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2024年12月の読書メーターまとめ

amanon
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2024年12月に読んだ本
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2024年12月のお気に入られ登録
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  • うめうめへたれ

2024年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

amanon
親デュマを読んだ流れでこちらも手に取る。親以上にベタな悲恋物なのだけれど、それでもちゃんと読ませるのはさすがというべきか。娼婦という典型的なファムファタル的なキャラでありながら、同時に無垢で一途な一面も持ち合わせているマルグリットの人物造形が秀逸。こういう女性に惚れられた男はまさに果報者というべきかもしれない(笑)。また、対面上息子と娼婦との同棲を解消させようと尽力しながらも、その同棲相手に対して一定の敬意を示す父親のスタンスに好意が持てた。本作以外に著者の作品が後世に残らなかったというのは何だかな…
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2024年12月にナイスが最も多かったつぶやき

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2024年11月の読書メーター 読んだ本の数:14冊 読んだページ数:5346ページ ナイス数:163ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly/2024/11 先月は思ったほど、読めなかったな。

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2024年12月の感想・レビュー一覧
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amanon
図書館にてふと目に留まった題名が気になり手に取る。それが示唆するように、古今東西の名作のパロディー集。すぐに元ネタがわかるものもあれば、清水義範の解説でも言及されている「M~」のように、元ネタをしったら思わず「え~!!」と声をあげて絶句しそうになるくらいの荒唐無稽と言えるレベルで解体と構築をやりとげている作品があるのがみそか。個人的にはその作品を全く読んだことがない岡本かの子の作品をパロディー化した「青海~」がとりわけ印象的だったか。ディストピア的世界と少女の美しい描写が絶妙な対照をなしているのに驚愕。
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何とも言えず、暗澹たる気にさせられる一冊。内田氏が、現在の政治家や官僚にダメ出しをし、今の日本には戦争をする能力はないと言い切るのが、とりわけ印象的。そんな坂道を転がるだけかに思える日本に唯一残された可能性が漫画やアニメというのが、これまたトホホ…別にそれらのサブカルチャーを軽視するわけではないけれど、それでもそれらが唯一といわれると、そこまで日本は…という気にさせられたしまう。ただ、上で述べてきたことを矛盾するようだが、ムスリムの間で漫画やアニメがあそこまで浸透し、人気を得ているという事実に驚愕。
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期待以上の面白さで思わず一気読み。何より気になったのが、バフチンがいうところのポリフォニーと言えるかどうかは心許ないが、その語り口が多声的というか、基本一人称で語られながらも、そこに当人とは思えないようなツッコミがあったり、発言の引用があったりと単なる一人称による語りとはやや趣の違った豊穣な語りが感じられること。この傾向を発展させたら、著者の作家としての可能性は格段に広がると思うのだが…それはそうと、以前山頭火の日記を読んだことがあり、その大まかな経歴は知っていたが、改めて彼の負の要素に満ちた人生に驚愕。
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かなり読みにくい代物だったが、いみじくも訳者解説の冒頭で訳者自身が「はなはだ中途半端な、不完全な作品」と述べているのだから、笑ってしまうというか、何というか…ただそれと同時に、どこか読者を惹きつける要素があるのも確か。未完成とはいえ、若干20代でこれだけの多岐にわたる論考を一冊の本にまとめられるような形で書き残すことができたのは、やはり天才のなせるわざだと言えるだろう。特に哲学について論じた後半は、独特の高揚感と興奮を覚える。ただ、訳文は平明で読みやすいのに、訳注が一切ないのはあまりに不親切だと思う。
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W村上について触れた論考を集めたもの。春樹を評価していたのは知っていたが、論考は意外と少ないというのと、龍についても評価していたというのが個人的に意外。どうせだったら、論考だけでなく、W村上に触れた講演や対談も掲載してほしかったと思うのは、ないものねだりか。正直言って、理解があやふやで、字面だけを追った感のある文章も少なくないのだが、例の吉本節とでもいうべき独特の語り口に惹かれて最後まで読んでいた気がする。『アンダーグラウンド』についての論考で吐露されたオウム事件を巡るマスコミに対する恨み節が印象的。
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ジェンダー史をコンパクトにまとめた良書と言えるか。これまで女性がいかに理不尽な差別をうけ、性暴力を含め、様々な暴力にさらされてきたかという史実に、今更ながらに驚愕。そして、そうした傾向に、宗教や、本来なら明確なエビデンスによって立証することを使命とするはずの科学までが加担してきたという事実は、非常に重たい。そして、そうした疑似科学に惑わされる傾向は、今の現在も息づいているということに謙虚であらねばならないと改めて痛感。それから、一般的には被害者がわにいるとされる女性が加害者になりえるという指摘も重要。
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親デュマを読んだ流れでこちらも手に取る。親以上にベタな悲恋物なのだけれど、それでもちゃんと読ませるのはさすがというべきか。娼婦という典型的なファムファタル的なキャラでありながら、同時に無垢で一途な一面も持ち合わせているマルグリットの人物造形が秀逸。こういう女性に惚れられた男はまさに果報者というべきかもしれない(笑)。また、対面上息子と娼婦との同棲を解消させようと尽力しながらも、その同棲相手に対して一定の敬意を示す父親のスタンスに好意が持てた。本作以外に著者の作品が後世に残らなかったというのは何だかな…
