主人公のダニエルが追い求める謎の作家フリアンの人生が、ダニエルの人生と重なりを見せながら明らかになっていくなか、ダニエルの人生が展開していく。バルセロナの街の雰囲気を色濃く映し出しながら物語が流れていく、とても印象的な物語でした。

このシリーズも１８冊目になります。歴史上の噂話を枕に現在の事件を展開する手法ですが、今回はその噂話が第二次大戦末期に日本の山下大将がフィリピンに隠したとされる金塊についてです。その秘密がビットコインを通じて世界経済を支配しようとする野望とも重なって物語が展開します。日本の公安調査庁の女性エージェントやなんと上皇陛下まで登場しますが、現在の日本との関わりは最低限という感じでした。伏線回収という点ではいささか不満が残る結末でした。

シリーズ３作目は、第１作目と２作目の背後にある事実を繋ぐような作品です。ここまで絡み合うと作られた物語感が拭えませんが、ストーリー展開にはグイグイと引き込まれて、一気に読ませてもらいました。

風の影２作目は１作目にもまして幻想的です。どこへ連れて行かれるのだろうかという気持ちで読んできましたが、作者の掌に操られてその場その場を味わっていくという読み方のほうが良い作品だと思います。ここで蒔かれた種が３作目、４作目でどう関係していくのか興味がありますが、先入観は持たない方がいいですね。

風の影シリーズ２作目は、１作目の主人公のお爺さんとお父さんの時代です。１作目と同じく主人公が追う過去が主人公に重なりを見せつつ話しが進んでいます。

今回はかなり抽象的です。数の性質ではなく、そのような性質を持つものは何かというアプローチから環や体の概念に進みます。最終章のデデキントの切断は、実数の連続性の話しででてくるものですが、有理数には切断面のどちらにも有理数がないケースがあるのに実数では必ずどちらかに実数があるという、数直線ではイメージできないことが、概念的に証明できてしまうんですすね。

主人公のダニエルが追い求める謎の作家フリアンの人生が、ダニエルの人生と重なりを見せながら明らかになっていくなか、ダニエルの人生が展開していく。バルセロナの街の雰囲気を色濃く映し出しながら物語が流れていく、とても印象的な物語でした。

２０冊目はカナダです。英国との繋がりが強かったこととフランス系住民の存在がアメリカとは異なる道を歩ませたのでしょうかね？温暖化の影響で、今後より注目される可能性が高いと思うので、動きを注視したい国です。