アラン亡き後、ピュントシリーズの続編を新進気鋭の若手作家に書かせることに。アランの元編集者だったスーザンが、再びこの作品の担当となる。この作家、大ベストセラー作家の祖母を持ち、（本人曰く）暴君のこの祖母と少年期をマーブル館で過ごす。例によって、新たに書かれる小説もこのマーブル館時代を下敷きにしているようで……。今回は、作中作を小出しにして、スーザンと同じようにこの先どうなる？と、興味をつなぐあたり、心憎し。いろんな人がいろんな見方をして、さて、実際のとこどうなん？というところで下巻に続く。

アラン亡き後、ピュントシリーズの続編を新進気鋭の若手作家に書かせることに。アランの元編集者だったスーザンが、再びこの作品の担当となる。この作家、大ベストセラー作家の祖母を持ち、（本人曰く）暴君のこの祖母と少年期をマーブル館で過ごす。例によって、新たに書かれる小説もこのマーブル館時代を下敷きにしているようで……。今回は、作中作を小出しにして、スーザンと同じようにこの先どうなる？と、興味をつなぐあたり、心憎し。いろんな人がいろんな見方をして、さて、実際のとこどうなん？というところで下巻に続く。

親しい従姉が亡くなり、事件を疑う高文の目線の「探偵パート」と殺人者の独白らしい「犯人パート」が交互に語られる。倒叙ものかと思いきや、そんな一筋縄でいくはずもなく。何を書いてもネタバレになりそうなので、とりあえず読んでください。読了した後に記述を確認したくなる、端正な本格物です。

タイトルどおり、古き良き英国ミステリ。ちょい古臭いと感じる向きもあるかもしれないが、こちとらは大好物である。中でも、クリスピンの「きみが執筆で忙しいのはわかってるけれど、ちょっとお邪魔してもかまわないだろうって思ったんだ」（長い！）が他にはない雰囲気で良い。このシチュエーションが身につまされるということもある。「本にまつわるミステリ」集としては秀逸だと思うが、それを「ビブリオミステリ」と言ってしまうとなんだか違う感じ。英語話者だとこの違和感はないんでしょうね。