読書メーター KADOKAWA Group

2024年3月の読書メーターまとめ

syota
読んだ本
6
読んだページ
1561ページ
感想・レビュー
6
ナイス
309ナイス

2024年3月に読んだ本
6

2024年3月のお気に入られ登録
2

  • meg
  • yc

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

syota
読友の方のレビューで知った本。コロナ禍の直前、3年連続でフィンランドを訪れた益田さんの旅の記録だ。首都ヘルシンキとその周辺を、主にトラムや徒歩で歩いている。雄大な大自然や著名な歴史的建造物などがあるわけではないが、落ち着くカフェと美味しいパンやスープ、洗練されたデザインセンスが光る建物や小物類、そして大きすぎずゆったりとした街の雰囲気に旅情をそそられる。外国旅行だからと肩肘張らず、るるぶ片手に国内の街並を歩いているかのような、気軽な旅のスタイルが羨ましい。日本人旅行者が多いというのも意外だった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
6

syota
橋本源氏ますます快調。例えば「花宴」で、右大臣家の宴に招かれた光君が直衣で出かける場面。原作では軽く流している(詳述しなくても当時の読者にはピンときたのだろう)が、橋本さんはなぜ直衣なのかを詳細に書き込んでいる。宮中でないので正装はありえないが、他の参加者が右大臣の権勢におもねり、正装に準じる第1級の略礼装に身を包む中で、光君だけは直衣に布袴というほとんど平服に近い最低限の略礼装で乗り込んでいく。光君の気骨と反抗心を如実に表した場面だが、今回の橋本訳で初めて理解することができた。得難い現代語訳だと思う。
が「ナイス!」と言っています。
syota
外出時の隙間時間に読了。有名な「邯鄲の枕」の故事を、芥川が掌篇にまとめたものだ。東洋的な諦念に満ちた元ネタを、最後の一言で鮮やかにひっくり返している。たとえひとときの夢でも精一杯生きたい…若者でなければ言えないことばに、青春の眩しさを感じた。
が「ナイス!」と言っています。
syota
読友の方のレビューで知った本。コロナ禍の直前、3年連続でフィンランドを訪れた益田さんの旅の記録だ。首都ヘルシンキとその周辺を、主にトラムや徒歩で歩いている。雄大な大自然や著名な歴史的建造物などがあるわけではないが、落ち着くカフェと美味しいパンやスープ、洗練されたデザインセンスが光る建物や小物類、そして大きすぎずゆったりとした街の雰囲気に旅情をそそられる。外国旅行だからと肩肘張らず、るるぶ片手に国内の街並を歩いているかのような、気軽な旅のスタイルが羨ましい。日本人旅行者が多いというのも意外だった。
が「ナイス!」と言っています。
syota
[G1000]両大戦に挟まれた1930年頃の英国が舞台。アッパーミドルの知識階級に属する若者たちが社交に明け暮れる様を、軽いタッチで冷笑気味に描いている。英国伝統の社交クラブにはアンモニア臭が漂い高級感皆無。夏の別荘では、メイドも村のパブも無愛想。パーティーにも華やぎはなく、しょーもない会話がダラダラ続く。登場人物たちは仕事にも社交にも覇気がない。閉塞感が全体を覆っているが、それを打ち破ろうともがくわけでもない。カビの生えかけた生活スタイルを守り無為な日々が流れていく…まさに落日間近な老大国の午後だ。→
syota
2024/03/18 17:27

→時間の無駄のような会話を読んでいると、こちらまで時間を無駄にしているように感じてしまうが、通読するとこの時期の英国における知識階級の青春像が浮かび上がってくる。同じ英国でも、労働者階級の若者たちのエネルギッシュな生活を描いた『土曜の夜と日曜の朝』(こちらは第二次大戦直後が舞台だが)と比較すると、笑ってしまうほどの違いがある。戦前、戦後の違いもあるだろうが、階級社会である英国ならではの部分も大きいのだろう。【第106回ガーディアン必読小説1000冊チャレンジ】参加。

が「ナイス!」と言っています。
syota
「若紫」「末摘花」「紅葉賀」を収録。光君のことを、欲しいものはすべて奪い取る闇の貴公子として造形した”橋本源氏”が、本領を発揮してきた。帝の寵妃藤壺と強引に契り、不義の子を産ませる。己の罪に戦慄しながらも破滅の縁を歩むことを止めない。特に、比較的軽いつなぎの帖だと思っていた「紅葉賀」でのデモーニッシュなまでの光君の姿には、度肝を抜かれた。一方、「若紫」「末摘花」では、女君との仲立ちをする惟光、大輔の命婦との現代風のやり取りが軽妙で、物語がダークサイドに傾きすぎるのを防いでいる。正統的とは言い難いが面白い。
が「ナイス!」と言っています。
syota
光君目線で語られる異色の源氏物語。第1巻は桐壷から夕顔までが収録されている。巻末に記された「原作に極力忠実であろうとする一つの創作、一つの個人的な解釈」という橋本さんの言葉が、本書の本質を突いている。既読の与謝野訳、谷崎訳を参照しながら読んだが、オリジナルのストーリーを尊重しつつも、それに①背景説明、②行間に隠れている事柄の明示、③橋本さんの解釈による大胆な追加(創作)、の三種類の内容が加筆されている。その結果、平安朝の雅な物語文学である源氏物語が、光君の独白を軸とした完全な近代小説に生まれ変わった。→
みあ
2024/03/07 13:58

窯変源氏は非常に好きな源氏訳の一つです。光源氏のイメージがかなり変わるのですが、それが魅力的です。syotaさんが気に入ってくださり嬉しいです。

syota
2024/03/07 22:37

みあさん、コメントありがとうございます。いい本をお薦めいただき、ありがとうございました(^^)

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/06/07(3609日経過)
記録初日
2013/01/02(4130日経過)
読んだ本
1017冊(1日平均0.25冊)
読んだページ
331556ページ(1日平均80ページ)
感想・レビュー
980件(投稿率96.4%)
本棚
32棚
性別
血液型
A型
自己紹介

典型的なA型人間です^^;

長年気分転換に軽い本を読む程度でしたが、
あるとき図書館に「軽い本」を借りに行き、
ついでに何気なくほかの棚も眺めていると、
イプセンやストリンドベリといった
名のみ知っている作家の本が目に入りました。

その瞬間
「人生は短い、
この本を読めばあの本は読めないのだ」
という以前目にした言葉が脳裏に浮かび、

「自分は何をしているのだろう、
読むべき本はほかにあるのではないか」
という思いにとらわれ、考え込んでしまいました。

それ以後は、極力
読み応えのある作品を選ぶよう心がけています。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう