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8月の読書メーターまとめ

鵐窟庵
読んだ本
10
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2445ページ
感想・レビュー
8
ナイス
53ナイス

8月に読んだ本
10

8月のトップ感想・レビュー!

鵐窟庵
本書の80年代の寵児だった米国建築家11組は、今では教科書の人物、理論書の片隅、現役大学教員、変貌したスターアーキテクト、名門組織設計事務所、忘れ去られた人、古本屋で叩き売りの作品集、全く名を知らない人、今でもラディカルさを失わない芸術家、日本の街並みを引導した弟子筋、黒幕として語り継がれる歴史、と時代の答え合わせがされる。生き残った建築家はポストモダンと一括されない過激さと走り続けられる体力を持ち合わせている。今となってはポストモダンの意味も当時と異なり、悪しきポストトゥルースの入口と捉えられている。
鵐窟庵
2021/08/14 02:35

その続きをもし書き加えるならば、ノンイデオロギー気味だった建築はさらにノンイデオロギーになった。SNSと言った日常化したメディアに建築が溶け込むようになり、いっそう大衆化が進んだ。その結果建築バブルとも言える景気が生まれたが、同時に貧困化とスター化の二極化をより一層強く推し進めた。名目上あったタテマエは、ホンネが露出的になることで、建築の寿命も短くなった。より建築はメディアや経済に一体化する様になったのだろう。

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8月の感想・レビュー一覧
8

鵐窟庵
植物学者の牧野富太郎による各種の植物の性質といわれについて。猫じゃらし、エノコログサがアワの先祖で食べられる話や、椿の名前の由来についての原産地名との違いなど興味深い話が多い。しかし最後の漫談で82歳と思えない欲望が過激だが研究者としての不滅の知的好奇心なのだろう ✔︎富士山の美容を整える▶︎宝永山を取り除く ✔︎山を半分に縦割りする▶︎休火山を縦に割り地質学の研究資料に ✔︎もう一度大地震に会いたい▶︎揺れ方をよく覚えていなかったので覚えたい ✔︎富士山の大爆発▶︎闇夜に紅の富士山の壮絶の奇景を見たい
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鵐窟庵
江戸後期の園芸ブームに前に、武士や好事家の間で奇品が流行り、葉系や斑入り種の様々なバリエーションが高値で取引されていた。本書では、斑の入り方や鉢の種類、育て方増やし方、当時著名な奇品家について。ある奇品家の愛好っぷりは凄まじく、同じ奇品家の妻に奇品と自分がどちらが愛しているかと言った際に後者だと言って妻も理解を示したり、来客が奇品より鉢を誉めていたのを見て、目の前で鉢を叩き割って奇品の希少性を問うたり、人間の欲望には際限がない。それは不定形の植物に対して示す、近代以前の自然観であり、アニミズムでもあった。
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鵐窟庵
東京の街路樹の経緯と東京2020マラソンコースを実際に観察した課題。震災で樹木に延焼防止効果があったことから、震災復興で多くの街路樹が植えられた。トウカエデ、プラタナス、イチョウ、ソメイヨシノ、ユリノキと今も馴染みの樹種が植えられた。また諸外国に比べて日本は台風の多さから剪定が細かく、日本庭園で培った技術もあり長い間美しい樹形と樹陰が作られてきた。しかし最近は管理予算減少から、無理な強剪定が行われ樹冠や根張りがよくない現状がある。課題解決策を述べている。実際に本書を持って街路樹巡りをすると面白いだろう。
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鵐窟庵
本書の80年代の寵児だった米国建築家11組は、今では教科書の人物、理論書の片隅、現役大学教員、変貌したスターアーキテクト、名門組織設計事務所、忘れ去られた人、古本屋で叩き売りの作品集、全く名を知らない人、今でもラディカルさを失わない芸術家、日本の街並みを引導した弟子筋、黒幕として語り継がれる歴史、と時代の答え合わせがされる。生き残った建築家はポストモダンと一括されない過激さと走り続けられる体力を持ち合わせている。今となってはポストモダンの意味も当時と異なり、悪しきポストトゥルースの入口と捉えられている。
鵐窟庵
2021/08/14 02:35

その続きをもし書き加えるならば、ノンイデオロギー気味だった建築はさらにノンイデオロギーになった。SNSと言った日常化したメディアに建築が溶け込むようになり、いっそう大衆化が進んだ。その結果建築バブルとも言える景気が生まれたが、同時に貧困化とスター化の二極化をより一層強く推し進めた。名目上あったタテマエは、ホンネが露出的になることで、建築の寿命も短くなった。より建築はメディアや経済に一体化する様になったのだろう。

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鵐窟庵
人間の生活や都市と植物遷移など、広義の意味でランドスケープについて捉えて生態系の人工的な側面について焦点を当てている。地域や地形や地層から表面の地層と都市の造成時の盛り土切土による植生の活性度の関係や都市緑地における植物遷移など、人間の関わる自然の変化を分析している。東京の緑地計画や住宅地開発、ドイツのクラインガルテン、オーストラリアの入植者による植生変異、中国の砂漠緑化など事例があり、本書が書かれた当時1990年代の日本の山地の自然林化と熱帯雨林の破壊がトレードオフになっている問題提起がされていた。
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鵐窟庵
多摩ニュータウン造成時に都市公園や緑道、街路樹などの当時のランドスケープの設計者による記録。全体的な計画では人口あたりの公園面積や歩行者専用の緑道ネットワーク計画から、部分的な計画では地区や地形による樹種の選定や部分的な道路と樹木の関係の類型の計画、そして具体的な設計では、多摩丘陵の表土保全のために造成で切土盛土を行いつつも法面保存を行い開発によって失われた樹木を選定して樹種ごとに地形によって定着の仕方が異なるために表土法面の設計など多岐にわたるランドスケープ実務の記録が残っており、図録としても興味深い。
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鵐窟庵
北京の都市史の中における天安門広場についての形成史。中国の各時代の主権の都市空間の中への権力の開現は、広場の空間の設計を通して国家と民衆との間の関係の顕在化でもある。近代中国から新中国へ、現代中国に至るまでの広場空間の変遷は、まさに体制の変遷の現れでもある。興味深い2点、民国時代に天安門広場を市民のための憩いの場として植樹されら緑で鬱蒼としていた時期に対し現代中国の気鋭建築家MADの提案する北京2050でも同様な将来像が提案されていること、1970年大阪万博お祭り広場の発想源天安門広場があったことである。
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鵐窟庵
70年前からの丹下健三の論考の再編。現在読んでも、建築をめぐる社会や市民との関係、美学的な領域の内外の対立、といった構造が今も変わらない普遍的な命題であることが分かる。当時の丹下健三は敗戦の焦土から、国土を一から作り直す国家のための建築家とばかり伝えられるが、論考を読み直すと、矛盾や対立をいかに乗り越えていくかと言った問題意識を常に持っていたこと、それが建築作品で現れていたことが理解される。当時も多くの建築的世論の矛盾があったに違いないが、後代の歴史家により書き換えられただろう点との対比も浮かび上がった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/07/02(3008日経過)
記録初日
2009/05/11(4521日経過)
読んだ本
690冊(1日平均0.15冊)
読んだページ
191390ページ(1日平均42ページ)
感想・レビュー
150件(投稿率21.7%)
本棚
0棚
性別
職業
技術系
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

建築設計事務所勤務
建築理論、建築史、都市計画、経済、哲学、思想、歴史、地理、美術、科学など

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