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2024年3月の読書メーターまとめ

koji
読んだ本
10
読んだページ
3073ページ
感想・レビュー
10
ナイス
543ナイス

2024年3月に読んだ本
10

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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正岡子規、広瀬武夫、ロシア海軍の世界的名将マカロフ。この3人の死が描かれる第3巻。①子規の霊がいま空中にあがりつつある。「子規逝くや十七日の月明に」虚子が口ずさんだのはこのときであった、②(広瀬の)恋人だった(露軍少将の娘)アリアズナは、未来の夫である日本海軍の士官のために喪に服した、③マカロフは陸兵たちにまで評判のいい男だった。かれら陸兵は、ひざまずき脱帽し右手3本の指で十字を3度えがきながら(艦が沈没し海底に没する)マカロフの最期をとむらった。いずれの描写も、儚さ、物悲しさ、哀切が漂い、香気が溢れます
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

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2月は、経済5,政治1,小説2,歴史・地理2。大著(特に経済関係)に挑戦し充実を感じた1ヵ月でした。それにしても経済の2極化をひしひしと感じます。株最高値更新、円安で潤う大企業、インバウンド爆発の一方で、日本人の懐はどんどん寂しくなっている気がします。2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3547ページ ナイス数:553ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/44533/summary/monthly/2024/2

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2024年3月の感想・レビュー一覧
10

koji
本書の想定(ゲーム理論を勉強するためにボードゲームをプレイしてみたい人やゲーム理論に興味があるボードゲーマー)からすると、私は外れ者です。それだけに、一読、無謀な挑戦だったと後悔しましたが、(パズルファンの私には)これからに繋がりそうな知見を得ましたので、それを書き残してレビューにします。①パズルとは(この手を選ぶべきという)選択肢と(選択肢から得られる最も大きい)利得と結論づけられること、②①の解として「後ろ向き帰納法」は計算が複雑すぎ、結局は単純化やそれなりの解を比べヒューリスティックスに考えること
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百閒さんの「阿房列車」に倣って、還暦を過ぎた産経新聞記者がお供のサンケイ君(産経新聞記者、当然ヒマラヤ山系君のもじり)と令和の鉄道を乗り尽くします。産経新聞人気連載企画の単行本。昭和26年(1951年)と令和4年(2022年)、この71年の時を経た2人の阿房旅。令和版阿房列車は、豪華列車に美酒・美食とこの上ない鉄道旅、読んでいてワクワク感が止まりません。でもちょっと待て。この光があてられた一片は眩しくても、その反対の影は昭和に比べ大きくなったのでは。百閒さんの時の旅の心の豊かさを思い一寸感傷的になりました
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佐藤優による村上春樹「騎士団長殺し」の読み解き。原作の引用とその佐藤優流解釈を物語の進行どおりに進めていきます。著者は、プロテスタント的視点から、『騎士団長』のようなイデア(目には見えないが確実に存在する力)や、『顔なが』のようなメタファー(原型を違う形で表わしたもの、隠喩)など(目に見えない)外部の存在を描くことで、悪の実在、悪からの克服(信頼、愛)を描いた作品と言います。納得。更にセンテンスごとの深い読み込みが散りばめられ、「ねじまき鳥クロニクル」詳解に続き、私はまたも佐藤優さんに打ちのめされました
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第4巻は、遼陽会戦、沙河会戦、旅順総攻撃。3巻までから一転、じっくりゆっくり進みます。更にこの4巻は、仔細な戦闘シーンが多いので、前回読んだ時も、この辺りで脱落しそうになったことを覚えています。今回も身構えていましたが、略一気読みでクリアできました。やっぱり司馬さんの作品を読み込んできて、文体のリズム感に身を委ねる術を学んだからでしょうか。もう一つ司馬さんの本領は、将たる人物の能力、性格描写の綿密さ。司馬さんは、有能/無能、剛胆/気弱、情深さ/無慈悲などバッサリと二元化して描写します→コメント欄に続く
koji
2024/03/20 22:48

(本文からの続き)この辺りの「上から目線」は賛否両論あるでしょが、本書の「有能無能論」(p184~186)にあるように、司馬さんは、有能、無能を書き分けることは神をも怖れぬ仕業としつつも、軍隊幹部の有能・無能が麾下の兵士を大惨禍に追い込む「恐ろしさ」を書くためにその言葉を使用したと言います。司馬さんはエリート主義で、エリート達の責任感の有無が国家の存亡を決し人々の生活を豊かにも貧しくもすることを書く作家です。しかしそれは昭和的な発想で、令和の今でも通じるか。ここを後半4巻の視点の一つに置きたいと思います

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「第一阿房列車」と併読しました。内田百閒さんと宮脇俊三さんがシンクロし、私も、三人で旅する「浮遊した感覚」を味わいました。さて本書は、昭和57~58年の風変わりな旅行日記。旅のお供は、藍色の小鬼こと新潮社藍孝夫さん。この人、車派で、始めは仕方なく付き合っていたが段々宮脇さんに染まり、仕舞いには鉄道ファンでも二の足を踏む旅を焚き付ける迄に至る粋な編集者。10本に乗りますが、今でも乗れるのは飯田線ぐらいで往事を思い郷愁を感じました。宮脇さんの「きまじめさと洒脱さ(意外と下ネタ有)」が同居する文章を堪能しました
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結構長く企業人事に携わっていましたが、離れている間に「ジョブ型雇用」が流行っていました。定義はまちまちのようですが、著者によれば「職務、勤務地、労働時間のいずれかが限定された正社員」(広義)とされ、メンバーシップ型(所謂、無限定)正社員と対比しています。著者は、政府委員として普及の促進に取組んでおり、本書は経済学的見地から理論的に分析した書になっていて理解が進みました。私には、自分達が10年前に「働き方改革」として少しずつ実践していたことが、コロナ禍を経て、精緻に体系化されてきたように見えました。良書です
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酒井順子さんの「鉄道無常」に触発されて、本書と宮脇さんの「旅の終わりは個室寝台車」を併読しました。世評名高い本書を一言で要約すれば、伊藤整さんの解説にあるように「自由な精神の書」ですね。「何にも用事がないけれど、汽車に乗って大坂に行って来ようと思う」と鉄道旅を続けます。これ以上ない旅のお供(ヒマラヤ山系君)を連れて、行く先々でグダグダと辛辣な批評を浴びせ乍ら、我が儘放題の旅をしていきます。国府津駅の乗り遅れへの駅員への文句が段々分けがわからなくなる降りに、久々に「おかしみ」という言葉を思い出した好著でした
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本書は、過去10年の「日銀の異次元緩和」の当事者達の言動を具に追い、その功罪を検証した良書。中でも肝心要の黒田前総裁の言動の記述が秀逸。これは日経新聞「私の履歴書」(2023年11月)を併せ読むと更に鮮明になります。黒田さんがカールポパー信者であることは夙に有名ですが、これに碧海純一、大森荘蔵、Jヒックス等の思想を重ね合わせ、黒田さんの人生を追いかけると、黒田さんがぶれずに異次元緩和を突き進めた「心」がうっすら見えてきました。私が感じた沢山の思いから一つだけ。一度開けたパンドラの箱はどんな人も閉められない
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koji
スタートアップの育成は、資本主義が好循環で成長していく上で欠かせない第1級の政策課題です。私は、中小企業の融資・出資の現場で多くのスタートアップの審査をしてきましたが、何が難しいと言って「成長の見極めが困難で百人百用に判断が分れること」です。唯それだけに金融マンにはやりがいがある現場でした。さて本書は、世界各国のスタートアップの研究成果を分析・総合化し、アカデミック・実践両面からメタレベルに昇華した抜群の良書です。本書を読んで、余生をスタートアップの育成に費やしている先輩を思い出しました。理想の生き方です
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koji
正岡子規、広瀬武夫、ロシア海軍の世界的名将マカロフ。この3人の死が描かれる第3巻。①子規の霊がいま空中にあがりつつある。「子規逝くや十七日の月明に」虚子が口ずさんだのはこのときであった、②(広瀬の)恋人だった(露軍少将の娘)アリアズナは、未来の夫である日本海軍の士官のために喪に服した、③マカロフは陸兵たちにまで評判のいい男だった。かれら陸兵は、ひざまずき脱帽し右手3本の指で十字を3度えがきながら(艦が沈没し海底に没する)マカロフの最期をとむらった。いずれの描写も、儚さ、物悲しさ、哀切が漂い、香気が溢れます
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/12/27(5234日経過)
記録初日
2010/01/01(5229日経過)
読んだ本
1847冊(1日平均0.35冊)
読んだページ
586170ページ(1日平均112ページ)
感想・レビュー
1847件(投稿率100.0%)
本棚
43棚
性別
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