読書メーター KADOKAWA Group

2024年3月の読書メーターまとめ

dubonnet
読んだ本
10
読んだページ
2375ページ
感想・レビュー
10
ナイス
955ナイス

2024年3月に読んだ本
10

2024年3月のお気に入られ登録
3

  • 轟直人
  • タンジール
  • yu.ボビー

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

dubonnet
読み終えると自立した聡明であるこのヒロインが一番恵まれているのではないか気付く。柵(しがらみ)に縛られない自由は孤独をも癒し離婚経験者というのも枷になるどころか寧ろもてる要素にもなるのかと。結婚ビジネスの不文律の事情が面白く、お仕着せのルールは軽侮したくもなる一方で香織が結婚相手を探す事情はヒロインに比べ切実で恋愛をスルーして配偶者探しも理解できた。各章にふってあるタイトルの言葉が綺麗。家族や孤独、妊娠出産。現実的な問題が影を落とすけど由井くんとの恋愛だけは純粋無垢な薫りを漂わせていて心地良かった。
salah
2024/03/07 07:25

ほんと!ウエディングベールとブーケのように見えるね。ほんとdubonnetさんはうっとりするようなレビュー書くなあとあらためて思いました♡

dubonnet
2024/03/07 12:22

salahさん、そう?褒めてくれてありがとう❤️由井くんと上手くいくといいね。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

dubonnet

「マリエ」の感想を少し直しました。和歌山へ初めて旅してきました。お天気に恵まれましたが世界遺産の霊場は広すぎて健脚でも時間が足りず回りきれないくらい。スピリチュアルな英気を養いまた元気に働きます。

「マリエ」の感想を少し直しました。和歌山へ初めて旅してきました。お天気に恵まれましたが世界遺産の霊場は広すぎて健脚でも時間が足りず回りきれないくらい。スピリチュアルな英気を養いまた元気に働きます。
dubonnet
2024/03/07 00:06

Tomoさん、確かに似てるかも(笑)。熊野那智神社だよ、パワーをもらえますように🙏

dubonnet
2024/03/07 01:21

熊野那智大社でした(;´∀`)

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
10

dubonnet
陽光溢れる(まやかしの)初夏のような午後に頁を捲る。クロード・モネが半生を過ごしたジヴェルニーの自宅の庭。著者が訪れた写真の中の庭園は目にも芳しく美しい。アイリス、バラ、ライラック…そして睡蓮。絵画が売れるようになり富を得て移り住んだノルマンディー地方の食のレシピ。春の庭の色彩のように食卓もまた豊潤な色をなす。財を成し名声を得た芸術家の美食というよりは素朴で牧歌的、謂うなればちょっと食いしん坊さんのレシピ。季節のフルーツにスイーツ、野菜がふんだんに入ってる家族と共に過ごす庭園の食卓は生活の美で溢れている。
が「ナイス!」と言っています。
dubonnet
身体中が粟立つのは恐怖からか、または高揚感か。アダンの脱獄によって養蜂家ケラー、もとい眠れる獅子が再び目覚めてしまった。宿怨アダンに対峙するはケラー、アギラル、ベラ。性質の全く異なる三人の共通項は強い士気と執念だった。しかし彼らの秘めたる本懐はそれぞれ別の所にあるよう。アダン他三巨頭と湾岸カルテルの凄惨たる暴力と謀略による勢力争いに警察など公安としての機能はなく収監される刑務所ですらアダン貴方寧ろシャバよりも自由で安全だったのではと苦笑してしまう。マグダが好き。地頭が良く囲われるだけの女に納まらない所が。
が「ナイス!」と言っています。
dubonnet
哀しみをたたえた瞳、絶望で命の灯が消えゆく魂、怒りで呪いをかけようとする眼光光る眼差し。薄幸で哀しい運命に翻弄される女達、ファムファタルは透き通ったような乳白色の肌に視覚的効果も相まって見る者を拐かしその背景にある物語に想いを馳せてしまう。通俗的というと確かに響きは良くないけど普遍的な人気を誇る物語の想像力を養う上で一役買っているという点は頷ける。シェークスピアのオフィーリアやアーサー物語のシャロットの姫は有名だけどとりわけ《ヒュラスとニンフたち》が好き。彼女達の瞳、あどけないのに臈長けていて反則だろう。
Vakira
2024/03/24 08:33

