個人的に一番印象に残ってるのは、上間氏そっちのけで、当事者の少女に手術の説明をしていた看護師(p. 144-45)。こういうささやかな偉大さで世界はかろうじて踏みとどまっている。
江原は、「社会」の外部に女性的な原理が存在するという発送は、結局は「幻想装置」として働き「社会」の根本的批判にはならないと切り捨てた、ということのようだ。正直にいって、本書を読まずに江原の議論に触れたなら、私も説得された可能性が高い。妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティは「社会に対して女性たちが前向きに諦めようとする態度」だという結論はパンチが強い(p.153)。
(だいたいは)趣味の読書・マンガ用アカウントです。文学もマンガも、哲学もビジネス書も同じテンションで読んでいきたい。
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