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2024年3月の読書メーターまとめ

aki
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感想・レビュー
14
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26ナイス

2024年3月に読んだ本
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2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

aki
タイトルに期待すると、ちょっと肩透かし。気候変動に対して地球の公転と自転が大きな影響を与えていることは、そうでしょうね、としか思わんが、温室効果ガスの増加が氷河期の到来を食い止めている、という視点は結構オドロキ。しかも人為的なものだとしたら「産業革命以降」ではなくて、農業を開始した8000年前から人類の活動が温室効果ガスの増加に寄与していたとは。氷河期を耐え忍ぶのがいいか、温暖化を受容するのがいいか、究極の選択ではないですか。いずれにせよ、人類が生き残るにしても、それほど多数ではなさそうだ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
14

aki
タイトルに期待すると、ちょっと肩透かし。気候変動に対して地球の公転と自転が大きな影響を与えていることは、そうでしょうね、としか思わんが、温室効果ガスの増加が氷河期の到来を食い止めている、という視点は結構オドロキ。しかも人為的なものだとしたら「産業革命以降」ではなくて、農業を開始した8000年前から人類の活動が温室効果ガスの増加に寄与していたとは。氷河期を耐え忍ぶのがいいか、温暖化を受容するのがいいか、究極の選択ではないですか。いずれにせよ、人類が生き残るにしても、それほど多数ではなさそうだ。
が「ナイス!」と言っています。
aki
やっぱり「おえらびください」が秀逸。怪しげな一室を訪れた主人公に未来から来たと自己紹介する男は「3つの未来」を提示する。ひとつは都市工業文明が最大限に発達した未来、ふたつは調和のとれた田園都市文明、みっつは核戦争後の人っ子ひとりいない未来。主人公はもちろん田園都市文明を選ぶが、ふたつ目の未来に向かうドアを開ける寸前に…という展開。ほんまもんのこの機械があったら、まず確実に、この小説のように展開していくだろうなと思わせる迫力がある。地球破壊者だけあって、この短編集でも何回、地球を滅亡させてんねん。
aki
2024/03/28 11:32

もうひとつ「彼方へ」。小松は宇宙と別の宇宙がまぐわって、高次存在を生み出すという話が大好きで、これ以外にも何編か書いてますな。完結していないから断言はできないが、おそらく『虚無回廊』も、このテーマかと。ただ、その高次存在が、どういうものかは書いていなかったような。

aki
動機、殺し方、トリック、シチュエーション、主人公の魅力、どれをとっても及第点には程遠い。習作レベル。特に殺し方。そんなにリスクの高いことするかね。もっと簡単に殺せて、足のつかない方法があるんじゃないの。オレだったら殺す相手とハイキングに行って睡眠薬を飲ませて眠ってる間に、ゆっくり殺すけどな。第3者を巻き込む必要がない。ダイイングメッセージも、しっくりこんわ。相手の名前をいうんじゃないの。先日、読んだカーの処女作とレベル的には似たようなものなのに、あっちが許せて、こっちが許せない理由はなんでだろうね。
が「ナイス!」と言っています。
aki
昭和35年、第3代会長に就任した池田は、その年の秋、さっそくアメリカ、ブラジルなどを訪問。まだ会員数は両国とも100名程度しかいなかったが、未来の展開を見据えて組織づくりを始める。核となったのは米国は日本駐留の米国軍人と結婚した、いわゆる「戦争花嫁」、ブラジルは戦後、ブラジルへ渡った開拓農民たちだった。いずれも大半は悲惨な境遇を嘆いていた。池田は、たとえば米国の戦争花嫁たちには英語をマスターする、運転免許をとる、市民権をとることを指針として与えた。よき市民・よき家庭人となれ、と指導は、きわめて具体的だ。
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aki
処女作にして、この完成度。さすがとしかいえません。語り手は無色透明な人物が選ばれることが多いが、この作品の語り手は個性的、というかイヤな奴。客観性はないし、自尊心は強いし、すぐに癇癪を起こすし。趣向としては密室殺人だが、犯人探しのほうに力点を置いているかな。ミステリの王道のようでいて、いくつかの新機軸も。カーは小学生のときに少年少女向けの『魔女の隠れ家』を読んで以来のつきあい。もう60年以上になるか。ポツリポツリとしか読んでいないので、主要作品でも読んでいないものが結構あるなあ。
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aki
めったやたらにおもしろい。サイバネ航宙士トルルとクラパウチュスを主人公にした宇宙的寓話、おとぎ話。仏法で説く「空論」をノベライズしたような話が続く。特に「竜の存在確率論」は、その典型。マイナス竜や虚数竜っていう、概念自体がすばらしい。存在であり同時に非在であるもの、顕在してるのか潜在してるのかようわからんものという、アリストテレス的思考体系を軽々と乗り越えた竜を退治する。神の如く、なんでもつくれるけど、つくったらいかんものもあるということは最後の「トルルの完全犯罪」で明らかになる。
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aki
日本人は「歴史から学ぶ」なんていう高級なことはできんけどね。感染症がはやると、すぐに「井戸に毒を入れた」という話になるのね。役目を遂行しただけの警察官や医師が、やり玉になり、暴力をふるわれるのも、いつもの話。災害や疾病、戦争の際には「分断の悪魔」が跳梁跋扈するね。隔離が有効なのは今も昔も同じだが、今も昔も同じく「行き届いた隔離」と「遺棄同様の隔離」がある。後者は要するに「死んで頂戴」ということね。一部、善性を発揮して頑張るやつがいるが、あくまで一部にすぎん。その一部だった上杉鷹山は、さすがです。
が「ナイス!」と言っています。
aki
90年代の最新の技術(科学)だった国産ロケット、深海探査、リニアモーターカー、交通の最適化技術、マイクロマシン、複雑系の第一人者との対談を核とした本。いずれも興味深いが、ロボット好きとしてはミリ以下のマイクロマシンをめぐる話が一番おもしろい。分子・原子レベルは表面張力やファンデルワールス力といった特有の力が働く世界。生命をモデルにすることで隘路を突破できるのでは、という論調。プランクの「時間や空間はアナログ的に連続した総体ではなく、むしろデジタルに規定される」に興奮しちゃったよ(いまさらながら)。
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aki
後年、再編集された短編集と違って、オリジナル短編集はジャンルが多彩。いちばんのお気に入りは「お糸」だが、今回読み直して気になったのは「逃ける」。ポン引きのおじさんの人物像を見事につくりあげており、むしろ、だまされてみたいわ、と思ってしまった、味のある一品。「お糸」は改変戦争ものの一作。「果しなき~」はじめ、小松のこの手の作品は、だいたい進化管理官側が勝っちゃうのに対し、この作品はルキッフ側が勝利した、といってもいいよね。人情あふれる江戸時代に得体のしれぬ機械文明を持ち込んだ男の凱歌が聞こえるようだ。
が「ナイス!」と言っています。
aki
傑作揃いだが、リプレイ(時間回帰)ものの先駆的作品、H・ビーム・パイパー「いまひとたび」が、ものすごくいい。自分が経験してない現象に巻き込まれると判断停止に陥るボンクラを主人公とする作品が多い中、この作品の主人公は状況認識、それを裏付ける実験、この世界を、どのように再構築するかの行動計画を、ほとんど瞬時(半日ぐらいか)に考える。頭の回転が速い主人公と、その父親。絶対、計画を実現できそうだよね。その他では、やっぱりボブ・ショウの「去りにし日々の光」に泣いちゃう(何度目かわからんが)。オレも過去に耽溺しそう。
が「ナイス!」と言っています。
aki
昭和32年、戸田が逝去する前年の出来事が描かれる。急成長した学会は既存の権威・権力からしたら大きな「脅威」だろう。なんかようわからん爆発的なエネルギーを持っているし、宗教団体なのに政界にも進出したし。北海道では夕張炭労が組合所属の学会員が参院選挙で学会員候補に投票したことに危機感をおぼえ、学会員に対する処分に乗り出す。大阪では参議院補欠選挙で一部の学会員が買収行為を行なったことから、検察は学会上層部の指示があったとして池田の逮捕に動く。池田の最初の大難というべき「大阪事件」の幕が開いた。
aki
2024/03/08 09:17

