Joan Lindsayが1967年に発表した長編小説。日本では1975年に公開された映画が有名です。1900年のオーストラリアを舞台に、ハンギングロックへピクニックに出かけた寄宿学校の女生徒たちの失踪事件を皮切りに学校や地元社会で起こった余波を描いた作品です。失踪事件が起こした波紋が徐々に広がっていき、色々な場所で干渉していく様が巧みに描かれています。事件自体は謎のまま終わってしまい、ホラーや幻想文学っぽい感じなのですが、一方でハンギングロック周辺の自然を描いた描写は写実的で素晴らしいです。

遠藤達哉(原作), 矢島綾(小説), 大河内一楼(劇場版脚本)による「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」の小説版。2023年12月に劇場公開されました。イーデン校の調理実習で「星」獲得を狙うため、伝統菓子「メレメレ」を求めて家族旅行に出かけることになりましたが、そのまま大事件に巻き込まれるお話。ロイド、ヨル、アーニャのドタバタから、最後は家族で力をあわせて困難を乗り越えます。アクションシーンも多く文字だけだと伝わりにくいと思いましたが、映画の雰囲気が非常に上手く表現されています。

Webサイト「小説家になろう」で連載中のふか田さめたろうによる「婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む」の第3巻。2023年10月から12月までTVアニメが放送されてました。魔法使いアレンが森の中で助けた公爵家令嬢シャーロットにこの世の悦楽＝「イケナイこと」のすべてを教え込むお話。第1部完結編として、いままで語られていなかったアレンやシャーロットらの因縁が綺麗に片付きます。途中、ここへきて新要素の追加!?と驚く部分もありましたが、全体ではすっきりとまとまっています。第2部ではどうなるのか。

Webサイト「ComicWalker」で連載されていた坂巻あきむ(漫画)、櫻井三丸(原作)、ミュシャ(キャラクター原案)による「転生したら乙女ゲーの世界?いえ、魔術を極めるのに忙しいのでそういうのは結構です。」の第1巻。オカルトオタクのアラサー女子が見た目が銀髪幼女の公爵令嬢アリスに異世界転生して頑張るお話。まだまだ序盤すぎて何も分からないですが、ぷにぷに幼女ふれあい動物園は楽しそうです。最高です。どうもアリスは乙女ゲーの主人公ではないらしいけど、学園生活が始まると本格的に物語が動き出すんでしょうか。

Webサイト「小説家になろう」で連載中の永瀬さらさによる「聖女失格」の第1巻。初代聖女の末裔ながら、何の能力も持たず家族や領民から虐げられていたシルヴィアが聖女の資格はないはずなのに、聖痕を発現させ、皇帝候補者ルルカと百年に一度行われる皇帝選に挑むお話。シルヴィアとルルカの色々とずれたやり取りが面白いです。また、何も持っていなかったシルヴィアのもとに続々と集まってくる個性的な仲間も物語を盛り上げます。聖女として、どんな活躍をしていくのか、また天才の妹プリメラとの決着が楽しみです。

西条陽による「少女事案」の第2巻。トラウマサヴァンという異能が存在する世界で、高校生の夏目幸路が同級生の京野月子や「犬として」夏目を飼う小学生の風町鈴のお話。前巻同様、表紙やタイトルが強烈ですが、国が全力で個人を潰しにくる中を色々な知恵と勇気で乗り越える真面目なクライムサスペンス作品に仕上がっています。敵が敵だけにハチャメチャやっていますが、ハリウッド映画とか考えれば、このくらいの展開は許容範囲。ラノベなので文章は硬くなく、適度に緩いのも読みやすさの一因か。昨今のSNSやマスコミを鑑みると、あながち…。

雑誌「まんがタイムきららMAX」に連載されているKoiの「ご注文はうさぎですか?」の第12巻です。ティッピーが居なくなった後の日常が描かれます。それでも花火大会、マラソン大会、そして文化祭とイベント目白押しで、いつものメンバーに加えて、新たに増えたメンバーたちも積極的に動いていて楽しさが増しています。そして、チノを始め、色々な経験を経て大きく成長したみんなの姿がまぶしい。それでも、そこかしこに寂しさを感じる。ここで、アニメ第1期OPテーマだった「Daydream café」に繋がるのは予想外でした。

西条陽による「少女事案」の第1巻。トラウマサヴァンという異能が存在する世界で、高校生の夏目幸路が同級生の京野月子や「猫として」飼われる小学生の雪見文香とのひと夏のお話。表紙やタイトル、ちょくちょく挿入されるエロシーンが強烈ですが、想像以上にミステリしており、ラブコメ×サスペンスというのも納得できました。全体的にはラブコメ比重が高いです。ノリと勢いのおかげでテンポも良く、途中でダレることなく最後まで楽しめました。続巻があるということで、次巻は違うようですが、いつか白瀬由美とのエピソードも描かれるんだろうか。

Joan Lindsayが1967年に発表した長編小説。日本では1975年に公開された映画が有名です。1900年のオーストラリアを舞台に、ハンギングロックへピクニックに出かけた寄宿学校の女生徒たちの失踪事件を皮切りに学校や地元社会で起こった余波を描いた作品です。失踪事件が起こした波紋が徐々に広がっていき、色々な場所で干渉していく様が巧みに描かれています。事件自体は謎のまま終わってしまい、ホラーや幻想文学っぽい感じなのですが、一方でハンギングロック周辺の自然を描いた描写は写実的で素晴らしいです。

雑誌「B's-LOG COMIC」で連載されていた真丸イノ(著者)、ぷにちゃん(原作)、すがはら竜(キャラクター原案)による「悪役令嬢は推しが尊すぎて今日も幸せ」の第2巻です。目を覚ましたら大好きなゲーム「ラピスラズリの指輪」の続編の世界で「悪役令嬢」に転生していたオリヴィアは、そんな事は気にせず大好きなゲームの世界で聖地巡礼を楽しみます。ついに攻略対象キャラも登場し鼻血の噴水がヤバいです。執事のレヴィも世界観を把握し、聖地巡礼の準備は完璧。ゲームシナリオからだいぶ外れたけど、追放エンドになるのだろうか。

雑誌「B's-LOG COMIC」で連載されていた真丸イノ(著者)、ぷにちゃん(原作)、すがはら竜(キャラクター原案)による「悪役令嬢は推しが尊すぎて今日も幸せ」の第1巻です。目を覚ましたら大好きなゲーム「ラピスラズリの指輪」の続編の世界で「悪役令嬢」に転生していたオリヴィアは、そんな事は気にせず大好きなゲームの世界で聖地巡礼を楽しみます。色々な悪役令嬢ものがありますが、ここまで転生先を満喫、そして喜んでいるキャラはいたでしょうか。美麗なイラストで描かれるキャラが鼻血を噴きまくるのはギャグとして最高です。

宮木あや子が2012年に発表した短編集の文庫版。タイトルから連想される、いわゆる少女が主人公の作品もありますが、年齢的なものに縛られるのではなく、少女が持つ危うさや毒を抽出して濃縮したような女性を「少女」と作者は呼称していると感じました。性描写、服装など描写が緻密で、原色がばらまかれたような世界をこれでもかと見せられて眩暈がします。短編集ですが、微妙に話が繋がっていて、多面的に物語を把握できて面白さを感じました。万人にお勧めできないのがもったいない。今井キラのイラストも世界観を彩るのに一役買っています。