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2022年7月の読書メーターまとめ

大泉
読んだ本
12
読んだページ
3866ページ
感想・レビュー
12
ナイス
167ナイス

2022年7月に読んだ本
12

2022年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

大泉
本書を筒井康隆最高傑作!とか言ったらおいおいわかっちゃねえなとなるんだろうが、それでも大変おもしろい小説であることに疑いはなく、再読ですが存分に旅を楽しみました。ドライな文体と寓話的なモチーフによって不朽の作品になってるんじゃないでしょうか。
が「ナイス!」と言っています。

2022年7月の感想・レビュー一覧
12

大泉
扇情的なタイトルだが、日本において商店街がどのようにして形成され、そして斜陽になっていったかを跡付ける地に足のついた本。。零細小売商店という形態は商店街の一店舗からコンビニエンスストアのフランチャイズ経営へとスライドしていったというのはなるほどなという感じで、著者の実家もまた酒屋からコンビニエンスストアへの転換を経験しているというのはあまりに出来過ぎですわね。大変おもしろく読みました。
が「ナイス!」と言っています。
大泉
ホモ・サピエンス以外の人類はなぜ滅びたか。残された骨などの痕跡から、われわれとネアンデルタール人など滅びてしまった人類たちとの差異を概説する。生き残るのは賢いものではなく、子孫を多く残せたものなのだ…というのはほんとうにそうやなと納得。森林から疎林ないし平原に出たことで変化した身体の構造と脳の容量の関係なんかはなるほどなーという感じ。おもしろく読みました。
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大泉
理解できなかった。本書の内容が、というのではない。高校世界史レベルの叙述を水で薄めたような、特に語りの工夫もない本書がそれなりに読まれ文庫化までされている、という事実が、である。ゴンブリッチ『若い読者のための世界史』でもマクニール『世界史』でも、優れた通史の試みが既にあるのに、たかが企業家のおっさんの語りをありがたがるのが理解不能。「ビジネスマン」向けの商売の軽薄さが知れる。Kindle unlimitedに上巻だけ入っているという商売っけも癪に触る。得るもの特になし。
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大泉
野田サトル『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修を務める著者が、同作の描写の背景にあるアイヌ文化を解説する。漫画のコマがふんだんに引用され、『ゴールデンカムイ』がいかに丹念な取材のもとに描かれているかがわかっておもしろい。アニメのアフレコの裏話や台詞をめぐる議論などなど、楽屋裏の話も盛り込まれていて面白く読みました。しかし、本書を読まないと同作のアイヌ描写のどこがフィクションなのかわからんのは、ウウムという感じですわね。
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大泉
虚の伝奇世界と実の江戸とを往還しつつ語られる物語は、ついに虚実冥合の境地に至り終幕を迎える。正義の貫徹する世界をつくりだすことで、過ちの集積たる実の世界を打ち破ろうとした老人の苦闘は、やがてそれ自体がある種の神話となる。山田風太郎によるある種の創作論として、たいへんおもしろく読みました。
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大泉
室町時代に宿命によって集った八犬士たちの活躍が描かれる「虚の世界」と、それを江戸時代に描いた曲亭馬琴、それにインスピレーションを与えた葛飾北斎との交流を主題とした「実の世界」を往復しつつ語られる、山田風太郎流八犬伝。脚色の方針は「実の世界」で種明かしされる親切ぶりで、犬士たちの血みどろの活劇はたいへん楽しい。この奔放さは、山田にとっては『忍法帖』の霊感の一つだったんだろうか。
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大泉
「歩くこと」にまつわる思索と実践の数々を、古代から現代まで辿る、本書そのものがある種の「歩くこと」のパフォーマンスであるかのような本。とにかくゴツくて長いので、本書で触れられたことすべてを消化できてはいない(訳者によると日本語版では欄外の引用は割愛せざるを得なかったらしい。それでもこの厚さ!)が、郊外化とモータリゼーションで危機に瀕しつつある歩行の実践の、しかし新たな可能性の萌芽を人工的な空間に見出す末尾は鮮烈でした。
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大泉
冒頭の「チャック・モール」や表題作「アウラ」、「女王人形」ある種の怪奇譚としておもしろく読んだんだが、十分に「わかった」気は全然しなくて、ううむという感じの読書体験でした。そのあたり、末尾に付された訳者解説がそれぞれの文脈を補ってくれていて、ああなるほどなと大変助かります。でもメキシコの土着信仰が〜みたいなの、わかんね〜という気持ちもあり…。
が「ナイス!」と言っています。
大泉
本書を筒井康隆最高傑作!とか言ったらおいおいわかっちゃねえなとなるんだろうが、それでも大変おもしろい小説であることに疑いはなく、再読ですが存分に旅を楽しみました。ドライな文体と寓話的なモチーフによって不朽の作品になってるんじゃないでしょうか。
が「ナイス!」と言っています。
大泉
米澤穂信という作家はデビュー以来、「思春期の全能感」を主題にしてきた。この『ボトルネック』はその完全な陰画という感じがして、子どもじみた不能感・不全感を抱える少年を、パラレルワールドという仕掛けで徹底的に追い詰めてみせる。デビュー作『氷菓』に始まる古典部シリーズでも、語り手の姉は一種のジョーカーだったが、それをこのような仕方で変奏してみせる底意地の悪さ!大変おもしろく読みました。
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大泉
孔子を過剰にありがたがり神話化する適当な語りを、『論語』や研究書を参照して成敗する。孔子は現代でいえば我流のマナー講師みたいなもの…というのは、大室幹雄『滑稽』の書評で諸子百家をコンサルみたいなものと見立てた山形浩生の見方と通じるかも。とくにおもしろかったのは、渋沢栄一の『論語』受容は明治期にポケット論語が大流行したことに影響を受けてるのでは、という見立て。しかもそれは渋沢の企業家としての実践を裏切ってるのではないか?というのもなるほどなあという感じ。おもしろく読みました。
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大泉
石橋湛山、柳田國男、谷崎潤一郎、中里介山、山田耕作…などなど16人の人物を取り上げて、概説する。おもに日中戦争、アジア太平洋戦争との位置価が焦点化され、そのようにしてあらゆる日本列島の住民を否応なしに巻き込む強烈な磁場があるがゆえに、言論人から大衆小説の書き手までを一つのテーブルに乗せた論集にもある種のまとまりができるのだなと感じた。井上章一や川本三郎なんかが書いてたのが意外。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/12/24(3775日経過)
記録初日
2013/11/07(3822日経過)
読んだ本
2141冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
642989ページ(1日平均168ページ)
感想・レビュー
2131件(投稿率99.5%)
本棚
2棚
性別
職業
大学生
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