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2024年3月の読書メーターまとめ

呼戯人
読んだ本
5
読んだページ
882ページ
感想・レビュー
5
ナイス
128ナイス

2024年3月に読んだ本
5

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

呼戯人
イギリスのロマン派詩人、ジョン・キーツの書簡に出てきたこの言葉を再度取り上げて世に出したのは、精神医学者のビオンである。副題にもあるとおり、「答えの出ない事態に耐える力」が、ネガティブ・ケイパビリティであり、それは教育や介護、福祉、ケアの現場などにも必要とされる力である。寛容や共感、親切や忍耐とも関係があり、すぐに答えの出ない事態に耐えるなんと言ったらいいか、胆力とでもいうような器の大きさを必要とされる人間の力である。新自由主義の世界では貶められてきた人間の根本にある生きる力だと思った。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

呼戯人

2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:4冊 読んだページ数:954ページ ナイス数:93ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/392485/summary/monthly/2024/2 二月もあっという間に過ぎ去った。本は、4冊しか読めなかったけれど、ケアの本を何冊か読めたのがよかった。一緒に暮している孫たちは、言葉も発達し、成長の跡がうかがえるのが嬉しい。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
5

呼戯人
イギリスのロマン派詩人、ジョン・キーツの書簡に出てきたこの言葉を再度取り上げて世に出したのは、精神医学者のビオンである。副題にもあるとおり、「答えの出ない事態に耐える力」が、ネガティブ・ケイパビリティであり、それは教育や介護、福祉、ケアの現場などにも必要とされる力である。寛容や共感、親切や忍耐とも関係があり、すぐに答えの出ない事態に耐えるなんと言ったらいいか、胆力とでもいうような器の大きさを必要とされる人間の力である。新自由主義の世界では貶められてきた人間の根本にある生きる力だと思った。
が「ナイス!」と言っています。
呼戯人
ケアの視点から世界文学、特に英米文学と日本文学を読み解く試み。男性性、家父長制、資本主義などによって見えなくされている、若者、子どもたち、病者、老人、障がい者たちに対するケアのあり方をとりわけヴァージニア・ウルフやトニ・モリスンなどを通じて、ケアの倫理を説いて行く。日本文学では、石牟礼道子の「苦界浄土」を説明して行く部分が感動的であった。著者も若い頃、セクハラの被害にあったことを告白しており、そうした弱者の視点からケアの倫理を獲得してきたことが語られる。良書。
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呼戯人
私の妻が小さい頃に気に入っていた絵本。この間、本屋へ夫婦で行ったときに、妻が見つけて孫たちのために購入した。孫たちは、この絵本の絵を見て、すぐに気に入り、母親に読んでもらっていました。作者はスイスの画家で、もう半世紀以上前に亡くなっていますが、この絵本は未だに親しまれていて、長い生命を保っています。ピッチの冒険に孫たちも心を躍らせていました。
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呼戯人
ローティの思想をわかりやすくまとめてくれた良書。この本が焦点化するのは、哲学の本質主義、基礎づけ主義を拒否し、会話を続けることによって連帯の輪を広げて行くところにこそ、哲学の使命があるというローティの主張である。永遠の真理など存在するはずもなく、文学やジャーナリズムが行ってきた「会話」の継続こそがむしろ哲学を越える役割なのだというのである。私はこの主張にいたく感銘を受けた。無関心という残虐性を乗り越えて、共感の輪を作り出す側に立っていたいと思った。
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呼戯人
ケアの倫理を論じるというよりは、ケアの視点からイギリス文学と日本文学を例に取って家父長制や男性中心主義を批判する表現を解説したもの。ヴァージニア・ウルフやトーマス・マン、T・S・エリオット、キーツやコールリッジ、そして日本の三島由紀夫、多和田葉子、さらには平野啓一郎などを取り上げ、論評しながら、ネガティブ・ケイパヴィリティ、多孔的自己、クィアな愛などを肯定的に捉える。ケアの本質については、また別の論考が必要だろうが、文学の中にこれほどケアの視点が入り込んでいることに驚いた。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/09/16(3873日経過)
記録初日
2013/09/16(3873日経過)
読んだ本
534冊(1日平均0.14冊)
読んだページ
153569ページ(1日平均39ページ)
感想・レビュー
519件(投稿率97.2%)
本棚
2棚
性別
自己紹介

2024年の誕生日がくれば、68歳です。なんと70歳が近づいてきました。定年退職の後、再任用で働いていましたが、勤めは、2022年の3月で一区切りです。少しづつ自由が増してゆきます。詩と批評が好きで、小説はたま~に読みます。柄谷行人の作品に励まされて読書が進むようになりました。なんたって彼は、資本ーネーションー国家の廃棄を目指しているのです。

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