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日本近代史を紐解いたものを読むと、ほぼ決まって何とも言えない息苦しさやもどかしさを覚えるのだけれど、本書もご多聞にもれず。とりわけ第二次大戦時の我が国のとても正気の沙汰とは思えない対応を目の当たりにすると、そのアホらしさに思わず言葉を失ってしまう。それと同時に、そうしたことをやらかしてしまうDNAを今の我々も受け継いでおり、またそのうち同じようなことをやらかすのではないか?という懸念についかられてしまう。それから驚かされたのが田中優子氏の早熟な読書遍歴。こういう遍歴の持ち主には、つい我が身を恥入る…
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ダメ男とダメ女によるグダグダな生態をひたすら描いた小説…というのは、あまりに安直過ぎか?とにかく富岡の煮え切らなさ、気概のなさ、女癖の悪さに一抹の嫌悪感を覚える一方、「この人とはもうダメ」という思いを幾度となく抱きながら、それでも富岡から離れることのできないゆき子に苛立ちを覚える。そしてその二人の関係に翻弄され、嫉妬にかられた挙句殺傷事件を起こしてしまう加野が何とも不憫。ただ、三人が三人とも戦争に人生を狂わされたという側面があるのも事実と言えるか。後、本書を読んでいて、有島武郎の『或る女』が想起された。
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amanon
正直、あまり期待せず手に取ったのだけれど、読みだすと、その内容の濃さと面白さに驚愕。これは著者の後期集大成的な作品であり、本書に登場する様々な人物の霊が、著者に取り憑いて本書を書かせたのでは?ふとそんな気にさせられた。とりわけ印象的だったのは、金子文子、林芙美子、そして最終章の中心人物であるMYなど、女性というだけで理不尽な境遇を強いられる人達。特にMYとガンちゃんとのエピソードは何とも言えず切なく、儚く、途轍もなく美しい。それと兼ねてからその共通点が多いと思っていた二人のフミコの邂逅に溜飲が下がった。
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amanon
上下巻で千二百頁超えの大部作であるのに、殆どだれずに読ませるその吸引力に改めて驚愕。前巻の感想でも述べたが、その程よいベタさが、何とも言えず魅力的。とりわけ、「ありえんやろ」と突っ込みたくなるほどの、ダルタニャンと三銃士との麗しい友情。でもそれが、ひどく読んでいて気持ちがよくなるのが何とも言えず不思議。そして、その双璧をなすともいえる敵役ミレディーの悪魔的ともいえる人物造形が何とも言えず秀逸。当初、彼女に冷淡だったフェルトンをあの手この手を使って篭絡していく過程の描写は、本巻のクライマックスかもしれない。
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amanon
何の気なしに図書館で借りて読んでみたが、想定外の面白さで六百頁超の大部でありながら、ほぼ一気読み。いかにも男子好みの冒険活劇というべきか。その手の(?)話にありがちなベタなストーリーではあるのだけれど、逆にそれが魅力になっているというべきか。何かにつけ嘲笑や否定の対象になりがちなベタという要素だが、小説にとって実はかなり重要なものだと常々思っていたのだけれど、そのことを改めて確信した次第。野心に燃え、地方からパリに出てきた若者が有能な友人と上司からの信頼を得て活躍するというありがちな展開が何とも愛おしい。
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amanon
理数系に多大な苦手意識とコンプレックスを抱いている者にとっては、読み進めるのがかなり辛かった一冊。ただ、本来なら門外漢であるのにも関わらず、ここまでその方面の知識を習得した著者の熱意には素直に感服するが。その熱意は著者の飛行機愛によるところ大なのだろうけれど、最後の「カフェ〜」などを読んでいると、あの当時の人達にとって空を飛ぶということへの憧れの熱量が今日のそれとは相当に違っていたのだろうなと想像される。また、著者が愛読していた哲学者がベルグソンであるというのも興味深い。ただ、注釈がないのが極めて残念。
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amanon
読み終えると、何とも言えない疲れを覚えるというかなんというか…何せ四百頁にもわたってAやらVやらPやらソドミーやら、同性愛やら、延々といういわゆるシモの話が古今東西のその手の蘊蓄話を交えて繰り広げられるのだから。解説には、その作品で綴られる同性愛的志向は具体的なものではなく、著者の頭の中で構築された抽象的なものだというが、それでも、具体的な事例をこれでもか!!とばかりに列挙されるとさすがにげんなりとなる。また、「一千一秒物語」のようなタイプの作品は量産の効かない限定的なものだったのでは?と思わされた。
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amanon
解説にもあるように多層的な構造を有している作品であるため、包括的な感想を述べにくいというのが正直なところ。日本におけるキリシタン弾圧、マカオやアジア周辺における複雑な国際関係の軋轢、いわゆる新教と旧教との対立、アイヌの迫害…そうした様々な弾圧や争いに翻弄され、虐げられる人たちの姿は、今更ながらに切なく痛ましい。切ないと言えば、お互い深く慕い合い、幼い恋心を育みながらも、結局結ばれることのなかったチカとジュリアンの姿も、なんとも儚く切ない。特に最後の別れの場面での二人の抱擁シーンはこの作品の白眉と言える。
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amanon
二度目の再読。西欧列強への危機感というある意味、仕方がない事情があるにせよ、キリシタンや宣教者に対する執拗なまでの迫害には目を背けたくなる。それだけでなく、常に強者の論理が罷り通り、弱いもの、小さくされた者の声はないものと見做されてしまいがちという、いつの世も変わらない理不尽な状況に嘆息。その本編であるチカとジュリアンの物語でもそうだが、それと並行して語られる著者をモデルとしたシングルマザーのエピソードにおける少数民族への不当な仕打ちは、日本の陰の歴史として、決して忘れてはならない出来事だと思った。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/06/26(6056日経過)
記録初日
2008/06/01(6081日経過)
読んだ本
3191冊(1日平均0.52冊)
読んだページ
1032438ページ(1日平均169ページ)
感想・レビュー
3139件(投稿率98.4%)
本棚
8棚
性別
血液型
O型
職業
専門職
現住所
京都府
外部サイト
自己紹介

