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2024年3月の読書メーターまとめ

カノコ
読んだ本
10
読んだページ
3166ページ
感想・レビュー
10
ナイス
409ナイス

2024年3月に読んだ本
10

2024年3月のお気に入られ登録
1

  • 碓氷優佳💓

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

カノコ
アパートの一室、離別を決めた一組の男女が共に過ごす最後の夜を徹して語り合う。緊迫感あふれるワンシーンドラマ。定点カメラで二人の遣り取りを覗き見ているような、そんな少しの背徳感もある。彼らが隠し持った感情を伝染したのかもしれない。遠い記憶の断片や含みを持たせた言葉の端々から彼らの真実を知っていく過程は、焦れったくもあり恐ろしくもある。終わらない夜は確かにないが、終わった先に待ち受けるものが何かは誰にもわからない。夜明けに怯え、まるで自分がまるで知らない他人かのように揺れ動いていく。不便で不自由な執着の話。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

カノコ

猫と暮らしはじめました。傍らに温かいいのちがいるのはとても嬉しくて、もう全部いいや~って気持ちになります。[2024年2月の読書メーター] 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3313ページ ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/492396/summary/monthly/2024/2

猫と暮らしはじめました。傍らに温かいいのちがいるのはとても嬉しくて、もう全部いいや~って気持ちになります。[2024年2月の読書メーター] 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3313ページ  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/492396/summary/monthly/2024/2
カノコ
2024/03/02 13:34

machiさん>ありがとうございます!このときは大人しくしていますが、普段はお転婆さんです笑 共読うれしいです!先月は面白い作品が多かったので、ぜひぜひ読んでみてください~!

カノコ
2024/03/02 13:35

ようさん>立派な下僕になりました!!!

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
10

カノコ
突如として世界中に現れるようになった牛頭の怪物。眉原市の議会に出現した怪物に対処したのも束の間、市長である翼は異様な死体に遭遇する。怪物の設定が絶妙で、ただのパニックホラーに陥らずに政治家同士の利権問題も絡めたユニークな読み物に仕上がっている。しかし決して堅苦しくはなく、軽妙でどこかユーモラス。早々に殺人の謎は端に置かれてミノタウロス出現の謎にシフトしていくが、これがまた興味深い。発想の飛躍を感じる箇所がなくもなかったが、大変面白かった。きちんとミステリであることを思い出させてくれる解決編も嬉しい。
が「ナイス!」と言っています。
カノコ
我が身のために吐いた嘘のせいで転落していくひとたちを描いた短編集。妻に先立たれ養子の息子と向き合う老人、借金苦から認知症の演技をする女、ペーパーカンパニーを立ち上げた男たち……少しの出来心、心の隙間に生まれた欲望が別の悪意を呼んで、彼らを悪い方へと引きずり落とそうとする。まさに暗い引力。勧善懲悪ともまた違う、人間の有り触れた見通しの甘さを痛烈に描いている。少しのユーモアと寓話のような結末が効いている「捏造カンパニー」、我が身のことのように恐怖を覚えた「極楽」が好き。彼らが堕ちていく先を知りたくはない。
が「ナイス!」と言っています。
カノコ
過去に何人も不審死を遂げた彼岸荘に集められた超能力者たち。幽霊屋敷の謎を解こうとする能力者たちを惨劇が襲う。タイトルからしてミステリを期待してしまったが、館で起こるのは古いホラー映画のような怪異現象の数々。それならそれでも構わないのだが、ミステリ要素を入れ込んだせいで却ってホラーにもミステリにも振り切れていない印象を受けてしまった。決してアンフェアではないし複雑でもないのだが、この物語のルールを理解しきれなかった気がする。あっさりし過ぎているものの、綺麗にまとまっていて、物語の結末は個人的には好き。
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カノコ
元フィギュアスケーターのデザイナー・塩澤と、今もトップで活躍する志藤。志藤がスケーターとして塩澤から刺激を受ける一方、塩澤は志藤に対する恋心をひた隠しにしていた。それぞれの視点で綴られるエピソードでは、二人が互いに抱く感情のすれ違いが繊細で甘やかに、そして残酷に描かれている。そういう点では決して楽しめなかったわけではないのだが、出版社の紹介文がミスリードになっている気がする。サスペンス要素はほんの香り付け程度で、あとはピュアな恋愛小説。終盤の塩澤の行動には呆気に取られた。でも恋ってそういうものかもね。
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カノコ
デパートのショーウィンドウに展示された寝台から女性の死体が転がり出た。この怪事件にエラリー・クイーンが挑む。〈国名シリーズ〉二作目。塗りかけの口紅、謎の白い粉、五本の鍵……手がかりはありすぎるほど存在しており、すべてを整理できるのか不安になるほど。しかしそれらが点つなぎパズルのように繋がり、美しい星座が見えるような解決編は本当に素晴らしかった。場面転換がほぼない捜査パートは少々退屈だったが、幕切れの鮮やかさがすべて払拭してくれた。過程ばかりが面白いミステリは数多あるが、これは確実に推理パートが最も面白い。
パトラッシュ
2024/03/21 12:43

