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2024年3月の読書メーターまとめ

algon
読んだ本
5
読んだページ
1981ページ
感想・レビュー
5
ナイス
62ナイス

2024年3月に読んだ本
5

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

algon
630p越えの分厚い短編集。その中に34篇が収められているがこりゃ自分の頭では読む片っ端から忘れていくなぁと。それ正解。ただ読んでいる間は名手の手になる創作を溺れ迷いながらも楽しんだ。やさしくて底意があって、明るくてシニカルで、生きて甲斐ある人生の期待と絶望と。希望と屈折、愛と欺瞞も。縦横に創作され、まず読み手の期待通りの結末にはほぼならなくて。ユダヤ系の作家で架空の地ゴドルフィンサーガの構築を目論んだように見えたのだが。「自恃」が絶賛されていたがこの字読めなくて(笑)。極上の傑作集、いやぁ良かったです。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
5

algon
イングランドの住宅地、8月31日。登場人物はここに住む18番地のドライアイの青年とか19番地の双子とか。各家の住人の様子を事細かに描写して夕刻に起こる凶事に至るのだがその1日の表現が至極平穏に淡々と述べられる。その出来事の合間に3年後その住人の一人の娘が「なんとなく」妊娠してしまい彼女に恋していた男の双子の弟に助けられ故郷に帰ったりするのだが…。2つの物語が交互に現れ共に意外な終局が出現する。ずいぶんと引っ張るストーリーテリングだなぁと思って読んだが読了すると確かにユニークな著作で読めて良かったと思った。
algon
2024/03/30 21:30

登場人物の老夫婦の元兵士の夫が自分には鮮烈な印象を残した。帰還したが家の前で大声で読んでも妻は出てこない…大雨の中で絶叫するように妻を呼ぶ…そんなに大声を出さないで、後ろに居るんだから…と妻。その帰還の叫びがどれほどの兵士としての任務(実は墓堀りばかりだった)の鬱屈を表しているか、印象深かった。

が「ナイス!」と言っています。
algon
ニューヨークで暮らすナチスを逃れた移民のレオはかつて愛したアルマについて小説「愛の歴史」を書いた。その本にちなんで名づけられた14歳のアルマは主人公を探し求め始めたのだが…。凡庸な題名とは裏腹に内容はストーリーの迷路のような状況を呈し併読本を置いて集中せざるを得ず、それでも終盤のバードの頭の中のようにずっとこんがらがったままだった。レオのアルマへの愛に共感し、14歳のアルマの造型が面白く混迷のまま読み進めたがラストは思い溢れる穏やかな邂逅に感動。登場人物が個性的、様々な面で中々出会えないタイプの本だった。
が「ナイス!」と言っています。
algon
主婦ディーリア40歳、父の医院を継いだ入り婿のサムは勝手に家のリフォームをはじめ3人の成長した子供たちも全く母を無視している。家族で行った海岸からディーリアは着の身着のままでふらりと歩き始め後を振り返らなかった…。その後の彼女の新しい環境での生き方と歩き去る前の違いを著者は生活に即した事細かい描写によって浮き彫りにしていく。新しい環境になじみ別の人生が開け始めたころ娘の結婚式の招待状が届き…。そこから結構なドタバタ調になるのだが、主婦だった女性の感性や思惑がわりにスマートに描かれ長めだったものの楽しめた。
が「ナイス!」と言っています。
algon
戦いの地(多分ベトナム)で息子夫婦を亡くしたリンさんは孫娘サンディウを抱き難民としてフランスにやってきた。外出してたばこ好きの男バルクさんと知り合いになるが言葉は「こんにちは」しかわからない。やがてリンさんは施設に移送され外出もできなくなるが隙を見て赤ん坊と共に脱出、バルクさんを捜して街をさまようのだが…。詳しくないがインドシナ戦争のあたりの難民を描いたと思われるが文明から程遠い老人と兵士体験を持つ男との交流が浮き出るように象徴的に描かれ胸を打つ。著者は映画監督でもあって簡潔な文章なのだが映像的な印象。
が「ナイス!」と言っています。
algon
630p越えの分厚い短編集。その中に34篇が収められているがこりゃ自分の頭では読む片っ端から忘れていくなぁと。それ正解。ただ読んでいる間は名手の手になる創作を溺れ迷いながらも楽しんだ。やさしくて底意があって、明るくてシニカルで、生きて甲斐ある人生の期待と絶望と。希望と屈折、愛と欺瞞も。縦横に創作され、まず読み手の期待通りの結末にはほぼならなくて。ユダヤ系の作家で架空の地ゴドルフィンサーガの構築を目論んだように見えたのだが。「自恃」が絶賛されていたがこの字読めなくて(笑)。極上の傑作集、いやぁ良かったです。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/11/07(3823日経過)
記録初日
2013/11/07(3823日経過)
読んだ本
1318冊(1日平均0.34冊)
読んだページ
396114ページ(1日平均103ページ)
感想・レビュー
863件(投稿率65.5%)
本棚
9棚
性別
現住所
北海道
自己紹介

田舎住まい・じーさん。
ほぼ日文オンリーだったけど2019年を境に
150度ほど転回。
海外文学が面白くて日本文学に戻れない。
レビューは255文字。…なんだけど
どうしても書きたい本に出合うと
追加コメントはたまぁにあります。
図書館まで100m。なので図書館派。

好きな作家・作品たち。

作家:南木佳士、梨木香歩、藤沢周平、竹西寛子
   石牟礼道子、アリステア・マクラウド、
   アンソニー・ドーア、ジェスミン・ウォード
マイケル・オンダーチェ、エリザベス・ストラウト
  ローベルト・ゼーターラー、など


映画:「第三の男」「七人の侍」「春にして君を想う」「アシク・ケリブ」「バグダッドカフェ」「トリコロール」「秋刀魚の味」「裸の島」「眺めのいい部屋」「ドクトルジバゴ」 / 8000

音楽:J・S・バッハ BWV34,106,198,244 他

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