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2024年3月の読書メーターまとめ

朝乃湿原
読んだ本
5
読んだページ
1789ページ
感想・レビュー
5
ナイス
122ナイス

2024年3月に読んだ本
5

2024年3月のお気に入り登録
2

  • 春ドーナツ
  • みあ

2024年3月のお気に入られ登録
1

  • みあ

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

朝乃湿原
幾度か福音書を読んでみても、謎の多いストーリーにどうしても馴染むことができなかった。しかし本作『イエスの生涯』は遠藤周作の想像があるにしても、イエスの洗礼から最期までを丁寧に読み解き、一個人としてのイエスをリアルに描いているので、キリスト教徒ではなくても、興味深く読むことができた。当時のイスラエルの歴史背景と旧約聖書の内容をきちんと理解せずに新約聖書を読んでも全く頭に入らなかったので、今回の読書でもう一度福音書を再読したい気持ちになった。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

朝乃湿原

3月もカントの『純理』を読んでいく。読解するのに骨は折れるが、いろいろな発見があるので読み続けることができる。2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:2冊 読んだページ数:964ページ ナイス数:85ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/464017/summary/monthly/2024/2

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2024年3月の感想・レビュー一覧
5

朝乃湿原
有名な二律背反がメインテーマの第5巻。4つ定立命題(1.世界には端緒があるのか?2.思考する自己のうちに分割することも破壊することもできない統一が存在するのか?3.わたしは自分の行為において自由なのか?4.最高の世界原因というものが存在するのか?)は根底に異なる知的な端緒を認めており、カントはこれらをまず純粋理性の独断論と名付けた。そして定立命題とは反対の主張である、4つの反定立命題を純粋な経験論の原理を根拠として示した。カントはこの独断論と経験論の論争が、たんなる誤解によって生まれているのではないかどう
朝乃湿原
2024/03/31 14:57

今回もカント独自のキーワードに悩まされた。まず「超越論的」と「宇宙論的」の違いや、直観や感性とは異なる「叡智的性格」の意味は捉えづらい。人間の自由意志が叡智的性格であり、経験的性格に基づく自然法則とは別であるのはわかるのだが、叡智という言葉がどうしても人間に相応しくないように感じてしまうのである。それでも経験的な範囲内での無限が「無限」であり、経験外での背進(条件づけられるもの→条件づけるもの)についての無限を「不定」と意味付けたのは興味深い。

朝乃湿原
2024/03/31 15:06

それにしても理性の働きは面白い。なぜ経験的な範疇から抜け出そうと考えてしまうのだろうか。そしてなぜ人間だけが理性を持っているのだろうか。疑問は尽きない。本書130ページのカントの言葉は印象に残る。→「理性にとって便利でさえあれば、自然研究を貫く〈糸〉を勝手に切断し、認識を拡張するという口実のもとで、この〈糸〉に超越論的な理念を結びつけようとするのである。ところがこの理念によってわたしたちが認識できるのは、わたしたちは何も知らないということだけである」

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朝乃湿原
無力なるイエスがゴルゴタの丘で処刑された10年後には既に神格化されはじめていた。神話の成立の歴史から考えると、この出来事は世界に例を見ないことである。しかし洗者ヨハネなどの他の預言者たちは信仰の対象にならなかったのにもかかわらず、なぜイエスだけがそこまで高められたのか、この答えは永遠に見つからないままである。そしてイエスの死、使徒たちの死、そしてローマ軍によるエルサレム陥落、このどの場面でも神は沈黙している。なぜ神は沈黙しているのか、なぜキリストは再臨しないのか、この二つの課題を原始キリスト教団は解くこと
朝乃湿原
2024/03/26 21:11

ができなかった。しかしこの謎を解くための苦悩と他民族からの迫害が信仰のエネルギーとなったのである。

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朝乃湿原
幾度か福音書を読んでみても、謎の多いストーリーにどうしても馴染むことができなかった。しかし本作『イエスの生涯』は遠藤周作の想像があるにしても、イエスの洗礼から最期までを丁寧に読み解き、一個人としてのイエスをリアルに描いているので、キリスト教徒ではなくても、興味深く読むことができた。当時のイスラエルの歴史背景と旧約聖書の内容をきちんと理解せずに新約聖書を読んでも全く頭に入らなかったので、今回の読書でもう一度福音書を再読したい気持ちになった。
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朝乃湿原
初期仏教の入門として、とてもわかりやすく述べられている。「仏教に特定の教義がなくても、その底に流れる思想は決まっており、過去の因習や習慣、既成の信条や宗教にとらわれることなく、いま生きている人間をあるがままに見て、安心立命の境地を得るようにさせることである。それにはダルマ(理法)を実践的に体得することである」とある通り、形而上学的な教えではなく、実践的な歩むべき真実の道をブッダは最期まで伝え続けた。特に「無我と非我」「空と中道」の章は未だ学ぶことがなかったところなので、勉強になった。
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朝乃湿原
本巻のテーマは理性の誤謬推論についての批判である。感性論、知性(悟性)論と続き、いよいよ理性論に入る。理性は知性とは異なるものである。知性は直観を通じて、対象を認識することである。理性は原因と結果の連鎖を原因側に無限にさかのぼろうとする傾向をそなえており、そして条件づけられることのない無条件的なものを求めようとする。そしてこの無条件的なものによって知性を統一する際に、純粋理性概念(理念)を使用する。この概念はすべての経験が所属するものでありながら、経験の対象になりえない〈あるもの〉である。思考する主体の
イプシロン
2024/03/08 13:05

細かいことを言ってすみません。が、「霊魂の不滅について、人間は経験することがないから認識できない」とカントは言ってないはずです。なぜなら、その問いは「超越論的」な問いだからです。超越論的とは先験的の意味ですから。ではなぜ先験的であてっも、魂の不死が認識できないかというと、時間的に無限、空間的に永遠という概念になると、人間の理性は論理的な判断が出来なくなるからですよね。重箱の角をつつくようですが、誤解するのはもったいないなと思ったので、コメしました。

朝乃湿原
2024/03/08 13:50

イプシロンさん、ご指摘ありがとうございます。理性の限界により、不死であるかどうかを認識できないのでした。もう一度ちゃんと読まなければいけませんね汗

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/05/21(3628日経過)
記録初日
2014/05/05(3644日経過)
読んだ本
333冊(1日平均0.09冊)
読んだページ
107146ページ(1日平均29ページ)
感想・レビュー
316件(投稿率94.9%)
本棚
12棚
年齢
33歳
自己紹介

哲学と宗教のジャンルを中心に読書しています。歴史小説や海外古典小説も好きです。あとクラシック音楽を少し嗜んでいます。
2024年のテーマはカントの著作を読むこと。

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