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2024年8月の読書メーターまとめ

CTC
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2024年8月に読んだ本
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2024年8月のお気に入られ登録
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  • たいちょう

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

CTC
2月の中公新書新刊。著者は本書刊行時は(公財)三井文庫研究員で、4月より法大経済学部准教授の歴史学博士。江戸期大坂圏の経済研究が強みがあるようだ。 普通に読める固有名詞にルビを振る表紙タイトルに惹かれて購入したが、恐らくはその意図のとおり、とっつきにくい題材を噛み砕き愉しく知識を得られる、このレーベルらしい本だった。呉服商いを円滑にするための国内為替や金融を生業とする両替店をつくり(“大名貸し”はせずとも、)、民間への金貸しだけでも栄えた三井の秘訣を探る。お上との関係、現代に通ずるところがありますなぁ。
CTC
2024/08/06 07:31

⑦当時、幕府歳入の2割が大坂からの為替送金で…そのうち32〜42%を三井が扱った。三井が幕府に対して最も多くの不動産担保を入れていた事に依る。 ⑧さて、公金で買い取った借主の為替手形には、実際の商取引は紐づいておらず、不渡確定のものだ。全くの公金融資の名目なのだが、その上幕府公金の返済期限は90日、実際の貸付は半年〜1年。これを“延為替貸付”と称した。幕府は公金の安全な送金が第一だから、公金で買った手形が不渡になれば差押えも含めて迅速に対処したというカラクリ。

CTC
2024/08/06 07:32

⑨当初は取引先と取引額を全て奉行所に届けていたが…1762年以降は幕府人事の混乱に乗じてこれを非公開とし…89年からは自己資金も“延為替貸付”として貸付開始。グレーというかクロっすよね。。 ⑩さて延為替貸付は不渡事にお裁きで迅速な対応が受けられるメリットはあったものの、担保のある貸付のほうが有利な場合もあった。江戸時代の価値ある不動産物件の条件や、担保を差し出せる資力より人柄・評判重視のならではの与信確認システム、或いは実例なども読みどころ。

が「ナイス!」と言っています。

2024年8月の感想・レビュー一覧
4

CTC
3月の角川新書新刊。著者は愛知学院大准教授。本書は同レーベルの『傀儡政権』そして『後期日中戦争』に続く、後者の続編にあたるもの。“後期日中戦争”とは日中戦争のうちの、41年12月以降の米英蘭戦開始後の部分を指す著者の造語。前作は特に第3師団の足跡を辿り華中戦線に着目したが、本書では主敵を八路軍とした華北戦線を題材にしている。ゲリラ戦術に少数の兵で対抗するため、陸軍の戦い方は危ういものになる。偏りを感じたことがない若い研究者の著作であるところの本書には“三光作戦”も毒ガス攻撃もこれでもかと描かれている。
CTC
2024/08/14 20:01

①出典は本文中や巻末参考文献が示されるが…撫順戦犯管理所での供述書なども活用されている。実は著者は本書の冒頭で、この戦犯管理所での三段階の教育プログラムや「苛酷な尋問」、本邦人同士での「つるし上げ」により自白が行われ、秦郁彦氏はこれらを「真偽、虚実が混交し」たものと評価した事も記している。その上で…今般のウ戦争での戦争犯罪行為を引き合いに、極限状態では「戦争犯罪が容易に起こる」、供述は細かな間違いがあろうと否定までできない、と執筆姿勢を示す。一応この辺が世の中の常識的なものの捉え方なんすかね。。

CTC
2024/08/14 20:03

②と、私は自分のモノのみかたが偏っていないか気にしており、広中センセイの過去作の版元や担当編集者、ツイートまで確認してしまった。「もしトラ」から、もしトラウトマン工作が成功したら?を連想したり、中国近代軍閥の群像は三国志並みに面白くセンセイの話から学生数名が中国近代史にハマったエピソードなど、著者に好感しか感じなかったな。 ③閻錫山が特にスゴいとのポストもあり…本書でも漢奸となる事を恐れず独自路線を貫き、のちに山西省残留問題を引き起こし…の存在感。次作は三国志並みに面白い軍閥史を是非読みたいものです。

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CTC
84年新文化通信社刊。同社は「出版業界唯一の専門紙」=『新文化』を発行する新聞社(よく似た『文化通信』が実は後発で新聞と出版の専門紙。“新”は30年に別の名で創刊し戦中廃刊となり、50年に創業者が改めて“新”の名で再出発。その前に『文化通信』がスタート)。“書店振興”への公金投入も議論される中、たまたま古書店で見かけた本を手に取る。「本来的に代替性がない(中略)、日用品のように反復購入されることがない」故に再販制が維持される“本”の特殊な流通の成り立ち。取次に“取次”を自称させているのがミソなのだろう。
KF
2024/08/15 22:34

