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2024年3月の読書メーターまとめ

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感想・レビュー
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1566ナイス

2024年3月に読んだ本
10

2024年3月のお気に入られ登録
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  • GO-FEET
  • ひにょ

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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グッときた。昭和のキャバレーを舞台に、始めはどうなることやらと思っていたぽんこつトリオが現れる。主人公の章介と共に彼らの語らいに耳を傾けるにつれて距離がきゅっと縮まっていき、最後には忘れがたい印象を残す。読むだけで身体の芯まで凍りそうな年末の釧路、ストーブを囲って呑み食いする彼らの姿に、心はとにかく暖かくなる。桜木紫乃さん初読みだが、さすがは地の人、描くのが実に上手い。手品師、歌い手、踊り子それぞれのステージの見せ場が幾度もあって、芝居や舞台で得る煌めきのひとときを思い出し、久々に観劇への気持ちが疼いた。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

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2024年3月の感想・レビュー一覧
10

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刑務所である島根あさひ社会復帰促進センターでの盲導犬パピー育成プログラムを長期取材したノンフィクション。犬との交流がこんなにも好影響を与えるのかと驚きに満ちた一冊。様々な諸事情を抱えて頑なに閉ざされた心から笑顔を引き出す犬の力に著者と同様目を開かせられる。自然と慈しむ気持ちが湧き起こってくるという訓練生(受刑者)の証言がとても心に残った。地域の人との文通プログラムや、塀の中の訓練生と週末にパピーを預かっている人達との交流が素晴らしい。多くの学びや気付きが得られ、出会えて良かったと思えるお勧めの一冊。
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ネタバレ誰もが何らかの秘密を抱え、多数派の言動に居心地の悪さを感じた覚えがあると思うがここまで圧倒的に描くのかという怪作。最初に明かされる事件にどんどん近付いていく緊迫感。頑迷固陋な検事の啓喜をはじめ、痛々しいまでに尖った思考の持ち主ばかりで読むのが少し息苦しい。どんなに親しき仲でも完璧には分かり合えない。その前提の上でなお他者との繋がりを信じたい自分には、終盤で素直な心情を爆発させた大也と八重子の対話や、夏月と徒道も性癖とは関係のない触れ合いでようやく知った繋がりが不穏を孕むこの物語の数少ない救いに映った。
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ネタバレ自己啓発は西洋医学や栄養ドリンクに近く、歴史小説には漢方薬的な良さがあるという考え方は面白い。池波正太郎の影響で高校の卒業旅行でポチ袋にお金を入れて中居さんに渡したなど本人の微笑ましいエピソードや、メモをまったくとらない取材など執筆活動の裏側を知る楽しさはある。今村省吾作品は好きだし、池波作品など他の歴史小説も大好きだが、殊更歴史小説という枠で括らなくても小説そのものから教養は学んできたので偏愛過ぎる語りは少し窮屈に感じてしまった。とはいえ、溢れんばかりの歴史小説愛を感じ、今後の作品にますます期待できた。
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とあるTV番組の彼女の特集で次から次へと髪型と服装が変わっていく瀟洒な姿に目を奪われる。16歳で両足を失い車椅子ユーザーとなったが、その障害をものともせず邁進する彼女の姿がひたすら眩しくて俄然興味が湧いた。いくら綺麗事で繕っても絶対的に存在する障碍者と健常者との間の見えない壁。それをなくそうと様々な活躍している彼女はエネルギーに満ちている。真っ直ぐ過ぎる言動はなかなか真似しようにも難しいところがあるが、ネガティヴ思考に陥りがちな自らを奮い立たせるカンフル剤となってくれ元気を分けて貰えた。