 ハンパ者を自称しつつも、何だかんだと某グループホームにて介護の仕事をこなしつつ、空いた時間を読書に充て、一応悠々自適な日々を過ごしているつもり。
 好きな音楽は、フー、キンクス、ビートルズ、フリー、ルースターズ、村八分、ティラノザウルス・レックス、ザッパなどのロック、マイルス、コルトレーン、ビリー・ホリデイなどのジャズ。後、ゲンズブール、バルバラなどのシャンソンもちょっと囓った。それから一時期はグールドによるバッハ演奏に結構はまってた。
 好きな作家、よく読んでいた作家は、倉橋由美子、高橋たか子、大江健三郎、町田康、中上健次、津島佑子、古井由吉、高橋和巳、島田雅彦、島尾敏雄、安部公房、三島由紀夫、橋本治、村上春樹などの戦後作家。後最近の作家で読んでいるのは、森美登見彦、平野啓一郎、阿部和重、西村賢太、多和田葉子、中村文則、柴崎友香、村田沙耶香など。
 海外の小説家でわりによく読んだのは、ジュリアン・グリーン、セリーヌ、モーリヤック、ヴァージニア・ウルフ、バルザックくらいか。
 小説以外で好きなのは、エックハルト、シモーヌ・ヴェイユ、内田樹、佐藤優、須賀敦子、白洲正子など。

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