【顧客情報漏えいで逮捕の元派遣社員 “過去の流出事件参考に”】(NHKニュースより):こういう事例が発生しても、「報道の自由」により規制を求める人は少数なのだろう。“過去の創作作品参考に”となると、「表現の自由」「出版の自由」に規制を求める人は多数なのに。
カリスマ、そしてカルト(狂信的集団)は宗教に留まらず様々な分野で発生し、主導権を握り、自らの理想や都合を今の現実に取って代えようと常に画策している、とても身近な存在である。本書読後に周囲を見渡してみれば、著者の言う自らの幻像――妄想を自分以外の世界に押し付けたいという欲望、謂わばカリスマの芽を持つ者とそれに引き寄せられる者のいかに多いことか! これらの欲望の先にあるのが無慈悲さと野蛮さと狂気だということは諸人の認知するところ(革命からテロ、極端なアニメ絵排除運動から不快と感じる相手への脅迫行為まで)だ。
彼らから社会を守るには、カリスマとカルトの "本質" を認知する人を増やし、 "本質" が生まれにくい社会を構築する。それが社会の安定を保つ確実な方法ではないか。そう思うのだ。
『異次元の豚』カーナッキのもとを訪れた依頼者は、妖しい豚の群と戦い逃げる悪夢に悩まされていた。自作の装置で依頼者を救い案件解決を試みようとしたカーナッキを襲う、最大の危機とは――。★(シリーズ中一番の傑作。危機を回避するたびに新たな危機が訪れる展開は、王道ながらも読者をハラハラさせてくれる。本作の魔豚は後に"サーイティ"と名付けられ、クトゥルフ神話に取り込まれることになる。)
『探偵の回想』過去の作品の要約をカーナッキに語らせるという、自著の宣伝を思わせるような掌編。読み物より資料的側面の方が強い。
雑食性なので本棚そのものは混沌としていますが、一応判別しやすいように、なるべくこまめに整理整頓は心がけているつもりです。 最近は読むだけでなく、実行可能なものは実践してみています。 実践して明らかな結果が出たものや、ネタバレ全開な長文の感想は、プロフィールにあるウェブログにて公開しています。ただし、主観的なもの、プラシーボ効果、思い込み等の可能性も否定しません。
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