臈長ける!!この単語、知らなかったッス。調べて判りました。一つ利口になりました。レビューありがとうございます m(_ _)m

dubonnet
2024/03/24 16:25

ヴァキラさん、コメントをいただき改めて私も調べてみました(笑)。大江健三郎の「臈たしアナベルリィ…」の「臈たし」は幼く可愛らしい意味ですが、この「臈長ける」はどちらかというと大人の魅力的な意味合いがあるようで後者の方で使いました。ニンフ達が出てくるこの絵画、あどけないのに大人の色気というか妖気で溢れてますよね。

が「ナイス!」と言っています。
dubonnet
人ではなく場所が人を選ぶってあるのかな。生と死、絶望と希望。そして愚かな人間達を優しい眼差しで見つめるこの世のものではない何者かたち。相対する存在があるから人生はいつだって小さな物語になる。愛し合う二人のアルペジオが聴こえてくるような「ハープと自転車のためのソナタ」と第二の人生…水車小屋でのケーキ屋を始める「ワトキン、コンマ」が特に好き。ポルターガイスト現象的な出来事。怖さは不思議となくゴーストは非業な死を遂げたとしてもなお現世で生き抜く人間を支え続けている。生きる希望となる暗闇に差す一筋の小さな光。
dubonnet
2024/03/20 07:09

「もしかしたら、今あなたが閉じこめられているこのおかしな形の部屋は、人生のコンマみたいなものではないでしょうか?」「コンマ?コンマでも、小休止でも、別々の考えのあいだにある、束の間の休憩時間でもいい。一息ついて、考え直し、まわりを見回して、なにか新しいことが訪れるのを待つ時間のことです。」《ワトキン、コンマ》より。

が「ナイス!」と言っています。
dubonnet
愛の逃避行と容易く呼べない不穏さが二人の間に漂っていて家の元主の登場、先住の名残がそのまま不安へ、また恐怖や嫉妬という感情と共に渦巻いているのを感じとる。寧ろト書きは感情を排していてミニマム、殺風景といっても良い…そんな文字の余白に過去から未来の不自由さが窮屈におさまっている。「男」は過去そのもののようだった。「寂しくなったら電話して」。ノルウェーの西海岸のニーノルシュクという特殊な書き言葉が意図的に使われているらしい。日本語の翻訳でその作風が維持されているか定かではないがユニークな試みであると思った。
dubonnet
2024/03/18 15:19

昔何度も見た怖い夢を思い出した。窓の外には男の人が立っていて部屋の様子を窺っている。追い払おうとしても声が出ない。こちらに気付いても超然と構えていて動こうとしない。薄ら笑いを浮かべしまいには哄笑するのだ。悪夢を思い起こす。モノクローム、正面から見据えて一対一の対話。カメラは定点、小津の作風というのもイメージ的に腑におちる。

が「ナイス!」と言っています。
dubonnet
馥郁とした薫りが漂ってくる様な一冊である。小説を形作る印象的な会話の一場面、そこに置かれた一皿がイギリス在住歴のある文学、郷土料理、お菓子作りに造詣の深い著者による解説により俄に物語に彩度が増す…クリスティファン垂涎の書、歴史文化に触れながら食いしん坊の食指が動く内容として広く読者に楽しめるものとなっている。著者の物語を深読みしがちな文学好きの一面がチャーミングで、強いて残念な事といえば肝心の読者(私)が未読が多い事で、これから読破しながらこちらを再読し出直す決意を今しがた固めたところであります、はい。
dubonnet
2024/03/15 23:48

それにしても食事の延長のようなスイーツ、スイーツの代わりの食事。アフタヌーンティーにしろハイティーにしろ甘めな軽食が美しくテーブルセッティングも相まってとても魅力的に映る。メモ。「スタイルズ荘の怪事件」のココア。「シタフォードの秘密」のコーヒーケーキ。「牧師館の殺人」のヨークシャープディング

が「ナイス!」と言っています。
dubonnet
夫婦は所詮他人同士の寄せ集まりでどんなに愛しあっていても完全に理解し合うことはできないのかも。そして意識的であれ無意識的であれ人は幾つになっても忘れることのない過去に囚われて生きているのだと云うこと。人生がその人の人格を司り影響を及ぼす。前夫ウィリアムの良い所も悪い所も含め丸ごと抱きしめる。その理解し難い一面すら憐憫の情とあいまってルーシーと読者にある種の一体感が生まれるのだ。一緒に旅をする過程で感嘆と嘆息が交互に漏れる。「ああ、ウィリアム!」と。終わる頃には似た者同士に映った二人が優しい余韻を残した。
アン
2024/03/15 10:56

dubonnetさん、共読となり、素敵なレビューを読めて嬉しいです♡ルーシーはウィリアムを「丸ごと抱きしめる」…ほんとに。タイトルにこめられた想いが、優しく切なく心に響きます。

dubonnet
2024/03/15 11:47

アンさん、共読うれしいです。ルーシーは歳を重ねて時間が前夫ウィリアムへの理解が深めたように思えましたが、読み進めていくと彼が不遇な子供時代を過ごしたことが極貧だったルーシーの生い立ちに重ねたことによる共感…が大きかったように思います。ストラウトの小説は優しいですね。

