YouTuberの呼びかけによって集まったオカルト好きの5人。"世紀末五銃士"と呼ばれた彼らには全員が1999年7月生まれという共通点があった。あるとき、メンバーの1人が「小金井市十五人集団自殺、あるいは殺人事件」に巻き込まれたことで彼らの関係が少しずつ歪んでいく。一切信用できない登場人物たちによるオカルトミステリー。各章で紹介されるオカルトネタも面白く、先が読めない展開にはらはらしながら読み切った。モヤモヤとした余韻はかつて日本国民を震撼させた「ノストラダムスの大予言」の一連の騒ぎを彷彿とさせる。

500年の時を経て封印を解かれた呪いの人形・お梅。現代に蘇ったお梅は人間を呪い殺すべく、まずは底辺YouTuberの悠斗をターゲットにするのだが…。やることなすこと全てが裏目に出てみんなハッピーになっちゃうオカルトコメディ。人間が苦しむところを見たくて瘴気を放つお梅だが、ポンコツな上にジェネレーションギャップが激しすぎて悉く予想を外してしまう。どんなに失敗してもめげずに呪い続けるお梅がだんだんかわいく思えてくる。とにかく何も考えずにただ笑えてほっこりできる一冊。お梅ちゃん、がんばって！！また会おうね！

浦和医大法医学教室シリーズ第5弾。家族と暮らしていた40代の女性はなぜ餓死したのか。引きこもりや老老介護など、誰にでも起こりうる社会問題を背景に運ばれてくる死体たち。決して他人事とは思えない各家庭が抱える闇に胸がぎゅっと締め付けられる。ミイラ化した遺体も解剖しちゃう光崎先生、相変わらず生きた人間より死体の方を信頼しててとても好き。プロローグが物語終盤とリンクして、言い表せない感情が頭の中でぐるぐると回り始める。

YouTuberの呼びかけによって集まったオカルト好きの5人。"世紀末五銃士"と呼ばれた彼らには全員が1999年7月生まれという共通点があった。あるとき、メンバーの1人が「小金井市十五人集団自殺、あるいは殺人事件」に巻き込まれたことで彼らの関係が少しずつ歪んでいく。一切信用できない登場人物たちによるオカルトミステリー。各章で紹介されるオカルトネタも面白く、先が読めない展開にはらはらしながら読み切った。モヤモヤとした余韻はかつて日本国民を震撼させた「ノストラダムスの大予言」の一連の騒ぎを彷彿とさせる。

〈ちょっと、家上がっていい？タイムマシンの充電だけさせてもらいたいんだ〉短編6本＋ショートショート6本。まさに藤崎翔単独ライブ。最後の「三十年後の俺」を読み終わった瞬間、心の中で自然と拍手をしていた。皮肉マシマシの視点で描かれた話はどれも毛色が違ってエッジが効いていて、たくさんのお菓子が入ったプレゼントのよう。表題作はタイムマシンで未来からきた自分と会う話なのだが、思わぬ着地に最後じーんとさせられてしまった。カモシダせぶんさんの解説も含めて胸を熱くさせてくれる一冊。