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2024年3月の読書メーターまとめ

驢馬山人
読んだ本
8
読んだページ
2027ページ
感想・レビュー
5
ナイス
33ナイス

2024年3月に読んだ本
8

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

驢馬山人
1984(1960). 網野善彦解説。『柳田国男・民俗の記述』との併読が理解を深める。「文字をもつ伝承者」について明治40年生まれの宮本自身が「明治二十年以後に生まれた人々になると、古い伝承に自分の解釈が加わって来はじめる」と書いているのがポイント。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
5

驢馬山人
1942. 1898、神奈川県厚木の小地主の長男として生まれ、早稲田大学を卒業したのち故郷で近代の老農的存在を目指すかのように、農業と村落生活をめぐる著書を多く残した。部落という単位の成り立ちと、五人組や「家」などの単位、百姓的時間感覚など、いわば「伝統」に根差した要素を記録するとともに、近世〜近代老農たちの農村共同体の改善の取り組みや昭和・戦時下の産業組合や生活改善運動について、農村当事者(地主)に近い目線からの記述が興味深い。山川菊栄による同じ神奈川県下の同時代記録と併読。
が「ナイス!」と言っています。
驢馬山人
1983(1943). 鹿野政直解説。1936に現在の藤沢駅を最寄りとする村岡村に移り住んで農畜産業に従事しながら分筆活動を行った山川菊栄が、柳田国男に請われて「女性叢書」の一冊として著した地域の民俗誌。幕末の様子を知る老人たちからの聞き取りを通じて、幕末の助郷の様子や身分、労働、晴れの日の様子が生き生きと語られ、大正ー昭和期の生活の変化が辿られる。農業と食物の変化がことに興味深く、戦時下の農村の様子も当事者の経験の視点から描かれる。『武家の女性』と並んで山川菊栄の名文を堪能できる。
が「ナイス!」と言っています。
驢馬山人
1984(1960). 網野善彦解説。『柳田国男・民俗の記述』との併読が理解を深める。「文字をもつ伝承者」について明治40年生まれの宮本自身が「明治二十年以後に生まれた人々になると、古い伝承に自分の解釈が加わって来はじめる」と書いているのがポイント。
が「ナイス!」と言っています。
驢馬山人
2000. 下剋上と喧嘩の乱世から、「百姓成立」と文治、開発からやがて「民間社会」の成立に至る17世紀、改革と統制なかで「民間社会」が厚みを増す18世紀、民間の膨張に対応しきれず公儀の権威が揺らぐなかで新たな秩序構想が模索された19世紀へ。すでに刊行から20年余りを経るが、百姓層の把握の仕方は暴力的契機に焦点を当てた近年の研究よりバランスが良いように感じる。
が「ナイス!」と言っています。
驢馬山人
2003, 近現代日本の農業,農村,農政についてのコンパクトで包括的な概説。各時代ごとに明治期の温情的地主・伊藤長次郎、大正期の意識の高い中農・市村彪、昭和恐慌下の農村青年の憤り,農地改革期の官僚たち、一農民だった著者の父など、さまざまな人々の点景が状況を生き生きと感じさせる。複合的な社会関係単位が重複し、細切れに錯綜する農地と中小地主の大量存在、家族労働力を投入する集約的な小農経営、さらに過剰人口の堆積。複雑な問題の解決が農地改革を通じて模索されながら、高度成長期の農地の資産化が農業を掘り崩した。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/12/23(3411日経過)
記録初日
2014/12/20(3414日経過)
読んだ本
415冊(1日平均0.12冊)
読んだページ
108859ページ(1日平均31ページ)
感想・レビュー
271件(投稿率65.3%)
本棚
7棚
自己紹介

常時いろいろな本を併読していますが、読み終わるものはごくわずか。読み終わることが大事というわけではないけど、読み終わるための励みになるものがあってもいいかなと、読み終わったものをメモしていきます。

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