"天"のスピード感は失わずに、ストーリーが展開していく第二巻。主人公の兄妹も勢揃いの第二巻。自分以外はみんな敵という風太郎物の真骨頂です。魅力的なキャラがあっさり退場していくのが風太郎物だと言えばそれまでですが、、主人公より敵役が魅力的に見えてくるのが困りもの。蠱毒の裏側も見えてきて第三巻が待たれます。

色々な事情で飼い主から離れて犬を預かる老犬ホーム、を舞台にしたお話し。主人公達もそれぞれ事情を抱えていて、決して軽い話では無いんですが、犬の可愛さで中和されているような。愛情も嫉妬も感情表現が豊かなのは犬ならでは、って感じでしょうか。

ミステリかと聞かれたらミステリ。。絵をスタートに深読み謎解きを、っていう構成は『変な家』とも通じてて単純に楽しめるのかも。意外な真相というよりは、そんな裏の意味が、、っていう驚きがウケてるんでしょうかねー。

完成度の高いモキュメンタリー。はっきり言わないで、記事だったりネットの投稿だったりインタビューだったり、、色々な所で語られていることを読者に、これは同じ事について言ってるよね、って思わせるのが上手い。章タイトルなんかも計算されていて、一昔前の2ちゃんねるの上手い釣り投稿みたいな雰囲気。調べると元々はブログ記事だったりプロフィールだったりを組み合わせたものだったようで、、リアルタイムで追ってたら相当楽しいだろうな。

数理モデルとは何でどういったことをやっているのかの基礎を簡単に解説している一冊。数式も少しだけ出てきますが、、理系の学部生くらいなら流し読みできるレベルでしょうか。手を動かす本では無いので、初学者がなんとなく全体をサラッと抑えたい時にはいい感じです。AIとかデータ分析はツール化されてて、中を知らなくても使えてしまうけど、自分以外に向けて話すなら最低でもこれくらいは語れるようになっておきたい。

ディズニーランドを日本に招致した堀貞一郎と、その師匠とも言える小谷正一の物語。ディズニーの裏話だけでも凄いのに、電通立ち上げてたり、大阪万博だったり、、エピソードが濃過ぎです。少しだけ出てくるような登場人物も凄い。大阪万博の出演者にブレーンを依頼された三島由紀夫が依頼を断り、万博終了2ヶ月後にあの事件を起こしちゃうとか、、出来過ぎでしょ。。堀に対して「まだまだ」と言い続けた小谷の最後の言葉もカッコいい。。ディズニー本だと思って読まないのは勿体無い一冊でした。

障害等の問題に直面したことのある方のエッセイ。どうしたか、というよりはどうすることもできなかった、と受け入れるまでの話が多めでしょうか。相模原事件の受け止めとか、マイノリティの人の話はあまり触れた事が無かったので、興味深く読みました。

リモートワークの考え方を整理するために。自己効力感とか帰属意識が持ちにくい、とか、うつが発症しやすい環境だよな。と改めて認識。休憩を明確に取るポモドーロテクニックとかワーケーション、slack疲れの対策あたりは実践したい。

アサーティブな考え方を踏まえてより実践的に、シチュエーションごとの言い換え集のような感じでした。意見を言う際に、yes/noの両方に備えるのは基本として、どっちがきても大丈夫、ではなく、yesは引き出せる回答を用意しつつ、noであっても払拭する二の矢を用意しておく、みたいな。クローズドな質問→二者択一→オープンな質問→しりとり式で深掘り、ってのはシンプルながら強力な気がする。

ルールを作る時の失敗が具体例を元に書かれていて、作ることの難しさや、どうすれば良かったのかをざっくり学べる。文章が平易で読みやすいし、きちんとした論拠が示されてるので納得感がある。グループでのブレストは無意味どころか逆効果なのか、、実感はあったけど20年以上前から言われてたんだなあ。。

人間の言い方、受け止め方には違いがあり、「それらはあってもよいこと」、ってのは、結構忘れがちで、、勝手に相手も普通は同じように考えるだろ、ってやってしまう。反省。思い通りにならないときに苛立つのは当然、ってのも、自分は苛立ちたくないなぁ。。くらいの考えしかなかったけど、違う考えであって当然、って前提に立てば、思い通りにならないのが普通なんだよなー

「天ぷら」はもともとポルトガル語、なんてのは語学あるあるになっちゃってますが、、学術的にどのように文化が伝播し、言葉と料理が変化していったのかを説明されるとこんなに面白かったのか、と改めて気付かされました。言語学的なアプローチやコンピュータによる解析なんかも取り入れています。ケチャップも良い。。原題が『THE LANGUAGE OF FOOD』なのになぜこの邦題になったんだ。

"天"のスピード感は失わずに、ストーリーが展開していく第二巻。主人公の兄妹も勢揃いの第二巻。自分以外はみんな敵という風太郎物の真骨頂です。魅力的なキャラがあっさり退場していくのが風太郎物だと言えばそれまでですが、、主人公より敵役が魅力的に見えてくるのが困りもの。蠱毒の裏側も見えてきて第三巻が待たれます。

"自分はどうしたいのか"、"相手と共有すべき事実は？"、"とりあえず1つは提案を(YES/NOのどちらも準備して)"の3つは、意識したい。「◯◯して当然だ」「◯◯すべきだ」から「そうするに越したことはないけれど、必ずしもそうではないのではないか。」は無理です。中の人変わってない？

日常の謎とも言えないようなふとした疑問が、文学知識に裏打ちされた思索からどんどん展開されていくのが楽しい。物語を作る際の調査過程を垣間見ることができた気になる一冊。

鬱と付き合って生きている人たちが書いた鬱と本のエッセイ集。少し回復した時に読んだ本や、鬱の時の心を表現したとしか思えない本など、紹介されている本も様々。ほんとにヤバい時は本なんて読めない、ってのは共通ですねー。