高校卒業から28年、故郷に戻ってきた天文学者の女性とともに、同級生が集結し手作り天文台を作りあげる物語。高校時代の文化祭でのタペストリー作りと、亡くなった同級生のエピソードが絡みあいます。彼と彼女の恋愛と辛い選択にショック、、。もし違う選択をしていればと思わずにいられない、、。高校時代に思い描いていた未来を歩んでいるわけではない45歳。誰もが人には言えない思いを抱えながらも笑顔でいる様子に既視感を覚えます。

著作やテレビで見聞きしていたヤマザキマリさんの人生を息子さんを中心に紡いだエッセイ19編。ひとつひとつのエピソードを面白く読みましたが、あとがきとして息子さんの「ハハ物語」があるのがまた良いです。親の視点でみた息子と息子の見る親、、視点を変えるとまた面白いものです。未婚で妊娠した時に産むことを決めたエピソードと、子供を連れて帰国したマリさんに「孫の代までは私の責任だ」と迎えたお母様のエピソードにジーンときました。シリア、ポルトガル、アメリカなど世界各地の学校の様子も興味深く読みました。

『スコーレNo.4』のスピンオフ3作品を含む短編6作品。テイストはいろいろです。『なつかしいひと』は母を亡くして母の故郷に身を寄せることになった中学生男子の物語。こんな再会が本当にあったらいいと、じんわり染みました。『あのひとの娘』は三姉妹の父の高校時代の元カノ目線の話で、これはちょっと怖かったです。30年経っていてもそんな？

中学生の駅伝の物語。6人で襷を繋ぐように、それぞれの視点で綴られます。家庭の事情や、マイノリティな嗜好など、何かを抱えながらも奮闘する中学生の日々。仲間との距離感も良いです。メンバーのその後の物語がいくつかあるようなので、読んでみたいです。

高校卒業から28年、故郷に戻ってきた天文学者の女性とともに、同級生が集結し手作り天文台を作りあげる物語。高校時代の文化祭でのタペストリー作りと、亡くなった同級生のエピソードが絡みあいます。彼と彼女の恋愛と辛い選択にショック、、。もし違う選択をしていればと思わずにいられない、、。高校時代に思い描いていた未来を歩んでいるわけではない45歳。誰もが人には言えない思いを抱えながらも笑顔でいる様子に既視感を覚えます。

昭和32年生まれの著書が小学生の頃の北海道が舞台。友人や家族や地域の中での出来事が小学生の目線で描かれています。斜陽産業になりつつある炭鉱や貧富の差などを子供の目線で咀嚼している様子もあります。かなり昔が舞台ですし出版されたのもかなり前ですが、中学受験で出題されることが多いというのも納得。この小説をポップにすると漫画『ちびまる子ちゃん』かな、と感じました。

持病あり、認知機能に問題がでてきたと思われる老婆が語る日常の物語。亡き母の晩年と現在の父の頭の中はこんな風だろうかと想像しながら読了。私自身ももし長生きしたらこんな思考回路になるのだろうか。良かったことは覚えていて辛いことは忘れてしまっていると思われるのが救い。

新設女子高校を舞台にした7つの短編集。ザ・ハイロウズの歌がタイトルになっています。志望校不合格や、怪我でスポーツ推薦を諦めたり、何らかの事情を抱えて女子校に進学した生徒たち。自分の気持ちに折り合いをつけながら前を向いていく話が多めです。そして自分の傷に向き合いながら友人についても思いやれるようになっていく様子が良いです。静かで穏やかな高校生活の話は読んでいてほっとします。

『三体』から始まった長い物語、やっと読了しました。高校物理でさえ苦戦したもので物語に登場する物理理論は難解でしたが、それでも壮大な物語を楽しめました。雲天明のおとぎ話が面白いなぁと思っていたら、まさかあんな事を伝えるものだったとは。宇宙は今の私たちが理解しているものとは全く違うものなのかもしれません。怖いー。