周恩来は、文革に対しても異を唱える事なく、毛に従っていたが、江青達四人組と対立した事で「文革推進者の中の良心派」のようにも言われるが、かなり忖度入っていると思う。
「スニフ、心をいれかえる」は、インチキ商売で酷い目に遭ったスニフが善なる心に目覚めて、善人たろうとするがそれが段々過激化し、周囲に善行を強制するように、という話。ムーミン達もその影響で右往左往、スノークの女の子とミムラも清らかな暮らしに憧れて、世捨て人暮らしに挑戦するが禁欲生活に我慢出来ず、「ムーミン、スニフを改心させて」とこっそり懇願。スニフが「僕のような善人には必要なことなのさ」と傍若無人になっていく、正義の暴走ぶりは結構ブラックな笑いだ。
野宿したたき火の跡からスナフキンを見つけるムーミンが「もし僕がたき火の跡を見つけられなかったら?」と聞くと、「もっと大きなたき火をたくさ」とスナフキンがニッコリするコマが、この巻で一番いい画だと思う。
それにしても、ディズニー以外のスタジオでもどこかにディズニー出身者がいて、その影響の大きさは日本で言うと東映動画(設立された頃は東洋のディズニーを自称していた)のような感じ。もっとも、アニメ関係者はスタジオを頻繁に渡り歩く人が多く、特に優秀な人材は引く手あまただった事が伺える。
散々語られてはいるが、やはりアメリカのアニメ史でディズニーは外せない。この本では、ディズニーと他の制作者との関わりにも着目して歴史を追っているので、都会的なエログロセンスで対抗したフライシャーが何故生き残れなかったのかがあぶり出されている。ディズニーは徹底してアニメーションの映像表現の進歩にこだわり、そのための技術開発や人材育成にも力を注いだ。制作だけではなく、配給にも積極的に関与しようとするが、この時代にそこまでアニメーションに熱意を示す者はいなかった。つまり、ディズニーの本気度に誰も叶わなかったのだ。
ディズニーの盟友であり、卓越した作画技術を持っていたが作劇の才能がまるでないので独立したものの行き詰まったアブ・アイワークス。アニメをビジネスと割り切り、予算と納期以内で完成させるが出来は概ねまあまあ以下というポール・テリーのテリートーン。アニメ制作者の群像が興味深い。ディズニーのような長編アニメ制作に乗り出すが、人材育成や技術開発を伴わなかったので失敗したフライシャー兄弟を、配給元のパラマウントが追い出して再編したフェイマス・スタジオも凡庸な出来ながら、「おばけのキャスパー」といったヒット作に恵まれた。
ワルシャワ蜂起には、主力となった国内軍、ソ連の息のかかった共産党系の人民軍の他、右派系、極右系のレジスタンスもいた。極右系はドイツ軍よりも共産主義者を目の敵にしていたという。
この本が書かれたのは約60年ほど前だが、アラブ諸国の状況は余り変わっていないようにも見える。欧米に移住し、そこの社会の価値観に折り合いをつけて暮らしている人はそうでもないのかもしれないが。著者は最後に「アラブ人と接する時には、このような性質を理解する事が必要」と説く。まぁ、アラブ人の気質というのは、ことごとく欧米の価値観と衝突するというのはわかった。日本はどうだろう。
この本を読んで、「アラブ人と仲良くなりたい」と思うのは、なかなか難しいのではないかという印象。サウジアラビアでは「発禁(そもそも出版が許可されるとは思えないので、持ち込み禁止とか閲覧禁止とかそういう意味なのでは)」になったというが、内容に民族辱的なものを感じたのかもしれない。
後に日本プロレスのコミッショナーとなった川島正次郎が自民幹事長、副総裁として登場。「プロレス・スーパースター列伝」では、東京プロレスが倒産して行き場の無くなった猪木に、「猪木くん、男がより大きく成長するためには、時にメンツやプライドを忘れることも必要だ」と諭す大物政治家として登場した人で、史実でもなるほど大物だったのか、と知る。
劉少奇は別に毛沢東に反対するつもりもなかったが、毛の主導した大躍進に経済破綻を立て直そうとした事が、結果として「毛主席の思想への反対」となり、粛正されてしまった。毛に自己批判を命じられてもおとなしく従っており、終始反対姿勢は見せていない。又、林彪は文革の担い手が紅衛兵から軍へと移行する過程で政治的地位を上げ、毛の後継者の座に躍り出るが、その野心が危険視されて粛正された。実際、林彪は毛沢東を暗殺しようした失敗し、逃亡を余儀なくされる。一番微妙な立場が周恩来。毛沢東の忠実な番頭格として、毀誉褒貶も曖昧。
周恩来は、文革に対しても異を唱える事なく、毛に従っていたが、江青達四人組と対立した事で「文革推進者の中の良心派」のようにも言われるが、かなり忖度入っていると思う。
SF、ホラー、軍事、歴史関係の本が好きです。勿論マンガも読みます。
mixiもやってます。そちらの方に、もっと詳しい書評も書いてます。
ブログもやってます。
http://www.moegame.com/movie/archives/cat_印度洋一郎の超映画戦記.html
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劉少奇は別に毛沢東に反対するつもりもなかったが、毛の主導した大躍進に経済破綻を立て直そうとした事が、結果として「毛主席の思想への反対」となり、粛正されてしまった。毛に自己批判を命じられてもおとなしく従っており、終始反対姿勢は見せていない。又、林彪は文革の担い手が紅衛兵から軍へと移行する過程で政治的地位を上げ、毛の後継者の座に躍り出るが、その野心が危険視されて粛正された。実際、林彪は毛沢東を暗殺しようした失敗し、逃亡を余儀なくされる。一番微妙な立場が周恩来。毛沢東の忠実な番頭格として、毀誉褒貶も曖昧。