ネタバレ『汝、星のごとく』の続編だけれど、一篇目の『春に翔ぶ』で櫂と暁海を支えた北原先生の過去が詳らかに。前作を忘れていたので人間関係がややこしかったけれど、よかった、よかったで読了。情けは人のためならず。

ネタバレ『汝、星のごとく』の続編だけれど、一篇目の『春に翔ぶ』で櫂と暁海を支えた北原先生の過去が詳らかに。前作を忘れていたので人間関係がややこしかったけれど、よかった、よかったで読了。情けは人のためならず。

ネタバレ今回もエーレンデュルは不在で、シグルデュル＝オーリが主人公。元妻ベルクソラによると、オーリの性格の悪さは母親譲りらしい。スワッピングパーティーを開いては写真をネタに恐喝しているという女が何者かに殺され……。本作は2009年に発表され、アイスランドが金融危機に陥る直前のやりたい放題の時代を映しており、途中で建設中止になったものの、いまや観光名所のひとつになったハルパ・コンサートホールに対する作家の考え（だよね）もちらっと出てきて興味深かった。それにしてもエーレンデュルよ、はやく帰ってきて！

ネタバレ悪運に取り憑かれたような青年、真柴。なんともやるせない結末にプロローグを再読するも、ため息しか出ない。救いはあったと思いたいけれど。

ネタバレ舞鶴の海岸で記憶喪失の状態で保護された青年。所持品は上等そうな扇子のみ。やがてその扇から日本画家の息子であることが判明し、京都の屋敷に６年半ぶりに戻るが、出入の画商が密室で殺されるという事件が起こる。そして青年は扇子とともに再び姿を消す…。突きとめた火村にも受けとめる時間が必要だったという真相がせつない。住職が言うように、アホなことをしたもんだ。