【ホーソーン・ホロヴィッツシリーズ第4弾】今回はアンソニーが脚本を手掛けた舞台公演を酷評した劇評家が殺害されるが、状況証拠によってアンソニー自身が拘束されることになり窮地に陥るが…。今回はソメイヨシノだが、何かしら日本に関するトピックを織り込んでくれることに毎回親近感を与えてくれる。それにしても、シリーズが進むにつれてレベルが上っていくような稀有なシリーズであることを再認識した。この作品も今年のミステリランキングの上位に位置することは間違いないと思う。★★★★★

【ホーソーン・ホロヴィッツシリーズ第4弾】今回はアンソニーが脚本を手掛けた舞台公演を酷評した劇評家が殺害されるが、状況証拠によってアンソニー自身が拘束されることになり窮地に陥るが…。今回はソメイヨシノだが、何かしら日本に関するトピックを織り込んでくれることに毎回親近感を与えてくれる。それにしても、シリーズが進むにつれてレベルが上っていくような稀有なシリーズであることを再認識した。この作品も今年のミステリランキングの上位に位置することは間違いないと思う。★★★★★

【隠蔽捜査短編集】隠蔽捜査シリーズの周辺メンバー7人の視点で描かれる短編集。それぞれのメンバーが苦境になった時に頼るのは原理原則を徹底し、ブレない竜崎。その竜崎が一刀両断に状況を打開する構図が何とも爽快。仕事が立て込んで気持ちに余裕がない状態だったので、パワーをチャージできたのがありがたい。★★★★★

【23年を代表する短編ミステリ集】プロの読み手が選んだ23年を代表するミステリ短編集。いつものことだが、どの作品もレベルが高く、ハズレがない。初めて読む作家の作品に出会えることも楽しみの一つ。今年は本格ミステリの「ディオニソス計画」がお気に入り。日本推理作家協会賞受賞したのも納得の出来栄え。★★★★☆

【着地予測不能なサスペンス】卒業間近の高校生たちが泥酔して道路を逆走したため、3人の死傷事故が発生し、そのうちの1人が罪を被り20年服役することになるが…。イヤミスのようなテイストで出所したメーガンが仲間5人に服役に際しての条件履行を迫ったため、お互い疑心暗鬼になり、人間関係が崩壊していくさまに引き込まれるが、肩透かしのようなクロージングに物足りなさを感じる。★★★☆☆

【ベルリンと小樽が舞台のアクションミステリ】舞台は80年代後半の西ベルリンから始まる。ココム違反で現地対応に奔走していたドイツ駐在員の神崎は上司が殺害された事件の犯人とされ、西ベルリン警察に追われることに…。ミステリと冒険小説をうまく融合した作品だが、陰鬱なベルリンと雨の小樽の情景描写が印象的で、叙情的なストーリーを際立たせている。オチはおおよそ予想がつくが、それでもラストの締め方は秀逸。★★★★☆

【エーレンデュル・シリーズ番外編】エーレンデュルが不在のため、これまで脇役だった同僚のエリンボルクが殺人事件を追うことに…。孤高感だたようエーレンデュルとは違い、趣味の料理やエリンボルクの家庭事情が垣間見える展開は新鮮。レイプ被害者の苦悩や犯行動機のやるせなさを社会派ミステリとして丹念に描くさまは相変わらず素晴らしい。次作はシグルデュル＝オーリをメインに据えるとのことで、どうなるのか楽しみ。それにしてもエーレンデュルはいつ過去と決着をつけて戻ってくるのだろうか？★★★★☆