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2024年3月の読書メーターまとめ

nobi
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感想・レビュー
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ナイス
396ナイス

2024年3月に読んだ本
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2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

nobi
地下鉄サリン事件を被害者側から見るという発想も、60人以上が語る話を聞き、記す忍耐力も、各前文の一人一人に寄せる想いも「世界を震撼させる深刻な…巨大なカタストロフ」に対峙するのに必要だったのかも知れない。事件の話が中心にしても、皆の暮らしぶり当日朝の情景が、目の前に広がってくる。その日常にこの事件が闖入したからでも無さそう。異状を感じてもやり過ごす人が多い中、助けようとして自ら被害を受けた人もいる。日本に生きる人々の姿を改めて見る思い。中でもあ行の音で意思を伝えんとする入院中の被害者との面会は、心震えた。
nobi
2024/03/14 19:58

《彼女の両目は、瞼もきちんと開いていない。でもよく見ると、その瞳の中に光が宿っていることがわかる。それは小さいけれど、とてもしっかりした輝きを放つ光だ。私が最初に気がついたのは、その紛れもない輝きだった。外見の痛々しさにもかかわらず、彼女の存在そのものが私の眼に特に痛々しく映らなかったのは、あるいはその強い光のせいかもしれない。(丸ノ内線(荻窪行き)明石志津子)》

nobi
2024/03/14 19:58

《気分がよくなかったのは、むしろ警察にしつこく調べられたことですね。どうやら僕が、サリンの袋を置いた人間じゃないかと疑われたようです。…。それでうちの社長も怒っちゃって。警察を怒鳴りつけたそうです。「うちの伊藤君は、人を助けて介抱して、タクシー代まで払ったんだ。そんなことするわけがないだろう!」って。(日比谷線(北千住発中目黒行き)伊藤 正)》

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
3

nobi
孤児として養育院に預けられたからか母と聖母は混然としている。チェチリアは母・聖母に語りかける、蛇頭と言葉を交わす、真夜中に教会の塔の闇の中に身を置く、ヴィヴァルディ・神父の曲を教会のバルコニーで奏でる。孤独の波間に浮かぶような、真夜中の教会の闇の中でこそふさわしい、彼女の内省的な語りは、情報が行き交う21世紀に書かれた小説とは思えない。舞台となるピエタ養育院の楽員は飛び抜けて優れた演奏で知られていたという。語りの暗さの反動でもあるかのような凄まじいまでの演奏に、当時の教会堂の聴衆と同じように惹き込まれる。
nobi
2024/03/30 13:39

《雷の中に音楽の形で入ることができたのは、アントニオ神父のヴァイオリンだけです。猛りたった独奏でした。空の神経が苛立ち、ひとつの思いにとらわれる。猛り狂うこと、震動すること、戦慄きそのものになること、それも秘密のただ中で。世界にできた亀裂、創造の源が口を開いて、光が流れでる。》

nobi
2024/03/30 13:39

空想的に見えた場面設定やチェチリアの語りは、意外なほど具体的なイメージに支えられていることが分かる。例えば彼女が**した羊の弦で取り憑かれたように即興演奏した曲は「ヴィヴァルディのヴァイオリン ・ソナタ第10番ヘ短調の前奏曲のラルゴなどを弾いたかもしれない(著者ノート)」とか。

が「ナイス!」と言っています。
nobi
9.11直後ソンタグは「空疎で間違いだらけの扇動的言辞への辛辣な批判」を米独伊の新聞で展開している。一方でテロリズムは「無実の人々に対する殺害」また「まっとうな訴えという隠れ蓑をまとっている」と弾劾する。身の危険に及びうる意見表明であると恐らく覚悟して。一貫して強調するのは“現場のリアルに接すること““常套的な言辞や単純化と闘うこと”の大切さ。9.11後はすぐにNY へ。セルビア砲撃下のサラエヴォに滞在し、疲労し切った俳優達に稽古をつけ「ゴドーを待ちながら」の蝋燭灯火下での上演にこぎつける。何て頼もしい。
nobi
2024/03/21 19:47

《どんな戦争地帯にも一度も近づいたことがなく、戦闘に与したり、爆撃のもとで生活したりするとはどんなことかこれっぽっちの考えもない、それがみえみえのアメリカやヨーロッパの知識人たちが尊大にもあの戦争(セルビアによる攻撃)について語るのを目にして、怒りを禁じえません。》

nobi
2024/03/21 19:48

《作家の職務は、精神を荒廃させる人や物事を人々が容易に信じてしまう、その傾向を阻止すること、盲信を起こさせないことだ。作家の職務は、多くの異なる主張、地域、経験が詰め込まれた世界を、ありのままに見る目を育てることだ。》

が「ナイス!」と言っています。
nobi
地下鉄サリン事件を被害者側から見るという発想も、60人以上が語る話を聞き、記す忍耐力も、各前文の一人一人に寄せる想いも「世界を震撼させる深刻な…巨大なカタストロフ」に対峙するのに必要だったのかも知れない。事件の話が中心にしても、皆の暮らしぶり当日朝の情景が、目の前に広がってくる。その日常にこの事件が闖入したからでも無さそう。異状を感じてもやり過ごす人が多い中、助けようとして自ら被害を受けた人もいる。日本に生きる人々の姿を改めて見る思い。中でもあ行の音で意思を伝えんとする入院中の被害者との面会は、心震えた。
nobi
2024/03/14 19:58

《彼女の両目は、瞼もきちんと開いていない。でもよく見ると、その瞳の中に光が宿っていることがわかる。それは小さいけれど、とてもしっかりした輝きを放つ光だ。私が最初に気がついたのは、その紛れもない輝きだった。外見の痛々しさにもかかわらず、彼女の存在そのものが私の眼に特に痛々しく映らなかったのは、あるいはその強い光のせいかもしれない。(丸ノ内線(荻窪行き)明石志津子)》

nobi
2024/03/14 19:58

《気分がよくなかったのは、むしろ警察にしつこく調べられたことですね。どうやら僕が、サリンの袋を置いた人間じゃないかと疑われたようです。…。それでうちの社長も怒っちゃって。警察を怒鳴りつけたそうです。「うちの伊藤君は、人を助けて介抱して、タクシー代まで払ったんだ。そんなことするわけがないだろう!」って。(日比谷線(北千住発中目黒行き)伊藤 正)》

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/01/01(3402日経過)
記録初日
2015/01/01(3402日経過)
読んだ本
438冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
126738ページ(1日平均37ページ)
感想・レビュー
423件(投稿率96.6%)
本棚
8棚
性別
血液型
O型
職業
技術系
自己紹介

-2015年4月-
読書メーターへの投稿が、本の読み方をこんなに変えるとは思わなかった。255文字という制限も何とも心憎い。
テンションの上がった本は、その制約の中にどうやってエッセンスを収めるか苦労するし、逆に上がらなかった本は、その理由を突き詰めてみる。

-2015年2月-
選ぶ本は、芋づる式+毎日新聞の今週の本棚+松岡正剛の千夜千冊+本屋と図書館に並ぶ本の背表紙から+最近猛然と本を読み始めた息子から差し入れのように渡される本。
こんな訳で、特に、読書メーターに入って以降の読書傾向は無いと言ってもいいような状況です。

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