読んでいるとなんだか白い気持ちになる。しらけているのとは違う。でも色が抜けてゆくような気持ちになる。「シェエラザード」と「木野」が残る。ドライブ・マイ・カー／イエスタデイ／独立器官／シェエラザード／木野／女のいない男たち、の6編。

読んでいるとなんだか白い気持ちになる。しらけているのとは違う。でも色が抜けてゆくような気持ちになる。「シェエラザード」と「木野」が残る。ドライブ・マイ・カー／イエスタデイ／独立器官／シェエラザード／木野／女のいない男たち、の6編。

もしこれがほぼ全て真実だとしたら、著者の姉に俄然興味が湧く。

表紙の写真とタイトルから漂う不穏なイメージに惹きつけられて踏み込んでゆくとそこに待ち構える胡乱な世界。そして最後まで、胡乱は胡乱のままで。

2010年出版。19人のうち16人は人工物による再建。この頃インプラントはまだ保険適用外だったので、相当の覚悟や気概や費用が必要だったろうと思う。加えてある程度バランスの取れた仕上がりが見込まれる場合でなければ挑むのはなかなか厳しかったのではないか。20年以上の時を経た彼女たちの変化も見てみたい。

読み終えたというより目を通し終えたくらいの理解。手術、放射線治療、薬物療法、免疫療法。人間が人間を治すのだから限界はあるよね。難しい。

住環境、食器や食事、メガネ、洋服、靴、バッグなどなど、自分の生活を公開できるってスゴいことだよなあ。ああ、鎌倉いきたい。

2015年出版。いろいろ知ることが出来たけれど、その後どんな進化や変化があったのか、最新の情報が知りたい。

身の回りのものがぜーんぶ自分のお気に入りだったらどんなに素敵で豊かな気持ちになるだろう、よいなあ。

検診も人間ドックも受け、酒量は人並、タバコは吸わず、ヤセ型・薄味、プールやサウナが大好きで、ときどき筋トレ。そんな毎日を過ごす中でのいきなりの末期ガン宣告。著者が他界されたと知ってから読んだのでなんとも言えない気持ちで読み終えたけれど、貴重な記録を残してくれてありがとうと思う。