ラスト1行が最高ですよね! エラリーが語る推理パートを一人芝居で観てみたい。

カノコ
2024/03/21 14:22

パトラッシュさん>最高でした!鮮やかで痺れました~

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カノコ
年子の子どもを抱え、仕事と子育てを懸命にこなす妻。幼稚園の送迎や子の突然の発熱、奮闘する日々の中で夫への不満が募っていく。夫への怒りのエネルギーが迸る妻視点の話と、そんな妻への恐れと困惑が滲み出る夫視点の話の二段構成。子どものいない身からすると、本当にこんな非協力的な父親がいるのかと思ってしまうが、残念なことにおそらく有り触れているのだろう。二人に足りていないのは、「さしすせそ」の言葉よりも、理性的な対話のように思う。ラストシーンが喜劇なのか悲劇なのかは、これからの二人が決めていくことなのだろう。
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カノコ
義娘の影響でラップにハマった64歳の明子。失踪中の一人息子がラップバトルの大会に出場することを知り、明子はマイクを握る。これまで正面からぶつかってこられなかった親子が、ビートに乗って向かい合う。よくある親子の確執の話かと思いきや、もっと剥き出しで熱い。子が親に縛られているように、親もやはり子に雁字搦めになっている。すべての人間は母から生まれているが、親子という柵にいつまでも囚われている必要はない。親子をもう一度やり直すための、爽快で痛快な訣別ストーリー。ラップが分からなくても、とても気持ち良かった。
が「ナイス!」と言っています。
カノコ
アパートの一室、離別を決めた一組の男女が共に過ごす最後の夜を徹して語り合う。緊迫感あふれるワンシーンドラマ。定点カメラで二人の遣り取りを覗き見ているような、そんな少しの背徳感もある。彼らが隠し持った感情を伝染したのかもしれない。遠い記憶の断片や含みを持たせた言葉の端々から彼らの真実を知っていく過程は、焦れったくもあり恐ろしくもある。終わらない夜は確かにないが、終わった先に待ち受けるものが何かは誰にもわからない。夜明けに怯え、まるで自分がまるで知らない他人かのように揺れ動いていく。不便で不自由な執着の話。
が「ナイス!」と言っています。
カノコ
急死した叔父の死因に疑いを持ったマークは、協力者と共に遺体の発掘を試みる。しかし霊廟から遺体は消え失せていた。壁を擦り抜ける古風な婦人、密室から消えた遺体、妻と同じ容貌の処刑された毒殺魔……終盤まで起こり続けるオカルティックな出来事が、事件の不可解さを際立たせている。果たしてこれはミステリなのか、それとも。終始薄気味悪い読み心地。トリックよりも犯人よりも、それを覆い隠す装飾がとてつもなく上手く、そして何と言ってもラスト「V 評決」の数ページの衝撃がすごい。結末から逃げ出すようにひと息で読み終えた。
が「ナイス!」と言っています。
カノコ
教誨師の顕真は拘置所で講話中に見知った顔を見つける。かつて自分の命を救ってくれた男は、死刑囚となっていた。友は本当に罪を犯したのか。教誨師という立場でありながら過去の事件を調べる行為は友のためではなく己のためであり、どう考えても越権行為である。しかし、それを隠そうともせず描写されているのがいっそ清々しく、人間らしさの塊のような顕真が魅力的だ。終盤の展開は余りにも慌ただしいが、死刑囚と僧侶という身分を剥ぎ取られた生身の人間の執念の凄まじさを感じる。ラストの住職の言葉がなんとも含蓄深く、良い余韻が残る。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/08/17(3538日経過)
記録初日
2014/08/03(3552日経過)
読んだ本
1448冊(1日平均0.41冊)
読んだページ
485162ページ(1日平均136ページ)
感想・レビュー
1271件(投稿率87.8%)
本棚
10棚
性別
現住所
東京都
URL/ブログ
https://note.com/kanokosuki/
自己紹介

読書は情緒的に、飲酒は控えめに。
ミステリ多め、それ以外もそこそこ。
のんびりだらっとやっています。根は真面目です。

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