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2024年10月の読書メーターまとめ

ガブリエル
読んだ本
8
読んだページ
2562ページ
感想・レビュー
8
ナイス
142ナイス

2024年10月に読んだ本
8

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ガブリエル
スピリチュアルだけどそこがメインじゃなくて、古き良き下町を描いている。窮屈で面倒臭いと敬遠した結果崩壊寸前の下町的なるもの。それが持つ大きな力。例えば「清濁」に登場する新さんのような人を抱合する懐の深さ。都会の人が身軽さと引き換えに失った大事なものを書き留めておこうという試み。懐かしさと寂しさを感じながら読んだ。「大人が痩せがまんしてでもちゃんと大人だと、子どももちゃんと子どもでいられるのです」という言葉には納得しかない。今の世の中“子ども大人”が多すぎて、子どもが子どもでいられない時代だと思うから。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
8

ガブリエル
母をテーマにした5つの短編はどれも毒があり、短いながらずしりと重い内容。 それぞれの物語を通じて、「母」という存在の危うさが浮かび上がる。 自分の母、母としての自分を顧みることにもなった作品。面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
ガブリエル
女優って怖いと思った。女に限らず、誰でもある意味その場その場に適した自分を演じていると言えばそうなんだろう。素に戻れる場所がなかった茉莉子の悲劇は、毒親のせいで人格障害を起こしていたことに尽きるかと。最後まで妄想の仲の母の視線を恐れ、そこから逃れることだけを考え、演技に没頭し、最後には誰の視線にも晒されないところまで行ってしまった。狂気だ。精神を病んでいる茉莉子の内面に分け入る、最初から最後まで密度の濃い作品は読んでいて疲れるし、早く抜け出したかった。でも、途中で投げ出せない吸引力はさすが。
が「ナイス!」と言っています。
ガブリエル
乙川作品は海外文学のような佇まいと、洗練された文章が好きで欠かさず読んできたが、今回は私の心持ちがそうさせるのか、設定にも文体にも心を寄せられず冷めた思いで読む。東京で不動産業を営み寡作の作家でもある男と、塩尻・奈良井の漆工の女の10年以上に及ぶ関係。男が女にポルシェを買い与えたり、諏訪の温泉宿に優雅に長逗留したりと、裕福な男の家庭をほっぽり出しての不倫関係に白ける。小市民である読者のこんな感情を作者は先刻承知で、そんな読者を断罪する言葉を男に吐かせる。そんな作者の有り様が気になり出したら引き時かな。
が「ナイス!」と言っています。
ガブリエル
警視庁監査ファイルシリーズ第4弾。 生活安全部少年事件課の警部補がマル暴に捜査情報を流しているという密告を受けて始まる事前監察。佐良、水口と共に監察にあたる若手警官・毛利もまた、自らの過去をきっかけの屈託を抱えていた。 トー横キッズ、脱法薬物、トクリュウ、少年少女の絶望などの社会問題も絡め、毛利の成長をも描くジンイチの監察ファイル。 全体的に暗く救いがない雰囲気の中進む展開に、読んでいて気が滅入る。その中で、最後に死のうとする者たちに語りかける毛利の言葉が救いだった。 シリーズ次作での毛利の活躍に期待。
が「ナイス!」と言っています。
ガブリエル
面白かった〜!筋トレの方法論やドーピングの現実など見どころもありながら、アイドルのドーピング疑惑という本来の謎も思わぬ展開になっていき失速しない。主人公の松村が妙に真面目なところがクスっと笑いを誘い、“ユーモアミステリ”と審査員が呼ぶのも頷ける。江戸川乱歩賞というともっとガチなミステリを期待しがちだけど、そんなこと気にならないほど面白く最後まで読み切った。ジムへの潜入取材を通して筋肉質になった松村が仕事への取り組み方も変化させていく成長譚にもなっているのも清々しい。次作にも期待します。
が「ナイス!」と言っています。
ガブリエル
登場人物の設定が実在する棋士をトレースしている。上州九段はあの棋士、源八冠はあの棋士、速水九段はあの棋士、華山九段はあの棋士などなど想像するのも面白い。”中年の星“田中八段が令和の覇者・源八冠に挑む聖王戦を軸に進むこの作品、圧倒的強さを誇る王者が悪手を指す第3局のあの場面、ちょっとうまくいきすぎじゃない?設定が現実に近すぎるだけにご都合主義の展開に興醒め。そこに源の目の秘密まで盛り込んでなんだかな〜って感じ。この展開にしたいならここまで現実に寄せなくてもよかったんじゃないかという感想。
が「ナイス!」と言っています。
ガブリエル
スピリチュアルだけどそこがメインじゃなくて、古き良き下町を描いている。窮屈で面倒臭いと敬遠した結果崩壊寸前の下町的なるもの。それが持つ大きな力。例えば「清濁」に登場する新さんのような人を抱合する懐の深さ。都会の人が身軽さと引き換えに失った大事なものを書き留めておこうという試み。懐かしさと寂しさを感じながら読んだ。「大人が痩せがまんしてでもちゃんと大人だと、子どももちゃんと子どもでいられるのです」という言葉には納得しかない。今の世の中“子ども大人”が多すぎて、子どもが子どもでいられない時代だと思うから。
が「ナイス!」と言っています。
ガブリエル
二・二六事件を描く小説はつい読んでしまう。 この事変を題材にする作品は、どこに(誰に)焦点を当てて描くかで趣がガラリと変わり、その度にそんなこともあったのかと興味が増していく。 この作品、山口大尉が本当に魅力的。一人一人は非力でも、小さな水滴の一つとして声を上げていけば、いつか水滴は岩を穿つという終盤の軍曹とのやりとりは胸熱だった。 諦めてはいけない、声を上げても無駄だと嘯いて白けている場合ではない。迂遠であっても、正しいと信じることを求めていくのだというメッセージを感じました。 いい作品でした。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/10/28(3686日経過)
記録初日
2014/01/10(3977日経過)
読んだ本
1411冊(1日平均0.35冊)
読んだページ
436621ページ(1日平均109ページ)
感想・レビュー
1328件(投稿率94.1%)
本棚
33棚
性別
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