が「ナイス!」と言っています。
dubonnet
優しき人とは強い人。ジョエルの正義感が仇となって自らを窮地に追い込んでしまい、救うアダムの持ち前のタフさは限りなく楽観的でポジティブにも映るけれど、彼の出自からくる影響もあるのかと思うとなんだか複雑な気持ちにも。お家騒動も収まり勧善懲悪の大団円に思えるけれど、強国を願うがゆえ、愛国心ゆえの好戦的な態度や内戦や謀反があったりと作者も云うところの「歴史は続く」。いつの時代も変わらないんだなと。ジョエルの後半の積極的さが砂を吐くような甘さに満ちていて顔のニヤニヤが止まりませんでした。
が「ナイス!」と言っています。
dubonnet
「外科室」での夫人と青年医師。「天守物語」の妖姫と武士。超現実世界の中の恋愛至上の物語はいつも女は神々しいまでに妖しく美しくそして高潔なのだ。下界には男が魑魅魍魎で美しい幽玄な世界にとりつかれる。とりわけ「化鳥」が好き。幼いながらに矛盾を抱えながら現実よりも幻想の世界に寧ろ真実を見出だし、その真実は母と子の間で公然たる秘密で在り続け清く優しく正しく心を支え続けた。その物語は鏡花にとっての若くして亡くなった母への思慕を思わせる。「高桟敷」も良かった。蛇はおぞましくも妖しに精を与えるのだ。鮮やかなまでに。
が「ナイス!」と言っています。
dubonnet
読み終えると自立した聡明であるこのヒロインが一番恵まれているのではないか気付く。柵(しがらみ)に縛られない自由は孤独をも癒し離婚経験者というのも枷になるどころか寧ろもてる要素にもなるのかと。結婚ビジネスの不文律の事情が面白く、お仕着せのルールは軽侮したくもなる一方で香織が結婚相手を探す事情はヒロインに比べ切実で恋愛をスルーして配偶者探しも理解できた。各章にふってあるタイトルの言葉が綺麗。家族や孤独、妊娠出産。現実的な問題が影を落とすけど由井くんとの恋愛だけは純粋無垢な薫りを漂わせていて心地良かった。
salah
2024/03/07 07:25

ほんと!ウエディングベールとブーケのように見えるね。ほんとdubonnetさんはうっとりするようなレビュー書くなあとあらためて思いました♡

dubonnet
2024/03/07 12:22

salahさん、そう?褒めてくれてありがとう❤️由井くんと上手くいくといいね。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/12/01(3429日経過)
記録初日
2014/11/09(3451日経過)
読んだ本
1672冊(1日平均0.48冊)
読んだページ
427345ページ(1日平均123ページ)
感想・レビュー
1642件(投稿率98.2%)
本棚
78棚
性別
自己紹介

丁寧に読む。感想もきちんと。
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………















…デュボネと読みます。

…乱読です。コミックから純文学まで。

…時々BLも読みます、ご注意下さいませ。18禁あり未成年の方からの登録はご遠慮願います。












…好きな本の感じ方や選書の傾向が似ている方を中心にフォローしています。読書を心から楽しんでいる、そんな読者さんを追いかけたいです。

「ナイス」は交流がある方、いつもナイスやコメントなどの往来がある方と、もしくは「ナイス!」と思ったレビューだけ。
なるべく投稿もコメントもチェックしたい考えですが、忙しいとまめではありません。他意はありません。





…当たり前のことなのですがお気に入りに登録するのは「ちゃんと読書している方」です。何やら一方的なつぶやきばかりの方、どうもちゃんと読まれてない方、先方からの登録にもかかわらず交流を持たない方、感想を更新されない方の登録の見直しも少し考えてます。


…皆さんの感想を読むのも愉しみのひとつ。

…メロウな外面(温かく落ち着いた交流のできる大人な方)で気合いの読書をしている方が好きです。




…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………





…仕事上読む本はカウントしておりません。 
…感想の流用、転載お断りします。

…アイコンはノーコピーライトガールからのフリー「疑いの目」














読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう