流れゆく季節の中にも、幾重にも人の心根が移り、移ろいて収まりの良いところにたどり着くまで静かに見守る私たちがいる。この人の作品は、どこかしらに人情の機微が見え隠れして、どうしようもない思いを涙と共に溢れさせてしまう力がある。その優しさに心震えながら、身近な人の関わりに思いを馳せる。自分でない人の心など知る由もないのに、諦めていないか、我が身を振り返る。大切なものの在処を見過ごしていないか用心深く探り当てる。知らず知らずに関わりをもつ中での月に纏わる5篇。その繋がりの中に、おのずと身を置きたくなる物語である

今村夏子の『とんこつQ &A』のようにエキセントリックでもなく、ごく普通の市井の暮らしがそこにある。垣谷美雨や、著者が人気なのは、小説の中に誰かしら自分の知っている人や身内がいそうな投影感ではないかと思う。愛想なく定食屋を営む『ぞうさん』こと、みさえ。夫に三行半を突きつけられた沙也加。二人の織り成すハーモニーは暖かい将来に向けて愛憐を靡かせている。言葉のキャッチボールがあまりに絶妙で、性格も、生い立ちも全く違った二人の相性の良さに含み笑いをしながら読了。出会いで運気は変わるもの。健太郎など即刻くれてやれ笑

橙子はクラスメイトのヤマオからの推薦で、合唱コンクールのソロパートを任される。青木や涼、志穂との触れ合いが彼女を羽撃かせる。どんなに親しくても踏み入れられたくない領域がある。人間は、多面的だが人受けの良い顔を表面に出して、生き抜くことが大人とされる。生を享けて子供を育てていく事は、覚悟を伴う。自分が納得した子育てと、外から見た成果は乖離するのは当然。また、その逆も然り。親子がお互いを必要とした期間は気がつくまでに霧散している刹那。ただ、ひたすらに愛するものを見守り、その幸せを願うことだけを求められる寂寥。

遺伝子は一生変化せず、人の体を支配し続けると考えられていた時代には、病気になりやすい遺伝子を持つ人は、病気になるよう運命づけられる気がしていたが真実は違う。ゲノム生物学の進歩とコンピューターを用いた解析技術の発達により、個人の持つ設計図は、同じように働く事はなく、生活習慣並びに環境によって大きく変化するということが判明。自身の生まれ持った体質の強みと弱みを知り、良い影響を受けるよう努めるゲノム健康法を推奨する。父母共に癌没し健康診断を受ける度に『ハイリスク』と言われた事がストレスに直結していると思い立った

北欧デザインのブランド力は高い。家具、食器類、テキスタイル、等々、インテリアの分野で幅広く浸透している。 かのIKEAも本拠地はスウェーデンであるが、デザイナーは、多国籍で生産拠点も異なる。彼らのこの功績は、社会的問題から派生し、また北欧の国々の手厚い社会保障が背景にある。北欧の企業も早くからSDGsの目標に向かって着手し、実践することで様々な試みを行う。それにより世界を牽引する取り組みに繋げていくのだ。

真実なのでしょう。その通りなんでしょう。このようなレビューを書くと、どこかの国みたいに、突然と公安がやってきて拘束されるかもしれない。それぐらいの恐怖を感じました。劣悪な環境の下、若い人たちが馬鹿を見る社会。ロートルが退場しても、その悪の権家の息子たちは、またロートルとなり、同じことを繰り返すのでしょう。政治に期待しないのは、無知ゆえの所業と断じえない実情を考えます。とはいえ、何も知らなければ、何も考えなければ、現状のままです。努力が報われる時代は終焉を迎えました。将来を変えるのは若い人に委ねられています

流れゆく季節の中にも、幾重にも人の心根が移り、移ろいて収まりの良いところにたどり着くまで静かに見守る私たちがいる。この人の作品は、どこかしらに人情の機微が見え隠れして、どうしようもない思いを涙と共に溢れさせてしまう力がある。その優しさに心震えながら、身近な人の関わりに思いを馳せる。自分でない人の心など知る由もないのに、諦めていないか、我が身を振り返る。大切なものの在処を見過ごしていないか用心深く探り当てる。知らず知らずに関わりをもつ中での月に纏わる5篇。その繋がりの中に、おのずと身を置きたくなる物語である