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ネタバレこじらせ男子が一人称で語る修学旅行の出来事。GPSの監視の目を掠めて好きだった叔父に会いに行くという物語。どこか劣等感を抱きつつ斜に構えた風体を装う10代男子の面倒くさを上手く表現していて、まあ、面倒なのだがその青臭さを我慢して読めば、やはり芥川賞候補の作品らしい、短くて読みやすく、けれども端的に10代特有の少年の機微を見事に掬い上げて見せてくれる。眩しい女性との距離感、接点がなかった級友との淡い友情、主人公と松の母との電話での語らいなんかが印象に残った。『旅する練習』よりも気の利いたラストで良かった。
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グッときた。昭和のキャバレーを舞台に、始めはどうなることやらと思っていたぽんこつトリオが現れる。主人公の章介と共に彼らの語らいに耳を傾けるにつれて距離がきゅっと縮まっていき、最後には忘れがたい印象を残す。読むだけで身体の芯まで凍りそうな年末の釧路、ストーブを囲って呑み食いする彼らの姿に、心はとにかく暖かくなる。桜木紫乃さん初読みだが、さすがは地の人、描くのが実に上手い。手品師、歌い手、踊り子それぞれのステージの見せ場が幾度もあって、芝居や舞台で得る煌めきのひとときを思い出し、久々に観劇への気持ちが疼いた。
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副題にある通り、認知行動療法を知るきっかけとしてはわかりやすくて良い。認知行動療法のキモは自分の思いや行動を書き出すこと。自分なりの「認知の歪み」を特定し修正する方法は効果がありそう。幼少期の経験で持ってしまう厄介な「スキーマ」からの脱却はなかなか難しそうで、こちらもやはり書き出すことで気付きと改善策がわかってくる仕組み。ワークシート本でじっくり取り組んでみたいと思いつつ、実行に移せないのだけど。凝り固まったネガティヴな思い込みに縛られないよう、違う視点を持つ余裕と広い視野を常々学ぶ事が大切だと再認識。
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読メで評判なので手にする。これはよき本。最初は合わないかと思ったが、「安全運転」でほっこり笑わせられ「君の名」でふふふとなり、あとはもう笑いを誘う小さな良きお話の数々に身を委ねて楽しむばかり。全体的にほっこりさせてくれる話が多くて、ユーモアに溢れたキラキラした思い出話が綴られていく。巻末の岸本佐知子さんとの交換日記も楽しい。著者の赤染晶子さんは2017年に夭逝。このエッセイの出版は2023年。もうこの世にはいなくてもこうして本になって心が浮立つ愉快な気持ちにさせてくれる著者は素敵な乙女だったんだなと思う。
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読んでいるだけで緊張感が増す貴重な経験をした料理人達の告白。独裁者ならではの惨虐さと気前良さがわかるエピソードがわんさか。歴史書では窺い知れない独裁者達の素顔が見られ、スリリングで大変面白い読み物に仕上がっている。ウガンダの独裁者に仕えた料理人オトンデとポル・ポトにぞっこんなシスター・ムーンの語りはそこいらの小説に引けを取らない抜群の面白さ。夢中になってページをめくる指を止められないほど。サダム・フセイン、フィデル・カストロ、エンヴェル・ホッジャの料理人達の話もとんでもなく面白い。年間ベスト本入り決定。
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文字を持たない狩猟民族ムラブリ。我々とはあまりにも違う生き方を知るにつれ、これまで当たり前に生きてきた固定概念を覆してくれる爽快さを得られる。興味深い内容はたっぷりあるが、その中でも著者が言うムラブリ語を話せるようになったのは語や文法を記憶だけでなく、ムラブリという型で、これまで積み重ねられた経験のアーカイブ、ムラブリの身体性にアクセスすることに慣れたからだというのがとても印象的だった。今後の言語学習にも活用できるかしら。自分らしさと自由と求めて勇往邁進す著者の此先の活躍に注目したい。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/11/04(5281日経過)
記録初日
2009/11/01(5284日経過)
読んだ本
1986冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
550896ページ(1日平均104ページ)
感想・レビュー
1209件(投稿率60.9%)
本棚
11棚
性別
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

素敵な本に出会えたのは、しびれる感想を書いてくれたあなたのおかげ

Thanks a million.


自分の感想は最近読んだものだけで、
備忘録代わりにつけてます。

大好きな作家は
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