「北浜の天才相場師」や「バブルの女帝」と呼ばれていた尾上縫の事件を偶々TVで視聴した頃、葉真中 氏の作品を知り、どんな構成で且つどんなミステリーとして書いたのだろうと興味を持って手にする。バブル絶頂期の1990年、個人として史上最高額4300億円の負債を抱え獄中のなかで自己破産した朝比奈ハルの人生を小説にしたいと思った「私」が、ハルの関係者たちを訪ねインタビューしていく。女として「ワガママに自由に生きること」に拘ったハルの人生を通して語られる関係者たちの人生も読み応えがあり、あっという間に読了。→

久し振りの澤村 伊智氏作品１１作目、7編からくる短編集。数点既読であったが、面白く読了。１篇目の「高速怪談」の息継ぎ忘れる程の語りの着地点の怖さ、そしてどうにもなり様がない風土系が好みの私としては、「こうとげい」の次世代へと繋がる想像の因習の怖さに慄く。また、「怪談・怪談」の展開が凄すぎて・・マジか・・と思わず言葉が漏れる。やはり澤村 伊智氏は厭きない。

６名のミステリーアンソロジー。　印象に残り面白かったのは、初読み作家さんの「ヤツデの一家/新川帆立」のコンプレックスのなせる業に嵌った真実。次いで同じく初読み作家さんの「妻貝朋希を誰も知らない/斜線堂有記」の境界知能という曖昧模糊とした残酷さをミステリーに寄せ読み応えがあった。そして流石「供米/米澤穂信」の詩人の遺稿に発した作品は、読ませる作品であった。

「北浜の天才相場師」や「バブルの女帝」と呼ばれていた尾上縫の事件を偶々TVで視聴した頃、葉真中 氏の作品を知り、どんな構成で且つどんなミステリーとして書いたのだろうと興味を持って手にする。バブル絶頂期の1990年、個人として史上最高額4300億円の負債を抱え獄中のなかで自己破産した朝比奈ハルの人生を小説にしたいと思った「私」が、ハルの関係者たちを訪ねインタビューしていく。女として「ワガママに自由に生きること」に拘ったハルの人生を通して語られる関係者たちの人生も読み応えがあり、あっという間に読了。→