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2021年12月の読書メーターまとめ

大泉
読んだ本
9
読んだページ
2397ページ
感想・レビュー
9
ナイス
118ナイス

2021年12月に読んだ本
9

2021年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

大泉
川上未映子の小説デビュー作。いま読むと、村田沙耶香『コンビニ人間』はこの小説から永井均的な独我論を間引いてリアリズム的に変奏したみたいな感じなんやな。恐るべきドライブ感で「人間のわたくし率こそ百パーセントであるこのすごさ!」と快哉を叫ぶクライマックスは物凄いですね。
が「ナイス!」と言っています。

2021年12月の感想・レビュー一覧
9

大泉
ふしとしたことで街中に俺以外の「俺」が存在していることに気付いた俺のアイデンティティが拡散し撹乱しそして世界に俺が満ち満ちてゆく。職場や両親との生々しい不和から始まって、世界の終焉と開闢とまで描かれるその無法ぶりがいい。他人の不気味さから撤退した袋小路である俺の横溢に、『新世紀エヴァンゲリオン』の響きがかすかに聞こえる。
が「ナイス!」と言っています。
大泉
妊娠していた姉が死に、自身は唐突に謎の子どもと同居するようになった女が奇妙に東京臨海部の埋立地を彷徨する。短文を重ねに重ねてドライブ感を生み出し、それであっという間にラストまで連れていかれるような感覚。お話ではなくてとにかく言葉の快に身を委ねよと言わんばかりの強烈な散文の連打。
が「ナイス!」と言っています。
大泉
川上未映子の小説デビュー作。いま読むと、村田沙耶香『コンビニ人間』はこの小説から永井均的な独我論を間引いてリアリズム的に変奏したみたいな感じなんやな。恐るべきドライブ感で「人間のわたくし率こそ百パーセントであるこのすごさ!」と快哉を叫ぶクライマックスは物凄いですね。
が「ナイス!」と言っています。
大泉
コロナ禍を経て、大学の新たな姿を模索する。章ごとの独立性が高く、平成期における大学改革によって疲弊した大学のありようや、時代を遡って占領下の新制大学設立による旧制高校との断絶など、歴史的なトピックも触れられる。特におもしろく読んだのは、ブルデューを援用して大学教員のあり方を4象限であらわし、大学改革ないし学長ガバナンスがうまくいかない理由をスパッと説明してみせたあたり。
が「ナイス!」と言っています。
大泉
下巻では地球温暖化問題、レイチェル・カーソン否定が扱われた後、それらの懐疑論が結局のところ冷戦の遺産としての「市場原理主義」、すなわち自由な市場を防衛するためのものであったという見立てが示される。市場の失敗としての環境問題があらわになることで、社会主義的な政策が実行されることへの恐怖は、まさしく冷戦の長い影という感じすな。
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大泉
書名で陰謀論か?となるが、科学史家によるちゃんとした本。原題を直訳すると「懐疑の商人たち」。タバコの健康被害や地球温暖化などの問題に対して、産業界をバックにした科学者たちが懐疑論を唱えることで、それらへの対策が遅れてきたと主張する。上巻ではタバコ、スターウォーズ計画、オゾンホールの問題が扱われる。記述は丹念だがそれゆえやや読み進めるのがしんどく、ディテールは流し読みしてしまいました。
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大泉
坪内祐三の妻が、その思い出を回顧する。晩年の坪内が体調を慢性的に崩しており、感情のコントロールもうまくできなくなっていたというのは家族目線の実感なのだろうなと感じる。次第にギアがあがり、短くない時間を一緒に過ごした人間の「わからなさ」が立ち上がっていくような感覚がまさにテクストを書くことによって把握されていく、そうした経験が非常に生々しく焼き付いていて、凄みを感じるテクストです。
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大泉
「人間本性」によるバカと「環境」によるバカがかけ合わさったバカの二乗であるわれわれが、それでも政治をやっていくための方策を探る。前著同様、さまざまな分野の文献を縦横に引用して議論を進める手際は華麗だし単純に勉強になるが、「進化政治学」みたいなちょっとあやしげな文献が引用されてたりすると目利きへの信頼が揺らぐよなあと思う。
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大泉
岩波文庫版『失われた時を求めて』の訳者によるイントロ本。時代背景やプルーストのバイオグラフィなどの説明よりは、テクストを引用しその表現法の魅力の解説に重点が置かれている印象。鈴木道彦『プルーストの世界を読む』とあわせて読むとかなりいい感じな気がします。巻末の年表や地図はちょー便利!
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/12/24(3775日経過)
記録初日
2013/11/07(3822日経過)
読んだ本
2141冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
642989ページ(1日平均168ページ)
感想・レビュー
2131件(投稿率99.5%)
本棚
2棚
性別
職業
大学生
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