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2024年3月の読書メーターまとめ

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読んだ本
13
読んだページ
1524ページ
感想・レビュー
10
ナイス
303ナイス

2024年3月に読んだ本
13

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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ネタバレ序盤と終盤の語りから、『JR上野駅公園口』の主人公は、あの世(浄土)にいることがわかります。中盤に、仏教(浄土真宗)の叙述が続く場面があります。この目的の1つは、読者に終盤の舞台を自然体で読ませるためだと思います。主人公が周囲の声や音を聞いている(聴いている?)描写が多いです。主人公の境遇(不幸)から、そのような習慣がついたのだと僕は思いました。『JR上野駅公園口』は、柳美里の取材の内容が“語り”に含まれていて、主人公に寄り添う“語り”でもありました。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

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最近、感想文を投稿したあとに、手直しをすることがあります。すぐに投稿しないで、数時間あけたあとに見直しをしようかな。『方法序説』を読みました。「時代背景」や「デカルトの経歴」のことが知りたい、そして『方法序説』をもっと深く読みたいと思い、『デカルト入門』を読んでいます。ヨーロッパにおける30年戦争の時代の書物なのですね。

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2024年3月の感想・レビュー一覧
10

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ネタバレ街を歩く女性の「服装」は、彼女たちの同時代の社会が、どの程度“自由”なのかを示す試金石だと僕は思っています。たとえば『遠の眠りの』の終盤は、アメリカとの太平洋戦争が始まり、物資が不足している叙述が続きます。そのさいの女性の「服装」の描写は、あまりよろしくないものでした。谷崎は作中人物たちを舞台上で、自然にかつ巧みに動かしています。たとえば、2人の作中人物が偶然会うさいに、その「偶然」を自然に巧みに演出しています。主人公に寄り添った語りで物語は進みますが、時局と時流を解説する「語り」も、頻繁に挿入されます。
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ネタバレ『おしの』は、戦国時代の後半が舞台です。日本の戦国時代と近代は、内乱や戦争が多かった時代です。戦国時代の末期には、日本は世界有数の軍事国家だったらしい。近代の末期には、日本は何度も戦争を起こしていました。日本の戦国時代(およそ1467年の応仁の乱から、1615年の大坂の陣まで?)と、日本の近代(1853年の黒船来航から、1945年の敗戦まで?)における、日本の支配者たちのメンタリティは、似ているのかな? 時代背景が似ているため、僕はそのように感じました。
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「陶器の観世音の像」を見て、語り手はかつて付き合っていた女性を思い出しているのでしょう。なぜなら、語り手は「陶器の観世音の像」を「十二歳の少女の身丈」に置き換えているからです。さらに、この「書割の舞台」の次の場面では、語り手の「夢物語」が挿入されます。その舞台で、観世音(女性)が「私[語り手]の首に抱きつ」きますが、「私ははっと飛びのい」て、「観音像が道路にこなごなに毀れて」しまいます。このあたりの描写も、語り手と女性との関係の隠喩だと思います。次の場面で、「彼女が[観音像のかけらを]拾っている」
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2024/03/22 21:30

との叙述が続きます。僕は一読したときに、いきなり「彼女」が登場したので、少し面くらいました。しかし『弱き器』の前後の脈絡から、「彼女」は、僕が上にも書いたように、語り手と関係があった女性だとわかります。「観世音」(≒肉体)のかけらを拾い集めている「彼女」(≒魂)、という構図が僕には浮かびました。なぜなら、「夢物語」が終わり、「現実」に語りの局面が移ったさいに、語り手は聖書の言葉を引用しているからです(肉体と魂という考えは、キリスト教圏の価値観です。うろ覚えですが)。

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2024/03/22 21:31

ちなみに、僕はこの一連の筋を読んでも、漱石や芥川の作品にときおり散見される、女性への嫌悪は感じませんでした。現代社会では、「菩薩」(観世音)は、優しい方や思いやりがある方への褒め言葉として使われることが多いです。川端はそのことを物語の装置として取り入れたのかな? 漱石の『夢十夜』や川端の『弱き器』などの「夢物語」は、解釈しがいがあると思います。

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ネタバレ鏡花は、女性の心を表情や行動で叙述することが多いと僕は思っています。たとえば『外科室』で、貴船伯爵夫人は、麻酔剤を用いて手術をおこなうと、“心の秘密”を言ってしまうのではないか、と心配していました。そのさい鏡花は、「夫人の眉は動き、口は曲みて、瞬間苦痛に堪えざるごとくなりし」と、貴船夫人を描写しています。また、手術をする方は高峰(医学士)か、と尋ねた貴船婦人を、「夫人はここにおいてぱっちりと眼を開けり。気もたしかになりけん、声は凛として」と描写しています。さらに、高峰が貴船婦人に手術をおこなうさいには、
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ネタバレ物語の後半に、おぎんは棄教します。刑場で松を見て、「おん教えを捨て」ていました。この場面での「松」は、物語の装置だと思います。泉鏡花の『歌行燈・高野聖』(新潮文庫)の「注解」に、「化け狸や化け狐の正体を見あらわすためには、松葉を焚く煙でいぶすとよいという俗伝がある」との叙述があります。しかし、化け狸や化け狐は、おもに日本で伝承されている妖怪です。「おん主」や悪魔はヨーロッパの宗教が生み出したものであり、「松葉を焚く煙でいぶ」しても、彼らには効果は無いと思います。つまり、物語の終盤での化け狸と化け狐は、
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この書籍の場を借りて、nirvanaの楽曲「lithium」の歌詞の感想を書きます。歌詞を全体的に見たとき、1番ヴァースと2番ヴァースで、脚韻を踏んでいることがわかります。この目的の1つは、ヴォーカルと観客が歌いやすいようにするためだと思います。lithiumは炭酸リチウム(双極性障害を治療するお薬)のことだと思います。つまり、詞役者(詞の主人公)は、こころの病気を患っているのでしょう。以下はこのことを前提とした感想文となります。
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2024/03/13 15:51

2番ヴァースでは、I’m so lonely「とてもさびしい」や、それを受けてのI’m not sad「さびしくなんてないよ」など、孤独なlyricが続きます。人は孤独なときに、好色になる傾向があると僕は思っています。それは、I’m so hornyというlyricに率直に現れています。なんとなくなのですが、コーラスのI like itのitは性愛のことを指しているのかな? と思いました。

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2024/03/13 15:52

続きのI’m not gonna crack「僕は壊れない」や、コーラス全体を読んで、詞役者は“症状”を抑えようとしていて、そのために性愛に身をゆだねていると僕は思いました。最後に、「lithium」の感想文とは離れますが、こころの病気は早期発見と早期介入であれば軽症化できます。こころの病気かな? と思ったら病院にいきましょう。

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作中の女性は、語り手の視線を受け入れていました。なんとなくなのですが、男性が女性に向ける視線には、「下心がある視線」と、「下心がない視線(すくなくとも下心の“匂い”がしない視線)」があるのでしょうか。そして語り手は後者の視線を女性に向けたのかな? 「物語作者」は「日向」を装置として、語り手に「回想」をさせていました。「身近の人の顔」を「見る」癖は不幸からか、その不幸のまえから持っていたのか……と語り手は思い起こしていました。おそらく、どちらも語り手の癖の要因ではないか、と僕は思いました。
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ネタバレ序盤と終盤の語りから、『JR上野駅公園口』の主人公は、あの世(浄土)にいることがわかります。中盤に、仏教(浄土真宗)の叙述が続く場面があります。この目的の1つは、読者に終盤の舞台を自然体で読ませるためだと思います。主人公が周囲の声や音を聞いている(聴いている?)描写が多いです。主人公の境遇(不幸)から、そのような習慣がついたのだと僕は思いました。『JR上野駅公園口』は、柳美里の取材の内容が“語り”に含まれていて、主人公に寄り添う“語り”でもありました。
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ネタバレ『パンドラの匣』……同時代の時局と時流を汲み取った作品だと思います。日本の敗戦という“事実”が、『パンドラの匣』の主題を担っています。『斜陽』も同じ傾向の作品だと思います。こちらは、敗戦後の日本における華族制度の廃止という“事実”が、作品の主軸を構成しています。戦時中に太宰は作品を多く発表していますが、それらには古典を下敷きにしたものが多いです。この理由は2つあると僕は思っています。1つは、太宰が換骨奪胎の技法が得意だったこと。もう1つは、戦時中の時局や時流にそぐわない作品を書けなかった事情があった。
が「ナイス!」と言っています。
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ネタバレ物語の後半に、ジュリアナはジョーがスパイだと気付きます。気付くきっかけは、ジョーが衣装替えしたときの、彼の見た目の「変化」でした。おそらく、ジョーは軍隊で「服」を隙無く着こなしていたのでしょう。その癖(匂い)が、衣装替えをしたさいに出たのだと僕は思っています。この舞台の前の場面で、「物語作者」はバイネス(軍人でスパイ)を、「服を一分のすきもなく着こなし」と叙述しています。この描写は、読者への暗示だと思います(ジョーがスパイだと匂わせるための)。ディックは物語の運び方が華麗だと僕は思いました。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/08/28(3528日経過)
記録初日
2014/12/25(3409日経過)
読んだ本
335冊(1日平均0.10冊)
読んだページ
68114ページ(1日平均19ページ)
感想・レビュー
300件(投稿率89.6%)
本棚
0棚
性別
自己紹介

よろしくお願い致します。
文学世界はとても奥深いです。
僕の感想文はその日の自分の体調で、質が変わるみたいです。
もう少し本を読むスピードを上げたいです。

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