CTCさん ご丁寧にありがとうございます。実は私の本棚にもとんでもない逸品があります。右から左への横書きで、価格が¥0.5です。出版社は「朝日新聞社刊」と右から左の横書き。書籍の名前も漢字だらけで、ラグビー ホッケー 蹴球 籠球 排球 とあります。おそらくブックオフで「おいおい、こりゃ買わなきゃ!」と買ったものの読めていません。基礎情報を登録する事など思いもよりませんし、登録してもまずは誰の役にも立たないんじゃないかな、と確信しております。奥が深い世の中です。

CTC
2024/08/16 16:26

KFさま、ありがとうございます。仰せのご本、0.5円=50銭ですか?! 検索すると…朝日叢書、1930年刊のようですね、100年前の本がブックオフで買えるって凄いですよね(そういうところもフィジカルな本の魅力です)!だいぶプレミアついているようですので…それは確かに中々お目にかかれなさそうですが…お読みになられたらぜひご感想拝読するのも楽しみに致しております!

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CTC
22年12月PHP新書。初出は「この十年余」の毎日・信濃毎日・共同通信配信の各紙という。 出先で…昔は大変繁盛していた書店の変わらぬ店構えに釣られて入ってみたものの、絶望的な品揃えと閑古鳥の鳴きっぷりに驚きつつも手ぶらでは出られずにこの本、というわけだ。著者の最近の薄味新刊に嫌気がさしていたのだが…疲れている時はこれくらいがちょうどいい場合もある。新聞ネタであるから、加計学園問題などアベ政治絡みのネタも多い。正味1時間弱の暇つぶしに1,100円は高いかなぁ、やっぱり。
Tomoichi
2024/08/18 16:13

保坂さんは以前はイデオロギー色なくて好きだったのですが、現在文藝春秋に連載している作品もだが、政治的立場を出しすぎていてゲンナリしています。面白いテーマなだけに残念です。

CTC
2024/08/19 09:44

Tomoichiさん、コメントありがとうございます!なるほど、保阪さん文藝春秋に連載お持ちなのですね。。もうちょっとそのレベルにないかもですよね…。元々欲のあるお人柄ではないし、老いもあって広く浅くですね…。とはいえ次の書き手がなかなか見えてこないです。。

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CTC
2月の中公新書新刊。著者は本書刊行時は(公財)三井文庫研究員で、4月より法大経済学部准教授の歴史学博士。江戸期大坂圏の経済研究が強みがあるようだ。 普通に読める固有名詞にルビを振る表紙タイトルに惹かれて購入したが、恐らくはその意図のとおり、とっつきにくい題材を噛み砕き愉しく知識を得られる、このレーベルらしい本だった。呉服商いを円滑にするための国内為替や金融を生業とする両替店をつくり(“大名貸し”はせずとも、)、民間への金貸しだけでも栄えた三井の秘訣を探る。お上との関係、現代に通ずるところがありますなぁ。
CTC
2024/08/06 07:31

⑦当時、幕府歳入の2割が大坂からの為替送金で…そのうち32〜42%を三井が扱った。三井が幕府に対して最も多くの不動産担保を入れていた事に依る。 ⑧さて、公金で買い取った借主の為替手形には、実際の商取引は紐づいておらず、不渡確定のものだ。全くの公金融資の名目なのだが、その上幕府公金の返済期限は90日、実際の貸付は半年〜1年。これを“延為替貸付”と称した。幕府は公金の安全な送金が第一だから、公金で買った手形が不渡になれば差押えも含めて迅速に対処したというカラクリ。

CTC
2024/08/06 07:32

⑨当初は取引先と取引額を全て奉行所に届けていたが…1762年以降は幕府人事の混乱に乗じてこれを非公開とし…89年からは自己資金も“延為替貸付”として貸付開始。グレーというかクロっすよね。。 ⑩さて延為替貸付は不渡事にお裁きで迅速な対応が受けられるメリットはあったものの、担保のある貸付のほうが有利な場合もあった。江戸時代の価値ある不動産物件の条件や、担保を差し出せる資力より人柄・評判重視のならではの与信確認システム、或いは実例なども読みどころ。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/04/23(3785日経過)
記録初日
2014/04/17(3791日経過)
読んだ本
794冊(1日平均0.21冊)
読んだページ
245706ページ(1日平均64ページ)
感想・レビュー
788件(投稿率99.2%)
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