①出典は本文中や巻末参考文献が示されるが…撫順戦犯管理所での供述書なども活用されている。実は著者は本書の冒頭で、この戦犯管理所での三段階の教育プログラムや「苛酷な尋問」、本邦人同士での「つるし上げ」により自白が行われ、秦郁彦氏はこれらを「真偽、虚実が混交し」たものと評価した事も記している。その上で…今般のウ戦争での戦争犯罪行為を引き合いに、極限状態では「戦争犯罪が容易に起こる」、供述は細かな間違いがあろうと否定までできない、と執筆姿勢を示す。一応この辺が世の中の常識的なものの捉え方なんすかね。。
②と、私は自分のモノのみかたが偏っていないか気にしており、広中センセイの過去作の版元や担当編集者、ツイートまで確認してしまった。「もしトラ」から、もしトラウトマン工作が成功したら?を連想したり、中国近代軍閥の群像は三国志並みに面白くセンセイの話から学生数名が中国近代史にハマったエピソードなど、著者に好感しか感じなかったな。 ③閻錫山が特にスゴいとのポストもあり…本書でも漢奸となる事を恐れず独自路線を貫き、のちに山西省残留問題を引き起こし…の存在感。次作は三国志並みに面白い軍閥史を是非読みたいものです。
CTCさん ご丁寧にありがとうございます。実は私の本棚にもとんでもない逸品があります。右から左への横書きで、価格が¥0.5です。出版社は「朝日新聞社刊」と右から左の横書き。書籍の名前も漢字だらけで、ラグビー ホッケー 蹴球 籠球 排球 とあります。おそらくブックオフで「おいおい、こりゃ買わなきゃ!」と買ったものの読めていません。基礎情報を登録する事など思いもよりませんし、登録してもまずは誰の役にも立たないんじゃないかな、と確信しております。奥が深い世の中です。
KFさま、ありがとうございます。仰せのご本、0.5円=50銭ですか?! 検索すると…朝日叢書、1930年刊のようですね、100年前の本がブックオフで買えるって凄いですよね(そういうところもフィジカルな本の魅力です)!だいぶプレミアついているようですので…それは確かに中々お目にかかれなさそうですが…お読みになられたらぜひご感想拝読するのも楽しみに致しております!
保坂さんは以前はイデオロギー色なくて好きだったのですが、現在文藝春秋に連載している作品もだが、政治的立場を出しすぎていてゲンナリしています。面白いテーマなだけに残念です。
Tomoichiさん、コメントありがとうございます!なるほど、保阪さん文藝春秋に連載お持ちなのですね。。もうちょっとそのレベルにないかもですよね…。元々欲のあるお人柄ではないし、老いもあって広く浅くですね…。とはいえ次の書き手がなかなか見えてこないです。。
⑦当時、幕府歳入の2割が大坂からの為替送金で…そのうち32〜42%を三井が扱った。三井が幕府に対して最も多くの不動産担保を入れていた事に依る。 ⑧さて、公金で買い取った借主の為替手形には、実際の商取引は紐づいておらず、不渡確定のものだ。全くの公金融資の名目なのだが、その上幕府公金の返済期限は90日、実際の貸付は半年〜1年。これを“延為替貸付”と称した。幕府は公金の安全な送金が第一だから、公金で買った手形が不渡になれば差押えも含めて迅速に対処したというカラクリ。
⑨当初は取引先と取引額を全て奉行所に届けていたが…1762年以降は幕府人事の混乱に乗じてこれを非公開とし…89年からは自己資金も“延為替貸付”として貸付開始。グレーというかクロっすよね。。 ⑩さて延為替貸付は不渡事にお裁きで迅速な対応が受けられるメリットはあったものの、担保のある貸付のほうが有利な場合もあった。江戸時代の価値ある不動産物件の条件や、担保を差し出せる資力より人柄・評判重視のならではの与信確認システム、或いは実例なども読みどころ。
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⑦当時、幕府歳入の2割が大坂からの為替送金で…そのうち32〜42%を三井が扱った。三井が幕府に対して最も多くの不動産担保を入れていた事に依る。 ⑧さて、公金で買い取った借主の為替手形には、実際の商取引は紐づいておらず、不渡確定のものだ。全くの公金融資の名目なのだが、その上幕府公金の返済期限は90日、実際の貸付は半年〜1年。これを“延為替貸付”と称した。幕府は公金の安全な送金が第一だから、公金で買った手形が不渡になれば差押えも含めて迅速に対処したというカラクリ。
⑨当初は取引先と取引額を全て奉行所に届けていたが…1762年以降は幕府人事の混乱に乗じてこれを非公開とし…89年からは自己資金も“延為替貸付”として貸付開始。グレーというかクロっすよね。。 ⑩さて延為替貸付は不渡事にお裁きで迅速な対応が受けられるメリットはあったものの、担保のある貸付のほうが有利な場合もあった。江戸時代の価値ある不動産物件の条件や、担保を差し出せる資力より人柄・評判重視のならではの与信確認システム、或いは実例なども読みどころ。