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2025年3月の読書メーターまとめ

くみこ
読んだ本
11
読んだページ
3426ページ
感想・レビュー
9
ナイス
313ナイス

2025年3月に読んだ本
11

2025年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

くみこ
全く違う家庭環境ながら、辛い日常を送る結珠と果遠が出会い、長い長い物語が始まります。友情とも恋愛とも言い切れない、ただ激しく惹かれ合う二人は、どんな別れ方をしても必ず巡り逢ってしまう。この作品に透明感を与えているのは、情景の美しさ、結珠と果遠に性的な生々しさがない事もですが、二人の夫の存在です。どちらも、人を丸ごと愛するとこうなるという、お手本のような人達です。彼らの悲しみと、果遠の娘の存在をもってしても、結珠と果遠はお互いしか必要としていない。美しいけれど、残酷な物語だと思いました。
が「ナイス!」と言っています。

2025年3月の感想・レビュー一覧
9

くみこ
全く違う家庭環境ながら、辛い日常を送る結珠と果遠が出会い、長い長い物語が始まります。友情とも恋愛とも言い切れない、ただ激しく惹かれ合う二人は、どんな別れ方をしても必ず巡り逢ってしまう。この作品に透明感を与えているのは、情景の美しさ、結珠と果遠に性的な生々しさがない事もですが、二人の夫の存在です。どちらも、人を丸ごと愛するとこうなるという、お手本のような人達です。彼らの悲しみと、果遠の娘の存在をもってしても、結珠と果遠はお互いしか必要としていない。美しいけれど、残酷な物語だと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
くみこ
地下鉄サリン事件を思い出させる小説ですが、強かな女の展示会のようです。逃亡犯の啓美も、父親の再婚相手とその娘も、啓美に自分の名を与え、祖母と同居させたまことも、偽物の孫をすんなり受け入れた梅乃も、肚が据わってる。どの母娘関係も少し歪で、皆男女のままならない繋がりを抱えながら、女達は怯みません。沈黙し、消えてしまう男達を尻目に、女達はずんずん歩いてく。圧巻です。桜木紫乃ワールドを存分に味わえる一冊でした。そして、地下鉄サリン事件から今日で三十年。亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。
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くみこ
朝の快速電車。同じ車両に乗り合わせた人達に起きた奇跡の短編集です。不運にも体調が悪くなった者同士の微笑ましい出会いもあれば、犯罪絡みの不幸な話も。浮気性の彼と決着をつける女性の話と、デートを控えた女性が、一歩踏み出して勇気ある行動をとった話が好き。登場人物達が思わぬところで繋がっているのも楽しかった。ほのぼのするものや緊張感があるもの、どれも各人物の背景が興味深かったです。
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くみこ
引きこもりの翔太の父親正樹は、自分の価値観や意見を押し付けがち。妻の節子は、正樹ともっと早く別れれば良かったと後悔するものの、誰より世間体を気にしてる。翔太の姉は、自分の結婚の事しか考えない。少し鼻につく人物ばかりの家族だからこそ、リアリティが増しています。修復不可能に思えた家族の再生は、ドキュメンタリーのような緊張感がありました。翔太の元々の素直さ、正樹の経済力あってこその結末でしたが、後味の良い読書になってほっとしています。
hon
2025/03/14 19:41

ほんとこういう家族そこら辺に居そうですもんね。これ面白かったなー。林真理子さんいけ好かないけど、小説は面白いなと思いました(笑)。他読んだことないけど。

くみこ
2025/03/14 21:47

林真理子さんは色々武装した結果、ああなったのかと^^; honさんに勧めるとしたら「下流の宴」あたりでしょうか…

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くみこ
例えば実家の物置にあった少女雑誌から、または女優の半生などから、昭和から現在に至るまでの再発見や考察が綴られます。男尊女卑の系譜やら、ルッキズムやSDGsについて淡々と描かれ、醒めた意地悪さと独特の比喩が意外と心地良い。あの芸能一家を思わせる、あの人を思い浮かべるなど、下世話な好奇心もくすぐられます。軽いタッチで、昭和から令和を考えさせてくれました。
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くみこ
三島由紀夫に衝撃を受けた高校生が書いた小説。分かる。迸る言葉の量と表現から、熱意が迫って来るようです。削ぎ落とした文章の美しさとか、こんな簡単な表現で心を抉られるとか、そうしたものとは対極にありますが、才能と技術は充分に感じられました。平野啓一郎さんが「日蝕」から成功されたように、伊良さんも、日本を代表する小説家になる日が来るのかもしれません。
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くみこ
画家の涼、14歳年下の綾、綾の夫。淡い関係のまま、お互いを思い合う涼と綾を好意的に捉える読者には、素敵な恋愛小説になります。二人の関係を執着と感じると、なんだか薄気味悪い。涼は女性を不幸にする典型的なタイプ、夫は裏の顔を持つタイプ、そして綾は、頼りなさげでありつつ絶対自分を曲げないタイプ。早い段階で涼と綾が結ばれていたとしても、幸福な日々は想像し辛い。ついつい引き込まれてしまう不穏な物語、井上荒野さんらしさが味わえます。
が「ナイス!」と言っています。
くみこ
レトロな喫茶店ブルーを舞台にした、繊細で優しい物語。鳴海はマスターと会えて良かった。今まで抱えて来た孤独と絶望を、マスターに打ち明けられて本当に良かった。そして、マスターは絵梨に、ヒナちゃんは鳴海に会えて良かった。多様性と誰もが言い始めたものの、圧倒的に少数派の人たちはどれほど窮屈にしているか、悪意なく交わされる会話が、その人たちにとってはどれだけ居心地の悪いものか、気にかけていたい。改めてそう思いました。世の中は、少しづつ良くなっていると信じたいです。
が「ナイス!」と言っています。
くみこ
小学生の時、「UFOの子供たち」として騒がれた佐渡君と二人の丸田君(マルセイとマルユウ)。彼らは何を見て、その結果何がもたらされたのか。二十年後、三人が再会した時に起きた事故は何だったのか。マルセイとマルユウが入れ違うように、同期したようになった意味は?語られる過去と語られない過去は、現在にどう影響して、未来のどこに繋がるのか、何もわからないままです。モヤっとするこの不思議な世界観に、浸り、漂うだけの読書でした。でも、退屈だったわけでもなく。うーん、独特。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/05/15(4001日経過)
記録初日
2014/05/15(4001日経過)
読んだ本
2122冊(1日平均0.53冊)
読んだページ
694523ページ(1日平均173ページ)
感想・レビュー
1359件(投稿率64.0%)
本棚
5棚
性別
血液型
O型
現住所
神奈川県
自己紹介

既読本を再度手にしてしまう事のないように、利用を始めました。
拙い感想にナイスして下さる方々、ありがとうございます。

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