当時「貧乏人と病人の集まり」と揶揄されたが、ともかく勢いがあるわ。希望もあった。このあと高度成長を迎えるし、日本も学会も明るい未来が見えてた時代。今はどうかというと、日本も学会も勢いがない、というか、お先真っ暗で、消滅ポイントへ、まっしぐらという感じ。結局、学会といえども大きな時代の流れには逆らえんのね。もっとパワーがあると思ってたけどなあ。

aki
「覚者」は一時代に一人しか存在できないからね。複数の覚者が立つと、民衆が混乱するからだ。初代・牧口は2代・戸田が覚知を得た、その日に死んだ。一瞬の併存も許してくれんのね。大阪の戦いで池田が2度目の覚知を得たことで、戸田も、この世から退場せざるを得なくなった。そのへんのあれこれは池田が戸田より早く死のうと思っていたこと(そうすれば戸田は長生きできるからね)、戸田が池田に「オレの命をやろう」(池田は、その分生きられるからね)といったところなどからも伺える。ある意味、仏法は峻厳というか、怖いね。
aki
学会内では「伝説」になっている昭和31年の「大阪の戦い」に焦点をあてる。昭和31年7月の参議院選挙に学会は選挙区2人(東京、大阪)、全国区4人の候補者を立てた。大阪の責任者となったのが青年部参謀室長だった池田。会員数の少ない大阪は厳しい戦いになると思われていた。池田は前年から思索を深め、戦いのコンセプトを決め、大阪へ乗り込む。意外なことに選挙運動めいたことは公示直前まで行わない。ただ、ひたすら歓喜の渦を起こし、教勢の拡大に努め、かつてないほどの上げ潮の中、選挙戦に勝利する。後継者としての力量を見せた。
aki
銀河帝国興亡史に例えればファウンデーション対アナクレオンかなあ。日蓮宗など相手にならんわ。昭和30年2月、小樽の一角で創価学会小樽班の婦人と日蓮宗身延派の寺の僧侶がぶつかったことから、創価学会対日蓮宗の対論が小樽で行われることになった。日蓮宗の本尊雑乱(日蓮の文字曼荼羅以外にも鬼子母神など、いろいろ祀っていること)を攻める学会に対し、明確な反論ができず、立ちすくんでしまう日蓮宗。用意周到の学会に対し、戦略も戦術もない日蓮宗。はじめから勝負はついとるわな。蟻の子一匹を相手にするにも全力でいかんと。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/01/17(5212日経過)
記録初日
2005/01/02(7053日経過)
読んだ本
1500冊(1日平均0.21冊)
読んだページ
385414ページ(1日平均54ページ)
感想・レビュー
1454件(投稿率96.9%)
本棚
114棚
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