはすこぶる悪いが下々の民とは気安い関係。正義漢ぶってないところがフロストおじさんであり、登場する脇役たちとも昔は何かあったんだろうなと窺わせて物語に奥行きを与えてる。長いものには巻かれる方が得な世界ではあるけれど我らがフロスト警部いるかぎり罵られても下品でもぶれない奴が愛おしい。負けるなフロストここにあり。

しっぽの先まで餡子が詰まって大変美味しい！射撃残渣もお見事ですし緻密な犯人を追い詰めるのもお見事。新刊を追いかけるのはクレイヴンとノイハウスだわ。キャラクターを好きになっちゃうと先が知りたいよね。本国では次作も出ているようなので早く読みたいですわ。